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ガンパレバトルロワイヤル

1 :なまえをいれてください:01/09/05 21:45 ID:jKU5droE
ギャルゲー板→プロレス板のパロディー。
>>2 からスタート!

2 :なまえをいれてください:01/09/05 21:46 ID:jKU5droE
一瞬、慣れ親しんだ教室ではないと速水は錯覚した。
もちろん、その場所はいつもの教室であったのだけれど、何かがおかしかった。何かが違っている。
すぐに、速水はその原因に気づいた。窓の外で、すでに日が暮れようとしている。
さっきまで食堂兼調理室でお昼を食べていたはずなのに・・・
速水は、辺りをそろそろと見回した。一組の生徒にまじって、二組の生徒もこの教室で
先ほどの速水と同じように床に伏して眠っている。
ボクはいったいどうしたんだろう? 速水がそう思ったとき、教室の扉が開いた。
コツコツと足音をたてていつものように本田、坂上が入ってきた。
「オメーラ、起きろ!」
突然の大声に、教室内のみんなはそれぞれ眠りから起き出した。
みな、なにが起こったのかわからないという顔で焦点の定まらない目つきをしている。
本田は大声でくり返す。
「起きろ!」
みなが目を覚ます。
坂上が教壇の上にモニターをセットするとスイッチをいれた。
いつものように画面に芝村準竜師が映る。
「俺だ。よく集まってくれたな、
今日、貴様らに集まってもらったのは他でもない
今日は、貴様らにちょっと、殺し合いをしてもらう!」
その声に、全員の動きがスチル写真にとらえられたように止まった。
教室内のざわめきが消える。
坂上が続けて口をひらく。
「みなさんは、今回の”プログラム”に選ばれたのです!」
誰かが、うっ、とうめいた。
およそ学兵で「プログラム」を知らない者はいないだろう。
学兵1部隊ごとで行われ、最後の一人になるまで行う殺し合い。
それが“プログラム“だ
去年は確か四国の独立部隊で行われたと聞いている。
もっとも、噂では聞いているものの、速水も今の今まで人事だと思っていた。
それがまさか、自分達の間で行われるとは・・・

3 :なまえをいれてください:01/09/05 21:47 ID:jKU5droE
「そんなばかな」
椅子をがたんと鳴らして、滝川が昂然と立ち上がった。
「なぜ俺たちが、そんなものに参加しなくちゃならないんだよ?
第一、俺達の相手は幻獣だろう!」
至極当然の話である。
しかし、準竜師からの返事は今まで彼が経験したことないほど、一方的でつれないものだった。
「決定事項だ、貴様らに拒否権はない!」
それを聞いて、滝川は糸が切れたように椅子に崩れ落ちた。
他の皆も押し黙ったままだ。
みな、あまりの事態に、現実を持てあましているといった感じだ。
「まだ信じられねえのか・・・仕方ない、坂上先生!」
本田の呼びかけに応えて、坂上が教室からでる。
しばらくして教室の入り口の引き戸が開いた。
再び入ってきた坂上は、肩から何かの詰まった寝袋のような袋を担いでいる。
「こいつらには説明するより、現実をみせてやった方がいい
坂上先生、見せてやってください」
坂上が袋のジッパーに手をかけ、ゆっくりと開くとそこから丸い球のようなもの、
よく見ると眼球が、こぼれ落ちた・・・
「きゃああああああぁぁああぁ」
ののみが耳を劈くような叫び声をあげた。
半分ほど開かれた袋の中身に皆の目が引きつけられる。
速水はごくりと唾を飲み込んだ。
「し、死んでるぶぁい・・・・」
中村が当たり前のことを言った。
袋の中から覗けていたのは、かわりはてた芳野先生の姿だった。
いや、もうそれは"もと"芳野先生ですらあった。

4 :なまえをいれてください:01/09/05 21:47 ID:qwzL.fhQ
       =========Fin===========

5 :なまえをいれてください:01/09/05 21:48 ID:jKU5droE
何が行われたのか、額には血がこびりつき生気の無くなった眼は頭蓋の半分ほどに陥没していた。細い腕が通常では曲がり得ぬ方向へと曲がり、垂れ下がっている。
「いやぁぁあああ助けてえええ!!」
今度は田辺が悲鳴を上げた。それに釣られて教室内に阿鼻叫喚の渦が巻き起こった。
「オメーら、静かにしろ!」
本田の声はみんなの金切り声に掻き消される。
それを収めたのは、部屋にこだました一発の銃声だった。
気付いた時には、最前列にいた滝川が派手な音を立てて床に崩れ落ちた。
額には、黒々とした穴が開いている。
床には、見る見る赤黒い血だまりが広がっていった。

「たわけが、貴様が殺してどうする?」
準竜師の叱責に、まだ煙をあげている銃口をみんなに向けたまま本田は神妙な顔をしながら、
「申し訳ありません」
と言った。
教室内は静まりかえっている。
「でも、これで進められそうですね。」
坂上の口調はまったく変わらなかった。
「芳野先生は、私たち同様に、あなた達を指導する立場でありながら
今回の計画に反対したのでこのような事になってしまいました。」
それを聞いた、速水は強い衝撃を受けた。
芳野先生は僕たちを庇って殺されたんだ。
だが、速水達には何もできなかった。滝川の命を奪った銃口が
こちらを向いている(どうして平然と昨日まで同僚だった人を殺せるんだ・・・)
速水は、どうしても二人の死体に眼が吸い寄せられてしまう。
感情の高ぶりに今にも、『ヒロイン』の仮面が剥げてしまいそうだった。

6 :なまえをいれてください:01/09/05 21:48 ID:jKU5droE
坂上が説明を始める。
「では、ルールを説明します。簡単です、お互いに殺しあって最後の一人になれば勝ち。何をしようと自由です」
「会場はこの学園とその周辺!女子校の生徒や街の人達はすでに非難済み、
みなさん以外は存在しません・・・・・・」
「みなさんには、デイバックをお渡しします、
その中には食料と「武器」が一つだけランダムに入っています
上手に使って生き残ってくださいね
生き残るのに大事なのはいつも言っている通り“戦術”です」
淡々とルール説明は進む。誰も何も言わなかった。
部屋に漂う生々しい血の匂いが、みんなに事情を了解させていったようだ。
坂上に代わって本田が説明を続ける、
「ややこしい説明はこれまでだ。ここで、準竜師閣下から一つアドバイスをしていただこう、よく聞けよ!」

「貴様らは、仲間通しでいきなり殺しあうなんて無茶苦茶だと思っているかも知れないが、
忘れてはいけないぞ。他のみんなは既にやる気になっている!」
ウソだ、と速水は心の中で叫んだが、この時教室内にある変化がおこり、速水も確かにそれを見た。
誰からともなく周囲に目を配り(その中には芝村舞の目もあった)青ざめた顔で
視線を走らせたのだ。
そうだ、みんな学兵とは言え、軍人なんだ、何が起こっても不思議ではない。
【相手を殺してでも生き残る】
そう考える人がいないとは言いきれなかった。速水は唇をかみ締めた。

7 :なまえをいれてください:01/09/05 21:49 ID:jKU5droE
「ではこれから2分おきに一人づつ、教室から出ていってもらいます。部屋を出るときに道具や食料の入ったポケットを渡すので、忘れず受け取るように。出発したらすぐに校外に出ること、うろうろしてると撃ち殺されることになります!出発順は、くじ引きで決めて貰います!」
まるで授業で抗議をするときのように坂上は言った
クジをひいた速水は、自分の次に出発するのが舞であることを幸運に思った。
と、いうことは玄関の外で舞を待つことも可能ではないか?

「では、一番初めに出発するの人を発表します・・・狩谷夏樹君。
狩谷君、特別にスポーツ用入間椅子を用意したのでそれで頑張りなさい」
点呼とスタートが、容赦なく始められた。
最初に教室を出ていったのは、狩谷だ。
普段から裏のありそうな表情を強張らせながら、車椅子を走らせて銃口に見送られながら出ていった。
「・・・・・なっちゃん」
加藤祭が心配そうに呼びかけたが。
振り返りはしなかった。
狩谷が戸口の向こうに姿が消えた途端に、車椅子が階段を降りる音が聞こえてすぐに音が変わり、遠ざかっていった。
永遠にも思える静寂が流れて、また次の出発者を本田の声が催促する。
「次は壬生屋!」
呼ばれた壬生屋がゆっくりと立ち上がり、本田の前にでる。
「ほら、オメーのバッグだ」
壬生屋はそれを受け取ると
瀬戸口の方を振り返り何かを言いかけたが結局、口にせず教室をでた。
続けて、参加者が一定の間隔を置いて次々に出発していく。

8 :なまえをいれてください:01/09/05 21:49 ID:jKU5droE
それを眺めながら速水は、舞を外で待つべきかどうか必死に考えていた。
もし誰かが”やる気”になっていたら、それはとてもリスクの大きい賭けだ。
みんなの事は信用してはいるが
中には既にその気になっている人もいるかも知れない。
が、舞とならこの異常な状況の中でも善後策を話し合える。
何度も同じ機体で生死を共にしている舞だけは今の速水にとっても信じられた。
どうしよう、速水はただ心の中で自問自答していた。
その時、
「うわぁぁあああぁああーーーー!」
誰かの叫び声が校庭に響き渡った。そう遠くはない場所からだ。
何が起こった? 速水の顔色がスッと消えた。
今まで耳にしたことのないような、いや、ついさっき袋が開かれたときに聞こえた悲鳴、それに、似ていた。
悲鳴はすぐに止んだ。何かが起こった、もう疑いようもなかった。
速水の気持ちの整理がつかないうちに、新たな出発者、東原ののみが
何度も速水達の方を振り返りながら教室から出ていく。
次は自分だ、速水は考えることをやめて腹を括った。
いづれにせよ、答えは外にあるのだ。

9 :なまえをいれてください:01/09/05 21:50 ID:jKU5droE
わずか2分のインターバルが無性に長く感じた。
さっきの悲鳴が頭から離れない。
アレは、ひょっとして、断末魔の悲鳴、というものなのだろうか?
だとしたら、いったい誰の? 悪い予感ばかりが、胸をよぎる。
「速水、出発だ」
本田が、無表情で言った。速水は悲しそうな目で本田をみたが、本田は目を合わせない。
立ち上がって、本田の前まで進む。
その途中には仰向けで倒れた滝川の血まみれの遺体があった。
滝川はその変わり果てた、自分を『親友』とよんでいた男の姿を、じっと見つめた。
(なんなんだよ、これは。)
が、そんな思考を中断させるように、本田が武器の入ったバッグを押しつけて、催促する。
「速水、さっさと出発しろ、後がつっかえてるんだからな」

速水は深呼吸すると、ゆっくり会場の扉に手をかけた。
部屋を出る直前に、振り返ってみんなを見た。
みんな不安そうな顔をしていたが、
舞だけは、かすかに微笑んだような、気がした。
速水は、それだけで少し落ち着いた気分になった。
やはり玄関でみんなを待っていようか、またそう考えた。
軽く頷いて、そのまま廊下へと歩を進めた。

10 :なまえをいれてください:01/09/05 21:50 ID:jKU5droE
窓から見た夕日が、外を赤く染めていた。
外へ向けてとぼとぼと歩きながら、速水はこれからどうすべきかを悩み続けていた。
まずは舞と合流しよう、それが第一だ。
この状況は、一人では危ない。
そして、できることなら他の信用できる人たちとも話し合って、
この馬鹿げた戦いをやめさせる。きっとみんな、わかってくれるはずだ。

そんな甘い計画は、玄関を出た途端に崩れ去った。
玄関の先、校舎外れのシャワー室前に何かが落ちている。
見通しが悪くて、それが何か遠くから判別ができない。
なんだろう、速水は警戒しながら近づいていったが、すぐに目を見張った。
人間が、転がっていた。善行委員長だった。
確か四番目にスタートしたはずだった。
一目見て、もう助からないとわかる。
喉がぱっくりと割れて、そこからまだフレッシュな血が鼓動にあわせて噴き出していた。
さっきの悲鳴は、これだったんだ。

11 :なまえをいれてください:01/09/05 21:51 ID:jKU5droE
速水ものど元まで悲鳴がこみあげてきたが、こらえた。
さらなる恐怖が、速水の思考を奪っていたから。
これって・・・これって・・・やっぱり誰かが、やったんだよね?
死体の天まで釣りあがったメガネの奥の眼球が速水に語りかける。ワタシハ、コロサレタ。キヲツケテ。
今までどこか希望を持っていた速水が、一気に現実を叩きこまれた瞬間だった。
しかも隊長である善行委員長が最初に殺されるなんて・・・。
直後、林の中からかさかさと物音がした。
狙われてる? などと意識する暇もなく、速水は必死に校舎外れを駆けて逃げた。

【2人死亡 残り20人】

12 :なまえをいれてください:01/09/05 21:51 ID:jKU5droE
林の陰では、遠坂圭吾が包丁をしっかりと握りしめたまま震えていた。
包丁には、善行の血脂が、拭いようもなくまとわりついている。
「私はなんてことを・・・・父さん・・・・」
蒼白の唇から、助けを求める呟きが漏れる(もちろん誰も来てはくれないが)。
遠坂は会場を出る前に、自分のバッグの中身を点検していた。
安っぽい非常食、時計、
そして一本の肉切り包丁が入っていた。
その包丁を手に取ったのも、別段護身を考えてのものではなかった。
日常、ボンボンである彼は、料理などする機会などない(刃物など持たせて貰えない)、
そこで好奇心も手伝い、なんとなく持っていただけだ。
それを使って誰かを傷つけるなど、遠坂には思いつかなかった。
入り口の前で誰かを待っていたのも、ただ一人が心細かったから。
どうしていいかわからなかったから。
世間をまったく知らない「ボンボン」には。
このとき何をしたらいいのかが判らなくなっていたのだった。
けれどそんな全ては、後から出てきた善行に通じるはずもなかった。
夕日のなか包丁を握り締めて玄関の前に大胆に立ち竦む遠坂を見たとき、
善行は全身が粟立つのを感じた。
「待ってましたよ、委員長」
そういってひきつった笑いを見せる遠坂が、たまらなく恐ろしかった。
(それに、こいつは幻獣派だ)

13 :なまえをいれてください:01/09/05 21:51 ID:jKU5droE
なまじ自分に自信があるばかりに、そして自分は若宮と合流すれば護ってもらえると
過信していた善行は自らのバッグの中身をチェックしていなかった、まず隠れる拠点を見つけそこでチェックすれば良いと思っていたのだ。
善行は激しく後悔した。
先手必勝、士官学校出は伊達ではない。戦闘のノウハウはもっていた。
すぐさま手にしたデイバッグを遠坂に向かって叩きつけると、包丁をもぎ取るべく掴みかかっていった。もつれ合いながら、二人は倒れた。
「なにをするんです、やめてください!」
そう叫んだとき、遠坂は間近で善行の眼を、見た。
血走ったその眼は、爛々と光っている。
彼は自分に危害を加えようとしている。だけど誰も助けてはくれない。
このままじゃ・・・殺される。
反射的に払おうとした。
「・・・っ!」
包丁を握ったまま、押さえ込まれそうになっていた両手を思い切り振り回した。
切っ先に引っ掛かるような感覚。
一拍遅れて、なま暖かい液体が遠坂の首筋に降りそそぐ。
うつぶせのまま、遠坂は受難の時が去るのを待った。
相手は何もしてこない。目を開けて、振り返るとそこには、首を切られた善行が横たわっていた。
後は覚えてない。
忘れたかった。
気がついた時からこうして木陰で震えていた。凶器となった包丁を握ったまま。デイバッグが傍らに2つ。善行の物も持ってきていたらしい。
「私は・・・私は人を殺してしまった・・・でも、あれは事故だ、事故なんだ・・・」

14 :なまえをいれてください:01/09/05 21:53 ID:jKU5droE
「そこ、誰かいるのか?」
最後の出発者、芝村舞の声だった。

様子を窺うような油断ならない沈黙が辺りを支配した。
遠坂は、息を潜めてそっと相手の姿を確認する。
舞は善行の死体の傷口を観察していた。まるで何かを点検しているような手振りだった。
そして、彼女は迷うことなく遠坂の所へと、近づいてきた。
遠坂の体に降りかかった大量の血の跡が点々と、彼の居場所を示していたのだ。
とりあえず、舞は丸腰だった。
あんな物を見た後だというのに舞の態度は普段と変わらない。
それが遠坂を奇妙に安心させた。
「おまえが、やったのか?」
きっかけとなったのはその一言だった。
張りつめた緊張の糸がプツンと切れたのか、嗚咽混じりの声で遠坂は弱々しく訴えはじめた。
「私は・・・私は・・・殺すつもりなんか無かったのに・・・怖かったんです・・・ただ怖かったんです・・・」
「・・・・。」
予め想像していたのか、血塗れとなって包丁を握る遠坂を見ても、舞は怯えることなく歩み寄った。

15 :なまえをいれてください:01/09/05 21:54 ID:jvxfdpEY
長文ウザイ

16 :なまえをいれてください:01/09/05 21:54 ID:jKU5droE
「善行委員長が、いきなり襲いかかってきたんです・・・私は何もしてないんです、彼が悪いんです・・・」
もう独りぼっちではないという安堵感が、遠坂の胸をいっぱいにした。
遠坂の眼からも、どっと、涙がこぼれだしていた。
「・・・・・・・・・・。」
舞は何も言わない。
遠坂は泣き続けた。
人殺し!となじられないことをいいことに自分をいっそう正当化しているようだった。
(私は悪くない、悪いのは彼だ・・・。)

ざくっ、という、小気味よい音が響いた。
袈裟懸けに斬り倒された遠坂は、どぅ、とアスファルトに沈んだ。
声をあげることすらなく、ただ、引き裂かれた体が熱く燃えるような感触を最後に、遠坂は意識を失っていった。最後に彼が思ったのは、何だったのだろうか?
「たわけが」
舞は手にした支給武器である日本刀を一振りして返り血を払うと、背中に隠してあった鞘に収めながら冷然と言い放った。


【残り19人】

17 :なまえをいれてください:01/09/05 21:54 ID:I5Um9b62
オナニーは人前でやらないで下さい。

18 :なまえをいれてください:01/09/05 21:55 ID:jKU5droE
どれくらい時が経ったのだろう?
女子校の最上階にある屋上へつづく踊り場、その窓辺から石津萌は俯きがちに下を見ていた。
真夜中の海のような、濃密な闇があたり一面を覆っている。
本来なら眼下には生活の灯かりが燈り、美しい夜景が広がっているはずなのに。
この闇の中を、今も自分を虐めていた人たちが自分を殺そうとして蠢いているのかもしれない。
教室で一撃の元に撃ち殺された滝川の姿を思い出して恐怖が再び胸を過った。
出発して以来、萌はずっとこの場所に立て篭もっていた。
入り口には厳重に鍵を掛けて、校内の電源も落とし、階段には机や椅子で即席のバリケードを築いた。
ここなら誰かに見つかる可能性は低いだろうし、侵入者がいたとしても逃げるまでの時間を稼ぐことはできるはずだ。
そうして気休めながら一時の安息が約束されると、萌の悪い癖である、考え過ぎの虫が騒ぎ出した。
本当に「殺人」を犯そうとする生徒がいるのだろうか?
安易に他人を信じる性格ではないが、昨日までの日常からするといくら自分のためとはいえ誰かを殺すことなど常識の埒外だった。
世の中にはそういう人もいるというのは理解しているが、同じ隊の中に、そんな人がいるのだろうか?
自分を虐めていた原や森の顔が浮かんだ。

19 :なまえをいれてください:01/09/05 21:56 ID:jKU5droE
でも、自分には、できない。それははっきりしていた。
どれだけのうんざりするような現実を見せつけられても、自分には誰かを殺すなんてできそうにない。
自分に出来るのは精々【呪う】ぐらいだ。
萌は投げ捨てたままにしてあるデイバッグを絶望的な気持ちでちらっと見た。
なんでこんな事になったんだろう?
いっそ自殺してしまおうか、こんな暗闇にずっといると、時折そんな思いも頭を掠めていく。
でも、それもできなかった。
微かにでも他の誰かを信じる気持ちがあるから、簡単には命を捨てられない。
瀬戸口君、速水君・・・・。
この悪夢は、最後の一人になるまで続くのだ。
いっそ自分がここにいる間に終わってくれたらいいのに。
けどそれは、他のみんなが死んでしまった(見殺しにした)という結果だ。
他の者の亡骸のうえに立つ自分。とても、嫌だ。
その時、ロビーの静寂を打ち破るがなり声が、した。
「おいオメーラ、俺だ!」
本田の声だった。

20 :なまえをいれてください:01/09/05 21:56 ID:jKU5droE
突如響いた大音響に来須銀河の先を急ぐ足がぴたと止まった。
それにしても耳障りな大声だ。
スピーカーの残響がひどくて声の方向がわからない。
学校からだけではないようだ。
「オメーラ元気か? 逃げ出そうとか、抵抗しようとしても無駄だぞ。わかってるだろな?」
・・・ああ、と来須は舌打混じりに呟いた。
何か見えない檻のような物が町境を遮り、決してこのプログラムの枠から逃げられないようにできている。
「いいか、今からリタイアした奴の名を言うぞ。皆、心して聞け!」
来須の身体が硬直した。握った掌に我知らず力がこもる。
まさか既にヨーコが死んでしまったなんてことはないだろうか?
「まずは、滝川!これはみんな知ってるな・・・次は善行。
おい、意外に簡単に死んだな、こんなんが隊長じゃどうしようもねえな!
そして遠坂圭吾。以上だ」
−−違った。
読み上げられた名前の中にヨーコのものはなかった。
来須は安堵し、・・・・ふうっと息をつく。
そして、死んだ仲間に対して安堵したことを申し訳なく思った。
とにかく、急がなければ。
ヨーコがいつまでも無事であるという保証はない。
何の手がかりもないが、必ず探し出す。
来須は再びヨーコの姿を求めて、暗い街へと消えていった。


【残り19人】

21 :なまえをいれてください:01/09/05 21:57 ID:jKU5droE
ちくしょう、若宮は拳に血が滲むほど強く、壁を殴りつけた。
自分の上官であり、先任として指導したある意味で教え子でもある善行が殺されてしまった。
さらの遠%E

22 :なまえをいれてください:01/09/05 21:57 ID:jKU5droE
ちくしょう、若宮は拳に血が滲むほど強く、壁を殴りつけた。
自分の上官であり、先任として指導したある意味で教え子でもある善行が殺されてしまった。
さらの遠坂もが死んでしまった、しかもどうやらそれをやったの生徒の誰かのようだ。
許せない、こんなバカな事させる本田、坂上、準竜師、それに軍もだ。
絶対に許さない。今日まで信じてたのに。
怒りに煮えたぎるその手には、サブマシンガンが握られている。
イングラムM10、今回の支給武器の中では飛びきりの「当たり」だ。
若宮は決意した。
こいつで、奴らに逆襲してやる。自分はスカウトだ。絶対に負けない。
善行委員長、貴方の仇は絶対とる、だから安心してくれ。
本当は、出発した時からずっとこのシステムに対して若宮は不愉快に感じていた。
ただ、芳野や滝川を使った【デモンストレーション】に、やはりスカウトといえども、ビビっていたのだ。
が、善行の死が若宮の我慢の限界に最後のひと押しを加えた。皮肉な結果だ。
決めた以上、行動に移すのは早い方がいい。
すぐさまこのプログラムの本部のある小隊職員室へ向かおうと身を隠していた今町公園から歩き出そうとしたその時、過敏になった神経が不自然な草の揺らぎに反応した。
イングラムを油断なく構えて、そちらを向く。
「まって、うたないで!」
若宮はその声の主がすぐに分かった。原素子だ。
自分に向けられている銃口に、原は泣きそうな顔になりながら訴えた。
「お願い、銃を下ろして」
若宮はこういう時どう言えばいいのか一瞬困った。
「両手をあげて動かないでください!」
原は何度も頷いて、言われたままに万歳の体勢をとった。
若宮はゆっくり近づきながら、仔細に原の様子を観察した。
武器は、携帯してないようだ。
「誰かと一緒にいたくて。若宮君だったら、私のこと殺そうとなんてしないっだろうって思って・・・・・・」
震えるあこがれの人の唇から囁かれる言葉に、若宮は警戒心を解いていった

23 :なまえをいれてください:01/09/05 21:58 ID:jKU5droE
ああ、彼女には少なくとも敵意はない。銃口を外すと、若宮は言った。
「他に誰か見ませんでしたか?」
原は首を横に振った。考えてみれば、もしも誰かと出会っていたならこうして一人ノコノコ歩いている可能性は低いだろう。
「若宮君、一緒にいてくれる?」
原が期待を込めた瞳で若宮を見つめる。
が、若宮は決心に従って彼女に告げた。
「自分は、善行委員長の仇をとるために、
今からこのろくでもない事をさせる奴らをぶっ殺しにいきます。それでも、一緒に来ますか?」
原は、目を丸くしていた。
まさか、ついてきてくれるなどと若宮も考えてはいない。
第一、武器も持たない彼女についてこられても足手まといだ。
せめ運動能力に優れた来須か冷静沈着な芝村舞。
そして善行さえいてくれたなら、どれほど心強かったろうか。
月に照らされた公園に一抹の淋しさを含んだ風が吹きぬけた。
と、原が口を開いた。
「若宮君、私と善行くんとのこと覚えてる?」突然何を言い出すのか?
ちらっと思ったが若宮は深く考えることもなく答えた。
「勿論です。そのなんていったらいいのか・・・・」
原は微笑みながら頷いた。
「私、あれからいろいろ考えたのよ、
でも今思えば捨てられてよかったかなとも思うの」
こんなときに一体何が言いたいのだろう?
あまりの事に混乱しているんだろうか?
「だって、私たちもっとずーっと素敵な人を見つけたんだもん、ねえ森さん」
ひゅん。
イングラムを握っていた腕が根元からどさりと地面に落ちた。
若宮は声にならない絶叫をあげる。
腕の切断面を残りの手で押さえつつ、後ろを振りかえる。
幅広の刃をもった片手斧を手に立っているのは、森精華?

24 :なまえをいれてください:01/09/05 22:00 ID:jKU5droE
そんな、なぜ・・・・・・
「グッサ!」
意識する間もなく、胸の奥が燃えるように熱くなる。
正面の原が袖に隠し持っていた果物ナイフを
若宮の肺臓めがけて深深と突き刺していたのだ。
口元から、吐息に混じって血の霧が夜の空気に舞う。
背後で大きく何かを振りかぶる気配がしたが、若宮はもう身体の自由が利かなかった。
森の細い腕が振り下ろす斧が自分の背中の中央に食い込んでいくのを、ただ為すがままに受け止めるしかなかった。
訳が分からないまま、若宮は崩れ落ちていく。
すまない、仇をとることはできないみたいだ・・・・・・
数分後、若宮が完全に動かなくなったのを確認してから、2人はその隣で笑いあった。
「うまくいきましたね、原さん」
「森さんのおかげよ、ありがとう。」
血に濡れたナイフを若宮の汚れた服で拭いながら原が言うと、森はちょっと眉を上げた。
かつての戦友を惨殺したというのに、整備班のふたりには一片の暗さもなかった。
2人は予定以上にうまくいった成果の前で喜びを分かち合っていた。

25 :なまえをいれてください:01/09/05 22:02 ID:jKU5droE
原は地面に落ちている若宮の腕からマシンガンを奪うべく、指を1本1本丹念に引き剥がそうとしている。
「別にお礼なんていいですよ、原さん。わたしだって、原さんにに死んでほしくないもの」
黙々と作業に没頭する原を見ながら、森は口先だけの返事を返した。
「それにしても、こんなに上手くいくなんて」
「何言ってるの、森さん」
やっとイングラムM10をもぎ取った原は、新しい玩具を手に入れた子供みたいにその重さを確かめながら月に翳して、言った。
「こんなの、女の子の方が圧倒的に有利にきまってるじゃない。
たいがいの男は警戒もしないで鼻の下のばすんだから」
そう、元はと言えばこの作戦−−2人一組でのおとり作戦を提案したのは、原の方からだった。
スタート直後に合流した二人はどうするかを相談したのだ。
そこで原が2人一組のおとり作戦を考案した。
「次もこれでいけるわね」
原が心から嬉しそうに言う。

26 :なまえをいれてください:01/09/05 22:03 ID:jKU5droE
それはそうなのだろう、だが森の胸には何か割りきれない思いが生まれていた。
先程の若宮の真っ直ぐな瞳にさらされた時から。
呟くように、森は言った。
「でも、原さん。若宮くんを殺す必要があったのかな?」
原がぴくりと顔をあげた。
「若宮くんは、私たちを殺すつもりなんて全然なさそうだった。
それに若宮くんは、このプログラムを止めさせると言っていたんですよ」
原は鼻で笑った。
「甘いわよ、森さん。それもすべて、演技だったって可能性もあるわ。
信じきったところで、乱暴してその後ズドンと・・・・・・」
「原さん!」
森は悲しかった。私の尊敬する女性はこんな冷酷な考え方をする人間だったのか?
「・・・・・・それに、反抗しようとしても無駄よ、森さん」
原がポツリと言った。
「前のプログラムの時も、そう言ってプログラムに刃向かおうとした奴がいたらしいわ。でも、結果は・・・・・・」
原は立ちあがってイングラムM10を構えると、さっきまで若宮が隠れていたあたりに向けて軽く試射を行った。
ばららっと夜空に甲高い音が響く。
期待通りの威力で銃痕が壁に刻まれていった。
「第一もう忘れたのかしら?森さん。生き残らなきゃ、もう速水君に会えないのよ。
そのためなら何でもするって森さん、言ったじゃない」
森は口を閉じた。原の言うように、それのためならちょっとくらい人を殺すことなど何でもない。
それに相手も自分を殺そうとしているのだ、
だからいいじゃないですか?
そう考えて森はこのプログラムに臨んだのだ。
「だから文句言わないでね、森さん」
原はイングラムの銃口を森に向けた。

27 :なまえをいれてください:01/09/05 22:04 ID:jKU5droE
「・・・・・・原さん?」
森は泣きそうな顔になっていた。
「冗談はやめて、危ないじゃないですか、原さん!」
無理にでも尊敬する先輩を信じて、森は平静を装いつつ声をかけた。
原は抑揚のない声で言った。
「冗談だと思うの?森さん」
そう問い返す原の顔にはやさしい先輩の面影などまったくなかった。
狂気を宿した一人の戦士の顔に変貌している。
森は混乱した。
「なんで? ねえ、原さん?」
原は薄笑いを浮かべつつ、言った。
「私だって、速水くんを狙っていたんだもん。理由なんて、それで充分でしょ?
本当はもっと人数が少なくなってからにする予定だったんだけどね。
迷いの生まれた森さんじゃ、肝心なとき足を引っ張りそうだから」
そして瞬間、視線を手に持ったマシンガンに移して、原は続けた。
「こんないいモノがあるんじゃ、もう協力の必要もないものね。森さん、ヘンなとこだけ運がいいわね」
森は驚きを隠せないまま、叫ぶ。
「そんな、だって、原さんが生き残るのには速水君だって殺さなきゃじゃない」
「死んだとしてもあの人は私だけのものだわ
いいえ、むしろ私だけのものにするにはそうするしかないのかもね」
森の顔が強張っていく。

28 :なまえをいれてください:01/09/05 22:04 ID:jKU5droE
涙が、こぼれた。強い感情の波に、身体中が震えている。
「聞きたいことはそれだけ? じゃあ、さよならね、森さん」
おもむろに原が引き金をひき絞った。さっきと同じ甲高い音が、響く。
身体に無数の銃痕を刻みつけられて、森はゆっくりと倒れていった。
消え行く意識の中で、森は思った。
これは、罰なのかもしれない。
私の都合だけであの純粋な若宮君を殺したことの。
そのまま原は倒れた森の身体に近づいていく。
マシンガンを痙攣している森の脳天に突きつけ、再度撃った。
頭蓋が割れて、脳漿が飛び散り、原のつま先にまでかかった。
疑いなく、彼の森は死んだ。
「私を信じた時点で、あなたの負けよ」
言い捨てると原素子は斧とマシンガンを手にガンバレードマーチを口ずさみながら、
次の獲物を探して歩き出した。


【残り17人】

29 :なまえをいれてください:01/09/05 22:09 ID:GD9hwkDw
ギャルゲ板、プ板、競馬板のは評判良かった。

30 :なまえをいれてください:01/09/07 22:25 ID:sfTX1qcM
続きが読みたいんであげとく。

31 :なまえをいれてください:01/09/07 22:26 ID:G.9K8eXA
test

32 :なまえをいれてください:01/09/07 22:40 ID:bKaTCTfg
正直、両方飽きた。

33 :なまえをいれてください:01/09/07 23:00 ID:Kyk4tMu.
原さんがイィ、スゴクイィ!
続き期待。

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