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■■聖剣・サガシリーズ妄想小説スレ■■

1 :なまえをいれてください:2001/05/10(木) 12:50
前スレがお亡くなりになったので、新しく立て直しました。
再びいろんないやんな妄想きぼーん。

前スレ
■■ロマサガ・聖剣シリーズ妄想小説スレ■■
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi?bbs=famicom&key=986202127
*まだhtml化されていません。

99 :エスカデ女主人公:2001/06/13(水) 20:30
コロナは口うるさい。あれやこれやって、言ってくるんだもん。俺たちがこんな風に
しゃべってても、やっぱりエスカデは会話にはいってくる事はなかった。
「あ。お風呂見てこなくちゃ」
急に思い出して、コロナは小走りにお風呂の方へと向かう。
「お風呂わいたよー」
しばらくして、コロナがぱたぱたと足音をさせてやってきた。なんとなく顔を見合わ
せる俺たち。
「じゃあ、エスカデ先に入っててくれる? あなたが着れそうな服も探しておくから」
「……いいのか…?」
エスカデはいささか驚いたようで、顔をあげてエレナを見た。…エレナってお客を大
切にするから、こーゆー事当たり前なんだけどね。
「いいのよ。さっさと入っちゃって、さっぱりしてきちゃってよ」
「……しかし…」
「いいから。さぁ、入った入った」
半ば強引な感じで、エレナをエスカデを椅子から立ち上がらせると、背中を押すよう
に風呂場へとエスカデを案内する。
風呂場のドアが閉じると、オレとコロナを顔を見合わせた。
「…随分無愛想だな…。あのエスカデって男」
「瑠璃君以上よね」
コロナは肩をすくめてそう言った。やがて、エレナはお風呂場から戻ってきた。
「ごめんね。でも起きててくれて助かったわ」
「ううん。別にそれはかまわないよ」
オレもコロナと同意見だったので、うんうんうなずいた。
「あなたたちもお風呂入る?」
「いいよ。エレナ入ってよ」
オレ達は別に毎日お風呂入ってるワケじゃない。不潔だなんて思うなよ。普通の家に
お風呂がついてるってだけでもじゅーぶん贅沢なんだから。それに、お風呂に使う水だ
って入れるの大変なんだから。
「でも、せっかく沸かしたんだから、あったまりたいじゃない? なんなら、みんなで
一緒に入ろうか?」

100 :エスカデ女主人公:2001/06/13(水) 20:33

「ばっ、バカ言うなよ!」
オレは自分でも赤くなってるってわかった。…本当は入りたいけど、やっぱりオレも
男だもん! ……でも、オレは実はエレナの胸はけっこうデカいって知っている…。何
で知ってるかっていうと…その…、みんなで一緒に寝た時に…ちょっと…。
腕組んでそっぽ向くオレを、エレナはくすくす笑って見ていた…。……ちぇ…。
「でも、本当に良いのよ? そう毎日入れるものじゃないじゃない、お風呂って」
「…じゃあ、オレ達、エレナの後で入るよ。エレナ先入ってよ」
「あら、あなたたちこそ早く入って早く寝た方が良いんじゃないの?」
「いいの! エレナ先入ってよ! 風邪ひいたら大変じゃんか」
「あら、ありがとう。じゃあ、そうさせてもらおうかな。…っと、いけない、服を探し
てこなくっちゃ」
ころころと笑っていたエレナだけど、我にかえると、2階へと駆け登った。
しばらく、2階でなんかごそごそやってたみたいけど、なにか手に持って降りてきた。
…服、ちょうど良いの見つかったのかな…。
エレナはその服を持ってお風呂場に行ってたけど、戻ってきてそこの椅子に腰掛けた。
「ねぇ、エレナ、今度はどこまで行ってたの?」
コロナがたぶん、さっきからずっと聞きたかった事をやっと口にした。コロナが言わ
なかったら、オレが言うセリフだった。
「フィーグ雪原って知ってる? すっごい寒い所」
「あそこまで行ってたの!」
「そうなのよ。ちょっと遠出してみようって思ったんだけどねー」
エレナの冒険談はいつも面白いものばかり。全部話してくれてるわけじゃないのはわ
かってるけど、それでもわくわくさせるほど、面白いんだ。
「それで? それでどうなったの?」
「その雪女が言うにはね…」
バタン。
お風呂場のドアが開いて、エスカデが姿を現した。はいてるズボンがちょっと窮屈そ
うだった。

101 :エスカデ女主人公:2001/06/13(水) 20:35

「あら、あがったのね…。……やっぱりそれ、あなたにはキツかったかぁ…」
エレナは話すのを止めて、苦笑しながらエスカデに近づいて行く。
「いや…。借りてるのは俺の方だしな…」
「でも、今夜はガマンしてもらうしかないわね。明日には服も乾くと思うけど…」
「すまないな…」
「良いのよ。それくらい。じゃ、次は私が入らせてもらうわね」
エレナはオレたちを一瞥して、さっさと用意すると、風呂場に入ってしまった。
風呂場のドアがパタンと閉まると、なんとなく、気まずい空気が流れる。オレとコロ
ナは無言で「どうしようか」と目で会話してると、エスカデは無口なまま歩きだして、
暖炉の近くの椅子に腰掛けた。そして、濡れた髪の毛を乾かそうとしてるみたいだ。
「あ、あの、お茶いります?」
コロナが気を使ってエスカデに話しかける。
「いや、いい」
「あ…、そ、そうですか…」
と、とりつくシマがないよ…。
しばらく全員無言で、暖炉の火のはぜる音しかしなかった。
「…そういえば…」
沈黙をやぶったのは、意外にもエスカデからだった。
「お前達、いつごろからエレナの家にいるんだ?」
「え…? …いつからだっけ…?」
「確か、半年はもう経つわよ」
「…あれ、そんくらいしか経ってなかったっけ?」
「………………」
オレがそう言うと、コロナも自信なさげになって黙り込んだ。
「…じゃあ、けっこういるんだな」
「え、ええ…。ところで、エスカデさん」
「エスカデでいい」
「あの……エスカデ…。…そのぅ…エレナと冒険してるみたいですけど、その付き合い
って、長いんですか?」

102 :エスカデ女主人公:2001/06/13(水) 20:37
そうなのだ。冒険談をオレたちによく話してくれるエレナだけど、エスカデの話は聞
いた事がなかったのだ。
「…そうだな…。俺もいつごろからヤツに付き合い始めてるか覚えてないんでな。まぁ
…、そろそろ半年にはなるんじゃないかな」
半年も! なんでエレナはエスカデの事を話してくれなかったんだろう?
オレはそっちの方が不思議に思った。…確かにエレナは冒険談を全部話してくれるワ
ケじゃないってのは知ってたけど…。
「…ただ、ずっとヤツと付き合ってるわけでもないんでな。知り合ってから、となると、
それくらいにはなるだろう」
「はぁー…、そうなんですか…」
何でだろう。なんでエレナはエスカデの事をオレ達に話してくれなかったんだろう。
言いたくないから? なんで言いたくないの? それとも言えない事なの? 言えない
事って、何だろう?
オレがそんな事を考えて悩んでいると、お風呂場のドアが開いた。
「あー、良いお湯だった…。バド、コロナ、どっちが先に入るの? 早く入らないとお
湯が冷めちゃうわよ」
「どうする?」
「コロナ先に入れよ」
「…わかった…」
オレがそう言うと、コロナはすぐにうなずいて、風呂に入る用意をしだした。
「こういう時のお風呂って最高よねぇ。助かったわ、お風呂の用意してくれてて」
「へへ…」
良かった。エレナ、喜んでるみたい。
お風呂上がりのエレナは、なんか色っぽい。肌がほんのり桜色に色づいてて、オレ、
なんか大好きだ。
「ねぇ、エレナ、さっきの続きは?」
「あら。コロナがいないのに話しちゃって良いの?」
「良いんだよ! ねぇ!」
「ダーメ。2度話すのは面倒くさいからイヤよ。2人が一緒にいる時に、ね」
「ちぇー」

103 :エスカデ女主人公:2001/06/13(水) 20:38

エレナは髪の毛をタオルでごしごしとふきながら、二言三言、エスカデに話しかけて
るみたいだった。相変わらず、エスカデは無愛想なんだけど…。
…オレは聞こうかどうか随分迷ったんだけど、でも、どうしても聞きたくて、思い切
って尋ねてみる事にした。
「…ねぇ、エレナ…。どうして、エスカデの事、今まで話してくんなかったの?」
「……あら…。話さなかったっけ?」
「話してもらってないよ!」
「そうだったかしら…」
「なんだお前、旅の話をしてやってるのか?」
「そうよ。旅って面白いじゃない。いろいろ面倒だけど」
エスカデが口を開いたので、答えるエレナ。
「…まぁ、その…。こんな無愛想な人の事なんて話してもつまんないじゃない」
うわ…。エレナもヒドイ事言うなぁ…。
エスカデの方はと言うと、怒る気力も失せてるらしく、あきれたように軽く息をつい
ただけだった。

コロナの後にお風呂に入り、オレ達は寝かしつけられるように、2階に運ばれた。
エレナの部屋に作った簡易ベッドがオレ達の寝所。せまいんだけど、いいかげん慣れ
ちゃったよ。
お風呂上がりは体がほかほかで、布団の中に入っても、まだ暖かかった。
階下の方では、エレナがエスカデとまだ起きているみたいで、光が消える様子はなか
った。
夜中っていうのもあるんだろうけど、エレナとエスカデがどういう事を話しているの
かよく聞き取れなかった。ただ、なにかぼそぼそと話してるんだなってのが、わかるく
らい。
何を話してるんだろう…。なんて考えながらうとうとして…、それから寝てしまった。
なんとなく、エレナがオレ達に毛布をかけ直してくれたような気がしたけど、それも
夢だったのかもしれない。

104 :エスカデ女主人公:2001/06/13(水) 20:39
次の日、エレナとエスカデは冒険に出掛けてしまったようで、朝起きたらもう2人の
姿は無かった。


それから、エスカデはけっこうこのウチに来るようになった。無愛想なのは相変わら
ずだけど、話しかけたらそれなりに答えてはくれる。エレナが言うには「子供との接し
方がわかんないんでしょ」だってさ。
気になる事はあった。
もちろん、家に遊びに来るのはエスカデだけじゃなくて、ニキータとかけっこう来る
し、エレも遊びに来る。瑠璃と真珠姫はセットで遊びに来りする。
気のせいなのかもしれない。でも、エスカデに対するエレナの態度がちょっと違うよ
うな気がするんだ…。
どこが違うのか言ってみろって言われたら、わかんないって言うしかない。明確に雰
囲気や態度を変える事、エレナはしないから。
もしかすると、エレナと似た人間だからってだけなのかもしれない。種族にこだわる
なんて事、エレナはもちろんしないけど。でも、同族ってのはどこかホッとするって言
うのはやっぱり事実だと思う。オレもそうだし。

105 :エスカデ女主人公:2001/06/13(水) 20:40
「ふー…。最近おかしいにゃ。あんなにいた草人がいなくなったんにゃ。こんなにレア
になるなら一匹ガメときゃ良かったにゃ」
遊びに来たニキータがお茶をすすりながら話していた。家の前にいた4匹にも増えた
草人もいなくなった。
「高く売れるって?」
「そうにゃ。レアになればなるほど欲しがるってのは、ヒトの心理にゃ」
「まーね。それは言えるでしょうね。それにしてもニキータ、あなたそんなにお金を集
めて何かに使うの?」
一緒にお茶を飲みながらエレナが尋ねる。
「使うとかじゃなくって、儲けるのに意義があるのにゃ」
「ふーん…。私なんかは、使ってこそお金って思うけどなー」
それはオレもそう思う。でもエレナ、あれで実はかなりお金を溜め込んでいるらしい。
よくわかんないけど。エレナってさ、どっかから高く売れそうなモンスターのヒナを持
ってきたり、お得意の武具改造で高く売ってたりしてるらしい。
「そうにゃ。さっき、そこで手に入れたんにゃ。花の種なのにゃ。なんと200ルクで
大奉仕するのにゃ!」
「何の花の種なの?」
植物栽培が趣味のエレナの事。やっぱり花の種とかには興味があるらしい。
「これにゃ」
ニキータは懐からそっと小袋を大事そうに取り出して、机の上に種をおいてみせる。
「ふーん…。空色の種ねぇ…。確かにちょっと珍しいわね」
「ちょっとどころじゃないのにゃ。これ、すごーくすごーくレアなのにゃ」
「良いわよ、ニキータ。そんなに誇張しなくっても。花の種についてなら、私の方が知
識あるんだもの」
エレナがちょっとだけ意地悪そうにそう言うと、ニキータはグッと言葉に詰まった。
「そんな種に200ルクは誰も出さないわよ。まぁ、50ルクが良いところかしらね」
「………………」
4分の1じゃないか…。相変わらずニキータってごーつくばりだなぁ…。

106 :エスカデ女主人公:2001/06/13(水) 20:41
「そうね。じゃあ、私がごちそうしたこのお茶とお茶菓子とで交換ってのはどうかしら?
ついでにお茶菓子ももう1種類くらい出すわよ」
しばらくニキータは無言でエレナを見ていたけど、フーッと息をついた。
「………やっぱりエレナは食えないにゃー」
さすがのニキータも、苦笑するしかないようで、ぱりぱりと頭をかいた。
「でも、それでも50ルクにはならないにゃ」
「それなら、ウチで夕食でも食べていってよ。今夜は思いっきり腕をふるうから」
エレナがそう言うと、ニキータもニカッとほほ笑む。ニキータもエレナが好きみたい。
やっぱり、オレの“好き”とは違うみたいだけど…。
…後で聞いたけど、あの種、実は本当にレア中のレアで2000ルクくらいするかも
って、エレナが言ってた…。実はエレナってニキータよりもごーつくばり…?


空色の種に芽が出て伸び育つ頃。エレナは前に比べてあまり旅に出る事は少なくなっ
た。
考えてみると、あの草人いなくなり事件が境になっているような気がするけど…。
それから、以前にも増してエスカデが頻繁に来るようになった。オレは内心、気が気
じゃなかったけど、エレナは他の友人達とも変わらない態度で接しているようで、ホッ
とするような、ヒヤヒヤするような、そんな気分だった。
「…エレナぁ…、なんかもうこのベッド、ダメっぽいよぉ」
オレ達が使っている簡易ベッド。本当に簡易なもんだから、ちょっとした事ですぐに
壊れるようになってきてしまったのだ。
コロナはオレの寝相が悪いからだって言うけど、オレにも言わせてもらうと、コロナ
だって決して寝相が良いワケじゃない。
「…うーん…。新しく買うしかないかしら…?」

107 :エスカデ女主人公:2001/06/13(水) 20:42
補強に補強を重ねながら、エレナが困ったようにつぶやく。
「作れない?」
「作れない事もないんだけど…。……そうね、前々からちょっと考えてたんだけど、あ
なた達の部屋を用意しようかと思ってるのよ」
「オレ達の部屋ぁ!?」
「わたし達の部屋ぁ!?」
オレとコロナの声が見事にハモった。だ、だってだって。そりゃ嬉しいけどさ、この
家って意外に広いは広いんだけど、部屋数は少ないんだぜ?
「書斎に使ってる部屋があるでしょ。あそこはどうかと思って」
「え、で、でも、じゃあ、あそこにある本はどうするの?」
「全部を移動するわけじゃないけど、地下倉庫の方へ移そうかと思ってるのよ。本って
あんまり日の光を当てるの良くないでしょ。ちょうど良いんじゃないかなとは思ってる
んだけど。どうかしら?」
オレとコロナは顔を見合わせた。別に今すぐ部屋が欲しいワケじゃなかった。エレナ
と一緒の部屋で特に不満があるわけじゃなかった。ただ、簡易ベッドをどうにかしてほ
しかっただけだけど…。でも、自分たちの部屋っていうのは、ハッキリ言って悪くなさ
そうだった。
「2段ベッドなんかどうかなって思ってるんだけど…」
2段ベッド! 確かに、2段ベッドをエレナの部屋に設置するって大変そうだなと思
った。
「でも、あなたたちだけの部屋ってまだ早いかしら?」
「う、ううん。作っても良いなら、本当に良いの?」
コロナはちょっと興奮したように言う。
「良いわよ」
「でも、エレナの書斎、なくなっちゃうよ」

108 :エスカデ女主人公:2001/06/13(水) 20:44

「だったら、上の部屋で作業やれば良いのよ。私がよく使う本は上に持って行けばいい
し、あなたたちが使いそうなのはそのままの部屋においておけばいいし、残りは地下倉
庫へ移動すれば良いじゃない」
あの書斎、本ばっかりだけど、けっこう広いスペースがある。オレもよく行くのだ。
「どう?」
「じゃ、じゃあ、お願いしても良い?」
「良いわよ。バドはどう?」
エレナはオレにも聞いてきた。オレは、コロナと一緒というのでも、自分の部屋って
いうのに、一種のあこがれをいだいてたんだ。
「お、オレも良い!」
「そう。じゃ、決まりね。ただ、すぐに移動しきれるものじゃないから、すぐにってワ
ケにはいかないけど」
「うん!」
こうして、オレ達の部屋が用意される事になったのだ。

-続く

109 :サボテン:2001/06/14(木) 00:03
ばどところなは あたらしい
おへやをもらうらしい。

ぼくもおへやがほしいな、って
こっそりつぶやいてみたけれど、
なにしろこっそりだったから
だれもきいていなかった。

しがないさぼてんには
いきるのがつらいよのなかです。

110 :ネオ・サボテン:2001/06/14(木) 00:22
さばくのまんなかが おれさまのへや

おれさまの こころのふるさと

111 :なまえをいれてください:2001/06/15(金) 12:40
あげ

112 :アナグマ:2001/06/16(土) 21:00
ま。

113 :エスカデ女主人公:2001/06/17(日) 12:54
 オレ達の2段ベッドは、町まで行って、注文して作ってもらう事になった。買うもの
は良いものを、というのがエレナのポリシーらしくって。…随分お金かかったんじゃな
いかな…。エレナは気にするなって言ってたけど。
「さぁ、じゃ。とりかかるわよ」
書斎の本を見渡して、エレナが意気込んで言った。まずは書斎を大掃除する事から始
まって。少しずつ本を移動させていく。
…エスカデは、以前よりもさらに頻繁に来るようになって、いない時の方が珍しいく
らいになってた…。
「おい、コロナぁ、それ、重いんじゃないか?」
コロナったら、あんなに無理してたくさんの本を運ぼうとしている。
「こ…これくらい…平気よ……」
ウソだぁ! あんなにヨタヨタしちゃって、あれじゃ転んじまうぞ!
オレがそう言おうと口を開きかけると、エスカデがやって来て、ひょいとコロナの本
を全部持ち上げてしまった。
「おまえは掃除の方をしろ。運ぶのは俺がやるから」
「あ…え、ええ…」
それから、エスカデはさらにオレが持っていた本とかも取って、かなりの冊数の本を
持ち上げて行ってしまった。
…確かに、ああいう力仕事は任せた方が良いかもしれない…。
「…良い人………なのかなぁ…」
エスカデが見えなくなってからオレがつぶやいた。
「…悪い人じゃないみたいだけど…」
オレ達は顔を見合わせた。

114 :エスカデ女主人公:2001/06/17(日) 12:55
ハッキリ言って力仕事はオレ達の出る幕じゃなかった。エレナとエスカデが重い本棚
や机をほいほい運んでしまうのを見てると、お呼びじゃないなーと思ってしまう。
ペットモンスター達も手伝ってくれるんだけど、いかんせん細かい仕事ができるヤツ
らってほとんどいないから、あんまり役にはたたなかった。
「っはぁー…。キレイになっちゃうモンだな!」
オレは随分モノに乏しくなった書斎を見渡して言った。こうして見ると、寂しい感じ
さえする。
「ホント。さっぱりしちゃったわねー」
エレナが笑いながら言う。
「でもまぁ、今日はこのへんにしましょうか。もう夕食にとりかからなきゃね」
暮れなずむ夕日を窓越しに眺めると、エレナはキッチンの方に向かう。
エレナの夕食作りに、オレが手伝う時もあるし、コロナが手伝う時もある。エスカデ
も手伝わせている。彼が料理できるかどうかはオレは知らない。出された料理について
どこまでがエレナが作ったもので、どこまでがエスカデが作ったものかわかんないんだ
もん。味付けはみんなエレナがやるし。
会話を聞いてると、何かエレナがエスカデに料理を教えてるみたいなんだけど…。
…もしかして、エスカデもここに住み着くようになるのかな……。

115 :エスカデ女主人公:2001/06/17(日) 12:56
オレは当番だったから、モンスター達にエサやりに小屋まで牧場に向かった。
牧場では、カーミラのライアと、サハギンのテイクが何やらしゃべっているようだっ
た。
「…なに話してんの?」
「あら…。バド。私たちの食事を持ってきてくれたの?」
「そうだよ」
「今日は何デポか? ぽっくん、お魚が好きなんデポ」
それって、共食い…? なんて思ったけど、オレは言わない事にした。前に言ってテ
イクったら泣きながら怒りだすんだもん。
「…ねぇ…、何、話してたの?」
…なんか、エレナがどうのって、言ってたような気がするんだけど…。
基本的にモンスターって、エレナがヒナから育ててるのが多いから、よくエレナにな
ついてるのばっかりだし、ヒナから育ててない亜人種系モンスターの彼らも、エレナに
よくなついてるんだ。そんな彼らがエレナの悪口を言うとは思えない…。
「…ライアが、エレナとエスカデってデキてるって言うんデポ、ぽっくん、そんなの信
じないデポ」
「そうなの?」
「だってぇ、私見たんだもの。エレナとエスカデが抱き合ってるの」
「う、うそぉ!」
オレは思わず大きな声で叫んで、そして自分の口をふさいだ。
「ウソじゃないわ。私、夜目が効くんだからぁ。あの夜、あの二人、間違いなく抱き合
ってたわ」

116 :エスカデ女主人公:2001/06/17(日) 12:56
ライアはちょっとムキになった感じで言い張った。
オレとテイクは信じられなそうに、顔を見合わせるだけだ。
「でも、…でも、エレナみたいな人が、エスカデみたいな男を選ぶとは思えないデポ」
実を言うと、エスカデの評判はあんまり芳しくない。そりゃ、あれだけの無愛想で、
ガンコ者なんだもん。いっつもムスーってしてるし。実を言うと、エスカデが大口開け
て笑ったところってまだ見た事ない。
「わからないわよ。エレナって人間だもの。やっぱり恋人にするなら同じ人間が良いん
じゃないのぉ?」
髪の毛をかきあげながらライアが言う。
「そうデポか…? でも、エレナって、種族で選ぶような人じゃないデポよ…」
「そりゃ、エレナはそんなもので差別しない人よ。でも、差別とかそれ以前の問題で、
好みとかっていう問題があるじゃない。好きって言うのと、嫌いじゃないってのは、違
うのよ」
ライアは特有の舌足らずのような、からみつく感じの口調と声で言う。
「一応、エスカデってルックスは良いじゃない。性格はともかくさぁ」
「でも、エレナは外見で判断する人じゃないデポ」
「そんなのわっかんないわよぉ。じゃあテイク、あんた、エレナの好みの男ってどんな
タイプか知ってるのぉ?」
「……………………」
テイクが黙り込む。オレも、エレナがどんな男が好みだとか、考えた事はなかった。
「あのエスカデって男、強さは間違いないわよ。それは私が保証するわ。そこにひかれ
たのかもしれないし…」

117 :エスカデ女主人公:2001/06/17(日) 12:57

「エレナより強いんデポか…?」
「そりゃ、エレナの方が強いわよぉ。っていうか、エレナの強さってハンパじゃないの
よ。あの人にかなうのなんていないわよ。ただ、自分より強いのが基準ってだけじゃな
いかもしれないし…。とにかく、あの2人、絶対あやしいんだから」
腕を組んでライアは言い張る。
「そもそも、エスカデ、ここに住み着きそうなんでしょ? それだけでもじゅーぶん怪
しいじゃないのさぁ」
「でも、このバドやコロナだって住み着いてるデポよ」
「バッカねぇー。バドやコロナが住み着くのと、あのエスカデが住み着くのって、次元
が違うじゃないのよ」
「次元が違うんデポか?」
理解できない、といったふうにテイクは顔中はハテナマークでいっぱいにした。
「そーよ。普通エレナみたいなトシの女がよ、エスカデと、バドやコロナ。同じように
接するワケないじゃないのよー」
「エレナは人によって接する態度を変える人じゃないデポよ!」
「変えるわよぉ! 一見変えてそうにみえないけど、絶対同じようには思ってないわ
よ!」
「じゃあ、エレナはぽっくん達モンスターと、ヒトとで態度変えるって言うんデポか!?」
「そーゆー意味じゃないわよ、バッカねぇ!」
うわわわ、険悪な空気になってきちゃったよぉ…。
「バカとは何デポかぁ!」
「なによ、やるっての?」

118 :エスカデ女主人公:2001/06/17(日) 13:00
テイクはモリをちゃきっとかまえ、ライアはキバを見せて裂けるほどに口を開いた。
「や、やめろよー! こんなとこでケンカしてどうすんだよ!」
オレは慌てて止めに入った。
「……フンでぽ! エレナは人だからモンスターだからって差別なんかしないでぽ
よ!」
それだけ吐き捨てるように言うと、テイクはぷんぷんしながら小屋へと行ってしまっ
た。
「フン! 差別どうの問題じゃないってのにさ!」
ライアの方も鼻息荒く、イライラをおさえるように腕を組んだ。
「ねぇー、バド。あんたならわかるでしょ? 私が言いたい事をさー! 私だってエレ
ナが種族とかで差別する人間じゃないと知ってるわ。ただ、差別とか、そんなんじゃな
くって、フツー、子供と大人相手に同じように接するわきゃないじゃないのさ。大人に
向かって子供扱いするような態度されたら、フツー怒るわよ」
「…そ、そうだな…」
ライアは時々人間以上に人間みたいなセリフを言う。まぁ、亜人種モンスターだから、
人間に近いっちゃあ近いんだろうけど…。
「相手に合わせてるだけなのよ。…私が言いたいのは、そーゆー事じゃなくってさぁ、
相手をどう思ってるかで、接する態度くらい、フツー変えるって事よぉ」
「う、うん…」
オレは否定できなくて、もごもごしながらうなずいた。
「エレナってさー、誰にでも同じように接してるように見えるけど、あれはあれで微妙
に変えてんのよぉ? わかるぅ?」

119 :エスカデ女主人公:2001/06/17(日) 13:01

「……い、一応…」
「でっしょー? それが差別ってんじゃないのよ。…でも…差別ったら差別になるのか
もしんないけどさ。それはイヤな差別とかそんなんじゃなくって、自分の中での差別な
のよ。バドだって、好きな人にあげるモノと、嫌いじゃない人にあげるモノ。そういう
とこで無意識に差別つけちゃうでしょ? それを言いたいのにさー、あのテイクはよく
考えないんだから!」
ライアは腕を組んだまま、まだぷんぷん怒っていた。
「…あの、…それで、さ…、エレナ、エスカデに対して、態度違ってる…? オレには
そう見えないんだけど…」
オレがそう尋ねると、ライアははたと考えこんだ。
「……そう言われると、どう態度を変えてるのか、私にもわかんないわ。でも、じゃあ
どうしてエスカデが住み着きそうなのよ?」
言われて、ハッとした。そもそも、なんでエスカデは家に住むようになったんだろう。
まだたまに出て行く事もあるけど、また帰るように家にやって来るし。
「………………わかんない……。エレナもエスカデも何も言わないよ…。……なんだか、
エスカデが住み着くのは自然な感じになる感じさえするよ…。…でも、エレナはよく色
んな人連れてくるし…。お客さん大好きみたいだし…」
「確かにエレナは色々な友人を招いているわ。でも、住み着いちゃうような友人はエス
カデしかいなくってよ。だから、エレナとエスカデってあやしいのよ」
オレとライアはいつのまにか、牧場で夕日を背にして、体育座りをしながら、しゃべ
っていた。

120 :エスカデ女主人公:2001/06/17(日) 13:02

…住み着いてるっていう点ではオレとコロナもそうだ。でも、それを言ったらさっき
のテイクとの話とのような展開になりそうなので、オレは黙ってた。
エスカデがいくつなのか、聞いた事ないので知らない。20代中半から後半だろうな
とは思うけど。でもってエレナがいくつなのか、まだ知らない。
エレナにとって、オレは子供なんだろうか。恋人の対象として考えられないくらいに
子供なんだろうか…。
そう思うと、すごくさびしくて、ひざをぎゅっと抱え込む。
エレナが待ってくれれば良い。オレがじゅうぶん大人になるまで、待ってくれれば良
いのに。そしたら、立派な魔法使いになってエレナを迎えられるのに。
「私はエレナが好きよ。私だけじゃなくって、ここにいるみんな、モンスターも動物も
植物もみんなエレナが好きなんだわ。エレナも私たちの事好いてくれると思う。……で
も、エレナが恋愛対象としてみんなを好いているとは思えないのよ」
「……………………」
「エレナが、恋愛対象として好いてる人がいたって全然おかしくないじゃない。エレナ
だって年頃なんだもの」
………年頃って、なんだよ……。
オレは聞きたかったけど、言葉として出なかった。なんだか、エレナとオレとの間に、
その“年頃”っていう厚い壁がありそうな気がした。
「バドー! なにやってるのよー!」
時間がかかりすぎたか、コロナが俺を呼びにやってきた。

121 :エスカデ女主人公:2001/06/17(日) 13:03

…住み着いてるっていう点ではオレとコロナもそうだ。でも、それを言ったらさっき
のテイクとの話とのような展開になりそうなので、オレは黙ってた。
エスカデがいくつなのか、聞いた事ないので知らない。20代中半から後半だろうな
とは思うけど。でもってエレナがいくつなのか、まだ知らない。
エレナにとって、オレは子供なんだろうか。恋人の対象として考えられないくらいに
子供なんだろうか…。
そう思うと、すごくさびしくて、ひざをぎゅっと抱え込む。
エレナが待ってくれれば良い。オレがじゅうぶん大人になるまで、待ってくれれば良
いのに。そしたら、立派な魔法使いになってエレナを迎えられるのに。
「私はエレナが好きよ。私だけじゃなくって、ここにいるみんな、モンスターも動物も
植物もみんなエレナが好きなんだわ。エレナも私たちの事好いてくれると思う。……で
も、エレナが恋愛対象としてみんなを好いているとは思えないのよ」
「……………………」
「エレナが、恋愛対象として好いてる人がいたって全然おかしくないじゃない。エレナ
だって年頃なんだもの」
………年頃って、なんだよ……。
オレは聞きたかったけど、言葉として出なかった。なんだか、エレナとオレとの間に、
その“年頃”っていう厚い壁がありそうな気がした。
「バドー! なにやってるのよー!」
時間がかかりすぎたか、コロナが俺を呼びにやってきた。

122 :エスカデ女主人公:2001/06/17(日) 13:04

「あ、ヤベ…」
「そこに置いておけば、私が配っておくわよ」
エサの入ってるバケツを見ながら、ライアが言う。基本的にモンスターって生肉とか
でも全然平気だから、そのままで食べさせてる。亜人種モンスターとかには食べてもら
ってるって言う感じするんだけどね…。
オレはライアに後を頼むと、慌てて家に戻った。
…食事中、オレはチラチラとエレナとエスカデの様子を見ていた。
以前よりも口数は増えてきたものの、やっぱりエスカデはあまりしゃべらない。エス
カデは表情もあまり変えない人だから、エレナの事をどう思っているのか、わからなか
った。エレナもエレナで、オレ達や他の友人達との接し方に差があるとは思えなかった。
…この2人が…恋人同士…?
エレナはエスカデが好きなの? 恋愛対象でエスカデを見てるの?
ち、違うよな! 絶対違うよな!
「どうしたのバド? いきなり首をぶんぶん振ったりして」
「あ……いや、ちょっと、その、ハハハハハ…」
コロナに突っ込まれて、オレは笑ってごまかした。
やべ…。

123 :エスカデ女主人公:2001/06/17(日) 13:08
2段ベッドがやって来て。オレ達の部屋は部屋として完成した。
エレナのお古の机でも、ちょっとばかりスカスカの本棚でも、なんか、オレは感動し
てた。
コロナと2人の部屋ってのは、魔法学園の寮以来なんだけどね。借りてるワケじゃな
い。オレ達の部屋なんだって。それが、嬉しかった。
「へっへっへー。なんか、良いな、このベッド」
「そうね。ちゃーんと私達の意見通ってるわよねー」
下のベッドで、コロナが寝転びながら、枕を抱き締めている。
オレ達は、このオレ達専用の部屋に満足しきっていた。しばらくは寝るのが待ち遠し
かったくらいだ。


エレナとエスカデは、改造した武器を試し切りに行くってんで、ペットモンスターも
連れて冒険へと旅立った。
最近、エレナはずっと家にいて、買い物くらいしか家を空ける事はなかったんだけど
…。
「バド、エレナの部屋を掃除してきてよー。洗濯は私がやったんだからね」
「わかったよー…」
オレはコロナの背中に向かってアカンベをしてから、掃除道具を持ってエレナの部屋
へと来た。

124 :エスカデ女主人公:2001/06/17(日) 13:19

前、オレ達が使ってた簡易ベッドがさらに補強されて、寝心地はさらに悪くなった感
じのベッドがエスカデの今の寝所らしい。オレ達が寝てる時は、大きめに感じたんだけ
どな。エスカデが寝てると、足なんかはみ出してずいぶん小さく感じた。
…ライアは…、あーいう年頃の男女が同じ部屋だなんて、絶対に怪しいって言う。…
それなら、オレ達だってずっと同じ部屋で寝てたのに。…年頃の男女っていうのが、違
うは違うけどさ…。
やっぱり、コロナに怒られない程度に掃除をすませる。部屋のサボテンには、あんま
り水をやらなくても良いとのこと。
…そうだ、このサボテン、ずっとこの部屋にいるんだよな…。たまに出歩いてるのか
もしれないけど…。
「…なぁ、サボテン…。おまえ、この部屋にいるならわかるんじゃないか? エレナと
エスカデって、本当にデキてんのか?」
オレはしゃがみこんで、サボテンの話しかけてみたけど、サボテンは無反応だった。
「おい、何か言っ…」
「ふたりのせかい」
「え? お、おい、な、何言ったんだよ? おいってば」
何度かもう一度言うように言ったけど、サボテンはそれ以上言う事はなかった。
オレはあきらめて、掃除道具持って階下に降りようとして、柱にかけてある葉っぱの
形のノートが目に入った。
そういえば、あのサボテンはここによく日記をつけるって、エレナが前に言ってたっ
け…。
サボテンは、まるで別の方を向いているし…。………いいや、見ちゃえ…。
オレは葉っぱの表紙をそっとめくってみた。

125 :エスカデ女主人公:2001/06/17(日) 13:20

『きょうもふたりはふたりのせかい。ぼくがいるってわすれてる。どうせぼくはさぼて
ん。しがないさぼてん。』
……? どういう意味だこりゃ…? オレはもう一枚、めくった。けど、関係のない
ような、わけわかんない事が書いてあったので、何枚かめくる。
『じぶんでもしゅみがわるいって。わかっててもすきだって。どうしようもないねって。
ぼくにはなしている。しあわせそう。いってることと、ちがうようなきがする』
…やっぱり…、エレナ、好きな人がいるんだ…。…それが……オレであること…なん
て、ないのかな…。しゅみがわるいって…。いや、でも、好きな人の事を言ってるって
限った事じゃないよな。こんなつたない字で書くサボテンの日記なんだもん。
サボテンなんだもん…。
それから、まためくったけど、全然関係のない事ばかり書いてあって、それ以上の事
はわからなかった。どうやらあのサボテン。エレナの恋人とか、そういうのにはあまり
興味がないらしい。
エレナの好きな人って誰だろう…。…ライアの言うとおり、エスカデなんだろうか…。
でも、オレはライアのエスカデ説を信じたくなかった。
でも…、本当だったらどうしよう…。本当だったら…。
「どうしたのよ、バド。青い顔して」
「い、いや、なんでもない…なんでもないんだ…」
その日はエレナは帰って来なかった。

126 :エスカデ女主人公:2001/06/17(日) 13:21



「ただいまー」
エレナは、今回は早めに帰ってきた。……エスカデも一緒に帰って来た。まるで、帰
って来るのが当然のように…。
「お帰りなさーい。改造武器はどうだった?」
「良い値段で売れたわよー。切れ味もバツグンだったしね。設けたお金で色々食材とか
買ってきたからね。明日はごちそうにするわよ」
「本当!?」
コロナはすっごく喜んでエレナに抱き着いた。
「はい、お土産」
珍しく、エレナが小さな包みを取り出してコロナに手渡した。
「うわっ、ありがとー! エレナがお土産買ってくるって珍しいね!」
「それがねー、思ったよりも随分良い値段で売れたのよー。なんか嬉しくなっちゃって
思わず買ってきちゃったわ」
コロナを抱き上げて、エレナはにこにこして話しかける。
「…そのエスカデが持ってるの、みんな買ってきたの…?」
抱き上げられながら、コロナはエスカデの持ってる荷物を見る。…確かに、かなりす
ごい荷物だった。
「全部じゃないけどね。もらってきたり、拾ってきたりしたのもあるけど」
エレナのこーゆーとこってたくましいなって思う。
「…それにしても、エレナがたくさん買うって珍しいわね。そんなに良い値段で売れた
の?」
「…ほとんど詐欺まがいの売り付け手段でな」
エスカデがぼそっと付け加える。

127 :エスカデ女主人公:2001/06/17(日) 13:22

「失礼ね。ニキータをちょっとだけ見習っただけよ。それに、あっちの言い値で売った
んだもの。あっちだって文句ないわよ」
悪びれもなく、ころころ笑う。エレナってはっきりいってかなりしたたかだと思う。
何があっても生き残るんじゃないかなっていう底力は、誰にも負けないんじゃないだろ
うか。
「そうそう。バドにもあるのよ。…ハイ、これ」
エレナに笑顔で差し出され、オレはかなりビックリした。あのサボテン日記が頭をか
すって、エレナに対して、前のように接する事ができない。
「……あ、ありがと…」
「…どうしたの…?」
オレの様子がおかしいと見抜いて、エレナはオレの目をのぞきこむ。
「な、何でもないったら!」
「………そう…」
オレがムキになって言うと、エレナはとりあえずオレの目をのぞき込むのを止めたけ
ど、ちょっと腑に落ちない顔してた。
…エレナが悪いわけじゃない。それはわかってる。わかってるんだ。…でも、エレナ
に好きな人がいて、それがエスカデだったらって思うと…、オレは、エレナもエスカデ
も直視できない…。
「……最近…、バド、なんかおかしいのよ…」
コロナがこそこそとエレナに言ってるのが聞こえた…。フン、オレは地獄耳なんだぞ。
次の日、エレナが腕をふるってくれた料理は、ハッキリ言ってめちゃめちゃうまかっ
た。食卓にこれでもかって皿が並んで、どれもとびきり美味しくて。
ペットモンスターも一緒になって食べた。特に亜人種モンスターとかは、ヒトと嗜好
がそれほど違うものではないらしくって、ライアなんか大喜びだった。
オレもついつい食べ過ぎちゃって、大満腹だった。

                                     続く

128 :サボテン:2001/06/19(火) 00:33
ぼくがみてるのに、あんなことしちゃうなんて。

129 :なまえをいれてください:2001/06/19(火) 06:34
ライアたん(゚д゚)ウマー

130 :エスカデ女主人公:2001/06/20(水) 18:37
「ふー…さびぃー…」
オレはトイレをすませて、自分の部屋に戻ろうとした。
もう夜もずっとふけて、みんな寝てるんじゃないかなっていう時間。一応、居間には
魔法の明かりがすっごくぼんやりと、心細く光っているくらい。昼は何ともなくとも、
夜はかなり冷え込む。暖炉の火も消えていた。
………ん………?
まだ…起きてる………?
2階が明るい。なにか、話してる声も聞こえる。
オレは、そぉっとそぉっと階段をのぼって頭だけを出してエレナの部屋をのぞきこん
だ。
「………じゃない……したら……」
「………まぁな……」
エレナとエスカデは、奥にあるテーブルに座ってなにか話している。そんなに大きな
声で話してるわけじゃないので、何を話しているのか、すぐには聞き取れない。
エスカデがあんなにちゃんと会話してるとこって、実は初めて見たので、そこでオレ
はかなり驚いたんだけど。
どうやら、お酒を飲みながら話しているみたい。机の上に酒瓶が1つあって、それぞ
れの前にグラスがおかれてる。たまに、エレナが酒をついでやったり、自分のについだ
りしてる。
オレは2人がどんな事を話してるか知りたくて、さらに耳をすませた。
「…さすがに、魔法都市というだけはあるみたいだな…」
「品質もしかりって、ね。ただ遠いでしょ、あそこは」
「それは仕方ないだろう」
「そうだけど…」

131 :エスカデ女主人公:2001/06/20(水) 18:37
…彼らが、ちょっと良い雰囲気な感じがして、オレは内心ムッとなった。
……でも、さっきから冒険とか、モンスターとか、お酒とか、武器とか、そういう話
ばっかりしてるみたい。別に恋人同士だとかっていう会話じゃないな…。
……なんだ…。ライアの思い違いじゃないか。
…こうやってのぞいてんのもバカらしくなってきた…。寝ようかな…。
…………ん……?
「ふっふふ…。美味しいわねぇ、このお酒…」
「…飲みすぎたのか…?」
…エレ……ナ……?
…どうして…、エスカデの手を握ってるの…?
「んふふふふー…」
あんなふうに笑うエレナは見た事がなかった。いつもの明るい、優しい笑顔じゃなか
った。どこかこう、なんていうか、あのカーミラのライアが笑うような、そんな妖しい
感じの笑い方だ…。
「…大丈夫よ…。前ほど飲んではいないわ…」
「…まぁな…」
とろんとした目付きで、机の上のエスカデの手を、からみつくように握り締める。
………え…? え? ………え……?
な、何だよ…。何で、二人して見つめ合ってるんだよ…。
寒さのせいだろうか、体がカタカタ震えだした。
キィ…。
椅子から立ち上がり、エレナはゆっくりエスカデに近づく。それをエスカデは待って
いるように見えるのは気のせいだろうか…。
…!!

132 :エスカデ女主人公:2001/06/20(水) 18:38
あ…。
エレナが…エスカデのこめかみ辺りにキスをして…。…頬に…、…まぶたに…、何度
もキスをして…。
どこかくすぐったそうな、あんなエスカデの表情も初めて見たけれど…。
そして、……唇に……。
見たくないのに、どこか拒否反応をおこしてるのに、オレはあの2人に目が釘付けに
なっていた。
長いような、短いような口づけが終わっても、2人は引き寄せ合うようにまた口づけ
を交わす…。
エレナはエスカデの頭を抱き締めて、髪の毛を握り締めるように抱き締めて…。
「ん…」
見つめ合う2人は、完全に2人の世界に入りきっていた。オレは、いきなりあのサボ
テン日記を思い出した。
サボテンは見ていた。ずっとこの部屋で。あの2人を。
「さすがにお酒の味しかしないわね…」
「当たり前だろう…」
「ふた…。しなきゃね…」
酒瓶にコルクを詰める。エスカデがゆっくり立ち上がる。
「……ふふ……」
妖しく笑うエレナは、いつものエレナと同一人物に見えなかった。そして、エスカデ
の方もあの無愛想なエスカデとは思えなかった。
「…この厚い胸板…。大好き…」
エレナの趣味って筋肉質なんだろうか。エスカデに抱き着いて、胸に頬を押し当てる。
エスカデも、エレナを抱きしめる。
………そんな…………。
それからまた、2人は何度もキスをして、それは、だんだん激しくなっていくようで
…。
「んっふ…」

133 :エスカデ女主人公:2001/06/20(水) 18:39
エスカデの手がエレナの体をあちこちまさぐりはじめる。
んな…!
オレは嫌悪感と、嫉妬と、好奇心がごっちゃになってその場から動けず見ていた。
「…ん…。んん…、ちょ、ちょっと待って…」
やや、顔を赤らめたエレナは、エスカデから身体を話す。
「あっちで…ね…?」
エレナが視線をどこかに流す。ここからでは、どこをさし示したのかわからない。
「それじゃあ…、行きましょうよ…」
言って、これはすごく驚いたんだけど、エレナは軽々とエスカデを抱き上げたのだ。
「んしょっと…」
「あ、ちょっ、おい! やめろよ!」
「良いじゃないのよ」
エスカデみたいな体の大きな男の人が、エレナみたいな普通の(ように見える)女の人
にお姫様抱っこされる光景って実はかなり情けないんだけど、じたばたもがくエスカデ
を無視して、エレナは歩きだす。
あ…。そこは…エレナのベッドだ…。
エレナは、自分のベッドに半分ほうり込むかたちでエスカデを降ろした。
「…おまえなー…」
「かたいこと言わないでよ…」
「そういう問題じゃないだろう」
エレナのベッドは半分壁に埋め込んであるような形の、天蓋付きベッドだ。壁が邪魔
して、ここからだとベッドに座っているエスカデの足しか見えない。
エレナはエスカデを押し倒したのか、上半身が倒れるようにベッドの壁の影に消える。
エレナとエスカデの膝が重なり合う。
やがて、エレナはブーツを脱ぎ捨てて、彼女の足は壁の影へと消えていく。
「ほらぁ、さっさとブーツ脱ぎなさいよ」
「わかってるよ…」

134 :エスカデ女主人公:2001/06/20(水) 18:40
エスカデがブーツを脱ぐために頭と上半身が壁から姿を現す。けど、全部脱ぎきらな
いうちに、エレナの手がすっとのびて、エスカデをつかまえてベッドの中に引きずり込
む。
「おい、まだ…」
エスカデはなにか言いながら、なんとか強引にブーツを脱ぎ捨てる。彼の足が、裸足
になった足が、引きずられるように壁へと吸い込まれていく。
…しばらくは、何も聞こえない感じがした…。
でも…、確かに壁の向こう側のベッドで、彼らは何かをしているようだった。
きぬ擦れの音。息遣い。聞き取れないささやき声。何なのかわからない音…。
「ふあ…はぁ…」
エレナの声がいつもとあきらかに違ってくる。湿ったため息みたいな声が耳につく。
ここからだと見えない。2人が何をしているかわからない。
でも…、声が…音だけが…いやに響いて聞こえる…。
「……あ……はあ……」
エレナの湿った声が耳について離れない。さっきよりも息遣いが荒くなってきている。
「はぁっ…はぁっ………あ…は……」
何をしている音なのか、わからない。知りたい、知りたくない。
「……はぁ、ふぁあ…」
エレナ…、何でそんな声出すんだよ…。
「…あっはぁ…、んん……ん…」
何でそんなに切なそうなんだよ…。
「……あん…、あ…もっと…」
何だよ…。
「…んっ! んあ…ふ…あ…そこ…は…」
何なんだよ!
「…あ、ん……エスカデ…」

かすれた声で呼ぶ名前が…、その切なそうな声で呼ぶ名前が、オレの耳に焼き付く。
「……おまえ…どこも酒の味がするぞ……」

135 :エスカデ女主人公:2001/06/20(水) 18:43
「……あんたが酔ってんじゃない…」
「おまえもだろう…」
「……んふ…、どうかしら……」
「気分はどうだ…?」
「…良いんじゃない…? …ほらぁ…、もっと…」
「………ん…………」
「んっふ…そう……あ、ん……いい…」
「…なぁ…そろそろ……」
「…まだ…。…もう…ちょっと……はぁっ…」
「………………」
意味不明の、かすれた会話が聞こえる。
……でも、昔、こういうのを聞いた記憶があるような気がする。
あれは…、いつの時だったろう。魔法学園に行く前……。
「……おい………」
「………うん…」
ちょっと…、口調が変わった…?
「…ん、くぅっ、…あ、あぁ…」
「……ふっ…はっ…」
今まで、それほど大きくなかったエスカデの息遣いまでも聞こえてきた。
「ふあっ…はっ…ハァッ…」
「くっ…ふっ…」
クチャッ、チャプッと、水を打つような、でもちょっと違うような音。さっきも聞こ
えていたけど、さらに響くようで…。
「あんっ…あっ…はんっ…はっ!」
うくっ…。
こんなの…どこかで…。
「くっ…ふあっ…あアンっ! えっ…エスカッ…デ…」
ギシッ、ギシッとベッドのきしめきが聞こえる。
「はぁん…はぁん…ふぅっ…」

136 :エスカデ女主人公:2001/06/20(水) 18:44
切なさと、苦しさが混ざった吐息が耳にしみつく。エスカデの荒い息をかき消すよう
なエレナの声は可哀想に聞こえて、エレナを早く解放させてやりたい気持ちになった。
何から? エスカデから? エスカデからエレナを解放?
「ちょっ…エスカデ…ダメ…そこはダメ…」
「…何言ってんだ…。本当は…喜んでるんじゃないか…?」
「お願いやめて…そこは…、やめ…んんっ…」
な、何だよ、嫌がってるんじゃん、エレナ、嫌がってるじゃん。
「ほら!」
「ふあああぁっ!」
エレナ!
助けたい。でも、オレはどうしたら良いのか? そもそも、今のあの2人を、オレは
なんだかとっても目の当たりにしたくなかった。
「あっ、あんっ! はんっ! はぁんっ!」
ベッドのきしむ音がさっきよりも激しくなってきた。寒さに加えて、怒りや寂しさが
ふつふつとわきあがってきて、オレはガタガタ震えながら、階段に座り込んで、膝をギ
ュッとかかえた。
「やめっ…やんっ! あっ…はあっ…!」
「……今度はこれで…どうだ…?」
「…ふあっ…んっ…、いっ…いいっ…」
「よっ…と…」
「い…いいよ…いいっ…、もっと…そう…」
エレナ…、どうしたの…? イヤじゃなかったの…?
「はぁ…はぁ…ふああ…」
エレナの吐息が耳から離れない。聞こえているのか、頭の中で繰り返されているのか、
わからなくなってくる。
とうとうたまらなくなって、耳をふさいだ。

137 :エスカデ女主人公:2001/06/20(水) 18:45
何でかわからないけど、寂しくて情けなくて、そして寒くて、恐ろしい疎外感があっ
て。ガタガタふるえながら涙がこぼれ落ちてきた。でも、泣き声をあげるわけにもいか
なくて、必死で我慢していた。
けど、ふと、入ってきたエレナの声。
「……好きよ…エスカデ……」
え…?
今の、エレナ、言ったの?
「ふぁ、ふあああああっ!」
エレナの悲鳴にも似た声。思わずオレはその場に立ち上がってしまった。
そして、オレは瞬間的に思い出した。前に、見たことなのか、聞いた事なのかとかで
なくて、記憶が引っ張り出された。
……お父さんと、お母さんだ…。
でも、アレはお父さんとお母さんが夫婦だから…。夫婦…、夫婦って! あの2人、
夫婦じゃないじゃん!
なんで!? どうして!? あの2人は夫婦じゃない。じゃ、なんで!? どうしてだよ!?
オレはしこたま混乱して、震えと涙がどうしても止まらなくて、ふらふらと階段を降
りた。

138 :エスカデ女主人公:2001/06/20(水) 18:46
冷えきった体でベッドの中に入る。この寒さよりも、あの…エレナの…あの吐息が…
耳から離れないよ…。
エレナ…。
オレの大好きなエレナ…。
……エレナぁ…、…エレナぁぁぁぁぁぁ…………。
涙がとめどなく流れて止まらなくて、情けないくらいに泣いても、ベッドの中で1人
という安心感も手伝って、オレはどうしようもないほどに泣いていた。


頭が痛い…。目も腫れぼったい…。鼻水はずるずる垂れそうだし、体も何かダルかっ
た…。
「おはよう…」
いつもよりちょっと遅く起きて、オレは一人気まずい気持ちで居間に出た。
「おはよう!」
エレナは…、エレナはまぶしいくらいの笑顔でオレを見た。
……なんで……?
「おはよう…」
エスカデはオレを一瞥して、つぶやくように挨拶をする。無愛想のまま、いつものよ
うに新聞に目を通している。
……どうしてだよ……?
いつもと全然変わらない2人に、オレは不快と嫌悪感で気分が悪くなってきた。
「…バド…? どうしたの? 顔色悪いけど…」
エレナがオレをのぞき込む。
…やめてくれよ…。あんな…、あんな事、昨夜2人であんな事しておいて、平気な顔
してるって何だよ! オレを心配すんのやめてくれよ!

139 :エスカデ女主人公:2001/06/20(水) 18:47

「やめ…」
「バド? あなた熱あるの?」
エレナは強引にオレの額に手をあてる。それをふりほどこうとしたけど、エレナにか
なうわけもなくて。
「ちょっと! 熱があるじゃないの。風邪でも引いたの?」
違う…。違うんだ…。
オレの抵抗も空しくて、オレの体がフワリと浮いた。…抱き上げられたんだ…。
再度ベッドに戻され、オレはしっかりと布団をかぶせられた。
「寝冷えしたの? ちゃんと布団かけてないとダメじゃない」
…なんだよ…。じゃあ、エレナは…、エレナ達は昨夜、何やってたんだよ…!
「とにかく。今日はジッとしてること。後でおかゆを作ってくるから。いい?」
言い聞かせるように、ちょっと怖い顔をしてオレをにらむと、エレナはくるっと背を
向けて、居間へと行ってしまった。

…エレナは…エレナは憎らしいくらいに優しくて、オレをかいがいしく世話してくれ
て…、余計にオレを惨めな気持ちにさせた。
「バド…」
コロナが、オレをのぞき込んでいる。オレのベッドは上のだけど、風邪だからってん
で、コロナのベッドで寝かされる事になった。
「…なに泣いてるの…?」
「泣いてなんか…いねぇよ…」
「ウソ。そのほっぺの涙の後はなによ…」
「…バカやろ…これは汗なんだよ…」
「目から流れる汗ってなによ」
「………………」
コロナは、それからもオレの涙のワケを追求しようとしたけど、オレは絶対何も言わ
なかった。

140 :エスカデ女主人公:2001/06/20(水) 18:52
オレの風邪は治りが悪くて、1週間たってもまだ鼻をグズつかせていた。
オレはエレナもエスカデも見るのがイヤで、なるべくなら、2人と話したくもなかっ
た。
今日も、1人で本を読んでいる時だった。
「なんデポかーっ!」
「なによっ! あんた悪いんじゃないのさっ!」
「ピキーッ!」
な…なんだ…?
牧場の方からなにか、けたたましい大騒ぎが聞こえてきたのだ。何事かと、みんなが
牧場に向かう。
「なっ、ちょ、ちょっと! テイク! ライア! ああもう、ラビコまで…やめなさい
ったら!」
牧場で、モンスター達が大ゲンカしてるんだ。5匹全員がもう大乱闘やっちゃって、
エレナが止めに入らなければ、だれか死んじゃうのかと思ったほど大乱闘だった。
「んもう、どうしたっていうのよ!?」
さすがのエレナも怒り出して、仁王立ちになってモンスター達の前に立ちはだかる。
エレナに怒られるとモンスター達も急に弱気になって、みんなシュンとうなだれてい
た。
「…どうしたの? このケンカの理由は何なの?」
さっきよりかは幾分優しい口調になって、エレナはモンスター達に問い詰める。
「………ライアが…悪いんデポ」
「なんだって!?」
「こらっ!」
「……………………」
みんな、黙りこくって、早く理由を言ってくれないかやきもきしはじんたころ、ライ
アが口を開いた。
「……ねぇ、エレナ! あなたさ……」

141 :エスカデ女主人公:2001/06/20(水) 18:53

「…なぁに?」
「エスカデとデキてるんでしょ!? そうなんでしょぉっ!?」
「!!!!!」
エレナもエスカデも、そろってビックリした。あそこまでビックリするって2人とも
滅多にない。
「違うデポよね!?」
テイクがすがるように詰め寄る。けれど、エレナは「あっちゃあ…」って顔でエスカ
デと顔を見合わせるだけ。
「………………ふーっ」
しょうがない。そんな感じでエレナは深くため息をついた。
「ごめんね…。別にだますつもりはなかったんだけど…」
「まさか…」
「…ライアの言うとおりよ…」
「そんなあぁぁぁぁ…」
テイクはぼろぼろ涙を流してへたりこんだ。ライアはというと、したり顔で腕を組ん
だ。
「…なんで黙ってたデポかぁ、なんでエスカデなんデポかぁ?」
……それは、オレも聞きたい…。
「…以前からよく来る彼を、いきなり恋人です、なんてなかなか言えないじゃない。そ
れで…言いにくくて、そのままよ…。悪かったわ…、まさかこんな騒ぎになるとは…」
「じゃあ、なんでエスカデなんかが恋人なんデポかぁ!?」
「…なんでって…言われても…」
エレナは困ったように、顔を赤らめた。エスカデは「エスカデなんか」なんて言われ
たもんだから、仏頂面していた。
「エスカデはいつも無愛想で、ガンコで、人の話なんか聞かないし、モンスターだって、
バカにするデポよ!」
「この…」

142 :エスカデ女主人公:2001/06/20(水) 18:54

さすがにムカッときたらしく、エスカデが剣の柄に手をかけると、エレナはその手に
そっとふれていさめた。…それがすごく自然で、オレの胸はギュッと痛くなった。
「…別に…、私はそういうの気にしないのよ」
苦笑いして、エレナがそう言うと、テイクは口をぽかんと開けた。
「あんたが弱虫で、うじうじする優柔不断だって、エレナは気にしてないじゃない。た
ぶんそれと一緒なんじゃないのぅ?」
テイクを見下ろして、半開きの目でライアが言う。
「………………」
それを言われて、テイクは少し恥ずかしそうに押し黙った。
「でも…どうして…」
テイクはゆっくりとエレナを見上げる。それはオレもライアも聞きたくて、みんなし
てエレナを見た。
エレナは少し苦笑してから、そして、照れた可愛い笑顔で人差し指を唇にあてた。
「ないしょ…」
あの笑顔の前に、テイクも、俺も、みんな何にも言えなくなってしまった。
「さあ、ケガとかしてない? ラビコも大丈夫だった?」
「誰もたいしたケガはしてないわ…」
ちょっとバツが悪そうに、ライアが言うと、エレナはほほ笑んだ。
「良かった。じゃあ、もうケンカしないでね」
「………うん……」

143 :エスカデ女主人公:2001/06/20(水) 18:55



「なぁ、コロナ…」
「なによ」
その日の夜。オレは何とはなしに下のベッドのコロナに話しかけた。
「おまえ…、エレナとエスカデが…その、デキてて、どう思う…?」
「別に…。うすうすわかってたし…」
「え…!? おまえ、わかってたのか!?」
オレは心底驚いて、思わず起き上がる。
「なによ、今更。エレナが何度もエスカデを連れてくる事自体あやしいじゃないのよ。
大体、他の人はあっちから来る事ばかりなのに、エスカデに限ってはいつもエレナが連
れてきてたじゃないのよ」
…………そ、………そういえば……。
「バド、気づかなかったの?」
「…………………」
気づかなかった…というよりか、気づきたくなかったんだろうな…オレ…。
「…そりゃ、なんでエレナがエスカデ選ぶのか私も聞きたいくらいだけどさ。でも、エ
レナが彼で良いってんなら、私は何も言わない。エスカデがエレナを泣かせるようなら、
許さないけど、でも…エレナなら泣く前にエスカデをうまくコントロールしそうだし…」
「…コントロール…?」
「男に権限があるように思わせといて、その実、手のひらで転がしてるよーな人よ、エ
レナは。きっと、つかまったのはエレナじゃなくて、エスカデの方ね」
「……そ、そうかなぁ…」
「そうよ。だから、エレナがそれで幸せだっていうなら、何も言わない。…ねぇ、バド。
あんた、エレナの事好きだったんでしょ」
「んなっ! なっ、ち、違うよっ!」

144 :エスカデ女主人公:2001/06/20(水) 18:57
いきなり言い当てられて、オレはビックリしてはげしくどもった。
「ウソよ。だから落ち込んでんでしょ」
「なっ、オレは、落ち込んでなんか!」
「…ま、いいけどさ…。ねぇ、あの二人ケッコンすると思う?」
「し、知るかよっ!」
「動揺してる、動揺してる」
「コロナ! おまえなぁ!」
オレはとうとうベッドから身体を乗り出して、下のベッドに向かって怒鳴りつけた。
「…ともかく、今日はもう寝ましょ。私、もう眠いわ」
コロナが布団をかぶって寝返りをうったので、オレは言う気も失せて、枕に頭をしず
める。
まだ、エレナの事を思うと、胸がチクチク痛む。エスカデの事も良く思えない。
……でも……。コロナの言うとおり、エレナがそれで幸せだっていうなら、それでも
良いと思える。
…やっぱり、オレはエレナが大好きなんだなって、思った…。
おわり。

女主人子エスカデっぽいですね。
これにつづく新しい小説まってます(藁

145 :なまえをいれてください:2001/06/21(木) 15:20
age

146 :なまえをいれてください:2001/06/23(土) 20:17
あげ

147 :なまえをいれてください:2001/06/23(土) 20:17
うひゃ、あげ!!

148 :なまえをいれてください:2001/06/24(日) 01:41
サガの小説もキボンヌ

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