5ちゃんねる ★スマホ版★ ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50  

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

吸血大殲 第48章 銃火は我の贈る花束

1 :ドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ ◆dTAoloUdks :02/11/06 00:32
このスレは、吸血鬼(ミディアン)や狩人(ハンター)、あるいはそれに類する野郎どもが闘争を繰り広げる場である。
勿論、闘争だけではなくなくて、名無しの皆の質問も随時受け付けておる。気軽に質問をするがよい。
質問については、回答を望むキャラハンを指定するとよいかもしれんな。
キャラハンの皆も積極的に答えてほしい。
それから、新規の参加者は下記の『吸血大殲闘争者への手引き』でルールに眼を通した上で、
テンプレを用いて自己紹介をせよ。自己紹介のテンプレは>2にある。
おお、そうだった。このスレッドはsage進行でな。
 
■『吸血大殲闘争者への手引き』
http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Orion/4504/vampirkrieg.html
■専用掲示板(雑談・闘争の打ち合わせなどはこちら)
http://plan-a.fargaia.com/html/vampbattle/index2.html
(メインの真・吸血大殲板)
http://www.tpot2.com/~vampirkrieg/bbs/vampire/index2.html
(真板が不調の時の予備板)
 
関連リンクだ。
 
■参加者データサイト『吸血大殲 Blood Lust』(左手作成・過去ログも全てこちらにあり)
http://members.tripod.co.jp/humituki5272/taisen/index.html
■吸血大殲本家サイト
『From dusk till dawn』                   『戦場には熱い風が吹く』 (仮閉鎖中)
http://www.uranus.dti.ne.jp/~beaker/         http://www.geocities.co.jp/Playtown/4875/
■前スレ
吸血大殲 第47章 戦の獄、それは魔と人が為に
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1035977720/
■太陽板の質問スレ
吸血大殲/陰 其の15 混沌屋敷『眩桃館』地下 〜大殲資料の間〜 
http://www.alfheim.jp/~narikiri/narikiri/test/read.cgi?bbs=TheSun&key=1021881487

2 :ドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ ◆dTAoloUdks :02/11/06 00:32


出典 :
名前 :
年齢 :
性別 :
職業 :
趣味 :
恋人の有無 :
好きな異性のタイプ :
好きな食べ物 :
最近気になること :
一番苦手なもの :
得意な技 :
一番の決めゼリフ :
将来の夢 :
ここの住人として一言 :
ここの仲間たちに一言 :
ここの名無しに一言 :

3 : ◆RUNv818wZU :02/11/06 00:33
るん♪

4 :絶対に負けないヒーロー ◆nVERSUSnLk :02/11/06 00:38
ttp://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1035977720/554
絶対に負けないヒーローvsカノン

 ―――何なんだこいつは。
 
 地を蹴り、迫る女の濁った瞳を覗き込みながら、青年は舌を鳴らした。
 血の滾りはとうに収まっている。あるのは苛立ちだけだ。
 理不尽への苛立ち。

 ―――なんで俺が女に襲われなきゃなんねえんだよ。
 
 心の中で悪態をつきながら、首筋へと跳ぶ銀光を手に持つ刃で正面から受け止める。
 甲高い金属音が森に響き、二つの刃が絡み合った。
 
 彼は鍔迫り合う刃を横目に、
 
「てめえが逃がした女の居場所を吐いて、消えろ」

 と、つまらなそうに言い放つ。
 
 遺跡に残る五体の死体と、左腕から流れ落ちる朱色の血。――左腕は“暫く”使い物にならないだろう。
 それらが、女をただ者ではないと訴えている。が、女であることに違いはない。
 
「女を殺すのは生きる価値もねえ屑だけだ。おれは屑なんかじゃない。だから女は殺さねえんだよ」

 言うと、柄を握る手に力を込め、剣ごと女を弾き飛ばした。 

5 :リチャード・ウォン(M):02/11/06 00:50
さて…前のスレッドで私の部下が倒されてしまいましたので、今回に限り、私がお答えしましょう。
 
>550 DIO
使いを出すまでもなく、参上しましたよ。
「>319の上司で(『以下同文』)」
とでも続けた方が宜しいですか?
 
>302 太陽板なんぞ
さあ? あの御仁の考えなど、私には想像もつかぬ事ですからねぇ…。
陽光を嫌う吸血鬼が太陽の下にその身を晒すなど、とんだ『自虐趣味』と言えますね。

>320 >285の答えは3
ふむ…そうですか。
しかし、その計画は所詮『空中楼閣』に過ぎません。
何故なら、私がその計画を知ってしまったのですから…くっくっく…。

>321 飛び道具は危険
ふむ…確かに時間を操る存在に飛び道具は危険やも知れません。
他の手を『暗中模索』してみるよりないでしょうねぇ。

>322 吸血姫きぼんぬ
人工サイキッカー計画に志願してみませんか?
なぁに、手術はすぐに終わります。
手術自体も『安全確実』です。

>324 こいつだけは殺ス
そうですねぇ…DIO、と言っておきましょうか。
…『同族嫌悪』ではありませんよ?

>441 似たようなマルチ
『付和雷同』と言うのは、どうにも頂けませんねぇ…。

6 :リチャード・ウォン(M):02/11/06 00:52
>446 外部板がつまらない
つまらない、の一言で切り捨ててしまうのならば、いっそのこと目を通さずに『平々凡々』とした日々を過ごされては如何ですか?

>529 ひろゆきがうまい棒のCMに
ふむ…その情報は正しいものなのですか?
でなければ、そう行った『流言蜚語』は控えるべきではないかと。
 
…彼が答えていなかったのはこれくらいですかねぇ。
では、私はこれで。
 
(エミリオを担ぎ、空間の狭間へと消えていく)

7 :カノン(M):02/11/06 01:14
>4 絶対に負けないヒーローVSカノン
 
あたしの刃は男の剣に受け止められ、弾き飛ばされた。
――なるほど、大した力だ。人間以上の……
 
しかしこいつは……くだらないことを言うものだ。
女は殺さぬ、などとは。
 
「――逃がした女の居場所? そんなものは知らぬ。
 そもそも、貴様にはもはや関係ないだろう?」
 
ショートソードを逆手に持ち直しつつ、答える。
 
「屑ではないだと? 何を血迷ったことを……
 貴様は魔だ。ゆえにあたしは貴様を狩る。女を追わせるつもりはない。
 第一あたしは――とうに女を棄てたのだ!」
 
言い放つと同時に、地を蹴り肉薄。
 
「貴様ら魔を――狩り尽くすためにッ!」
 
間合いに入ると同時に、右足の爪先から仕込み刃を飛び出させ、回し蹴りを放つ。
そしてそのまま、流れるように回転。逆手に構えたショートソードを奴めがけて振り下ろすッ!

8 :絶対に負けないヒーロー ◆nVERSUSnLk :02/11/06 01:52
>7 絶対に負けないヒーローVSカノン

 ―――おれが、“魔”?
 
 彼は思わず失笑した。口に浮かんだ嘲りの嗤い。彼は心底呆れている。
 
 魔とは何か? 限られた短い空白の中で青年は考える。
 彼は今まで十の世界と百の国、そして千の都市を堕としてきた。
 なるほど、この所業を魔と呼ぶのなら、彼は紛う事なき純粋なる魔だ。
 そしてそれを狩らんとするこの女は、
 
「はん……正義のヒーローってわけか」

 正面から繰り出された回し蹴りを左の二の腕で受け止める。同時、突き刺さる痛みに彼は
僅かに顔を歪めた。
 仕込み刃。
 ―――舐めた真似を……。
 休む暇も与えずに振り下ろされた剣が、彼の身体を二つに切り裂くより早く、刀の柄で刃
を受け、流す。その反動を活かして、黒刃の峰を女の肩に叩き付けた。
 更に、衝撃で吹き飛ぶ彼女を畳みかけるように零式雷閃の銃火が襲う。
 
 
 全て、全て理解した。
 彼女が女ではないことも、魔を狩り尽くすという信念も。
 そして、彼がその狩るべき対象である“魔”だということも。
 だが、
 
「残念だったな。おれは絶対に負けないんだよ」

 女で無いというのなら、殺さぬ理由は無くなった。
 彼はニヤリと嗤い、弾の尽きたサブマシンガンを捨てると、黒刀もまた地面に突き立て、空
いた両手をダラリ、と重力に投げだす。不敵な構え――青年は女……いや、“狩人”を挑発していた。 

9 :レイオット・スタインバーグ ◆LOSJACkEtA :02/11/06 02:15
レッドアリーマー対レイオット・スタインバーグ
クレナイのアクマ〜TRUE DEMON〜
ttp://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1035977720/175-176
 
「――――っ!」
 
 悲鳴も出ない。胸に叩きつけられた衝撃に、ただ息が詰まる。
 衝撃に硬直した肉体は受け身すらとれず、振り落ちる砕けた瓦礫をその身に受けながら、
レイオットは辛うじて、廃屋の中へと転がり込んだ。
 
 廃屋の中に存在する数々を押し砕き、彼は俯せに横たわる。当然のことながら、すでにそ
の手に悪魔は居ない。虚空を掴むように固まっていた掌をぎこちなく開くと、それを静かに腹
部……正確には、左脇腹の装甲へと触れさせた。

 なにものか衝突したのか―――盛大に歪んでいる。わき上がってくる強烈な吐き気。
 身じろぎするごとに、脇腹から脳髄へ駆けめぐるのは、ただ純粋な痛みだ。
 
「……こりゃ、何本か持って行かれたな」
 
 苦笑混じりのつぶやき。同時に、もはや聞き慣れたと言っていい翼音が、血流の唸りを上
げていた彼の聴覚を打った。全ての雑音が振り払われたように静寂が訪れる。
 
 立ち上がる。ダメージは、思ったよりはないようだった。崩れた天井の隙間から差し込む月
明かり。最後の舞台を盛り上げる証明としては理想的だ。

 足下に散乱する残骸は、かつて信徒席を務めていたものだと知れた。
 長年放置され腐りきったそれは、戦術魔法士の重量に耐えきる事が出来ず、無惨にただ
のがらくたへと姿を変えている。

 十字の影が、視線の先―――悪魔の背後に鎮座していた。
 そこに貼り付けられ聖人のうつろな双眸が、静かにこちらに向けられている。あたかもレイ
オットと悪魔―――ふたつの罪人をつなぐように。

10 :レイオット・スタインバーグ ◆LOSJACkEtA :02/11/06 02:16
(>9 続き)

 敵と、自分と。必要なものは全てここにある。
 もう、これ以上。何かを口に知る必要はなかった。
 
「我・法を破り・理を超え・破壊の意志をここに示す者なり―――」
 
 手元に構えた機械の発する、ごきん、という金属音。
 それはあらゆる障害を乗り越えて物理法則へと挑戦する魔法士の意志の具現。
 喉から滑り出る呪文は、あらゆる敵を排除せんとする戦術魔法士の戦意の証。

 甲高いノイズの如きそれは、通常ではあり得ないほどの速度で基礎呪文を増幅し、速や
かに新たな形へとその姿を変えていく。
 
「爆炎よ・爆炎よ・敵を焼け・敵を焦がせ・敵を滅ぼせ・我が勝利をここに導け猛き業火!
 ベルータ・エイム・クイファ・クイファ――――!」
 
 白い光を押しのけるように、深紅の魔法陣が再び世界へとその姿を顕していた。
 相互反転する二つの同心円―――自壊寸前の兆候効率駆動する事象誘導機関が、はっ
きりとその影を浮かび上がらせている。
 
 生き残るのは自分か。それとも―――目の前の奴なのだろうか。
 その答えが、まもなく出る。
 
「―――顕っ」
 
 叫んだはずの撃発音声は、むしろ穏やかな響きすら伴って現実世界を浸食する。
 スタッフを中心として展開した魔法士の魔力圏は、悪魔に向かい爆炎を―――今までの
それを遙かに上回る、<第二の業火>を炸裂させていた。

11 :以上、自作自演でした。:02/11/06 02:24
血と汗と罪人をオーストラリアにでも流せ…

12 :以上、自作自演でした。:02/11/06 12:35
>11
ええかげんにしなさい!(何かを叩く音とともに笑い声が)

13 :デューク東郷:02/11/06 18:15
     _,, 、、 .. _
   ,. '"         ``` ‐-,
 /        /,~、``' ヽ
/         〈 ,.へ、._  ヽ
|      〃ヽ  //\..._`フノ
|      {(`、| |. `ヽ===ii`, ヽ
.|      .| { 〈| |    /   ヽ        / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|     ヽ ヽ| |  /    __,ヽ      .| このスレで生き残る条件は
 ヽ.    / ヽ | |       _了´    ∠ 10%の才能と20%の努力…30%の臆病さ…
  /ヽw'゛    },,,|     厶        | 残る40%は運だろうな
 ./      \ ` 、     〈       \__________
/~` ‐- 、__     \ ` - ..、._〉
       ̄~` ‐- 、  {

14 :以上、自作自演でした。:02/11/06 18:35
心の弱さゆえ魔道に魅入られたか・・・。

15 :以上、自作自演でした。:02/11/06 18:41
ぶいすりーまっはきーっく。 

16 :以上、自作自演でした。:02/11/06 18:55
範馬勇次郎や東方不敗がでてきたら戦いますか?

17 :カノン(M):02/11/06 21:51
>8 絶対に負けないヒーローVSカノン
 
足の刃は奴を傷つけたが、右手の短剣は奴の剣に阻まれた。
肩に剣を叩きつけられ、吹っ飛ばされて木に叩きつけられる。
さらにそこに、翡翠色のマズルフラッシュと共に無数の弾丸が襲いかかってきた。
ガードすべく構えた腕に、殺戮の意志を伴った強装弾が叩き込まれる。
 
常人ならば耐えられるはずもない。
だが、この体は硬く冷たく、痛みも通さぬ偽りの肉体。魔を狩るための武器であり鎧。
多少はフレームが破損したが……命が脅かされることも、痛みに身をすくませることもあり得ない。
 
だが無論、このまま銃弾の雨を浴び続けるつもりはない。
あたしはガードを続けつつ、横へと駆ける。
 
やがて、銃撃が途切れ……あたりは再び闇に包まれた。
 
義体の損傷具合を確認――まともに食らった左腕は半壊、僅かに物が掴める程度。
だがこの程度、ダメージのうちにも入らぬ。問題はない。
が、再びこちらの攻撃に移ろうとしたとき……奴は、地面に剣を突き立て無防備な姿勢を取った。
……ち、舐めてくれる。
 
「絶対に負けない、だと? 何を勘違いしている。
 これは――勝負などではないッ!」
 
あたしは言い放ち、短剣を収める。
刹那、腕をだらりと下げた奴に向かってマントに忍ばせていたナイフを投擲。
同時に短剣を抜き打つ姿勢で、警戒しながらも肉薄する。
――奴に「勝つ」ためではない、奴を「殺る」ために。

18 :レイオット・スタインバーグ ◆LOSJACkEtA :02/11/06 22:34
……さて。さっさと片づけようか。
それほど暇でもないんでな、適当に拾い上げていくぞ。
 
とりあえずは前スレ分からだ。
 
>302 なんで太陽板に
……知るか。
まあ、何かの気の迷いで、日の光の下で質問に答えよう―――なんて考えたのかもな。
 
>320 答え3――――
……現実は非常である、って?
いや、こういう時の答えは大抵こうだと聞いたんだが。
いったい何の事やら。
 
>321 飛び道具は危険
……そうか?
まあ、それならそれで何とかするだけだ。
どのみち、拳銃なんて接近戦でなくちゃろくに役に立たないんだ。
攻撃の手段なんて、それこそ無限にある。
飛び道具が役に立たなくったって、別にどうって事はないがね。
 
>322 誰か噛んで
……正気か、あんた?
たかだか歯のひとつやふたつで―――
まあ、それもあんたの人生だ、好きにしなよ。
その代わり、常に身の危険にさらされる立場になるという事だけは覚えておいた方がいい。
 
吸血姫?
……まあ、あれだ。先に言っておくが……ご愁傷様。
 


19 :レイオット・スタインバーグ ◆LOSJACkEtA :02/11/06 22:34
>323 闘猛
別に、そんな事を気にした事なんてないよ。
友人が欲しいと思ったもないし……それに俺は、戦えればそれでいいんだ。
相手が俺の事をどう思っていようと大した問題じゃない。
敵になるのか、味方になるのか……最終的に必要なのはそれだけだ。
 
>324 こいつだけは殺しておくべき
前にも言ったが、他人の事なんてどうでもいいんだ。
俺の敵になるのなら……それが必要なら、誰でも殺せる。
なんなら、試してみるか? 一足先にあの世とやらを見てみるのも悪くないかも知れないぞ。
 
>377 敵に回したら厄介な奴
正直、魔法が効かない、なんて連中は勘弁して欲しいんだが……
いきなりこちらの能力が無効になるわけだからな。それは流石に面倒だ。
 
>441 似たような質問が多い
ま、あれだ。
人間なんて、考える事はみんな一緒だって事だろ。
代わり映えしない事を延々と訊かれるのも困るが、だからといって妙に独創的な質問をされても困る。
俺は今の具合でちょうどいいと思うがね。
 
>446 外部板が最近つまらない
どいつもこいつも、向こうじゃ静かになっちまったからな。
もっとも、あちらはあくまで戦いの準備をするための場所だ。
こっちが面白いっていうんならそれはそれで結構な事だと思うよ。
向こうで力尽きてたら、それこそ本末転倒だ。
 
>508 カレクックこそ最強
……ああ、そう。
正直、誰が最強なんてのは聞き飽きたし、別にどうだっていいんだ。
重要なのは、そいつに対抗しうるのか。そして、矛を構える可能性はあるのか。
目の前に顕れない最強なんて、無いのと同じだよ。

20 :ディオ・ブランドー ◆a1URYYYYEg :02/11/06 22:42
今日は不死者の王を描いてみた。
流石に少々疲れてしまったよ・・・
・・・・・・エネルギー補充が必要だな・・・

>561網走刑務所産のニポポ人形
必ず届けてくれよ・・・
それは良いものだ。


・・・・・・いや、良いものなのか?

>564銃使徒シモン
>対応することは非常に困難だろうな。
なら、試して見ると良い・・・
わたしは何時でも構わんよ。んん〜?

ザ・ワールドのスピードと正確さは、至近距離から発射された散弾を全て叩き伏せるほどだ。
撃つ事が分かっている普通の銃弾を避ける事など造作も無い・・・
さあ・・・やって見るが良いッ!!

>566アテナ
>長生きして寂しい
出会いがあれば別れもある。それは当然の事だよ・・・アテナ君。
永遠を生きればこその悲しみがあれば、永遠を生きればこその喜びもあるというものだ・・・それに・・・・・・
フン・・・
寂しさなどとうの昔に忘れたよ。

>569アテナ
、まあ・・・あれはアレで味があるとも・・・・・・・
まあ・・・良いだろう。
・・・・・・それと・・・君の絵だが・・・近いうちに描こう。

21 :絶対に負けないヒーロー ◆nVERSUSnLk :02/11/06 22:45
>17 絶対に負けないヒーローVSカノン

「なに怒ってんだよ、くだらねえ」

 彼はふっ、と鼻で笑うと、投げ放たれたナイフの刀身を、右手の中指と人差し指で挟むよう
に受け止めた。
 受け止めたナイフをくるりと回転させ、柄を手中に収めると、狩人の眉間に向けて投擲。
 倍の速度で投げ返された刃は、しかし寸でのところで避けられる。
 
 頭を僅かに逸らしナイフをかわした彼女。隙は微々たるものだ。
 青年はその微々たる隙を見抜き、ダッシュ。狩人との間合いを一気に詰める。
 
「言葉遊びやってんじゃねえんだ。殺せるのなら、さっさと殺してくれよ。なあ?」

 抜き様に薙がれる狩人の刃。だが、間合いが狭すぎる。
 彼の腰を鋼で打ち付けるも、切り裂くことは適わなかった。
 
 彼は笑みを浮かべる顔を前に突き出し、額で彼女の顔面に鋭い頭突きを叩き込む。
 同時、両腕が唸り、左手、右手の順で彼女に胸に拳が突き込まれた。

22 :ディオ・ブランドー ◆a1URYYYYEg :02/11/06 23:00
さて、今スレ分だな。

>3るん♪
愉しく3取りか?
ハイな気分だろう?
更に・・・良い気分にしてやろう!!

(吸血しました)

>5リチャード・ウォン(M)
フフ・・・『以下同文』か・・・
まあ、構わん。エミリオ君は君のところで処理してくれ。
塵の不法投棄はしないでくれよ。ん〜?

>11罪人をオーストラリアにでも流せ…
ここに居るのは、ある意味罪人ばかりだ。
それを流してしまっては、だれも居なくなってしまうではないか・・・
とりあえず>13でも流しておくか・・・・・・・

>12(何かを叩く音とともに笑い声が)
オレはおばさんの笑い声が嫌いだ。
怖いんじゃあない。面白くも無いギャグにへーこらする態度に虫酸が走るのだ!

>13残る40%は運だろうな
その40%の運で、上手くオーストラリアまで辿り着け・・・

(巨大な桃に詰めて、河に流す)

23 :孔濤羅 ◆dTAoloUdks :02/11/06 23:05
>3 るん
随分と楽しそうだな。
なにかあったのか?
 
>11 血と汗シリーズ
またか。
あんたとも随分長い付き合いだな。
 
で、オーストラリアか。
もともとあそこはそのための植民地だったと聞いたことがあるな。
うむ、さぞかし血と汗が流れたことだろう。
 
>12 ええかげんに
おお、これが漫才と言うものか。
はじめて見た。
 
>13 デューク東郷
あんたも必ずといって良いほど顔を出すな。
暇なのか?

24 :孔濤羅 ◆dTAoloUdks :02/11/06 23:07
>14 心の弱さゆえ
そう。俺は剣鬼。
我が妹の復讐のため、我が妹の復活のため、
外道に身を落としたひとりの鬼。
 
>15 ぶい(以下略)
これも新スレがたつたびに出てくるな。
なんなんだ?
 
>16 範馬勇次郎、東方不敗
来れば戦うが……
受け入れられるかどうかはまた別の話だな。
ここは吸血大殲だから。

25 :ディオ・ブランドー ◆a1URYYYYEg :02/11/06 23:18
>14心の弱さゆえ
人の限界を超える為だ・・・
どこまでも進化し、君臨する為だ!
このDIOをキサマらと同じと考えるな虫ケラが!!

>15ぶいすりーまっはきーっく。
おや・・・
先ほど王蛇とか言う奴と戦っていなかったか?

>16範馬勇次郎や東方不敗
範馬勇次郎は知らんが・・・
東方不敗は知っているぞ。
なんでも強さを求めて女の体になったとか言う武術家だな・・・
フン・・・誰であれ、このDIOに逆らうものは滅び去る運命に変わりは無いのだ。



26 :エミリオ・ミハイロフ ◆EMILIozylo :02/11/06 23:21
…まあ、僕はそう簡単に死なない、って事で。
質問、答えるよ。
>5 社長
あのさ…やっぱり、『以下同文』は苦しいと思う。
 
>11 罪人を豪州に流せ
日本の風習じゃ、罪人はサドに流すんじゃなかったっけ…?
で、サディストに延々しばかれるとか、社長が言ってたけど。
 
>12 突っ込み
ああ、これが突っ込みなんだ…初めて見た。
ところで、その笑い声は何?
 
>13
ふーん。
で? お前にはそれがあるとでも?
 
>14 魔道に魅入られた
誰の事を言ってるんだ…?
…くっ…なんで、頭が痛むんだよ…!
 
>15 V3
…飽きた。帰れ。
 
>16 範馬勇次郎、東方不敗
出てきたら、戦うよ。
出てくるとも思えないけどさ…。
 
>22 DIO
…僕は塵じゃない。
この間は不覚を取ったけど、今度は負けるつもりはないよ。

27 :カノン(M):02/11/06 23:23
>21 絶対に負けないヒーローVSカノン
 
抜かった……一瞬の隙に、逆に間合いを詰められるとは。
刃は当てられず、代わりに痛烈な頭突きをもらう。
 
そう、痛烈な――あたしの頭は痛覚神経こそ遮断してるが、その衝撃はまともに脳を揺さぶった。
瞬間、義眼の伝える“眼前の光景”がノイズがかかったように乱れ、何も判らなくなる。
 
そこにさらなる衝撃。
一瞬の後に、奴の両拳が胸に命中したことを悟った。
 
だが、それでも。
 
 
――あたしの意志までは、潰えはしないッ!
 
 
衝撃で後ろに吹っ飛ばされるのを利用し、再びバック転の要領で背後の地面に手をつき、足を蹴り上げる。
仕込み刃は使わない、純然たる蹴り。この距離ならば命中させることは十分に可能。
そして地面に降り立つと同時に、今の行動でさらにダメージを負った左腕を肘部分からはずし……
 
「殺してやるとも――言われるまでもなくッ!」
 
その下から現れた鈍く光る仕込み銃を、その銃身が焼け付かんばかりに連射した。

28 :レッドアリーマー ◆99Arremerg :02/11/06 23:37
レッドアリーマー対レイオット・スタインバーグ
クレナイのアクマ〜TRUE DEMON〜
>9>10
耳障りな旋律、呼応して得物の先に現れるは光芒。
外界に漏れ出ん程に漲る魔力は、赤き六茫の陣へとその形を成す。
魔の眷属特有の感覚が、めまぐるしく輝く光芒の果て―――見えざる力の奔流を捉えていた。
そして相手の双眸に宿るは、明らかなる決着の意志。
 
「ようやく、か……」
 
醜き顔の奥底で、旧き悪魔は苦笑する。
この狭められた所では、飛翔には間に合わぬ。
そして相手が今放つのは、恐らく大技。逃げることは適わぬだろう。
 
否、逃げる必要など無い。
 
“…いいだろう!”
 
赤き魔物は歓喜する。
死闘の終焉、その因縁の決着に、異形の躯と心が震える。
石の大地を両の足にて踏みしめて、己が口を張り裂けんとばかりに開き、構える。
相貌に宿るは、今までを凌ぐ殺気。
燃え盛るは赤き体躯に相応しい、戦意の炎。
 
――――口中に広がるのは、闇。
其処には口腔に在るはずの牙も、赤き膚も無く―――代わりに広がるは暗闇。
漆黒よりも尚冥い深淵の闇が蠢き、渦を巻く。
闇そのものが発する夥しい熱気に呼応して、撹拌された大気が唸りを上げる。
まるでその闇を恐れ、おののくかのように。
 
それは殲滅の黒き炎『ダークファイヤー』
自らを超える魔物―――そう、魔王すらも焼き尽くし、討ち滅ぼす暗黒の灼熱。

29 :レッドアリーマー ◆99Arremerg :02/11/06 23:38
>28続き
悪魔の眼は眼前の黒き鎧へ、鎧の者もまた赤き魔物へ――――
両者の距離を互いの殺意と闘志、そして決意の視線が繋ぐ。
永劫にも等しく感じられる、只一時の刹那の対峙。
 
“―――――顕”
 
全くの、同時。
先刻の炎を凌ぐ爆炎が顕現すると同じく、冥き炎は魔のあぎとから解き放たれ、その牙を剥く。
 
黒と紅、暗黒と紅蓮。
二つの業火は鬩ぎ合い、互いを喰らい―――――そして、世界が炸裂した。


30 :ラルフ・グルト ◆pqLalf3Ovc :02/11/07 00:02
ラルフ・グルトvs綾瀬瑞希『彷徨える者への鎮魂の鐘』
>第47章55

「――――――ふむ」

先程少女が穿った孔の中に身を伏せ、爆発のダメージを最小限に抑えた男が、
ボロボロになったコートを打ち棄てて天井を睨み上げる。

「逃げられましたか。流石に一筋縄ではいきませんな」

簡易結界とは言え、この場は事前にきっちりと封鎖してあった筈なのだ。
男が必死の思いで身に着けた技術をあっさりと超えていくのは、やはり生来の能力と無限の時間による
経験に恵まれた夜族の特権であろう。
特に、真祖の力だけでなく外なる神々の力も得た少女にとっては、男の結界術など児戯に等しいに違いあるまい。

だが、負けるつもりは毛頭ない。

「上、ですか」

壁の穴から外へ回り、非常階段から屋上へと駆け上がり、
不意打ちを食らわないように、散弾をばら撒きながら屋上へ突入し、
月下の女神に向かって足元の鉄くずを蹴り上げる。

「甘いのはさて、どちらですかな?」

その瞳に、迷いはない。

31 :絶対に負けないヒーロー ◆nVERSUSnLk :02/11/07 00:12
>27 絶対に負けないヒーローVSカノン

 右腕を振りきったところで、顎に衝撃。彼女の爪先が顎に食い込んだ。
 彼は蹴り飛ばされると、数歩蹌踉めく。
 口には笑み。
 ――――軽い蹴りだな。まだまだ“人間”の蹴りだ。
 
 両手を腰に走らせ、ベルトに挟んだ二丁の拳銃を抜き放つ。
 ガバメントとFNハイパワー。45口径と9ミリの銃口が、左腕を構える狩人を睨み据えた。
 
「分からせてやるよ。ヒトの弱さを」 
 
 瞬間、夜に包まれた森が昼と化す。
 フルオート真っ青の連射速度で二つの銃口から撃ち放たれた弾丸が、狩人が撃ち出す銃弾の雨を正確に
弾いていく。銃弾に弾かれた銃弾は彼に届くことなく役目を終えた。
 信じられない、というような表情を浮かべながら撃ち続ける狩人。
 青年は迫る銃弾を悉く撃ち落としながら、彼女に向けて駆けだした。
 
 
 かちり。
 重なり合う三重音。三つの銃口が同時に沈黙する。
 
「もう終わりか。情けねえ」

 彼が二丁の拳銃を捨てると同時、コートの裾が彼女の眼前で翻った。物理的な闇に視界を閉ざされる狩人。
 その闇の奧から繰り出された電光石火の後ろ回し蹴りが、彼女の側頭部を強かに打ち据えた。
 それだけでは止まらない。横に倒れる彼女を救い上げるように、彼の腕が迫り、狩人の首を掴み上げる。
 そのまま彼は猛スピードで駆け、数メートル先にある樹木に彼女を全力で叩き付けた。
 
「おれを殺したいんだったら……精々、“もっと”人間をやめるんだな」

 未だ彼女の首を強く締め上げたまま、彼は嘲りの笑みを浮かべ続けた。

32 :綾瀬瑞希(M) ◆AYaSEjIaoQ :02/11/07 00:13
ラルフ・グルトvs綾瀬瑞希『彷徨える者への鎮魂の鐘』
>30
幸いにも、爆発の規模はあまり大きくなかったようだ。
 
此処は、綾瀬の家が『闇を狩る者』の隠れ家として一時使われていた所。
それなりに想い出も有る。
あの頃は、私が狩られる立場ではあったが。
 
狩人は上ってくるだろう。 私を狩る為に。
 
どうするか?傷つけず、勝つことはおそらく無理。
私が死ねば、瑠璃葉も死ぬ。
それは分っていても…、明日工藤クンに笑って話し掛けられるかどうか…。
 
「ええ、私の方が甘いかも知れないわね……」
 
蹴り上げられた鉄くずを散布した私の一部、マイクロマシンで急速に練成し、
棒へと変える。
銃器が使えない距離に持ち込み、PKで再起不能寸前まで追い込めば…。
 
そう考えながら狩人へ向かって突進し、幾重にも突きかかる。

33 :カノン(M):02/11/07 01:16
>31 絶対に負けないヒーローVSカノン
 
「ぐ……っ」
 
首を締め上げられ、息が詰まる。
――まるで今までのが遊びだと言わんばかりに、あたしは奴の圧倒的な力に打ちのめされた。
 
動けぬ。
義体が、シルエットがあちこちで悲鳴を上げ、あたしの反撃への意志を受け付けない。
そんなあたしに……奴の嘲りの言葉が耳に届いた。
 
『“もっと”人間をやめるんだな』
 
 
「ぐ…………く、くくく……」
 
――あたしはその言葉に、喉を振るわせて嗤った。
 
人間をやめろ、だと? 何を馬鹿な。
確かにあたしは全てを棄ててきた。生身の体も、自慢だった亜麻色の髪も、
自らの名――剣の聖女の家系・アーヴィング家の傍流ベルナデッド家の証明である
「アイシャ・ベルナデッド」という名も。
 
だが……人であることだけは棄てぬッ!
あたしは剣の聖女の末裔、魔を祓うはあたしの使命ッ!
そのために、図らずも奴の言うとおり“英雄”になるために、以前の「あたし」を全てを棄ててきたのだ!

34 :カノン(M):02/11/07 01:17
>33続き
 
 
「く、く……ならば見せてやるさ……人の、英雄の力をッ!」
 
吐きつけるようにあたしはそう言い――全身のリミッターを、解除。
全てが真っ赤に染まるような感覚と共に、あたしの体は跳ねるように動き出した。
あたしを押さえつけている奴の腕を叩き落とし、背後の木を蹴って猛烈な勢いで奴の鳩尾に肘を叩き込む。
そのまま間髪入れずに身を捻り――その勢いを全て乗せた蹴りで奴を吹っ飛ばした。
 
無論、耐用レベルを超えた暴走行為。下手をすればまともに動けなくなるかもしれぬ。
だが……この体は魔を祓うための道具、いくら壊れようが直し、あるいは取り替えればよいこと。
今この一瞬、必要なのは――この身に流れる剣の聖女の血と、奴を切り裂き突き抉り断ち割り
殺して殺して殺して滅ぼし尽くす、あたしの意志を乗せた一刀のみッ!
 
あたしは吹っ飛ばした奴を追いかけ、その一刀、右腕に伸ばされたブレードを奴の喉元へと突き入れるッ!

35 :ラルフ・グルト ◆pqLalf3Ovc :02/11/07 01:31
ラルフ・グルトvs綾瀬瑞希『彷徨える者への鎮魂の鐘』
>32

疾い――――。

突き出されてくる棒の先が幾重にも分かれている様に錯覚するくらい、その一撃は疾かった。
だが、

「単調すぎますな」

きちんとした技術による裏付けがないその攻撃は、リズムが一定であるため逆に読みやすい。
現に、最初の数発こそ男の体をかすめたものの、それ以降はかすりもしない。

場数の違い――――ではない。覚悟の違いだろう。
鉄棍の先に宿る迷いが、男の下へ届くのを妨げているのだ。

「それでは届きませんぞ?」

螺旋を描く様に移動しながら、少しずつ間合いを広げて行く。
だが、こちらから仕掛けたりはしない。その身を霧と変える事が出来る相手に、
不意打ち以外で銃弾を当てるのは不可能に近いからだ。

そう、不意打ち以外には。

36 :綾瀬瑞希(M) ◆AYaSEjIaoQ :02/11/07 01:48
ラルフ・グルトvs綾瀬瑞希『彷徨える者への鎮魂の鐘』
>35
スピードは乗っていても所詮は単調な攻撃、私自身がそう思う。
だが、避けに徹していればPKを放つだけの隙はできる。
向こうも恐らくは同じように一瞬の隙を突こうとするだろう。
 
工藤クンの笑顔が浮かぶ、もう一人、ライバル……すざくの笑顔も。
 
私は…。
 
しっかりしろ、綾瀬瑞希。私はなんとしてでも生きるべきじゃないのか?
たとえ、何人殺めようとも、彼に……。
 
「ええ、届かなくていいの、これは!時間稼ぎだから!」
 
気を引き締め、一瞬の隙に乗じてPKを狩人の左腕に集中させ、捻り上げる。
その時、ようやく私は狩人の右腕がない事に気付いた。

37 :レイオット・スタインバーグ ◆LOSJACkEtA :02/11/07 01:50
レッドアリーマー対レイオット・スタインバーグ
クレナイのアクマ〜TRUE DEMON〜
>28>29
 
 生まれたのは、無音の爆発だった。
 無論、そんな事があり得るはずもない。恐らくは、炸裂した衝撃波に聴覚が麻痺した結果
なのだろうが―――原因がなんであれ、聞こえない以上、それは存在しないのと同じ事だ。

 紅と、黒。
 同じ炎でありながら混じり合う事もない二つの爆炎によって生み出された膨大な熱と衝撃
を正面から受け止めながら、レイオットは灼熱の壁の向こうにいるはずの悪魔の姿を求め
ていた。
  強化された認識の中において、一瞬は数秒に匹敵する。閉ざされた空間に広がり、その
中にある全てを飲み込まんと迫る炎の触手すらも、今の彼にとっては緩やかに蠢く異形と
何ら変わりない。
 
―――見えない。
 轟々と燃えさかる紅と黒の向こう。時折炎の切れ目から顔を覗かせるのは、煉獄に照らし
出された張り付けの聖人の姿。悪魔は、見えない。
 
(やった―――のか?)
 
 声なき呟き。だが、自らの問いを確認するまもなく……攪拌された大気に乗って踊り狂う
炎が、立ちつくすレイオットにその、巨大な顎を開く。白熱した口腔に、今にも取り込まれる
と思われた、その刹那―――
 
「……顕っ!」
 
 <デフィレイド>―――展開した防御力場面が、荒れ狂う炎の奔流を受け止めていた。
 それは、あたかも断末魔の如く。紅く視界を焼いたそれは、一瞬の後―――
 僅かな残滓だけを残して、脆弱の中へと消滅していた。
 悪魔は、どこに―――?

38 :絶対に負けないヒーロー ◆nVERSUSnLk :02/11/07 01:50
>33>34 絶対に負けないヒーローVSカノン

「一つ教えてやる」

 渾身の力が込められた回し蹴りを頬に喰らい、横に大きく飛び跳ねながらも、
まだ余裕ある口調で彼は言う。
 
「正義のヒーローっていうのはな」 
 
 正義、正義、正義。
 主観に過ぎないそれを“絶対”にする条件はただ一つ。
 
「―――絶対に負けないんだよ」

 負けたら、それは正義では無いのだ。
 
 
 地に足をつけ、崩れた姿勢立て直そうと試みる。
 ―――瞬間。
 喉を貫く衝撃。勢いに抗うことなく、青年は背中から地面に倒れ込んだ。
 狩人は彼に馬乗りの体勢で、腕から生える刃を彼の喉に突き立てていた。
 
 沈黙が訪れ、
 そして、去った。
 
 彼の腕がピクリ、と動いたかと思うと、次の瞬間には懐からリヴォルバー拳銃
を抜き放ち、銃口を彼女の口内に突き入れていた。
 彼は首を貫かれなお不敵な笑みを浮かべる。
 狩人が少し刃をずらせば、彼の首は跳ね飛ぶだろう。
 が、それと同時に彼女の頭は石榴となり弾ける。
 
 青年は狩人に選択肢を叩き付けた。死ぬか、生きるか。それとも――――

39 :ラルフ・グルト ◆pqLalf3Ovc :02/11/07 02:17
ラルフ・グルトvs綾瀬瑞希『彷徨える者への鎮魂の鐘』
>36

腕一本、それで相手の隙が誘えるなら安いものだ―――――。

少なくとも男はそう考える人種であった。
そういう男であったからこそ、激痛の中でも冷静に仕掛けた罠を発動させることが出来たのだ。

轟音が、少女の足元から天へ向かって突き抜ける。

建物の天井の破れ目、少女がつい先程抜けてきた場所から一発の銃弾が飛び出してきた。
いや、銃弾と呼ぶような代物ではない。
それは槍だ。光り輝く退魔の槍。

精霊石弾。
貴重なその鉱石に微細な紋章が掘り込まれた『それ』は、周囲の『流体』と呼ばれる因子と結合して
銃弾程度のサイズでも航空機を落とせるだけの威力を発揮する光槍を形成する。

魔術ではない。しかしそれに準ずる奇跡を起こす退魔の切り札。

「大盤振る舞い、といったところですかな?」

傷口から流れる血液を『消し去って』置いて、しかし蒼白な表情で男が口元を軽く歪ませる。

種を明かせば、別に大したことはない。
隠しておいた義腕を遠隔操作して少女を撃った。ただそれだけの話だ。
身近らの肉体を囮にして、という注釈はつくのだが。

白光が納まり、少女の生死が確認できるようなるのをじっと待つ。
両腕をなくした、その姿のまま。

40 :浅倉威 ◆VQma5tOUJA :02/11/07 17:25
超光戦士シャンゼリオンvs仮面ライダー王蛇  マグロじゃねぇ!
 
わずかに日の差し込む、暗い部屋。
燃えさしの家具に、内臓のように中身を露出させたソファ。
床は抜けて地表を露わにし、土に塗れた数多くの空になったカップ焼きそばを散乱させている。
 
「焼きそばも飽きた・・・」
 
この部屋の主、脱獄囚、浅倉威は呟く。
彼は逃亡中の身ということもあって、贅沢はできない。
安売りしていた焼きそばを買い溜めして食い繋いでいたが・・・。
飽きる、ということは浅倉にとっては、何より深刻な問題だった。
 
「そういえば・・・この近くには教会があったな・・・」
 
ふと、過去の記憶が蘇る。
この焼けた家は、元々浅倉が子供の頃暮らしていた家だった。
もっとも、それを焼いたのは浅倉自身なのだが。
 
そして、その教会には―――――――確か、銀の燭台があったはずだ。

41 :涼村暁(M) ◆MsSanZenbk :02/11/07 17:28
第X話 『マグロじゃねぇ!』 超光戦士シャンゼリオンvs仮面ライダー王蛇  
 >40
 
「で、俺に盗まれた燭台を探して欲しいと――――?」
 
太った体を無理やり小さくするようにしながら、
俺の目の前の神父さんはうなづいたわけだよ。
 
『えぇ・・・・・・あれがないと、ミサも出来ないものでして・・・・・・・お願いできますでしょうか?』
「お任せください!朱美!今後の予定は?」
 
その声に、秘書の朱美はカタカタとパソコンを動かす。
・・・・・・・まぁ、動かすまでもないんだが、こういうのは雰囲気が大切だからね〜
 
『はい、大丈夫です!』
「それでは、此方が捜査費の前払いということで、これだけ戴きます」
 
俺はにこにこしながら、神父さんに紙を渡した。
 

42 :涼村暁(M) ◆MsSanZenbk :02/11/07 17:28
>41続き
 
「いや〜〜、二日ぶりのバナナパフェは美味いね〜♪」
 
いつもの所から取り寄せたバナナパフェを方張りながら、
俺は至福の時を満喫していた。
 
『まったくもう、そんなことしてる場合じゃないでしょ?捜査してきなさいよ〜』
 
俺の至福を邪魔するように、朱美が呆れた声をあげる。
 
「お前ね、そういうこというもんじゃないよ?俺はこ〜見えても、ちゃんと推理してるんだって。
 犯人はね、事件の現場に戻る。これ、鉄則よ?今日、明日にでも来るね、あいつは!」
 
俺は断言すると、再びバナナフェへと向き直った―――――
 
 
「とは、言ったものの――――来なかったらどーしよ――――」
 
夜の教会で一人隠れながら、俺は丸ごとバナナをほおばっていた。
もちろん、これは教会持ち。捜査してんだから、当たり前だよな〜〜〜♪
その時、きしむ音を立てて、扉が開いた。
やった、やっぱ俺って天才ジャン!本当に来たよ!!
 
「現れたな、この盗人め!さっさと燭台を返してもらおうか!」
 
隠れた場所から姿を出すと、びしっとポーズを決めた。
あぁ、俺って、かっこいい!!
 

43 :浅倉威 ◆VQma5tOUJA :02/11/07 17:29
超光戦士シャンゼリオンvs仮面ライダー王蛇  マグロじゃねぇ!
>40>41
 
扉の先に現れたそいつの顔は、あまりに不気味だった。
開きっぱなしで生気のない巨大な目、尖った口、そして首筋のエラ。
そいつは、それだけで辺りを威圧するほどに巨大でもあった。恐らくは、3b以上あるだろう。
 
あまりに巨大な――――冷凍マグロの姿だった。
 
「重過ぎるな・・・イラついてきた・・・」
 
そのマグロが、突然しゃべり出した――――ように、暁は思った。
実際はその背後にいる、浅倉の発した声だったのだが。
銀の燭台を売り払った金で、浅倉はこの冷凍マグロを購入したのだ。
しかし、彼には到底マグロの調理などできない。
ここのシスターは料理が得意だと聞き、この教会へと戻って来た。
 
マグロ料理を口にするため、今、浅倉威は教会へと踏み込んだ。

44 :涼村暁(M) ◆MsSanZenbk :02/11/07 17:31
第X話 『マグロじゃねぇ!』 超光戦士シャンゼリオンvs仮面ライダー王蛇  
 >43
 
「うぉ!?ま、マグロが喋った!?さては貴様、ダークザイドだな!!」
 
冷凍マグロが歩いて、しかも喋った――――
ダークザイドなら、冷凍マグロっぽい外見の奴がいても、別におかしくないわけよ。
 
「とりあえず、動くんじゃねぇ!動くとぶっ飛ばすぞ、このダークザイドめ!」
 
教会の中にズシズシと入ってきた冷凍マグロに向かって、俺は叫ぶ。
極上の本マグロの形をしたダークザイドなんて、なんてふざけてるんだ!
 

45 :浅倉威 ◆VQma5tOUJA :02/11/07 17:32
超光戦士シャンゼリオンvs仮面ライダー王蛇  マグロじゃねぇ!
>44
 
探偵の言葉に、脱獄犯は疑問の声を漏らした。

「は・・・? ダークザイド? なんだそれは・・・?」

その言葉が、合図となった。
スローモーションがかかったように、ゆっくりと。
そう、あまりにもゆっくりと、マグロは横へと倒れていく。
浅倉は、思わず手元のマグロを取り戻したのだ。
マグロの頭部と教会の床が重力によって接近し、やがて、ぶつかる。
 
教会中を揺るがすような、衝撃音が響いた。
 
空気が割れるようなその音をバックに、涼村暁と浅倉威はついに対面する。
一瞬、時が止まったような感覚を2人は覚えた。
2人は、あまりにもそっくりな顔をしていたからだ。
 
マグロの起こした音の余韻も、次第に薄れていく。
少しずつ、少しずつ音は細くなり。
やがて、教会はしばしの静寂に飲まれた。
 
その様子を、マグロだけが文字通り凍りついた目で見つめていた。

46 :涼村暁(M) ◆MsSanZenbk :02/11/07 17:34
第X話 『マグロじゃねぇ!』 超光戦士シャンゼリオンvs仮面ライダー王蛇  
 >45
 
「な、なんなんだお前はぁ!?」
 
思わず、俺の口からそんな言葉が出たね。
髪の色、形は違うけど、顔のつくりはまったく同じ。
世の中、似た奴は三人は居るって話だけど、
いや、ここまで似てる奴も居るんだねぇ。
 
「まぁ、んなことはどうだっていいんだ、アレ返せ、アレ!
 こっからお前が盗ってった燭台!返さないと、ひどいよ?ボコボコだよ?」
 

47 :浅倉威 ◆VQma5tOUJA :02/11/07 17:35
超光戦士シャンゼリオンvs仮面ライダー王蛇  マグロじゃねぇ!
>46
 
「燭台・・・? ああ、もう売っちまった・・・」
 
浅倉は同じ顔の相手に、興味なさげにそう言い捨てた。
 
「このマグロに、変わったんだよ―――――」
 
その浅倉の言葉に応じてか、マグロの目が輝いた。
エレガントな輝きが、さりげない女らしさを演出していた。
純粋なまでに透き通ったそのマグロの目は、充分鏡代わりにもなった。
 
「お前も、マグロになっちまいな―――――」
 
マグロの目が紫の妖しい光を帯びる。
浅倉の意志で動くモンスター、べノスネーカーがマグロの目から顔を出したのだ。
紫の蛇は、涼村暁をマグロの中に引きずり込もうとする!

48 :涼村暁(M) ◆MsSanZenbk :02/11/07 17:36
第X話 『マグロじゃねぇ!』 超光戦士シャンゼリオンvs仮面ライダー王蛇  
 >47
 
「なにぃ!売っちまっただと!?」
 
あぁ・・・・・・こうなったら、こいつを神父さまに突き出して残りをもらうしかない。
そうしないと、朱美への三か月分の給料と、バナナパフェの代金が払えないではないか!
 
「で、マグロになるってどういう――――」
 
それを言おうとして、俺は目を疑ったよ。
マグロの目からでっかい蛇が出てきたんだもんよ。
しかも、俺目掛けて襲い掛かってきたんだ、質問を返す時間なんざ無いわけで。
 
「うわきゃああ!!」
 
横に転がるようにしてなんとか逃げた俺は、
奴をにらみつける。この世界一の青年探偵の俺を殺めようとは太い野郎だ。
お灸を据えてやるか、バナナパフェおごらせなきゃ気がすまない。
 

49 :涼村暁(M) ◆MsSanZenbk :02/11/07 17:37
>48続き
 
「燦然!」
 
叫び声と共に、俺の頭にシャンバイザーがセットされる。
 
「シャンバイザー!!」
 
掛け声を上げ、俺はバイザーを下ろした。
体に光の粒子が集まっていく。
そして俺の体は、超光戦士シャンゼリオンへと燦然した――――
 
「マグロじゃねぇ!!俺は私立探偵、涼村暁だこの野郎!!」
 
俺は奴にビシィっと指を突きつけた。
 

50 :浅倉威 ◆VQma5tOUJA :02/11/07 17:38
超光戦士シャンゼリオンvs仮面ライダー王蛇  マグロじゃねぇ!
>48>49
 
シャンゼリオンに姿を変えた涼村暁を見て、浅倉の口元が歓喜に歪んだ。
こいつは戦える相手だ、つまり、獲物だ。
浅倉の蛇のような直感が、素早くそれを悟った。
 
カードデッキを取り出し、澄み切ったマグロの目に映す。
浅倉の腰に、金属質のベルトが装着される。
蛇の紋章の彫られたデッキを左手に携えつつ、蛇のように右腕を動かし、叫ぶ。
 
「変身!」
 
叫びと共にデッキをベルトに装填する。
同時にマグロから幻影のような鎧が現れ、浅倉を紫の騎士、仮面ライダー王蛇へと姿を変えた。
 
「ハァ――――――――――」
 
熱い風呂に肩まで浸かったようなため息をあげ、首をふらりと回す王蛇。
 
「暁―――――弟と同じ名前か、イラつくな。消えろ・・・」
 
王蛇はシャンゼリオンに殺意を言葉としてぶつけると、駆け出した。
言葉だけでなく、鞭のようにしなるその腕までも叩きつけるために。

51 :涼村暁(M) ◆MsSanZenbk :02/11/07 17:39
第X話 『マグロじゃねぇ!』 超光戦士シャンゼリオンvs仮面ライダー王蛇  
>50
 
「な!?お前も変身できるのかよ!!聞いてないぞそんなの!?」
 
目の前で変身した同じ顔の野郎は、こっち向けて駆けて来た。
いつのまにか伸びてきた手が俺の顔に命中する。
吹っ飛ばされた俺は、長椅子をぶち壊して転げた。
 
「痛〜〜〜〜〜!やってくれんじゃねぇか、この野郎!!
 シャイニングブレード!」
 
俺は起き上がると、胸のプレートに手を当てる。
声に反応して現れる金色の剣。
それを掴むと、俺は奴へと駆けた。
こんにゃろう、一発ぶっとばさなきゃ気がすまんぞ!!
 

52 :仮面ライダー王蛇 ◆VQma5tOUJA :02/11/07 17:41
超光戦士シャンゼリオンvs仮面ライダー王蛇  マグロじゃねぇ!
>51
 
「ハン―――――いいぜ? 愉しませてくれよ・・・?」
 
狂気を含んだ笑みとと共に、腰から王蛇はカードを引き抜き、手元の杖に装填した。
 
『ソードベント』
 
杖の発する機械的な音声が、王蛇の手元に、異様に捻れた蛇の尾のように撓る剣を召喚した。
ゆったりと剣を手元で弄びつつ、こちらへ駆けて来る、水晶の如き戦士を見つめる。
 
「意外ときれいだな・・・」
 
そう呟くとと同時に、王蛇もシャンゼリオン目掛けて駆け出した。
喉元を抉るように、鋭く突きを放っていく。
 
「ぶっ壊したいくらいにな!」

53 :涼村暁(M) ◆MsSanZenbk :02/11/07 17:43
第X話 『マグロじゃねぇ!』 超光戦士シャンゼリオンvs仮面ライダー王蛇  
 >52
 
「冗談言うな!お前を愉しませるつもりなんてこれっぽっちもないっての!」
 
俺は奴に言い返すと、振るわれてきた変てこな剣を受け止める。
硬質な音が教会内に響く。
そのままの体勢で俺達は横に駆けると、再び間合いを取って対峙する。
 
「大体だな、ぶっ壊したいとは何事だ!俺はね、ヒーローなの!
 ヒーローがぶっ壊れるわけがないだろう!」
 
俺は奴を空いた手で指差すと、こっちから仕掛けた。
だって、動くと余計に腹減っちゃうジャン?
 
「一振り!!」
 
袈裟掛けにシャイニングブレードを振るう。
とっとと倒れちゃって、うちの火の車の家計を助けてちょうだい!!


54 :仮面ライダー王蛇 ◆VQma5tOUJA :02/11/07 17:44
超光戦士シャンゼリオンvs仮面ライダー王蛇  マグロじゃねぇ!
>53
 
振るわれた剣が旋風を巻き起こす。
その風が王蛇に吹き付ける。少し涼しい。
 
「良い風だな―――――」
 
風を浴びつつも、剣の一撃は受け止めて、王蛇は言う。
剣と剣のぶつかり合う音が、また教会の中に響き渡った。
その音に驚いて、教会のどこに隠れていたのか鳩が飛び去っていった。
 
「お前にも味合わってもらうぜ、この風をなァ!」
 
しばしの鍔迫り合いを、大きく剣を振るって王蛇は破る。
わずかに開いた隙を狙って、吹き飛ばしかねない勢いでべノサーベルを叩きつけて行った。

55 :涼村暁(M) ◆MsSanZenbk :02/11/07 17:45
第X話 『マグロじゃねぇ!』 超光戦士シャンゼリオンvs仮面ライダー王蛇  
 >54
 
「のぅわぁぁぁぁぁぁ!!」
 
すさまじい剣圧で吹き飛ばされた俺は、懺悔室に頭から突っ込んだ。
あた〜〜〜〜、いや、まじでヤバいって。
黒岩の野郎も強かったが、こいつもかんなり強いじゃないの!
どうすりゃいいってんだ・・・・・・!?
 
「おまえね、これの何処がいい風だってのよ?」
 
懺悔室から出た俺は、何故かカソックを着て、両手にシャイニングブレードを持っていた。
 
「そういう奴は、Amenとか叫んで切り刻まれたりすんだぞ!」
 
剣で十字を作ると、俺は奴に駆け出した。
いや、なんかこうやると妙に強くなった気がするな、うん。


56 :仮面ライダー王蛇 ◆VQma5tOUJA :02/11/07 17:45
超光戦士シャンゼリオンvs仮面ライダー王蛇  マグロじゃねぇ!
>55
 
「坊さんごっこが・・・好きなのか?」
 
嘲笑を投げかけつつ、ベノサーベルを構え、唸りをあげる2つの剣を受け止めようとする。
だが、二刀流相手に1本だけで勝てるわけはなかった。
腕が、痺れる。あっさりとベノサーベルを弾き飛ばされ、王蛇自身の体も跳ねあがった。
 
「ぐるぐる、ぐるぐるってか―――――」
 
その言葉通り、王蛇の体は螺旋を描いて宙を舞っていた。
ステンドガラスにぶち当たって、破砕する音と降り注ぐ雫の中で、ようやく床へと落ちる。
 
「やっぱり、戦いは(・∀・)イイ!!」
 
何故か顔文字で話すと、ふらつきつつ王蛇は立ち上がる。
足が出揃ったと同時に、赤いエイの描かれたカードを杖に装填していく。
 
『アドベント』
 
ステンドガラスの表面が波打つような動きを見せると、
カードの絵柄と同じ姿のモンスターがガラスの中から顕現する。
エイのモンスター、エビルダイバーが、シャンゼリオンの腕を斬り裂かんばかりに飛来した。

57 :涼村暁(M) ◆MsSanZenbk :02/11/07 17:46
第X話 『マグロじゃねぇ!』 超光戦士シャンゼリオンvs仮面ライダー王蛇  
 >56
 
「戦いが(・∀・)イイ!! わけねぇだろ!おれはね、ふんわかいきたいの、ふんわか。
 わかる?こう、バナナパフェのようにだな・・・・・・・ってこんどはエイかよ!?」
 
今度はステンドグラスからエイが飛んできた。
エイごときで俺が負けるわけがないぜ〜〜〜♪
右手の剣を一振り、真っ二つにしようとした。が・・・・・・・
 
「にゃ・・・・・・・にゃんにゃんだきょれうわぁぁぁぁぁ!?」
 
+ 激しく感電 + しちまったぜ〜
エイはエイでも電気エイだったのかっ!?
一杯食わされたぜ、俺ともあろうものが!
ビリビリと電撃を受けて骨まで透かしつつ、俺は悔やんだね。
 
すでにボロボロになったカソックを脱ぎ捨てると、
再び胸のプレートに手をやる。
 

58 :涼村暁(M) ◆MsSanZenbk :02/11/07 17:46
>57続き
 
「ガンレイザー!!」
 
すると、俺の手の中にクール(死語)な光線銃が現れる。
それを握り締めると、胸から赤いディスクを取り出す。
 
「レッドディスク装填!」
 
ディスクが回転して、中身を確認。
これでこっちの手番てわけ!やっちゃうよ〜?
まぁ、撃つんだけど、いつ見ても変だよな、これ。
引き金ひいてから光線出るまでタイムラグあるのに当たるんだもん。
ま、俺はヒーローだからな!原理原則ってやつだね〜、きっと(藁
 

59 :仮面ライダー王蛇 ◆VQma5tOUJA :02/11/07 17:48
超光戦士シャンゼリオンvs仮面ライダー王蛇  マグロじゃねぇ!
>57>58
 
「ハン―――――笑える格好だな?」
 
痺れているシャンゼリオン目掛け、王蛇はベノサーベル手に飛びかかる。
まるでそういう脚本だったかのように、タイミング良く放たれた光線が王蛇を襲った。
 
咄嗟にべノサーベルを盾代わりにして防ごうとする。
反応が僅かに遅れて、光の弾丸は王蛇の腕を焼いた。
 
「チィ―――――!」
 
痛みと熱さに剣を取り落とし、舌打ちしながらも王蛇は止まらない。
ちょっぴり焦げ目のついた腕が、シャンゼリオンの顎へ、腹へ、2度振るわれた

60 :涼村暁(M) ◆MsSanZenbk :02/11/07 17:48
第X話 『マグロじゃねぇ!』 超光戦士シャンゼリオンvs仮面ライダー王蛇  
 >59
 
「ぐぼげぇぇぇぇ!!」
 
ドラゴンフィッシュブロー!?
俺は間○じゃないってーの―――――
そんなことを思いながら、再び宙を舞う俺。
そして、告解室に頭から突っ込む。
 
「お前ね、人が痺れてる姿がそんなに面白いのか!なら、お前も痺れろ!」
 
両手にガンブレイザーとシャイニングソードを握ると合体させる。
スクラムブレイザーの完成だ!さぁ、お前も痺れろ!
笑ってやるから!!
 

61 :仮面ライダー王蛇 ◆VQma5tOUJA :02/11/07 17:50
超光戦士シャンゼリオンvs仮面ライダー王蛇  マグロじゃねぇ!
>60
 
告解室を粉々の木屑に変えながらも、シャンゼリオンは起きあがってくる。
その光の戦士に向かい、蛇の様に手を、首を、全身をゆらゆらさせながら、王蛇も歩みを進める。
戦いを、イライラを忘れさせてくれる、一心不乱の闘争を。
血肉のぶつかり合いを求め、蛇の騎士は突如馳せた。
 
間合いを一気に削り、その手刀が喉を抉ろうとする、一寸前。
閃光が、王蛇の身を襲った。
 
「くは!」
 
笑い声ともうめき声ともつかない叫びとともに、王蛇はその閃光に真っ向から飛び込んだ。
 
「あぁ―――――痺れるねぇ」
 
唄うように呟きながら、自分の身を貫く衝撃を堪能する。
そう、これもまた彼にとっては快感になるのだ。
 
脊髄までぶち抜かれるような衝撃を充分味わうと、よろめきながらも腰からカードを抜いた。
 
「さて、そろそろ―――――消えな!」

62 :涼村暁(M) ◆MsSanZenbk :02/11/07 17:51
第X話 『マグロじゃねぇ!』 超光戦士シャンゼリオンvs仮面ライダー王蛇  
 
「お前ね、いい加減ウザいよ?消えろとかなんとかさー?
 DQNは(・∀・) カエレ!!いけ、リクシンキ!!」
 
さらになんかしでかそうとする相手に、いささかうんざりしてんだよね、俺。
痛いのやだしー。だから、面倒なことは超光騎士にやらせよう。
つうわけで、俺は呼んだのよ。俺の下僕をね(何
 
俺の呼び声に教会の壁を打ち破って現れた赤いバイクが、
紫のエセダークザイド野郎と吹き飛ばした。
 
「よくやったぜ、リクシンキ!!止めだ、ヤツを轢いちゃえ!!」
 
俺はビシっとヤツを指差し、赤いバイクのイカす奴に命令した。
やっぱ、こういう時は役に立つなぁ、こいつら。
 

63 :涼村暁(M) ◆MsSanZenbk :02/11/07 17:52
>62は>61あてな。
俺としたことが参ったね〜(苦笑

64 :仮面ライダー王蛇 ◆VQma5tOUJA :02/11/07 17:52
超光戦士シャンゼリオンvs仮面ライダー王蛇  マグロじゃねぇ!
>61>62
 
後ろから疾駆するバイクが、王蛇のボディを跳ね飛ばした。
その手に抜かれた、蛇の紋章の描かれたカードとともに。
カードと王蛇とが、ともにゆらりと宙を舞った。
そして床に激突、目の覚めるような衝撃が走った。
 
「フゥ――――――――――」
 
気だるげに首を回しつつ、カードの落ちた辺りへと、良く見ないで手を伸ばす。
カードにしてはわずかにぬめった手触り。
しかし、王蛇はそんなこと気にすることもなく立ちあがる。
そして、拾い上げたその物体を杖のカードリーダーに装填しようとして――――
 
入らなかった。
その冷凍マグロは杖より遥かに巨大で、装填などできそうもない。
 
「―――――マグロじゃねぇ!」
 
王蛇はシャンゼリオンにマグロを放り投げ、ほとんど同時にカードを装填。
 
『ファイナルベント』
 
戦いの終幕を告げる機械的な音声。
紫の蛇が召喚されて、床を素早く馳せる。
蛇に応じて王蛇は奇妙な構えを取り、そして高く跳躍。
 
「ハッ! ああああああああああああああああっ!」
 
蛇が毒液を吐き、それを身に纏い、王蛇は蹴りの連打を繰り出した。

65 :涼村暁(M) ◆MsSanZenbk :02/11/07 17:53
第X話 『マグロじゃねぇ!』 超光戦士シャンゼリオンvs仮面ライダー王蛇  
 >64
 
「うわ!?なにしてけつかるお前!!」
 
空高く跳んだ奴が、物理法則に逆らった角度で飛び蹴りをかましてくる。
やばい!これはやばすぎるって!!
大恐怖。それを感じた俺の身体はすぐさま反応した。
奴目掛けて走ろうとしたリクシンキをつかむと、盾にした。
 
激しい衝撃があったけども、とりあえず俺は無事だ。
いやー、リクシンキ、お前のおかげで助かったよ!
 
「すまん、リクシンキ!身体が反応しちまってな〜?近くに居た、お前が悪いんだぞ?」
 
手を合わせて謝ると、リクシンキを床に転がし、勝ち誇る俺。
 
「もー手はねーだろ?諦めて降参しやがれ。さもないと――――お前は負けるぞっ!!」
 

66 :仮面ライダー王蛇 ◆VQma5tOUJA :02/11/07 17:54
超光戦士シャンゼリオンvs仮面ライダー王蛇  マグロじゃねぇ!
>65
「勝とうが負けようが知ったことか・・・戦えりゃあそれでいい」
 
べノクラッシュを防がれた王蛇は、さらなるカードを引き抜く。
磁石のような絵柄の描かれたカードを、杖へと叩き込む。
 
『ユナイトベント』 
「だが俺はまだ満足してない。もっと他の連中とも戦いたいんだよ―――――」
 
機械仕掛けの声と、王蛇の血に餓えた声とが被る。
明確な殺意を持つ王蛇の声とともに、鏡から蛇、サイ、エイの3体のモンスターが出現した。
異様な光に包まれ、3体の身体が溶け合い―――――
光が消え、鉄甲に身を包んだ巨大な獣がシャンゼリオンの背後に誕生した。
 
「だからお前は殺す。いずれ何もかもぶち殺してやるよ」
 
言いつつ、もう一枚カードを装填していく、王蛇。
 
『ファイナルベント』
 
機械的な声が獣、獣帝ジェノサイダーに指令を伝えた。
それに応じて、ジェノサイダーは教会中を揺るがすような咆哮を轟かせる。
獣帝の腹部が波打つように歪み、中に漆黒を満たした穴を開いた。
穴の先は何も存在しない、ただ黒い、深淵の闇。
その虚空を埋めようとするかのように、闇は辺り一帯を物凄い勢いで吸いこみ始めた。
 
「でぃやぁ!」
 
キリストの像を背にして、王蛇は飛んだ。
その身体を幾千もの螺旋と変え、その深い暗黒のクレバスへと、光の戦士を蹴り入れるため。

67 :涼村暁(M) ◆MsSanZenbk :02/11/07 17:55
第X話 『マグロじゃねぇ!』 超光戦士シャンゼリオンvs仮面ライダー王蛇  
 >66
 
「あぁ、もう!俺はね、死ぬとか殺すとか嫌いなの!そんなに殺し合いしたいなら、あの世でやってちょーだい!!」
 
後ろにいきなりでてきたサイだかなんだかわけのわからん珍獣が、
なにやらギャーギャーわめいてっけど、関係ないね。
だって、かわいくないんだもん。やっぱ、珍獣はかわいくないと駄目だね。
それより、迫ってくるあの馬鹿たれに向き直り、プレートを触る。
 
「シャイニングアタック!!」
 
プレートから飛び出した光が俺の姿にかわり、奴目掛けて飛んでいく。
その姿はやがて水晶の弾となり、紫の奴の胸板を貫いた―――――
 

68 :浅倉威 ◆VQma5tOUJA :02/11/07 17:57
超光戦士シャンゼリオンvs仮面ライダー王蛇  マグロじゃねぇ!
>67
 
胸元をぶち抜くような衝撃を、王蛇は覚えた。
その衝撃に蹴りを叩き潰され、胸元には激痛があって、落下を始める。
紫の騎士の体は、磔刑にされた神の子の像へと、少しずつ舞い落ちていく。
 
シャンゼリオンの顔に、赤い雨がかかった。
王蛇の胸元に開いた風穴から、血が流れたのだ。
ゆっくりと、彫像と王蛇の体とが、重力によって近づいていく。
それを確かに、シャンゼリオンは赤い視界の中で捉えた。
 
そして、鼓膜を破るような破砕音が、教会全体を響かせた。
王蛇の姿を失い、キリスト像を砕いて、浅倉威の死体は落下した。
 
残された獣帝が、死を悼むように吼えた。

69 :涼村暁(M) ◆MsSanZenbk :02/11/07 17:58
第X話 『マグロじゃねぇ!』 超光戦士シャンゼリオンvs仮面ライダー王蛇  
 >68
 
「ふぅー、まったくてこずらせやがってー!しっかし・・・・・・・やっぱ俺って、かっこいいぜ!!」
 
かなりの強敵だった。しかし、やっぱヒーローは最後には勝つ!
くるりと回ってポーズを決めると、俺はちょっと自分に酔ったねー
やっぱ、勝者の特権でしょ、これは!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 
「って、犯人(死んでるけど)とっつかまえたのに調査料無しって、そりゃないでしょ〜!?」
 
俺は事務所でちょっと情けない叫びをあげつつ、電話越しに哀願した。
だって、すんげぇ強い相手だったんだぞ?
教会がちょっと壊れたくらいなんだっての!
あぁ、折角、金が入るってとこだったのに・・・・・・・・
俺と同じ顔のあいつの馬鹿野郎〜〜〜〜〜!!!
 
「こうなったら―――――お前を使ってサーカスでもやるか?」
 
電話を切り、ぐったり机に倒れ付しながら、俺は部屋の隅を見る。
そこには、野良モンスターとなったあいつの龍みたいな珍獣がちぢこまって座ってる。
首には、俺がつけた首輪(『チビ』というプレート付だ)をつけさせ、鎖で繋いであるしな。
 
むしろ売り飛ばしたほうが金になるかも――――――――
そんなことを考えながら、俺はふんわかした眠りの世界へと落ちていった。
 

70 : ◆VQma5tOUJA :02/11/07 18:03
超光戦士シャンゼリオンvs仮面ライダー王蛇 『マグロじゃねぇ!』
レス番まとめ。
 
>40>41>42>43>44>45>46>47>48>49>50>51
>52>53>54>55>56>57>58>59>60>61>62(>63)
>64>65>66>67>68>69

71 :カノン(M):02/11/07 21:59
>38 絶対に負けないヒーローVSカノン
 
「――――く、くくく」
 
嗤う。
銃口を口中にねじ込まれ、生死の選択を迫られ――あたしはその状況で、奴を嗤った。
 
互いに命を握り合う……だからどうした?
目の前にいるのは魔物、狩るべき対象。英雄を目指すための障害であり踏み台。
確かにこの右腕を動かし、奴の命を絶てば――あたしも、奴に頭を吹き飛ばされるかもしれない。
 
だが……こんなところでは、あたしは死なぬ。
 
あたしにはまだ殺るべき奴がいる。
『焔の災厄』――かつて剣の聖女がその身を犠牲にして封印した、破壊をもたらす魔神。
それを内包する者、アシュレー・ウィンチェスターを狩るまで、あたしは死ねぬ。
 
そう。英雄はこんなところでは死なない。
眼前の魔を滅し、あたしは生き……焔の災厄をこの手で祓う。
 
それこそが、あたしの宿命ッ!
こんなところで、この男に殺されるなどという結末はあり得ぬのだッ!
 
 
あたしは口元を歪め――右腕を、腕の先にあるブレードを大きく横へと払う。
さあ、殺せるものなら殺してみせろッ!

72 :絶対に負けないヒーロー ◆nVERSUSnLk :02/11/07 21:59
>71 絶対に負けないヒーローVSカノン

 食い込んだ刃が首を薙ぎ払う。だが、彼はトリガーを引かなかった。
 引くことは容易い。
 如何に強がろうと頭を吹き飛ばされれば人は死ぬ。
 正義の味方も死ぬ。
 
 ――――くだらねえ。
 
 愚かな極み。青年は内心、呆れてものも言えなかった。
 よくもまあ小者が正義などと歌う。
 一人では何もできない、何も変えられない。
 そんな奴が一体どれほどのものだと言うのか。
 
 憎しみや怒り。そんな次元を遙かに超えたところに彼女はいた。
 要するに、
 
 
 ――――勝手にやってくれ。
 
 彼女と彼は見ている世界、住んでいる世界が違う。
 向こうは向こう。こっちはこっちだ。
 何処を迷ったのか、この狩人はこっちの世界に足を踏み入れてしまった。
 殺すこともできる。
 が、殺す価値も無い女だ。元の道に帰してやれば、それで済む。
 
 
 青年は地面に横たわる己の身体と、その上にのし掛かっている狩人を見つめ、

「さっさとお家に帰りな」

 そう鼻で笑うと、沈黙した。

73 :カノン(M):02/11/07 22:57
>72 絶対に負けないヒーローVSカノン
 
……あたしは、まるで言うことを聞かなくなった全身を無理矢理動かし、立ち上がった。
 
あたしは生きていた――否、生かされた。この男に。
殺す価値も無いとばかりに。
 
何も拘る必要など無い。獲物の理屈など、あたしの知ったことではない。
だがそれでも……奴に呆れられ生かされたというこの事実は、あたしの中で重い澱みと化していく。
あたしの選んだ道が、この男にとって無価値なモノだという事が。
 
 
「――――ふ」
 
……笑みを、浮かべる。
 
あたしは全てを棄てる――そう誓ったはずだ。
剣の聖女の血が自らに流れていると信じ、その血に相応しい“英雄”になるために、全てを棄てると。
あらゆるモノを棄ててきたあたしに、違う生き方、違う価値観など持てようはずがない。
これがあたしだ。何も間違ってなど……ない。
 
 
動かぬ体を引きずり、あたしは森の外を目指して歩き出した。
 
帰る家など無い。ただあたしは、前に進みゆくのみだ――――

74 :絶対に負けないヒーロー ◆nVERSUSnLk :02/11/07 22:59
>73 絶対に負けないヒーローVSカノン エピローグ

 ざざあ……。
 
 葉が揺れ、森の一部に極僅かな月明かりが差し込んだ。
 青年は閉じていた瞼を開き、首だけ動かし辺りを見回す。
 さよならしたはずの胴は、しっかりと再会している。
 
「珍しいこともあるのね。……どうして殺さなかったの?」 
 
 耳に届く聞き慣れた声。青年は大の字に寝転がったまま、視線すら向けずに「さあな」と短く返事をする。
 
 なぜ戻ってきたのか。彼は問わなかった。
 月明かりに照らされる女は、青年が追っていた伴侶である。
 彼女は眉を顰めると「あ、そう」と突き放し、それきり口をつぐんだ。

「なあ」

 沈黙が流れていた二人の間に、彼の冷えた声が入り込む。
 
「なに?」
「―――おれ、また勝ったぜ」

 にやり、青年は嬉しそうに嗤った。
 
「そう……残念だったわね、死ねなくて」
「ああ、まったくだ。いい加減、誰かおれを向こうに連れて行ってくれよな」
「無理よ。……彼以外、誰が進んであなたみたいな人と関わると言うの」

 違いねえ。彼は嗤う。そんな彼と自ら関わり合おうとしたあの女は、さしずめ奇人と言ったところか。
 瞼を閉じ、疲れた身体を癒すために眠りにつく一瞬、彼はあの狩人の難儀な性に同情する。 
 ―――正義の味方も大変だな。

75 :カノン(M):02/11/07 23:05
絶対に負けないヒーローVSカノン レス番纏め。
 
前スレ48章 ttp://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1035977720/554
 
今スレ >4 >7 >8 >17 >21 >27 >31 >33 >34 >38 >71 >72 >73 >74
 
……次は貴様だ。
待っていろ、アシュレー・ウィンチェスター――――

76 :以上、自作自演でした。:02/11/08 00:19
ワイルドアームズ2は台詞回しが下手糞すぎだったとは思いませんか?
RPGはサウンドノベルじゃありませんが、もう少し気を使って欲しいと思いませんか?

77 :以上、自作自演でした。:02/11/08 00:47
秋葉様、大殲で胸を略奪したい女性を挙げて下さい。

78 :以上、自作自演でした。:02/11/08 00:56
大殲最胸は……誰だ?

79 :タバサ ◆3VTTABASAI :02/11/08 01:12
>78
ヒュウ(口笛)。
チッチッチッ(人差し指と中指を立て、顔の前で振る)。
(帽子を立てた指で押し上げ、ニヤリと笑いながら親指で自分を差す)
 
――伊達や酔狂でカプコンキャラをやっているのではありませんよ?

80 :以上、自作自演でした。:02/11/08 01:18
>79
あんたが巨乳なのは分かったから、頑張ってなりきりをやってくれ。

81 : ◆3VTTABASAI :02/11/08 01:28
…失礼致しました。

82 :80:02/11/08 01:34
>81
( ;Д;)ヽ(´v` )ヨシヨシ

83 :以上、自作自演でした。:02/11/08 01:46
>80ー82
なんかいい光景だな(苦笑)
タバサ女史だけでなく、崩しつーかネタもいいがホドホドニネ…と思いますよん、みなさん。
 
それはそれとしてDIO様の絵、上手すぎッスわ!
さすがディオ!おれたちに出来ない事を平然としてやってのける!
そこにシビレル、あこがれるゥ!
(パンパンパンと拍手をうって大感謝)

84 :遠野秋葉/反転 ◆8.SOrigAMI :02/11/08 02:08
私を名指しで質問をして頂いて、光栄ですね。
では、お答え―――――
 
―――ふふ、ふふ、うふふふふふふ。
何よ、何処の誰が貧乳ですって? ナイムネですって? まな板ですって? 洗濯板ですって? 
他の方が規格を越えているだけです、それ以上でもそれ以下でもないわ――――!
73は平均だし、慎み深いことが美徳なのよ。
それを誰も彼も節操が無いったら、ありゃしない。
いいわ、それなら、教えてあげようじゃない。
 
・麻宮アテナさん
ふふふふ、アイドルはスタイルが命ですものね。
―――83って、何よ! 83って!
私より10も上っ!
国産の癖に、あるまじき巨大さね。
一切、情状酌量の余地はありませんっ!
 
・アヤ・ブレアさん
ああ、この方も悪しき外国産でしたわね。
サイズは分かりませんけど、相応に―――――
日本は―――! 行政は―――!! 何をやっているのかしら!?
米国産は真っ先に輸入規制すべきでしょう!
そんなのだから、国内産業は危機に陥るのよ!!
少しは強硬外交を学ぶべきね!!!
  
・アルクェイドさん
言うまでも無い元祖泥棒猫ね。
88――――、そのふざけた肉体で兄さんを篭絡させた悪鬼!
この前の闘争では惜しくも、その胸、奪い損ねましたけど――――
まだ、諦めた訳じゃないわ!

85 :遠野秋葉/反転 ◆8.SOrigAMI :02/11/08 02:09
・エリ&フィオさん
エリさんはともかく、フィオさんは――――
これだから、外国産は。
戦場で補給路を断たれた時、その豊満な胸に栄養を溜め込んでいる訳ね―――
何て、姑息な、何て、生き汚い――――!
 
・祁答院マコトさん
ふふ、身体を張って戦うだけあって、随分とご立派な身体ですわね。
本当に、それ以外の用途につかっているんじゃないかと、邪推してしまうくらい。
でも、問題無いわ。だって、闘争で奪い尽くしてあげるもの。
耐え難き私の苦しみ、少しはその身で味わうといいわ。
 
・鈴鹿御前さん
あんなにパクパク、食べているのに、カッターナイフまで食べているのに―――
太らない――――、胸はそれなり――――
何て、不条理な!
千年以上生きる生粋のヤマトナデシコがこれじゃ、日本に対する裏切りよ!
 
・タバサさん
(ギリッ!)
これだから、魔術師は―――! きっと、部屋に引き篭もって、豊乳の薬でも開発しているに違いないわ。
真理の探究が目的の癖に、豊乳薬開発なんて、本末転倒にも程があるわね!
 
・ハインケル・ウーフーさん
シエルさんといい、誰も彼も、どうして異端審問の人たちは節操がないのよ。
仮にも神に仕える身なら、相応に慎み深くするべきでしょう――――!
それを、それを、あんなに、あんなに!
 
・ラルヴァさん
ふん、吸血殲鬼って、あんなコールガールみたいな格好をするのね。
あんなにも胸を、むねを、ムネを、強調しやがるなんて、いい度胸をしているわ。
そんなにご自慢なら、この私が何時か慢心に天誅を下してやるわよ!

86 :左手 ◆LEFTy4XeN6 :02/11/08 02:22
>遠野秋葉
平均か――お主はいつ小学生になったのやら。
 
10代の平均胸囲は、 
小5で67.8cm、小6で71.6cm、中1で76.0cm
らしいぞ。(平成六年度・某貴族の屋敷のデータベースより発見)
 
嘘はいかんの。
嘘は。
 
貧乳は恥ではない。
それを無理に取り繕うとする性根を恥と思うがよい。

87 :遠野志貴 ◆neMURDERt. :02/11/08 02:36
>秋葉
秋葉、ここでそんなにヒステリックにならなくていい!
盆地だろうが、えぐれだろうが――そんなことは関係ないんだ!

お前は俺のかけがいのない、大切な妹なんだ!
 
それだけじゃ、駄目なのか!?


88 :遠野秋葉/反転 ◆Aycw7vwQzI :02/11/08 02:53
>86 左手さん
――――――その貴族のデータに間違いがあるだけですっ!
そんな虚偽の事実を提示してまで私を貶めたいかしら!?
 
>87 兄さん
盆地―――、抉れ――――
 
兄さん、命がいらないようね?
謝るまで殺しつづけてあげる。
謝っても殺すけど――――
(略奪開始、トリップ勝負 キーは#Death)

89 :左手 ◆LEFTy4XeN6 :02/11/08 02:56
>88 
( ;´_ゝ`)

90 :遠野志貴 ◆8t/1ZIhxFM :02/11/08 02:57
>88 秋葉
ク――
 
前触れもなくいきなり略奪か!!
 
(回避運動)

91 :遠野志貴 ◆neMURDERt. :02/11/08 02:59
>90
(A>8:秋葉勝利)
 
             ⊂⌒~⊃。Д。)⊃
 
(略奪され尽くしました)

92 :左手 ◆LEFTy4XeN6 :02/11/08 03:02
>90-91 
うむ、お主の死に様しかと見届けたぞ。
地獄で安らかに眠るが良い。
 
一つ積んでは父のため〜二つ積んでは母のため〜三つ積んでは乳のため〜
(ちり〜ん)
 
(退散)

93 :遠野秋葉/反転 ◆8.SOrigAMI :02/11/08 03:03
>89 左手さん
ふん、ぐぅの音も出ないようね。
まあ、嘘吐きはこれくらいにしておいてください。
 
>90 兄さん
油断したわね。
生粋の暗殺者である兄さんに比べれば子供騙しだけど、私だってAぐらいだせるんだから。
ま、そうゆうワケで兄さんが8なんか出している間に、容赦なく略奪させていただきました。
これに懲りたら次はまともなトリップをだすコトですね、クスクス―――
 
あ、今のは失言でした。
注意するも何も、兄さんには次なんて無いんですもの。
それよりごめんなさい兄さん。
私ったらはしたなく、いきなり口にしてしまって。
勢いでほとんど食べてしまったけど、まだ意識は残っているでしょう?
ちゃんとやり直しますから、それで無作法は許してくださいね。
 
 
 
                   ――――さて、それじゃあいただきます。さよなら、兄さん。

94 :琥珀 ◆HxAmber97g :02/11/08 03:05
『―――遠野志貴、死亡確認! ですー♪』

 ……ダメですよー、志貴さん。
 …言動には気を付けませんと。
 秋葉さまも微妙なお年頃なのですから。

 ささ、とりあえず地下室ででも復活の儀式を執り行いましょうかね(w
 …何か別のカタチになる可能性も無きにしも非ずですけど、まあ細かいコトは気にせずに
逝っちゃいましょー♪

(ズルズルズル……)








――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『知得留先生の授業』を受けますか?

    1、はい。
===> 2、いいえ。

【Fin】


95 :遠野秋葉/反転 ◆8.SOrigAMI :02/11/08 03:06
一応、レス番纏めです。
<名も無き闘争>
>77>84>85>86>87>88>89>90>91>92>93>94

96 :遠野志貴 ◆neMURDERt. :02/11/08 03:07
遠野秋葉vs遠野志貴 『日常の点景』
・闘争レス番まとめ
>84 >85 >87 >88 >90 >91 >93 >94
(ツッコミ)
>86 >89 >92
 
――いいのか、これで?(汗

97 :以上、自作自演でした。:02/11/08 15:30
秋葉たんの胸が90あったら他のどのキャラも太刀打ちできませんね。
地上最強の妹・・。

98 :以上、自作自演でした。:02/11/08 17:35
乳なバトルに捧ぐ・・・
ttp://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Tone/6672/Icon/009_131.swf

99 :レッドアリーマー ◆99Arremerg :02/11/08 22:00
レッドアリーマー対レイオット・スタインバーグ
クレナイのアクマ〜TRUE DEMON〜
>37

爆裂の炎が晴れる中、赤き魔物の影は無い。

刹那の空白―――――――其処に突如、突風が吹いた。


鎧の背面、その頭上から疾る銀光。
振り向いたときにはもう遅い。
仮面から腹、縦一文字に切り裂かれる甲冑。鋭さと重さを伴った凶刃に悲鳴を上げ、易々と抉り裂かれる鋼の人型。斬撃は奥の肉体にも達し、飛び散った鮮血が切り口を彩る。
確か足る手応えを感じ、魔界の闘士がほくそ笑む。
 
闇の業火、その一撃を防ぐであろう事は範疇。
真の狙いは大技の先―――そう、衝突の隙を突く事に他ならない。
そして悪魔の読み通りに隙は生じ、破壊の爪が相手を捉えた。
 
だが、浅い。
放った爪は必殺の一撃。本来ならば殻のみならず、中の肉体をも断ち割った筈であった。
しかし相手は重傷たるも存命。未だ死には至らない、厳然とした結果が其処にはある。
 
“満身の創痍が故か…”
 
その予想通り、魔の体躯は惨憺たる有様であった。
赤き半身は焼け爛れ、醜い姿を更に醜く仕立て上げている。
それだけではない。
右の翼が根元から消え失せ、付け根は黒ずみ灰と化した。
片腕が無い。攻撃を放った方とは反対の腕は、肘から先が炭化して消し飛んでいた。
そして、胸の中心から脇へ抜けるように抉られ、穿たれた大穴。
敵の放った破壊の業火は、明らかに致命の傷を悪魔に負わせていた。

100 :レッドアリーマー ◆99Arremerg :02/11/08 22:01
>99続き

無理も無い。
踊り狂う炎の群れを突き進めば、こうなるは道理。
 
そしてそれも長くは無い。これでは時を置かずして確実に――――死に至る。
だが、赤き悪魔は恐れない。
 
まだ動く。
そう、未だ己の体は動くのだ。
何を恐れることがあろうか。
勝利とは只一つ――――それは敵を葬る事。
例え己が死したとしても、相手が息絶えればそれは勝利だ。
そして、悪魔は勝利を渇望する。
 
引き裂いた鉤爪を戻したのも一瞬。
残った腕を引き絞り、拳で胴を打ち据える。
砕ける音。
勢いの侭に吹き飛ぶ人間。
裂かれた鎧がひしゃげて砕け、金属の欠片が辺りに飛び散る。
激突の鈍い音。
磔にされた聖者の像、その前に縋り付くかのようにもたれかかる半裸の敗者。
防御の殻を失った相手、何時か見た光景に殺意が沸き立つ。
最早魔力は感じない。仕留めるのは、今。
 
地を駆ける。崩れた体を魔力で支え、渾身の力を絞り、爛れた足で地を馳せる。
燃え尽きんばかりの視線で相手を射抜き、獣の如く鋭い跳躍。
手には鉤爪、形は貫手。
腰だめに構え、狙うは心臓。
 
獲物を仕留めるその為だけに、魔界の戦鬼が飛び掛る。

101 :ラルヴァ ◆hALARVAIdY :02/11/08 23:08
それじゃ、今スレ分の質問に答えていくわね。
 
>11 罪人をオーストラリアにでも流せ
これだけ交通が発達すると、流刑はあまり現実的ではないわ。
それに何より、その物言いはオーストラリアの人に失礼よ?
 
>13 このスレで生き残る条件
大体は同意ね。戦場では運のなかった人から死ぬと言うわ。
それに、あまりに勇敢すぎる兵隊は回りの状況を軽視しがちだし。
ただ、運以前に圧倒的な戦力差がある場合も…(苦笑
そういう状況になることこそ、「運が悪い」のかもね。
 
>14 心の弱さゆえ
…まだよ。私の心はまだ人間よ。
魅入られても、堕ちてもいない。
吸血鬼になんかなっていないわ…
 
>16 範馬勇次郎、東方不敗
どちらも高名な格闘家ね。基本的に私は吸血鬼か吸血鬼信奉者としか戦わないわ。
でも、どうしても戦う理由があれば戦うわよ。

102 :ラルヴァ ◆hALARVAIdY :02/11/08 23:10
>76 ワイルドアームズ2の台詞回し
ゲームの話よね? 
御免なさい、プレイしてないんで詳しくわからないわ。
でも、台詞回しに気を使ってほしいと言うのは同感ね。
映画なんかでも、演技以前の問題として
「その人はそんな台詞は言わないだろう」って台詞を言われたりすると
途端に冷めちゃうものよね。
 
>78 大殲最胸
……なにを持って最胸と言うかを論議すべきじゃない?
それはともかく、大きさで言うならふみこあたりだと思うわ。
165cm43kgでB92W54H88って何を食べてるのかしら(苦笑
でも(>95>96のまとめを見つつ)本当の最胸は秋葉かも。
あのこだわりは最胸を目指すに相応しくない?
 
>97 秋葉の胸が90あったら
秋葉の身長って くらいだから、バランスが悪いと思うわ。
本人も言ってるけど、節度ってものがないとね。
それに単なる強さで言うなら、アルクェイドのほうが強いわよ。
彼女にはアルトルージュという立派な(?)姉がいるし。

103 :孔濤羅 ◆dTAoloUdks :02/11/08 23:12
>97 秋葉に
>98でも言われているが、
女性を胸で判断するのは失礼だと思うが?
 
>98 バトルに捧ぐ
しかしこのファイル、
ここに出されたら出されたで余計に騒ぎを引き起こしそうな気がするが。

104 :ディオ・ブランドー ◆a1URYYYYEg :02/11/09 00:07
さて、時間も無い事だ・・・
時を止めて一気に返そう。

>76ワイルドアームズ2は台詞回しが
はて・・・プレイしたことが無いので分からないな。
たしかRPGだったか・・・・・・
あまり、その系統には興味が無くてね。

>77胸を略奪
そういえば・・・胸を略奪しても秋葉の胸が増えるワケではないのだろう?
ああ・・・・・・そうか!
各人から略奪して、平均値を下げようという試みか!?
まるで偏差値の低い学校に入れば、自分の愚かさが目立たなくなるとでも思っているマヌケのように!!

>78大殲最胸
さてな・・・
これもまた興味の無い事だ。

>79タバサ
カプコンキャラ?
君たちの世界の者の総称か・・・
大抵は巨乳だと聞いてはいるが・・・・・・
そんなもの、戦闘においてはデッドウエイトに他ならんね。

まあ、精々自慢の胸から吸血されんよう気をつけることだ・・・

105 :ディオ・ブランドー ◆a1URYYYYEg :02/11/09 00:07
>81>82
・・・・・・和んでどうする。
まったく・・・和むぐらいなら戦え・・・・・・

>83そこにシビレル、あこがれるゥ!

 ド ギ ャ ギ ャ ギ ャ ギ ャ ギ ャ ン !
         (自慢のポーズ)

>84-96
んん〜〜〜〜〜・・・
つまりどうなったのだ?
秋葉は・・・大殲一貧乳抉れ胸のまな板以下で決定したのか?

>97胸が90あったら
その代わりアンダーが89有ったりするのだな・・・
まさに最強の妹・・・
伝説のジャイ子に匹敵する!!

>98乳なバトルに捧ぐ・・・
ふぬ・・・わたしは中途半端か・・・・・・
その微妙さが良いのだが・・・それがわからんとは!!
この虫ケラ同然の愚者がァァァッ!!

106 :麻宮アテナ ◆qZESP0jjgI :02/11/09 08:49
 昨日は、一時間半かけて打ちこんだ戯言が消滅。でもとりどん負けない。
『高価販売廉価買取』の時間です。どんどんどんぱふぱふぱふ〜♪
 
 ……はぁ。
 
>47章302 以上、自作自演でした。さん(ダィ・アモンは何を考えて太陽板なんぞに)
 タコ座8番星からの電波の命令です。私、知ってるんですよ。
 
>47章322 以上、自作自演でした。さん(誰か噛んでくれませんか? 吸血姫きぼんぬ)
 噛まれるのは……歯が欠けるよりも痛いと思いますよ? それに、吸血鬼になってしまうと
不便このうえないし、たくさんの敵も出現します。止めた方がいいんじゃないでしょうか……。
 
>47章377 以上、自作自演でした。さん(敵に回したら厄介だと思う人物+化け物)
 『厄介じゃない』相手を探す方が大変だと思いますよ? とくに、下から数えた方が
早そうな身としては。まぁ、自分の安全のためにもマターリまんせーというわけで。はい。
 
>47章441 以上、自作自演でした。さん(似たようなマルチや質問が多い気が)
 うむ。みなさん考えることは同じというわけでしょうか。ところであなたの
独創的な質問はなんですか? 私の靴下ならラルフローレンですよ。
 
>47章508 以上、自作自演でした。さん(カレクックこそ最強ですよ奥さん )
 四次元殺法コンビこそ、お互いの長所を生かし合った素晴らしい取り合わせだと
いまだに固く信じていますが何か? ニューマシンガンズやモストデンジャラスより
絶対強いです。
 
 ではここで一発リクエストをレッツg……って出た! 森田童子さんで
『ラスト・ワルツ』です。なんというかあの弱さ、他人とは思えないような気が……。
 
 (♪ 美しき明日に ついても語れず ただあなたと しばし この時よ …)

107 :麻宮アテナ ◆qZESP0jjgI :02/11/09 08:50
 ……え〜、さきほど聴いていただいた『ラスト・ワルツ』は、渋谷区にお住まいの
ヤカタ美人さんからのリクエストでした。ヤカタ美人さん、ごめんなさいっ!
いやぁ、あの映画思い出しちゃって動揺を隠し切れなかったということでひとつお許しを。
 
 さ、不幸な過去は忘れてガンガンいきましょう。離されないうちに今スレッド分を
いけいけごーごーじゃんぷ!
 
>5 リチャード・ウォンさん(人工サイキッカー計画)
 ……。
 
 ……いつも、どこにでも、あなたのような存在はいるものですね。
『闇のパープルアイ』の曽根崎某氏みたいに。そういえば、深海某氏とかいう
勘違い自衛官さんといい、大抵は気の毒な最後を遂げることになるんですよねぇ……。
『因果応報』『自業自得』『天罰覿面』というやつですか?
 
>11 以上、自作自演でした。さん(血と汗と罪人をオーストラリアにでも流せ)
 残念ですが面白くありません。ちょっと甘くして45点というところでしょうか。
これでは落第もやむなしかと。
 
>16 以上、自作自演でした。さん(範馬勇次郎や東方不敗がでてきたら)
 何度か答えましたが、繰り返しましょう。私は戦いを楽しんだりはしません。
状況が許すなら即座に逐電します。ええそれはもう喜んで。でも両者とも、
戦う気のない相手とは戦わないという話でしたよね。だったら別世界の存在ということに
しておきましょう。わ〜い。
 
 さ、ここでまたお歌の時間ですよ。え〜渋谷区の……今日は渋谷づくしですかねぇ。
渋谷区にお住まいのスターダストマスクさんからのリクエスト。Quintet(くいんてっと)の
みなさんの歌で、『GET U』です。どうぞっ!
 
 (♪ ラヴなキスあげるぞ かわいくしてなくちゃ ホントは寂しがりでも 笑顔は忘れないよ …)

108 :麻宮アテナ ◆qZESP0jjgI :02/11/09 08:55
>20 ディオ・ブランドーさん(寂しさのこと)
 寂しさを忘れるなんて、無理ですよ。少なくとも私にはできません。
強がったり、紛らわしたり、暴れたりしても、胸のいちばん底にはずっと沈殿しています。
自分では流せない、だれかに流してもらうしかない澱なんです。寂しさって。
 
 ……あ〜。くだらないこと言っちゃいました。生放送だからカットできません。
小娘の戯言です。忘れちゃってください。へぐぅは。
 
 それと……絵、楽しみにしていますね。あははは……。
 
>84 遠野秋葉さん(胸) 
 ぶはっ……!
 
 (がたん、と大きな音。あたりが騒がしくなる。雑多な話し声)
 
 ……あ、あ〜、大丈夫です。ちょっとひっくり返っただけで。はい。行けますっ! 大丈夫。
え〜、自らの安全のために声を大にして申し上げたいのですが、一般的な成人女子の
衣料サイズ区分では、バスト83はMサイズです。つまり、別に私が飛びぬけているわけでは
ないんです。日本の国産品に相応しく、中庸というか中流というか、ごくふつうの
つつましい大きさというか小ささなわけで。ね? 私、おとなしいんです。
 
 ……あの、怒らないで聴いてくださいね? 胸、大きくても小さくてもいいと思います。
大きい人は大きい人で、また違った悩みがあるじゃないですか。肩がこるとか、
視線が気になるとか。大きいだの小さいだの言って大騒ぎするのは殿方にまかせましょう。
私は好きですよ。胸もひっくるめて遠野さんが。
 それに、自分で気づいていませんか? 遠野さんは少なくとも私よりは綺麗で、素敵です。
ホントですよ?
 
 さ〜あ今日最後の曲ですっ! 中野区にお住まいの、ぶんしんあたっくさんからの
リクエストです。曲は、丹下桜さんの『IDENTIFY』 では、どうぞっ!
 
 (♪ 走り出した瞬間に もう涙も罪も捨て去って 嘘つくことない昨日から 少しだけ優しさ欲しいよ …)

109 :オーフェン ◆a4STABbERo :02/11/09 08:56
オーフェンvsモリガン

(変態だな……)

夜の街を散歩していたオーフェンは目の前に現れた女を見て、そんな感想を抱いた。

 この街に―――――トトカンタに来てオーフェンは、変態に関るとろくなことにならないということを学んだ。
その勘が、この女に関ると絶対にろくな目にあわないと、警告している。

 女は彼の姉と比べても遜色ないどころか、それ以上といってもよいかもしれないほどの美貌を誇り。
 スタイルも、理想的としか言えないバランスで整っている。
だが、その雰囲気がまともでは無い。

 だから……見なかったことにして横を通り過ぎた。
完膚なきまでにその存在を無視された女が、後ろから声をかける。

(冗談じゃねえ、これ以上変態なんかと関ってたまるかよ)

 何も聞こえないようにその足を進ませていった。
そのことを、オーフェンは数秒後に後悔することとなる。

110 :モリガン・アーンスランド ◆7Q4EmpreSs :02/11/09 08:57
オーフェンvsモリガン

>109

人の暮らしに紛れ込む。
他愛の無い日常を重ねる。その合間に良さそうな相手を探すのも良い。
少なくとも暇潰しにはなるのだから。
それに、時には面白い事も起こる。


夜の街。
何処へ行くとも知れぬ雑踏の向こうから、黒ずくめの男が歩いてくる。

 割と、良いかしら。

ちらりと視線を送り、すれ違う。
その時、胸元にネックレスが見えた。
あれは確か――牙の塔の魔術師の証。

「ねぇ、貴方――ってつれないわね。・・・余計に遊んでもらいたくなったわ」

振り返って掛けた声は背中にぶつかり、男は止まらずに歩いて行く。
後を追って適当に仕掛けるのも、先回りして少し演出してみるのも良い。

 けど、面倒ね。

わたしの声で振り向かないのなら、他の声を上げさせよう。
軽く薙いだ腕が、血煙と、一つの死体と、驚愕の叫びを生み出した。

111 :オーフェン ◆a4STABbERo :02/11/09 09:17
オーフェンvsモリガン
>110

 弾けた柘榴のように、前にいた人間の頭が砕け散った。
脳漿混じりの血が、頬に、肩に、胸に、全身にかかる。

―――――何だ、何が起った?

 状況を把握しようとする。
だが、理解できない。
 前触れ無く、一瞬で人間の頭を吹き飛ばすなどオーフェンの知る限りできるはずがない。
しかし、実際にそれは起きた。
 その証拠は眼前の頭を無くし、そこから未だ絶え間なく血を流し続ける人間の死骸。
嘘や虚言などでは無い証拠は、周囲に広がる生臭い血の臭いと、全身に浴びた血の熱さ。

 その喉に酸っぱいものが込み上げてくる。
耐え切れない吐き気に襲われ、オーフェンは屈みこんだ。

112 :モリガン・アーンスランド ◆7Q4EmpreSs :02/11/09 09:35
オーフェンvsモリガン

>111

やっと振り返った。
けれど、まだ返ってくる言葉は無い。

「・・・ねぇ、貴方。魔術師なのよね?
 さっきは無視されたみたいだけど、改めて言うわ。わたしと遊んでくれない?」

そう言うより早く、男は膝を折っていた。
今にも嘔吐しそうな表情で。

「――まだ足りない? もう何人か殺さないと返事もしてくれないのかしら」

窮屈な服を剥ぎ取り、蝙蝠を召還。
何時もの格好に戻った所で、もう二人殺した。

「ほら、早く。付き合ってくれるわよね?」

 良い匂い。

辺りに満ちた血の匂いを胸一杯に吸い込んで、
身体中を串刺しにされた二つの死体を細切れに変えた。

113 :オーフェン ◆a4STABbERo :02/11/09 10:13
オーフェンvsモリガン
>112

 細切れになった死体。
その惨状を作り出した本人は嗤っている。
 咽返るような血の臭い。
嗤いながら、自分と遊べという女。
 頭の奥から沸いてくる嫌悪感と怒り。
喉下まであがっていた胃液を、飲み下す。

「ああ……いいぜ……」

 立ち上がる。
拳を軽く握り、自然体に構えを取った。
 真っ直ぐに、貫くような鋭い視線で女を見据える。
もう、相手が何者であろうが関係は無かった。

「遊んでやるからきな」

手を招くように動かして挑発する。

―――――手前の狙いが俺だというのなら、望み通り相手をしてやるよ。

114 :モリガン・アーンスランド ◆7Q4EmpreSs :02/11/09 10:30
オーフェンvsモリガン

>113

怒りの込められた視線が心地良い。

 そう、こなくっちゃね。

「やっとわたしを見てくれた。そんなに魅力無いかしらね? わたし。
 結構自信あるんだけど」

肌に散った紅い飛沫が、その白さを際立たせる。
雑踏の中で、二人の他は遠い世界に。

「貴方から来て、って言いたいけれど・・・
 付き合ってくれるお礼にわたしから一つ、プレゼントをあげる」

血に塗れた右手のモノ――数秒前まで動いていた心臓を男へ投げる。

「ちゃんと受け取ってね? ――二つとも」

その軌道に隠れる様に、一筋の刃を伸ばした。

115 :オーフェン ◆a4STABbERo :02/11/09 11:30
オーフェンvsモリガン
>114

「悪いが。知らねえ人間からのプレゼントを、受け取る気はないんでな」

 半身に身体を捩る。
空振り、通り過ぎた心臓を、一瞬遅れて刃が貫いた。
 翼から刃が出てるところが見える。
どうやら女が身に付けている翼は、ただの飾りでは無いらしい。
 
「ちっ、大道芸として十分に通用するぜ」

 悪態を吐きながら、オーフェンはモリガンの懐へと身体を滑り込ませる。
その横を通り、刃が翼へと戻った。
 再び刃が出るよりも速く、肘を突き出す。
鳩尾を目掛け、肘が吸い込まれるように進んでいく。

116 :モリガン・アーンスランド ◆7Q4EmpreSs :02/11/09 11:45
オーフェンvsモリガン

>115

結局、どちらも受け取ってもらえなかった。

「あら、残念。こうしているのに知り合いじゃ無いなんて――
 じゃあ、もう少し親交を深めましょうか。お互いの身体で、ね」

肘に手を添えて、押される勢いのまま後方へ軽く飛ぶ。

「でも、大道芸なんて馬鹿にするからこの子達、怒っちゃったみたいよ?」

両翼から二本ずつ、計四本の切っ先が生える。
まだ、宙に浮いたまま。

「わたしの使い魔達をそんな物と一緒にしない方が良いわ」

包み込むように伸び、背後から手足の付け根に走った。

117 :オーフェン ◆a4STABbERo :02/11/09 12:19
オーフェンvsモリガン
>116

 包み込むように動く刃。
横に跳んでそれをかわそうとした。
だが刃の進む速度は予想以上に速く、肩と太ももが斬られる。

「くっ」
 
致命的な傷―――――神経まで届く傷では無いが、流れる血は体力を奪っていく。

(……早く血を止めねえと)

 魔術を使用する際には、必ず構成と呼ばれるものが必要となる。
 オーフェンが今編んだ構成は、地震の傷を治癒するためのもの。
 空間に射出されたそれは、複雑な模様を描いた。

「我は癒す斜陽の傷痕」

 呪文と共に魔術が発動する。
治癒の効果をもったそれはオーフェンの傷を塞いでいく。
だがあくまで傷を塞ぐだけ、既に流れ出た血と体力は回復しない。

 腕を掲げ、再び魔術の構成を編む。
構成が編みあがると同時に呪文を唱え、魔術を発動させる。

「我は放つ光の白刃」

閃光を伴った熱衝撃波が、掲げた腕の先から放たれる。

118 :モリガン・アーンスランド ◆7Q4EmpreSs :02/11/09 12:46
オーフェンvsモリガン

>117

傷が塞がる。
閃光が迫る。

 ふぅん・・・

細かい理屈なんて知った事ではないが、確かに「力の流れ」のような物は感じた。

「それが牙の塔仕込みの魔術? 良く出来てる・・・のかしらね」

応ずるように右手を掲げる。
魔力が紫の光へと変わる。
同じ形に作り上げて放ったそれは、白い閃光を相殺した。

「でも、リスクを背負わなきゃその程度の力も行使出来ないなんて・・・哀れね、人間って」

 ――いや、貴方達だけか。

それも、どうでも良い事だ。
遊びがいのありそうな相手には違いないんだから。

「さ、今度はこっちの番ね」

続けざまに二発、魔力が生み出した光弾を放つ。

119 :アレクサンド・アンデルセン ◆Amen4iDwos :02/11/09 14:18
いい昼だな、化け物ども。
私が神の名の元に質問に答えてやる。

>11 血と汗と罪人をオーストラリアにでも流せ…
神に背いた罪人の血を流してやろう。
オーストラリアに流すまでもなく、その魂も地獄に流してやる。
 
>13 残る40%は運だろうな
運ではない、神の加護だ。
父と子と聖霊の御名において、私は化け物どもを殺し尽くす。
それまでは死ねん。
 
>14 心の弱さゆえ
魔に堕した弱き魂に、一片の慈悲もかける必要はないな。
全て狩りつくす。
それが法王庁の、ヴァチカン十三課の使命だ。
 
さて、一部だけだが、今回はこれでヴァチカンに帰らねばならん。
次の機会を待っていろ、神に背きし愚者どもよ。
 
―――――Amen

120 :以上、自作自演でした。:02/11/09 16:00
原作者の意向を踏まえ、純正に吸血鬼関連から外れるキャラハンは、全員退場願うべきだと思う。
そうすると六割以上消えるけど、あえて外科手術ということで。

121 :全然関係ない人(部外者):02/11/09 17:03
>>120なんだ何処の板にもたまにいるタダの荒らしか

122 :3ヶ月振りに覗いている:02/11/09 18:51
>>121
そうでもないんじゃないの?
>吸血鬼関連から外れるキャラハン
ゆき過ぎたコレに対する自治もできてないってわけでもないんでしょ?

123 :以上、自作自演でした。:02/11/09 19:23
面白ければいいのだよ。

124 :黒騎士ブラフォード(M):02/11/09 20:24
クロウvs黒騎士ブラフォード 『黒き剣士、2人』
 
黒い夜、黒い森、黒く伸びる木の影、黒い闇。
暗黒に塗り潰されたその世界を、唯一白く輝く月が見下ろしていた。
木々の間から差し込むその月光を受けて、森の中に立つ、騎士の漆黒の鎧が煌いた。
その騎士に対峙するのは、やはり黒いシャツに身を包み、首に犬のような首輪を付けた男。
 
黒い剣士ふたりが、夜闇の中で対峙していた。

125 :綾瀬瑞希(M) ◆AYaSEjIaoQ :02/11/09 20:31
ラルフ・グルトvs綾瀬瑞希『彷徨える者への鎮魂の鐘』
>39
―――――死んだかと思った。
精霊石による砲撃。
 
近代兵器は吸血鬼には効かないと思っている新生者もいるようだが、
実際には違う、戦車砲を受けて死んだ長生者もいるし、
近代兵器によって死んだヴァンパイアはこの100年で驚くほど多い。
 
私は自分自身をナノ単位で変質、再構成できる。
そう、こうして考えられるのも鉄の塊を棒に変える為に散布したマイクロマシン……、
私の一部がバックアップとして残っていたからに過ぎない。
 
荒い息を吐きながら夜の空気で体を冷やす。
狩人は私の姿が見えないので完全に死んだかと思ったかのようだ。
 
ここで、PKを撃てば狩人を倒す事は可能だろう。
だが……、外せばその後の反撃を凌げるかどうかは微妙だ。
また、狩人を殺した手で彼に―――――――。

126 :クロウ ◆kUROU70NPE :02/11/09 20:36
クロウvs黒騎士ブラフォード 『黒き剣士、2人』

>124

口を開く替わりに、太刀の鞘を払った。
月明かりを受けて輝く刃を、青眼に構える。

 鎧――打ち込むなら継ぎ目か。

そう、思う。
踏み込みざま首筋へ袈裟に一刀。
下へと抜けた刃を脇腹へと跳ね上げる。

127 :ラルフ・グルト ◆pqLalf3Ovc :02/11/09 20:37
ラルフ・グルトvs綾瀬瑞希『彷徨える者への鎮魂の鐘』
>125

「――――――――ふむ」

閃光の中に消えた少女の姿を探し、男は前へと足を進める。
油断無く。気配を探りながら。

なくした左腕。失った血液。
今にも断ち切れそうな意識を繋ぎ止めているのは、化け物に対する異常なまでの復讐心。
あるいは―――――

「まだ、滅んでないようですな」

片隅で黒く凝る闇の欠片を見つけ、軽く唇の端を持ち上げた。
意思が残ってるかは窺い知る事は出来ない。それが脅威に値するものなのかも。
だが、化け物の欠片である以上、やる事は一つ。

「滅びなさい」

相手を否定する絶対の意思を乗せ、言の葉を放つ。
きわめて原始的な魔術。同時に跳ね上がる右足。

踏み躙る。欠片を。呪いながら。

128 :綾瀬瑞希(M) ◆AYaSEjIaoQ :02/11/09 21:00
ラルフ・グルトvs綾瀬瑞希『彷徨える者への鎮魂の鐘』
>127
“おねえちゃん、きゅうけつきなの?
 はい、ぼくの血をあげる。そうすれば元気になるんでしょ?”
彼との最初の出会い。
 
“姉さまの事、好きだよ?”
瑠璃葉…、義妹。
 
“姉さん……”
シオン、私が闇へと引きずり込んだ弟。
 
思いの全てを今、もっともシンプルで強烈な呪いを込めた足が終わらせようとしている。
これで、いいと一瞬だけ思った。
 
そう、この葛藤を続けて永らえるよりは。
 
“ずるいよ、綾瀬ちゃん”
もう一人、居た。
すざく。外なる神々の一柱、そして……恋敵。
“せんせんふこくだね”
そうね、私……、諦めてなかったのに。
 
―――――――視界が、開けた。
狩人が踏みおろさんと私を見下ろしている。
 
足から、全身を。
今の私に出せる最大の威力でPKを放つ。
 
「私は――――諦めたくない!」

129 :ラルフ・グルト ◆pqLalf3Ovc :02/11/09 21:19
ラルフ・グルトvs綾瀬瑞希『彷徨える者への鎮魂の鐘』
>128

吹き飛んだ。

右足が、粉微塵に吹き飛んだ。
鮮血が、肉片が、骨までもが粉々になって夜の闇を赤く染め上げる。

吹き飛んだ。

気力も、体力も、意識も、全て断ち切られて虚空へと。
律する精神を失ったその体は、そのまま廃工場の中へと落ちていく。

無意識に動いた肩。
その先に腕が存在していたのであれば、あるいは違った結果をもたらしていたのかも知れない。

だが、現実にIFは存在せず、男は堕ちて行く。

深い、闇の底へと。

130 :黒騎士ブラフォード(M):02/11/09 21:35
クロウvs黒騎士ブラフォード 『黒き剣士、2人』
>126
  
疾る太刀が、闇の中で映える。
黒騎士ブラフォードは、生気のない瞳で、太刀筋を見据えていた。
バックステップして、首に迫る袈裟掛けの一撃を避ける。
が、続けて振るわれた斬撃が、脇腹に食い込んだ。
 
肉が断たれ、刃が内臓を掻きまわしてから、抜ける。
ぴちゃり、ぴちゃりと蠢く舌のような音を立てて。
漆黒の鎧がさらに赤く染まるが、痛みはない。
ブラフォードは肉体的にはすでに死んだ、屍生人(ゾンビ)なのだから。
その身に在るのは、生きる者、いや、動くものへの憎悪のみ。
 
「URYYYYYYYYYYYY!!!」
 
憎悪に口元の牙を剥き出しにして、黒騎士は吼えた。
ズラァァァァア。
大気を歪ませながら、背負った刃を引き抜く。
 
その、黒く長い髪を、腕のように蠢かせて。
黒髪の巻きついた剣が、男の頭上に振るわれる。

131 :クロウ ◆kUROU70NPE :02/11/09 21:47
クロウvs黒騎士ブラフォード 『黒き剣士、2人』

>130

切り上げはまともに入った。

「ちぃ!? 浅いか?」

手応えから言えば十分の筈。
だが、死んでいない。

 俺と同類って事か・・・?

真上から落ちてくる剣の腹に太刀を添えて、流す。
相手の剣は地面へと叩き落し、胸元目掛け横に刀を払った。

132 :オーフェン ◆a4STABbERo :02/11/09 22:02
オーフェンvsモリガン
>118

 詠唱も何もなしに生み出された紫の光。
それはオーフェンの放った熱衝撃波とぶつかり合い、互いに相殺して消えた。

(人間じゃ……ない?)

 詠唱も何も無しでそんな芸当をすることは人間にはできない。
 大体、先刻の刃にしても、まるで生きているかのような動きで軌跡を描いていた。
かといって、人間でなければ目の前の相手は何であるのか。

 今まで感じたこの無い、未知の恐怖がオーフェンを襲う。
それは人間という種の根本に刻まれた、闇に対する恐怖だったのかもしれない。

 続けざまに放たれた二発の光弾。
ギリギリの所でそれをかわす。
 だが、反撃はできなかった。
得体の知れない恐怖に身体が縛られ、身動きが取れない。

 全身に冷たい汗が流れていくのを感じる。
 爪が肉に食い込み、血が滲むほど拳を硬く握り締めた。
痛みにより、硬直した身体が動くようになっていく。


   未だ恐怖はある。
   だが、身体が動かなくなるほどではない。

133 :クロウ ◆kUROU70NPE :02/11/09 22:31
オーフェンvsモリガン

>132

「今判ったの? ええ、わたしは人間じゃない」

 駄目。

怯えてるだけじゃ。
面白くない。感じないわ。

「でも、そんな事どうでも良いじゃない? 
 ね。感じさせて頂戴。貴方の全部で、わたしを」

手を舐める。
艶かしい舌が赤を舐め剥がし、濡れた肌が光る。
血の味は甘く、新鮮がゆえに残る精気も甘い。

「・・・ああ、美味しい。貴方はどんな味がするのかしらね」

ふわり、間合いを詰める。
右腕で一つ、二つ、突きを放つ。
左翼をギロチンに変えて、横に薙ぎ払った。

134 :モリガン・アーンスランド ◆7Q4EmpreSs :02/11/09 22:33
オーフェンvsモリガン

>132

「今判ったの? ええ、わたしは人間じゃない」

 駄目。

怯えてるだけじゃ。
面白くない。感じないわ。

「でも、そんな事どうでも良いじゃない? 
 ね。感じさせて頂戴。貴方の全部で、わたしを」

手を舐める。
艶かしい舌が赤を舐め剥がし、濡れた肌が光る。
血の味は甘く、新鮮がゆえに残る精気も甘い。

「・・・ああ、美味しい。貴方はどんな味がするのかしらね」

ふわり、間合いを詰める。
右腕で一つ、二つ、突きを放つ。
左翼をギロチンに変えて、横に薙ぎ払った。

135 :黒騎士ブラフォード(M):02/11/09 22:46
クロウvs黒騎士ブラフォード 『黒き剣士、2人』
>131
 
剣を落とされたが、それもまた計算のうちだ。
自在に動く髪は陰を作り、敵に対して死角を作る。
まして武器を落としたとなれば、多かれ少なかれ、そこに意識を奪われるものだ。
 
己の魔髪が作る闇に身を隠し、ブラフォードは刃に身を委ねる。
ずぶり、鈍くいやな音とともに、刃は肉を抉る。
ずぶずぶと、刃が肉に飲み込まれていくようにさえ見える。
 
そう、ブラフォードは刃を自らの体に食い込ませているのだ。
我が身を断たせながら、黒騎士は突っ込んでいく。
死角から、無数の拳を繰り出しつつ。

136 :ディオ・ブランドー ◆a1URYYYYEg :02/11/09 22:54
フフン〜♪
歌でも歌いだしたい気分とは、こういう事だな?

>120原作者の意向を踏まえ
おやおや・・・そうなると獲物が減ると言う事になるじゃないか・・・・・・
食糧不足で餓死する吸血鬼など冗談にもならん。
今のうちに獲物を確保しておくか・・・

>121タダの荒らしか  >122そうでもないんじゃないの?

これは珍しい・・・
それは、絶滅したはずのハイパーリンク!
さらに、意図不明なハンドルネーム!
荒らしと断定しながら反応する、その台詞!
しかも、それが続けて二つ!!

どれをとっても珍しい事、この上ないものだな。

>123面白ければいいのだよ。
『楽しんで遊ぶ』!それだけよ・・・それだけが満足感よ!
過程や・・・・・・!
方法なぞ・・・・・・・・・!
どうでもよいのだァ―――ッ!!

137 :以上、自作自演でした。:02/11/09 22:59
       / ̄ ̄ヽ     / ̄ ̄ヽ
       l i'´~`ヽ|   l /~`ヽ |
       ヽ.\  ,レ-――-'<、 _ノ /
         `‐/_____\- '         人_ト、__ノ、_,ヘノ\_ノヽノ、
          / ,-、      ,-、 ヾ、       人/                \__
           l  ,..、       ,..、  l     _ノ                    (
     __l  i 0} ,.●、 !0 i  l__  _)
  / ̄| | . |  `~ /___\`~´   |  | __ノ 貴様も我が夜の亡者となるのだァーーーーッ!!
/     | | |l    ‘-イ !_|_!`r’     !|  | ノ 
\\   | |. |`、   r{     h   ,/リ <    
  \\.| |   ヾ\ ヽ二ニ二.ノ  /〃 |  )
、   \ノ^,ニ‐-ァ  ̄`ー-----一' ̄/  | ^ヽ
\  // ,/⌒i、_\\_____//  .|  |  ⌒)
   {   i   |  iヽ`ー-----― '    |  |    ̄ヽヘ/⌒ヽ/\i'\へ/⌒Yヽ'^
    i          }         _|  |
    〉       ノ二二二二二二.-‐|
   /       /            |



138 :以上、自作自演でした。:02/11/10 03:46
>137
なりきり難民板住民ハケーン

139 :名無しダンピィル(M):02/11/10 04:21
エリックvs名無しダンピィル

死臭がした。
墓地と言う場所柄を考えると、決しておかしな事ではない筈ではあるが。
だが、嫌な予感は消えない。
生まれついての狩人である自分の感覚を凍り付かせる、何かがいる。

何かに導かれるように、奥へと足を進めて行く。
死者の呼び声に、あるいは鴉の鳴き声にか。

辿り付いたその場所で、私は蒼褪めた一人の男と邂逅した。

140 :エリック(M):02/11/10 04:40
エリックvs名無しダンピィル
>139
 
 カラスが一声鳴いた。
 夕陽は赤々と尖塔の頂きを照らしているが、そのはるか下の墓地にまでは光は届かない。
 その墓地の中、二つ並んだ墓石の前で祈りを捧げていた男は、ゆっくりとたちあがる。
 その顔には、道化師のような化粧が施されている。
 泣いているのか、笑っているのか、わからない。
 
「なんの用だ」
 
 静かにその男――エリック・ドレイヴンは言った。

141 :以上、自作自演でした。:02/11/10 04:46
クロウキタ─wwヘ√レvv~(゚∀゚)─wwヘ√レvv~─ !!!

142 :名無しダンピィル(M):02/11/10 04:51
エリックvs名無しダンピィル
>140

男の全身から漂う冥府の霊気。
間違いない。こいつはは不死者だ。
 
「忌むべき不死者よ―――――」

睨み付けつつ、三歩後退。
そして、

「塵に帰れ!」

懐から取り出した山査子の杭を、男の心臓めがけて投げつける。
不死者は闇に。それが私の存在意義。

143 :エリック(M):02/11/10 05:10
エリックvs名無しダンピィル
>142
 
 唸りを上げる山査子の杭に、エリックは何の反応もしない。
 どこか虚ろな表情で飛来する木片を見つめるだけ。
 
 どん。
 鈍い音を立てて杭はその心臓を貫く。
 痛い。
 重い衝撃にわずかに体が後ろに下がる。
 
 ただそれだけ。
 喉からもれるのは低い、低い笑い声。
 血反吐を撒き散らすこともない。塵に帰ることもない。
 何故なら――――
 
「俺はもう死んでる」
 
 そういって、今度こそはっきりと嗤う。痛覚が呼び起こした狂気に唇が歪む。上目遣い
に睨みつける。
 
 杭に手をかけ引き抜けばフィルムの逆回しのように傷口がふさがり、消える。
 ほんのわずか、流れた血すらも跡形もなく消えている。
 
 そのまま無造作に手の中の杭を投げつけた。
 殺す奴は殺される。
 その理を顕わすべく。

144 :名無しダンピィル(M):02/11/10 05:29
エリックvs名無しダンピィル
>143

驚いた。
心臓を貫かれてなお、動き回る不死者がいるとは。
―――忌むべき父祖とは、違うと言うわけか。

「ならば再び死ぬばいい」

投げ返された杭を、手にした角材―――両端を尖らせたそれは、槍でもあり、
巨大な杭でもある―――で叩き落す。
角材を半回転させながら間合いの内側まで飛び込み、上顎から脳天へ向かって突き上げる。

心臓が駄目なら脳を潰す。それでも駄目な場合は――――

そのとき考える事だ。

145 :エリック(M):02/11/10 05:46
エリックvs名無しダンピィル
>144
 
 笑いが止まらない。
 低い、含み笑いのようだったそれが次第次第に高くなる。
 口の端はさらに釣りあがり、道化の化粧とあいまって耳まで裂けているかのよう。
 
 下から突き上げられる槍の一突き。
 構わず踏みこむ。結果、狙いは下にそれて胸を貫く。
 
 痛みは気にならない。
 むしろ心地よくすら感じる。
 痛みはこの身が確かに現世にあることを感じさせる。
 何のためにここにいるかを思い出させる。
 
 わきあがる狂気に押され、ただ力に任せて、
 エリックは男の体を振り回す。
 手近な立ち木に向けて、その体を叩きつける。

146 :名無しダンピィル(M):02/11/10 06:06
エリックvs名無しダンピィル
>145

外した。
そう思った次の瞬間、鮮烈な痛みが身体を駆け巡る。
貫かれた体勢のまま大きく動いた男によって、隅の立ち木に叩き付けられたのだ。
ただし、骨がないと言う私の体質上、大したダメージがある訳ではない。
ない、のだが・・・

慣性に煽られ、てにした角材を離してしまう。
手持ちの武器はもう既に無い。

・・・仕方ない、か。

「主よ、許したまえ」

いい加減な祈りを捧げつつ、墓標として突き立つ十字架を引き抜いて構える。
ここで眠る死者には悪いが―――所詮死者はただの土塊だ。
それよりも、目の前の不死者を滅ぼす事の方がよっぽど重要である。
近づいて、殴る。
間髪をいれずにひたすら殴る。
再生するよりも早く、ダメージを与え続ける。
今はただそれだけに集中しよう。

147 :エリック(M):02/11/10 06:36
エリックvs名無しダンピィル
>146
 
 男が手を放したため、槍は自重で抜け落ちる。
 傷が消える。
 服が破れていなければ、それこそ何事も起こらなかったと錯覚するような、そんな現実
ばなれした光景。
 笑みを貼りつかせたまま両の腕を広げ、男を迎え撃つ――否、迎え入れる。
 
 一撃目。側頭部が陥没した。
 二撃目。脇腹を深く抉った。
 三撃目から先は数えるのも傷を調べるのも億劫になった。
 
 殴打の渦中にあってもエリックは一切の防御をしない。
 肉を潰される痛みなど、骨をひしがれる苦しみなど、"あれ"には遠く及ばない。
 シェリー・ウェブスター。エリックのただ一つの愛の対象。
 理不尽な暴力に晒され陵辱された彼女が、死の直前に味わった30時間の苦しみ。
 
 エリックはそれを知っている。
 病院のベッドの上、彼女が苦しみ、弱り、死に捕らえられる一部始終を見ていた警官の、
記憶を通じて味わった。
 
 殴られながら、エリックは一歩一歩近づいて行く。
 軽く、ダンスのステップを踏むような足取りで。

148 :名無しダンピィル(M):02/11/10 06:55
エリックvs名無しダンピィル
>147

何だろう?
目の前の男の瞳に悲しみの色が混じっているような・・・気のせいか?

いや、考えるまい。
如何に同情すべき者だとしても不死者は不死者だ。
生者は現世に、死者は冥府に。境界を脅かすものは何人たりとも許してはならない。
・・・狭間に生を受けた私の、それが唯一の誓い。

気を取り直し、再び十字架を振り上げた。
だが、先ほどの迷いが致命的な隙を生む事になる。

気がついたときには既に、間合いの内側に入り込まれていた。

149 :エリック(M):02/11/10 07:19
エリックvs名無しダンピィル
>148
 
 目の前の男が見せた隙を復讐の鬼は見逃さない。
 振り上げた十字架、それを持つ腕をあっさりと掴み取り――
 
 その瞬間、記憶が、思いが、エリックの中で弾けた。
 それは目の前の、狩人の記憶。
 
「なるほど。あんたはつまり正義のヒーローってわけだ。化物を殺し、死に損ないを死人
に返す。
 だけど生憎、日が悪い。Trick or Treat? 今夜はハロウィンだ」
 
 どこかふざけているとしか思えない口ぶりで言ってのける。
 そして……打って変わった虚ろな口調。
 
「心配しなくても……今日が終われば死人はねぐらに帰るさ」
 
   だからあんたの出る幕はこれっぽっちもないんだよ
 
 そう言うかのように、そのままなんの技もない拳を叩きこんだ。

150 :名無しダンピィル(M):02/11/10 07:32
エリックvs名無しダンピィル
>149

一瞬、意識が断絶した。

すぐさま意識を取り戻したが、堪えきれずに片膝をついてしまう。
十字架を杖代わりに、何とか立ち上がる。

「Trick or Treat? ――――決まっている」

飴を貰って帰るようでは狩人は務まらない。

「Trick、だ」

十字架を起点に飛び上がり、相手の脳天に踵を叩きつけ―――

ずに、背後にに回りこんでおいて、私は男を誰何する。

「どういう意味だ?『今日が終われば』とは」

151 :エリック(M):02/11/10 07:53
エリックvs名無しダンピィル
>150
 
 ふらりと、よろめいた。
 肩越しに狩人を見る。背は向けたまま。
 口調と同じくその表情からは狂気の笑みが消え、変わりに虚ろが支配する。
 いっそやさしげとさえ思える口調で、死者は記憶を語り出す。
 
 死者の魂を冥界へ運ぶカラスとの伝説。
 結婚式を前に、殺されたカップル。
 1年の時を経て蘇った片割れの男。
 無念を晴らすための救済措置。
 
「俺たちの墓はちゃんとそこにある。
 心配しなくても、全て終わればちゃんとあそこに帰っていくよ」
 
 最後にそう言って、エリックは話を締めくくった。

152 :名無しダンピィル(M):02/11/10 08:27
エリックvs名無しダンピィル
>151

・・・なるほど。
そう言う事か。

「『復讐は無意味だ』、そう言えるのは何も失った事のない奴だけだ」

背を向けたまま、頭上を飛び回る鴉に眼を向ける。
私をここへと誘った鴉。
何のために私を呼び寄せたのか。

「・・・・・・・・・。
 行って来い。夜明けになったら私がお前を送ってやる」

結論は、出なかった。
ならば多少様子を見るのも良いだろう。
彼の眼は、嘘を吐かない。

「ここで待っている。迷うなよ?」

甘いのかもしれない。
だが、まあ、

偶にはこんな結末も悪くない。

153 :エリック(M):02/11/10 08:48
エリックvs名無しダンピィル
>152
 
「言われなくたって、ちゃんとここに来るさ」
 
 エリックは答える。
 かつて暮らした自分の住処は、今はもう彼のものではない。
 あそこにあるのはただの思い出。記憶の残骸に過ぎない。
 彼が最も大切にしていたものは他でもない、ここに埋まっている。
 
 日が沈む。この街ではお馴染みの冷たい雨が降る。
 天を見上げて狩人が言う。
 
「夜が来るな。それにこの雨、全く嫌になる」
 
「それでも、いつかは晴れる日もあるさ」
 
 狩人がその言葉を耳に留め再びエリックのほうを振り向いた時――
 既にそこに彼の姿はない。
 烏の姿もいつしか消えていた。
 
 ただ、別れを告げるようなギターソロの哀切な旋律が遠く響いているだけだった。
 
 (FIN)

154 :エリック(M):02/11/10 08:49
エリックvs名無しダンピィル

闘争レス番まとめ

>139
>140>142>143>144>145>146>147>148>149>150>151>152
>153

155 :クロウ ◆kUROU70NPE :02/11/10 12:43
クロウvs黒騎士ブラフォード 『黒き剣士、2人』

>135

まただ。まともに入った。
と言うより避けようとしていない。
そして、傷口の再生の気配は――無い。

 ・・・違うのか?

そんな瑣末な事に囚われた瞬間、頬にとてつもない重さの何かがぶつかった。
吹っ飛び、木の幹に背中から叩きつけられる。

「がっ・・・!!」

吐き切った息を吸いながら、手の中の太刀を再び青眼に構えた。

 斬れるのならば、斬り続けるだけだ。

蠢く髪ごと断ち切らんと、唐竹から右薙ぎの斬撃を放つ。

156 :黒騎士ブラフォード(M):02/11/10 13:33
クロウvs黒騎士ブラフォード 『黒き剣士、2人』
>155
 
ヒュバァァ!!
死者の髪は、まるで嘆き声のような唸りをあげて収束する。
自分を狙う刃の切っ先へ向かって。
 
黒髪は太刀を絡め取り、その動きを封じた。
手を離す間もなく、その髪はさらに蠢く。
敵の体を宙に浮かし、地面に叩きつけるために。

157 :漆黒の王子(M):02/11/10 16:48
シーザー・ツェペリvsミカエル・ラージネスvs漆黒の王子
『ただ、尊厳の為に』
雪が降る。恐らくは吹雪となるだろう。
 
古城は荒れ果て、配下の者たちすらほぼ居なくなった謁見の間に戦士達は居た。
そう、失ったものを取り戻す為に戦士達は来ていた。
 
「ようこそ、私の城へ。
 私がここの城主、ヴォルグレイ・アーカムだ。
 漆黒の王子とも私を呼ぶものも居るがね。
 諸君らは、招かれもせずこの城へ来たわけだが…。
 おいで、私の可愛い夜の美姫達よ。
 不粋な輩に美しさを教えてやりたまえ」
 
美姫達が城主に呼ばれ、戦士達の前にしなやかな舞を見せる。
その両眼は赤光に染まり、吸血鬼の証をさらす。
 
牙が、爪が常軌を逸した速度で戦士達へと迫ろうとしていた。

158 :シーザー・アントニオ・ツェペリ(M) ◆ShaBON54kk :02/11/10 17:20
シーザー・ツェペリvsミカエル・ラージネスvs漆黒の王子 『ただ、尊厳の為に』
>157
 
「……きさまッ!」
 
 叫んだのは、目の下のアザが印象的な青年だった。
 向かってくる吸血鬼にも怯むことなく、地を蹴って駆け出す。
 長めの金髪と、バンダナが風に靡く。
 
「コオオオオ――――」
 
 交錯の瞬間まで、青年は特殊な呼吸法を行っていた。
 体の奥底から力を引き出すような、不思議な呼吸を。
 
 爪が青年に突き刺さる、かと思われた瞬間。
 
 体の捻りと同時に繰り出された前蹴りが、女性の胴体を打ち抜いた。
 きらきらと光を放つ粒となって、吸血鬼の体が弾ける。
 先程までの呼吸で青年が練っていた力―――太陽の力、『波紋』が流れた事による現象だ。
 太陽の前で、吸血鬼はただ滅ぶしか無い。
 
 無に還っていく女性を見つめ、青年は怒りの色を濃くする。
 
「きさまは最低のゲス野郎だ。こんなのは本当の美しさなんかじゃあねぇ。
 彼女たちの美しさを分かってないのは、きさまの方だ!」
 
 怒りの勢いに任せ、指を突き出す。
 
「きさまはおれが倒す―――この、シーザー・アントニオ・ツェペリがなッ!」

159 :ミカエル=ラージネス(M):02/11/10 17:21
シーザー・ツェペリvsミカエル・ラージネスvs漆黒の王子
『ただ、尊厳のために』
>157

 その背に提げた大剣を抜かれる。
雪の照り返しが、禍々しくミカエルを照らした。

「―――――邪魔だ」

 大剣が振るわれる。
轟音を上げ、旋風を巻き込む鉄塊が、襲い掛かる女達を両断した。
 血煙が上り、視界が紅で覆われる。
だが、一切気にせずに前へと進んだ。

 ミカエルは大剣を更に振い、血と肉片、臓物を辺りに飛び散らかし、漆黒の王子へと迫る。
その足どりには、一辺の躊躇も、迷いも無かった。

160 :漆黒の王子(M):02/11/10 17:46
シーザー・ツェペリvsミカエル・ラージネスvs漆黒の王子
『ただ、尊厳のために』
>158>159
 
美姫達が次々と本来の姿、そう屍へと変わる最中、
城主は普段から浮かべている薄い笑みに微かな苛立ちを浮かべる。
 
「ほう、どうやら女性の真の美しささえ分らぬ慮外者だったか……。
 良いだろう、この私自らの力を持って君等の罪を知らしめようではないか」
 
大剣を比べるまでもなく細すぎるレイで受けながす。
そのしなりが大剣の剣士の鎧に微かに触れた時、レイピアが赤い光を放つ。
鎧から、あれほど立ち込めていた霊気が薄れたかのように。
 
「さて、あの美がわからぬか。
 では、理解してもらう必要があるな」
凶眼が輝き、バンダナをつけた拳士の眼を見据える。
 
甘い輝きが拳士の視界を覆う。
城主の言葉こそが、真実であり、安らぎであるかのように感じられる。
「さあ、戦士諸君。戦いたまえ!望みをかなえるためにな!」
 
戦士達と若干の距離を取り、
謁見の間にあった祭壇に寝かされた少女の下へと滑るように動く。


161 :シーザー・アントニオ・ツェペリ(M) ◆ShaBON54kk :02/11/10 18:15
シーザー・ツェペリvsミカエル・ラージネスvs漆黒の王子
『ただ、尊厳の為に』
>160
 
 吸血鬼。
 人を唆し、誑かす魔物。
 その視線が、シーザーを射た。
 
 呻き声が漏れる。脂汗が額に滲む。
 それでも尚、彼の視線は、誘惑の視線を真っ向から迎え撃っていた。
 
 自分はこの男を追い求め、此処まで来たのだ。
 人の誇りを踏み躙る化物。そいつを許す訳にはいかない。
 祖父、父から受け継いだ誇りが、それを許さない。
 
 霞む視線の向こうでは、今正に新しい犠牲者が生まれようとしていた。
 
「ああ、戦ってやろうじゃないか」
 
 若干精彩を欠いた動きではあったが、十分に素早い。
 城主へと一気に詰め寄り、練り上げた『波紋』を拳に込める。
 
「だが、おれの望みはきさまの『死』だ!」
 
 胴へ向かい、シーザーは一直線に拳を突き出した。

162 :以上、自作自演でした。:02/11/10 18:39
FDTDの吸血大殲が更新。

163 :ミカエル=ラージネス(M):02/11/10 19:05
>160

「望み? そんなものはねえよ。
 てめェらを殺すことは、既に生活の一部になっちまってるんでな」


 悪魔狩り……自らの内にある闇を持ちて、悪魔を狩ることを生業とするモノ。
       闇の縁を覗き、更なる闇へと歩き続ける。
       そして、しだいに己も闇に染まっていく。
       その覚悟を持ち、闇の力にて闇を制するモノ。
       それが悪魔狩り、それが第13代目悪魔狩りミカエル=ラージネスという男。


 大剣をミカエルは構えた。
引き絞られた矢のように、剣が提げられる。

「……くたばりな」

 閃光の如き速さで、身の丈ほどの刀身を持つ大剣が突き出された。

164 :クロウ ◆kUROU70NPE :02/11/10 19:15
クロウvs黒騎士ブラフォード 『黒き剣士、2人』

>156

生きているかの様に自在に動く髪の毛。
だが、動いているだけならば斬れる。

 ・・・糞。

腕が足りないのか、それとも刀で斬れるモノではないのか。
受けられただけでなく絡め取られた。
そう思った時には空中にいた。
身を捩って体制を立て直し、進行方向にあった木の枝を蹴る。
加速度に遠心力を合わせて、騎士へと跳び廻し蹴りを繰り出す。

165 :漆黒の王子(M):02/11/10 19:22
シーザー・ツェペリvsミカエル・ラージネスvs漆黒の王子
『ただ、尊厳の為に』
>161>163
「フ……。流石は、と言っておこう」
城主は軽く鼻先で笑う。
拳士の拳を左手のマントでそっと撫でるように、大剣を突きこもうとする剣士へと方向を逸らす。
 
「マハノチという竜を知っているかね?
 この城のはるか南方に海がある。
 海にすむ竜の皮は、とても強靭で武器であり防具でもあるこのマントにも使われている。
 マントとしてかなりの質を誇り…。君の拳は通じないようだなぁ?」
 
「ハハハハハハ、それは素晴らしいな。だが、君にそれができると思うのか?」
 
哄笑をあげ、祭壇に眠る少女の元へたどり着く。
「さて、問題だ。この少女は私の口付けを何度受けただろうか?」
 
少女の喉は絢爛豪華なドレスに包まれ、戦士達には見えない。

166 :黒騎士ブラフォード(M):02/11/10 19:37
クロウvs黒騎士ブラフォード 『黒き剣士、2人』
>164
 
強烈な回し蹴りだった。
衝撃を殺すために、あえてその蹴りが来る寸前で横に飛ぶ。
頭蓋骨と足の骨がぶつかって、砕けるような音が頭全体に響いた。
 
耳鳴りとなった残響を意にも介さず、横に飛びながら魔髪を操る。
太刀を解放すると同時に、黒き髪はそばの木の枝に巻きついた。
何本もの枝をヘシ折りつつ、木にぶつかって体は止まる。
 
背を打つ衝撃とともに、魔髪が疾駆した。
その漆黒の中の無数の枝が、敵を串刺しにしようと迫る。

167 :シーザー・アントニオ・ツェペリ(M) ◆ShaBON54kk :02/11/10 19:48
シーザー・ツェペリvsミカエル・ラージネスvs漆黒の王子
『ただ、尊厳の為に』
>165
 
「チィッ!」
 
 舌打ちして、自らの失敗を悔いる。
 確かに強力な一撃ではあるが、必殺の一撃には遠かった。
 それが今の失敗を招いた。
 
 後悔は後ですればいい。今は最悪の結果を回避するだけだ。
 
 指先へ『波紋』―――破壊的な“はじく”『波紋』とは逆の性質の物を集中。
 剣の切っ先へ向けて指を伸ばす。
 凄まじい膂力の攻撃を受け止め、腕が痺れる。骨が軋む。
 しかし、刃は魔法のようにシーザーの指先で止まったまま、微動だにしなかった。
 
 受け止める『波紋』―――“くっつく”『波紋』の効果だ。
 
「きさま―――後ろのあの娘を殺すつもりだっただろう」
 
 睨みつけ、言葉を放つ。
 
「おれたちは化物じゃない。あくまで、人間だ」
 
 それだけ言い置いて剣先を下方へと逸らす。
 振り向き、跳躍。
 
「そうは……させるかッ!!」
 
 敵が如何に強大だろうと、退く訳には行かない。
 その意志を表す右足が空を薙ぎ、吸血鬼の首を刈り取る軌道を描いた。

168 :クロウ ◆kUROU70NPE :02/11/10 19:57
クロウvs黒騎士ブラフォード 『黒き剣士、2人』

>166

傷は増えている。動きは衰えない。
これもまた、打たれ強いと言っても良いのか。

 面倒だな、まったく。

間合いを取りながら、迫る黒い波へと向き直る。
その間に巻き込まれたへし折られた枝。

「・・・ちゃちだな」

当たる物だけを切り落とす。切り落とす。切り落とす。
手近の木を振り返りざまの一閃で輪切りにして、波に放り投げた。
稼げた時間は一瞬だが、それで良い。
側方へ跳躍、木の幹を蹴ってもう一度。
鎧姿の横合いから、身体ごと浴びせる様に太刀を振るう。

169 :ストレイツォ:02/11/10 20:09
アルカードvsストレイツォ 『容赦なき戦い』 導入
 
冬の夜のニューヨーク、無数の足音が交じり合って1つの足音となる。
マフラーをした、黒い長髪の男が、その雑踏の中を歩んでいた。
ぱっと見た程度では気付かないだろうが、奇妙な男だった。
冷えた空気の中、彼の口から漏れる吐息には色がついていないのだ。
周りの人間たちは、その吐息で辺りを白く染めているというのに。
 
男の名はストレイツォ。
チベットに伝わる、『波紋法』の継承者であり―――――
そして、波紋と表裏一体の力を持つ『石仮面』の魔力に魅入られ、吸血鬼と堕した男だ。
 
だが、ストレイツォは知らなかった。
その吸血鬼を狩るための吸血鬼の存在を。

170 :アルカード(M) ◆alucaRdfFU :02/11/10 20:10
アルカードvsストレイツォ 『容赦なき戦い』
>169
 
 コツ、コツ。 
 長靴が鳴り、夜空へ延びる。 
 コツ、コツ。 
 石畳が軋み、呻きを繰り返し漏らす。 
 コツコツ、コツコツ。 
 夜の繁華街は肩を触れずに歩くことも適わず、ともすればその足さえも重なる。 
 コツコツ、コッ…… 
 雑踏が止まる。 
 男が立ちつくし、雑踏を止める。 
 手に時代物のライフルを構え、突き出し、夜という時を街という平穏を切り裂くように。 
 興味と不信の目が集う。その中で男は、 
 
「ク、ハ、クハハハハッ、クハハハハハハハハハハハッ」 
  
 赤いコートと黒い髪の大男はさも愉快そうに笑うと、撃爪を引く。 
 銃声、悲鳴、凶笑。 
 街ゆく人に代わり騒乱と混乱が、街中に起こった。 
 走り、逃げまどう人々を後目にトリガートリガートリガー。 
 銃声と薬筴が転がり、白木を削りだしたクイの弾丸が飛んだ。 
  
「ハハハッ! 初めまして吸血鬼、そしてさようなら」 

171 :ミカエル=ラージネス(M):02/11/10 20:11
シーザー・ツェペリvsミカエル・ラージネスvs漆黒の王子
『ただ、尊厳の為に』
>165 >167

「甘っちょろい餓鬼の理屈をほざく奴から淘汰される。
 それが俺が身を置く‘夜’の戦だ」

 ギシ、ギシ、と軋む様な音を立て強く剣が握られていく。
怒りが全身を支配している。
 
「非情になり切れねえ奴は、死んで非情になり切れた奴の踏みつけにされるしかねえ……
 てめェには、非情になり切れる覚悟はあるのか?」

 前方を進み、跳び上がった男に吐き捨てるかのように言葉を叩きつける。
 非情になりきる覚悟の無い甘ちゃんの台詞。
 それがミカエルを苛立たせた。

 男の後ろに続くように、疾る。
 しゃがみ、横薙ぎに剣を振う。
迅雷の如き速度で振われた大剣が、漆黒の王子の膝へと襲い掛かった。

172 :黒騎士ブラフォード(M):02/11/10 20:13
クロウvs黒騎士ブラフォード 『黒き剣士、2人』
>168
 
顔面にヒビが入り、そこから血が漏れ出していた。
頭蓋骨も割れ、破片は脳に突き刺さっているようだった。
しかし、痛みはない。既に死んだ肉体に、痛みを感じる必要はない。
ただ、ここまで自らを傷つけた相手は許せない。
憎悪だけが、その死せる肉体を突き動かした。
 
「KUAAAAAA!」
 
憎しみに満ちた雄叫びとともに、投げ付けられた木に魔髪を食い込ませる。
迫り来る敵を屍生人の直感だけで悟り、魔髪を絡めたその木の幹を叩きつけた。

173 :漆黒の王子(M):02/11/10 20:26
シーザー・ツェペリvsミカエル・ラージネスvs漆黒の王子
『ただ、尊厳の為に』
>167>171
天空から拳士の蹴り、地を這う剣士の突き。
いかなる魔人をもってしてもこの神速の攻撃にあっては無傷ではいられなかっただろう。
 
そう、この時、この場所、漆黒の王子を除いては。
 
拳士の蹴りを鷹揚に見下ろすかのように避け、剣士が繰り出す剣をあえてそのままに受ける。
「ふむ、魔剣かね。だが惜しかったな…。
 その程度の魔力では、私の呪いは解けぬのだよ」
 
切り裂いた、筈だ。しかし城主の体制は崩れず、瞬く間に斬られた脚が繋がってゆく。
「さて、問題の続きだ。私はこの少女に何をしたと思うかね?」
そう言いながら、剣を持った手で少女の衣服を切り裂く。
 
まろびでる少女の柔肌。衣服が大きく裂けながらも
この年頃の少女特有の危うさをもって艶かしいものとしていた。
「さあ、彼女は欲しくないかね?」
 
魅了の凶眼が少女の体を一瞬だけ見た二人へと注がれる。
「欲しいのなら……、互いに戦いたまえ」

174 :ストレイツォ:02/11/10 20:33
アルカードvsストレイツォ 『容赦なき戦い』
>170
 
無数の白い杭が、人込みを意にも介さずストレイツォを襲う。
腕を刺された。肩を刺された。腹を刺された。胸を刺された。
特に心臓に刺さったのは効いた。
 
突き刺さるだけでは杭は満足せず、ストレイツォの体を近くのショーウインドウに叩き付ける。
ガラスの破片が煌きながら飛び散り、冷たい空気の中を舞った。
雪のように白く、血のように赤く。
赤は、ストレイツォの血に濡れた硝子だった。
 
周りが、あっという間に喧騒に包まれる。
騒ぎの中心で、杭と硝子の破片に肉を掻き回され、ストレイツォはもう動かない。
そういう結末なら、悲劇は起こらなかったろう。
 
肉を貫かれ、辺りに流れる血の糸を幾つも作りながらも、
何事もなかったようにストレイツォは何事もなく立ちあがったのだ。
あれだけのダメージも受けて立ち上がれるのも恐ろしいが、何にも増して奇妙なのは。
彼の、頭部にだけは一片の傷もないことだった。
 
不幸にも寄って来た観衆が、恐怖に動けなくなるのには目も暮れない。
ストレイツォの視線の先にあるのは、大胆な狙撃手のみ。
 
「死ぬかと思ったぞ」
 
口元を冷笑に歪めながら、ストレイツォはコートの男目掛け跳ぶ。
風を切る音が、耳元に心地よい。これが、吸血鬼の体か。
己の身体能力と不死性に昂ぶりながら、大男の胸元へ、大槍のような威力を持つ貫手を放った。

175 :オーフェン ◆a4STABbERo :02/11/10 21:01
オーフェンvsモリガン
>134

「知らねぇな。 勝手に一人で感じてやがれ」

 内心の怯えを出さないように、吐き捨てる。
そうしなければ、全身に伝わる威圧感で身体が動かなくなりそうだった。

 槍の如く突き出される腕。
掠るだけで服が破れ、皮膚が斬れる。
 だが、身体には当たっていない。
全てギリギリの所で受け流した。

(いや、受け流させてくれた……か)

 ギロチンのようになった左の翼が薙ぎ払われる。
オーフェンはしゃがみ込むような低い姿勢で、前に踏み込んだ。
 ギロチンの刃は、髪を何本か切り取り通り抜ける。
そのまま肌が触れるほどに近づく。

(何をやっても通用しねえ気がする……だったら、やるだけやってみるか)

 お互いの息のが当たるかのような距離。
胸部の中心に触れるように優しく拳を当てた。

176 :アルカード(M) ◆alucaRdfFU :02/11/10 21:06
アルカードvsストレイツォ 『容赦なき戦い』
>174  
 
 貫手を胸板で受け止めると、鮮血が散り大輪を咲かせる。 
 肉、皮膚、筋、骨。人体を構成するパーツすべてが引き千切られ、大男の胸に大穴があいた。 
 大きな、空白。 
 それを見つめる、男は更に笑いを大きくした。 
 常人なら死に至る傷を負いながら、男――――吸血鬼アルカードは、血塗れの口を歪める。 
 冷え渡るほど白い牙が、幽かな煌めきを返した。 
 
「ハッ」 
 
 びゅうびゅうと息が漏れ、哄笑も滲む。 
 その中で男はライフル――長物を返し、口内に突き入れる。 
 トリガー。 
 軽い反動を受けて、銃から薬筴が落ちた。

177 :ストレイツォ:02/11/10 21:28
アルカードvsストレイツォ 『容赦なき戦い』
>176
 
紙袋でも突き破るように骨を、肺を破るストレイツォの貫手。
その手は一気に突き抜ける。べったりと血に染まった指先が背中から生えたようだ。
 
「素晴らしい・・・これが石仮面の力か!!」
 
長年の修行ですら達し得なかった一撃を、吸血鬼の力は一瞬で成し遂げた。
だが、己の力を充分に愉しむ暇はなかった。
白木の杭が、口に叩き込まれ、喉を抉り、首の後ろから突き抜けたのだ。
 
「URYYYYYYYYYY!!」
 
杭に喉を貫かれながらも、いかな方法なのかうめき声を上げる。
アルカードの残存した胸部に蹴りを入れて、その反動で大きく間合いを開く。
喉を苛み、充分に血を吸った杭を抜き捨てると、言葉を紡ぐ。
 
「貴様も同類なのか! ならばこの力を堪能するのは貴様を始末した後の祝杯としよう!」
 
奇妙なステップを踏みながら、冷たい目をアルカードに向けるストレイツォ。
ステップに合わせて、その目はリバリと裂かれるような音とともに罅割れていく。
 
「必殺の能力で終えてやる! このストレイツォ容赦せん!!」
 
その叫びに応じ、高圧で体液が目から発射された。まるで光線のように。

178 :クロウ ◆kUROU70NPE :02/11/10 21:36
クロウvs黒騎士ブラフォード 『黒き剣士、2人』

>172

「・・・!!」

 時間が足りなかった、か。

空気を押し潰し、唸りを上げる幹。
空中では避ける動きも出来ず、食らうしかなかった。
ガードした左腕が、その下の肋骨がギシギシと軋む。
轢かれた人形の様に宙を舞い、地面を転がった。
跳ね起きて左腕に力を込めてみる。

 この様子じゃあ精々後二、三回振れるかどうかって所か。

元を叩くには髪の毛が邪魔だ。
ならば。

腰を落とし、上段に構えて、待つ。

179 :モリガン・アーンスランド ◆7Q4EmpreSs :02/11/10 21:37
オーフェンvsモリガン

>175

加減したとはいえ突きを受け流す技術。
刃を避ける動き。

 そう言えば、牙の塔は――

教えていたのは魔術だけではなかった、か。

「あら、そんな触り方しないでよ。胸に触るならちゃんと掌で包み込む様にしないと」

地を這うような踏み込みを迎撃もせず、拳も当てられるまま。
小さく笑って、左の掌を男の胸にそっと置いた。

「牙の塔の魔術師さん? わたし、こう見えてもそれなりに色々知ってるのよ。
 貴方は―――わたしに同じ事が出来ると思う? 出来ないと思う?」

出来はしない。
けれど、魔力を直に叩きこむ事は出来る。

180 :アルカード(M) ◆alucaRdfFU :02/11/10 21:40
アルカードvsストレイツォ 『容赦なき戦い』
>177  
 
 細められた黒い眼孔が、遠ざかる化物を追う。 
 一緒にするな。 
 小さく呟きつつ再生の終えた胸を軽く払い、血糊を落とした。 
  
「容赦? 容赦ときたか、若造」 
 
 光線か、液体か。判別のつかぬ"線"が吸血鬼を断つために延びる。 
 
「化物はね、遊びはしても手加減なんてしないんだよ」 
 
 それを見留めると体をかがめ、加速。 
 
「よく憶えておきな、新人(ルーキー)」 
 
 正面から、ただ真っ直ぐに正面から、赤のコートは走り出した。 
 哄笑にまみれ、アルカードは走る。避けることなく、その身を切り裂かれながら。

181 :黒騎士ブラフォード(M):02/11/10 21:50
クロウvs黒騎士ブラフォード 『黒き剣士、2人』 
>178
 
「UUUURYYYYYYAAAAAAAA!!!!」
 
咆哮をあげ、黒騎士は容赦なく馳せる。
ぶわ、と大気を歪め、その長髪が膨らんだ。
一気に、眼前の敵を魔髪で飲み込むべく、ブラフォードは怨念を髪に叩き込んだ。

182 :シーザー・アントニオ・ツェペリ(M) ◆ShaBON54kk :02/11/10 21:59
シーザー・ツェペリvsミカエル・ラージネスvs漆黒の王子
『ただ、尊厳の為に』
>173
 
 着地後、シーザーは飛び退いて距離を取った。
 それは、抑えきれぬ怒りを落ち着かせる為だろうか。
 
「……ふざけるな」
 
 床を窪ませるほどの力で、床を踏む。
 シーザーの言葉から滲み出す怒気は、魔の魅惑すら圧倒した。
 
 少女を見つめる瞳には、様々な感情が入り乱れていた。
 そのまま、視線を横のハンターへと移す。
 
「『人間』を踏みつけるなんて事は『化物』だけがする事だ。
 おれたちがやれば、おれたちも『化物』になるしかねえ」
 
 言葉を切って、吸血鬼へ向き直り、掌を打ち合わせる。
 離れた掌の間には、虹色の膜が展開されていた。
 シーザーの衣装や手袋に仕込まれた石鹸水。
 先刻の動作によって、それがシャボンの膜へと変化したのだ。
 
 シーザーは、腕の振りで膜から無数のシャボン玉を作り出した。
 
「おれは『人間』のまま―――勝ってやるッ!」
 
 その信念を宿したかのように、シャボン玉は割れず、突き進む。
 決して少女に触れる事無く、漆黒の王子の元へ。
 これが、全ての玉に『波紋』が込められた必殺の技―――シャボン・ランチャーだ。

183 :ストレイツォ:02/11/10 22:01
アルカードvsストレイツォ 『容赦なき戦い』
>180 
 
「こちらも手加減などせん!」
 
身を裂き、血飛沫を撒き散らしながら突っ込んでくるアルカード。
しっかと目を見開き、敵たる吸血鬼に、視線と言葉とをぶつけるストレイツォ。
 
「この能力を限界まで使い、その身を叩き潰してくれるッ!!」
 
抹殺の意志とともに、ストレイツォは跳躍。
飛び蹴りを放っていく。
人間だった時とは比べ物にもならない速度、威力、足の伸び。
足を痛めることすら、気にしなくても良いこの体。
いちいちの行動が、ストレイツォにとって至福だった。

184 :オーフェン ◆a4STABbERo :02/11/10 22:01
オーフェンvsモリガン
>179

「さあな。 手前が何をできるかなんて関係ねえよ」

 胸に当てられた手。
 何かがそこから来るよりも早く、身体を半身に捩る。
焼けるような痕を残し、発光した腕が胸を滑り抜けた。

「―――――くっ」

 相手に触れた手はそのままに、胸を頭で押す。
押された上半身のバランスが崩れ、モリガンが後ろにたたらを踏む。
 その瞬間、オーフェンは触れていた腕を全力で突き出した。
相手が後ろへと仰け反る力が、拳を突き出した力に加算される。

  寸打と言われるオーフェンの近接戦の切り札の一つ。
  相手の動く力―――――引くなら引く力を足し、押すならそれに反発して拳を突き出す。
  こう口にしてみれば簡単だが、実際にそれを実践できるものは少ない。

185 :アルカード(M) ◆alucaRdfFU :02/11/10 22:08
アルカードvsストレイツォ 『容赦なき戦い』
>183  
 
 撃ち抜かれ、蹴り抜かれ、首が落ちる。 
 ゴロリ、と視野はぶら下がり、真下に空が映り込んだ。 
 千切れた首からは間欠泉のように朱が立ち上り、街を、逃げ遅れた人々を、染め上げる。 
 返り血と、狂気と、絶叫に。 
 膝が落ち、体が萎える。御する中枢を失った肢体はもはや役をなさず、崩れた。 
 首を失い倒れる吸血鬼……それでも、地に座る顔は笑っていた。 
 
「限界ねぇ、そりゃご苦労なことだ」 
 
 そして、言い放っては笑う。 
 
「俺はなるべく、楽にいきたいんだけどね」 
 
 制御を失ったままの腕が持ち上がり、銃を構える。 
 撃爪、再装填、装弾、撃爪。 
 違うこと無い狙いはまた、クイの雨を若造へ注いだ。 

186 :モリガン・アーンスランド ◆7Q4EmpreSs :02/11/10 22:35
オーフェンvsモリガン

>184

拳の次は頭。

 ・・・駄目ねぇ。少し減点。

わたしの身体が背後へと流れても、胸に当てられた拳は離れない。
そこから更に腕を突き出す事でこの技は完成する。
――人間用の技が。

 わたしには翼がある。

バランスを崩した足で後ろへ跳びつつ、両翼を打ち振るう。
タイミングは外せた。
数メートル滑空して着地、した所で僅かに膝が落ちた。

「流石に、避け切れない、か。良いじゃない。
 減点は帳消しにしてあげるからもっと頑張って」

踏み込んで、裏拳。
回転に乗せた翼を叩き付け、それをブラインドに後ろ廻し蹴りを放つ。

187 :クロウ ◆kUROU70NPE :02/11/10 22:36
クロウvs黒騎士ブラフォード 『黒き剣士、2人』

>181

 ・・・来た。

ここまでは予想通りだ。
後は、髪を斬れるかどうかだけだ。
奴ではなく、髪を。

ゆっくり、息を吐く。
両腕の筋肉が緊張し、痛む。

「・・・・・・っ!!」

声無き、裂帛の気合。
半眼に細めた目を見開いて、渾身の力を込めて振り下ろした。

188 :ミカエル=ラージネス(M):02/11/10 22:37
シーザー・ツェペリvsミカエル・ラージネスvs漆黒の王子
『ただ、尊厳の為に』
>173
 
 魔の力を秘めた瞳。
だが、ミカエルは一瞬たりとも、その誘惑に誘われることは無かった。
 計り知れない闇。
それがミカエルの力の源。
その程度では、ミカエルの内にある闇に抗することはできない。

「だからどうした、そいつが死のうが生きようが俺の知ったことじゃねェ」

 漆黒の王子に問いに対し、笑みすら浮かべながらミカエルが応える。
その目は―――――人間の目には、血の通った人間の目には見えなかった。

  隣の甘ちゃんが、何かをほざいてやがる。
  化物になるだ?
  結構なことじゃねえか、俺はこの道を進むことを選んだ時から、とっくにそんな覚悟は済ませている。
 
(闇の底に鎮座してやがるアイツを追うには、俺自身も闇の底まで追っていかなきゃならねえんだよ)
 
 ミカエルは盾のように掲げられた少女もろとも漆黒の王子を貫くべく、剣を突き出す。
その太刀筋に迷いは無く、少女の命など塵ほどの重さにも感じていない。
 無数のシャボン玉を縫うように放たれた大剣。
その刀身に、無数の死霊の顔が浮かび上がっていた。

189 :ストレイツォ:02/11/10 22:39
アルカードvsストレイツォ 『容赦なき戦い』
>185
 
グシャアァ!
繰り出された蹴りは、難なく首を飛ばした。
憧れを禁じえなかった力が、今の自分の中にあることの証明だ。
立ち昇る血風、人々の恐怖と嗚咽。それも全て、自分が産み出したもの。
そのシンプルな事実が、あまりにも愉しく、哄笑を上げようとして、しかし止まる。
 
切り落とした首はなお嗤い、首を失った身体はなお杭を連射していたからだ。
ズバァ、ブシャア、ズブゥ、グシャア。
避け損ねた杭の先に肉が抉り取られ、肉片を纏わり付かせた杭が娼婦の脳を打ち抜いた。
肺を貫いた杭はそれでも勢いを殺さずに、ストレイツォの背後の店の店員の肩に突き刺さる。
流れ弾ならぬ流れ杭が逃げようとした男の背を貫き、地面に縫い付けた。
 
惨状の中、その原因たる吸血鬼は嗤っている。
吸血鬼の力を得て、ストレイツォは初めて恐怖した。
だが、彼も元は歴戦の波紋戦士。恐怖に竦むことは、けしてない。
正確に心臓に迫った杭を防ぐべく、へたり込んでいた男の身体を盾にしてみせた。
 
腹をぶち抜かれた男の首に指を突き刺し、吸血して杭のダメージを癒していくストレイツォ。
 
「それが真の吸血鬼の高みか! ならば私もそこまで登り詰めてくれる!」
 
血を吸い尽くし、干乾びた男の身体をアルカードの体へ無造作に放り投げる。
吸血鬼の膂力は、ミイラとなったその体すら、凄まじい勢いを持つ凶器と変えた。
 
「ストレイツォ容赦せん!」

190 :黒騎士ブラフォード(M):02/11/10 22:57
クロウvs黒騎士ブラフォード 『黒き剣士、2人』
>187
 
闇を、そして魔髪を断ち割る太刀の一撃。
その斬撃は膨れ上がった髪を切り裂き、そして、頭部まで辿り着いた。
頭蓋が割れ、脳漿が零れる。さらなるダメージに達する前に蹴りを放ち、間合いを開いた。
 
体の損傷が激しい。
わずかに動くだけで地面に血痕が作られ、肉片すらぼとりと落ちた。
再生能力を持たない屍生人の、限界が近づいていた。
 
その状態で、騎士はあえて再び剣を手にした。
屍生人となり、奇策を使いながらも、騎士の誇りだけは失われていないのか。
最後の決着を、その剣で付けるべく、ブラフォードは構えを取る―――――

191 :オーフェン ◆a4STABbERo :02/11/10 23:14
オーフェンvsモリガン
>186

(何だ……別にまったく通用しないと言うわけじゃねえのか)

 寸打が直撃することは避けられた。
だが、地面に降りた相手の膝が一瞬崩れる。
 それは、多少なりとも今のが効いていたという証拠。
たった一つでも通用するなら、打つ手はいくらでも存在していた。
 そして、相手が無敵の存在で無いということがそれでわかる。
目の前のいる存在は確かに人では無い、だがそれだけだ。

―――――さっきまで感じていた恐怖は、もう無い。

「手前が人間じゃねえってのに気を取られてて、すっかり忘れてたぜ。
 今から見せてやるよ―――――これが俺だ」

 裏拳、そして続けざまに叩きつけられた翼を受け流す。
人外の力で振われたそれは、ガードの上からでもダメージを与える。
 その陰から放たれる後ろ回し蹴り。
下げた頭の上をそれは通過する。
 無防備になる一瞬。
その瞬間に、オーフェンは軸足の膝へと足を振り下ろした。

192 :クロウ ◆kUROU70NPE :02/11/11 00:24
クロウvs黒騎士ブラフォード 『黒き剣士、2人』

>190

手応えが、あった。
根元から断たれた髪が、ばらばらと零れ落ちる。
太刀傷は、その向こうにあった頭部にまで及んでいる様だ。

 ――次で、終わりだな。

その姿に相応しく、最後には剣を手に取る騎士。
呼応して、深く腰を落とした左の下段に構える。


じりっ。

這うよりも遅く、間合いが詰まる。
そして、そこは自身の刃圏の内。
身体の陰になった刀身は、それを惑わし、悟らせない。
一太刀目が入った脇腹へ、地を擦り上げて血刀が走った。

193 :クロウ ◆kUROU70NPE :02/11/11 00:29
クロウvs黒騎士ブラフォード 『黒き剣士、2人』

>190

手応えが、あった。
根元から断たれた髪が、ばらばらと零れ落ちる。
太刀傷は、その向こうにあった頭部にまで及んでいる様だ。

 ――次で、終わりだな。

その姿に相応しく、最後には剣を手に取る騎士。
呼応して、深く腰を落とした左の下段に構える。


じりっ。

這うよりも遅く、間合いが詰まる。
そして、そこは自身の刃圏の内。
身体の陰になった刀身は、それを惑わし、悟らせない。
一太刀目が入った脇腹へ、地を擦り上げて血刀が走った。

194 :クロウ ◆kUROU70NPE :02/11/11 00:30
済まないな。
>193はミスだ。


195 :モリガン・アーンスランド ◆7Q4EmpreSs :02/11/11 00:53
オーフェンvsモリガン

>191

蹴り足は空振り。
軸足にはカウンターが迫っていた。

 甘いわね。

上体を捻るのと同時に、軸足で地面を蹴る。
引き抜いた足を、男のブーツが掠めて行った。
空を踏んでバランスを崩した男の足――膝の上に、跨る様に落ちた。

「・・・残念でした。これは罰ね」

言った時には、変形した翼がズボンを引き裂いてブーツの中に入り込んでいる。
五本の足の指を残らず絡め取って、へし折った。

「ふふ、次はどんな貴方を見せてくれるのかしら?」

跨ったままの足に手を這わせて、内腿を撫で上げる。
強く、爪を立てながら。

196 :以上、自作自演でした。:02/11/11 01:14
荒らしを説得したり、一緒に議論するなんて不毛だよね。
荒らしはあくまで荒らしなんだから、話が通じるわけがないっしょ。
今回の事でそれがよく分かったです

197 :以上、自作自演でした。:02/11/11 01:15
>196
誤爆・・・・・吊ってきます

198 :以上、自作自演でした。:02/11/11 01:27
殺伐=良い大殲なりきり  
  
と盲信していると思われても仕方ない所が彼の愚かしさか。  
ま、原典知らずで荒氏だしナー。

199 :オーフェン ◆a4STABbERo :02/11/11 01:38
オーフェンvsモリガン
>195

「ぐぅぁ」

 足の指がへし折られた。
思わず出かけた呻き声を喉で押し殺す。
 内腿を強く爪を立て、撫でられる。
背筋に、氷を当てられたかのような寒気が走った。

「―――――っの!」

 拳を振う。
牽制目的で放った一撃目はあっさり避けられ、後ろに流れた。
 その瞬間、跨られている足の膝を上げ、尾骨を蹴る。
蹴り上げられた身体は、ほんの少しだけ宙に浮いた。
 反対の腕を突き出す。
突き出した腕はモリガンの背に回り、その身体を抱きしめるかのように動く。
そして編み上げた魔術の構成を、呪文と共に解き放つ。

「我掲げるは降魔の剣」

 最初に振った腕に実際に剣を持っているかのような重さが生じた。
何もない腕に生まれた超力場の剣が、モリガンへと襲い掛かる。

200 :レイオット・スタインバーグ ◆LOSJACkEtA :02/11/11 01:52
レッドアリーマー対レイオット・スタインバーグ
クレナイのアクマ〜TRUE DEMON〜
>99>100
 
「が―――ぼっ……」
 
 吐き出した血液は、不思議と紅く見えなかった。
 十字架に縋り付くように身を引き起こすレイオットの姿は、端的に、敗者のそれだった。

 彼をニンゲンのカタチへと縛り付けていたはずの鋳型は、ひび割れ、砕け、引き裂かれ、
只の鉄の塊として一片また一片と、重力に引かれ剥がれ落ちていく。
 
 黒い拘束装甲の代わりに半裸の魔法士を包むのは、鮮血と……そして、蛮族の戦化粧に
も見える奇妙な文様。呼吸の度にあふれかえる黒い血に流し消されそうになるそれは、
二次封印拘束図版と呼ばれるものだ。

 身体の至る所に微細に描かれた回路図。だが、その左胸……およそ心臓に当たる部分だ
け、あるべきパーツが欠けているかのように、何も描かれては居なかった。
 
 聖者の顔に血を吐き掛ける。瞬く間に赤黒く染まっていく十字架の姿を、ろくに光も捉えて
いないうつろな眼差しで眺めながら、レイオットはある一文を思い返していた。
 
 それは……

 ――― I pledge my heart to be back to you as a human ―――
(我、我が心臓に賭けて制約す。人として、再び汝の元に帰らん事を)
 
 誓いの言葉。
 果たされることの無かった約束。
 そして、彼自身、一度として行わなかった宣誓。

201 :レイオット・スタインバーグ ◆LOSJACkEtA :02/11/11 01:52
(>200 続き)
 
 何故それを思い出したのか……レイオットには分からなかった。
 もっとも、分かる必要もないとは思う。背後に迫る悪魔の気配。まもなく、全てが終わる。
 こちらにとどめを刺すべく飛びかかってくるそれを肩越しに捉えて―――
 
「―――お」
 
 四肢に力を込めた。苦痛と呼ぶことすら烏滸がましいそれが、弾けるように爆発した。
 末端の神経までもを蹂躙するような猛烈な痛み。
 だが、それでも全身の筋肉は、未だ限界を超えて膨れあがったままだ。

 通常であれば、もはや身動き取ることなどかなわないだろう。こうやって意識を保つことが
出来るのかどうかすら、怪しい。

 だが……<アクセラレータ>の効力はまだ途切れていない。
 戦闘に不要な臓器が仮死状態に落とし込まれている今であればこそ、レイオットはその表
情に、壮絶な笑みを張り付けていられる。
 
「おおおおおおおおおおっ―――!!」
 
 魔法を失った魔法士の絶叫が、悪魔と、そしてレイオット自身に突き刺さる。刹那―――
たった今までレイオットを支えていたはずの血染めの十字架が、根本から軋みをあげた。
間髪入れずに繰り出される脚の一撃。

 あっけない破壊音とともに、土台の戒めから解き放たれた巨大な十字架は、蹴りの勢いを
利用して悪魔へと振り向こうとしている、彼の手の内に握られていた。
 
「これで―――さよならだっ!」
 
 叫びとともに、身の丈ほどもある巨大な十字架が投擲される。
 悪魔に向かい真っ直ぐに飛翔していくそれは、あたかも一本の槍のようであった。

202 :以上、自作自演でした。:02/11/11 03:26
>>222
こりゃあ吉野家キャラハンよりひでえな(w
吉野家キャラハンは、まぁ下手だとか馴れ合いだとかいろいろ批判はされるが、
吸血キャラハンみたいに、露骨に素を出したりキャラを崩したりしてる奴は少数派だった。

203 :綾瀬瑞希(M) ◆AYaSEjIaoQ :02/11/11 11:36
ラルフ・グルトvs綾瀬瑞希『彷徨える者への鎮魂の鐘』
>129
そう、私は生きている。
狩人は死に、残るのは私一人きり。
 
「ごめんなさい……」
迷わなければ良かった。
迷わなければ……、
こう言う結果にはならなかったのではないかとありもしない夢想を抱いてしまう。
 
まだ、夜は明けない。
陽光を浴びて死ぬ事はないが、今の私には太陽はまぶしすぎる。
同じように、彼の笑顔も……。
 
数日後、彼が瑠璃葉に連れられて茶会に来た。
瑠璃葉が気を使ってくれているが……。
 
どういう顔をすればいいのか、分らない。
 
「ええと、綾瀬……。どうしたんだ?このところ元気もないけど……。
 できることがあったらなんでも言ってくれ」
  
彼はいつだって優しい。優しすぎる。
私と彼女を両天秤にかけてしまうのもきっとそうだろう。

「工藤クン、ごめんなさい……」
私は泣きじゃくりながら彼に抱きついた。
彼は戸惑っているばかりだった……。
近くで教会の鐘が鳴る。
あの時、迷ってしまった私の心と、あの狩人への鎮魂のように―――
                       
                                〜Fin〜

204 : ◆AYaSEjIaoQ :02/11/11 11:37
ラルフ・グルトvs綾瀬瑞希『彷徨える者への鎮魂の鐘』
闘争レス番纏めです。
前スレ分です。
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1035977720/557
 
今スレ分の闘争纏めです。
>30>32>35>36>39>125>129>203
 
シオン、貴方は一体……。

205 :モリガン・アーンスランド ◆7Q4EmpreSs :02/11/11 14:00
オーフェンvsモリガン

>199

跨ったままの足が上に跳ね上がる。
ついた右手で衝撃を殺し、頭を傾けて気の入っていない拳をやり過ごす。
空いている方の腕で抱き寄せられた。

「ん? 我慢出来なくなっちゃったかしら?」

 裏をかいたつもりだろうけど・・・

「力の流れ」は見える。
そんな物に引っ掛かってやる気は無い。

「――わたしはちょっと、欲しくなっちゃった」

男の背に両腕を廻してこちらからも抱き返して、唇を重ねた。
舌は入れない。噛まれるだけだ。
だが、精を吸うのには何の問題も無い。

「・・・はぁ。わたしの唇は気に入ってもらえたかしら?
 で、コレはどうする? また折る? それともズタズタに斬ってあげようか?」

背後に伸びた男の腕は、引き戻される寸前に黒い物に覆われ、拘束されている。
その中で、締め付けられた腕が軋んでいた。

206 :漆黒の王子(M):02/11/11 17:43
シーザー・ツェペリvsミカエル・ラージネスvs漆黒の王子
『ただ、尊厳の為に』
>182>188
最初の魅了は易々と打ち砕かれ、次いでの魅了もまた打ち破られた。
だが、城主の余裕は崩れない。
  
『おれは『人間』のまま―――勝ってやるッ!』
拳士の言葉に悠然と薄笑いを浮かべる。 

月が七つしろしめす地、ルナルに生まれた城主は魔術もまた操る。
「そうかね。まだまだ手の内は見せていないのだろう?
 もっとさらけ出して欲しいのだがね」
『だからどうした、そいつが死のうが生きようが俺の知ったことじゃねェ』 
死霊こそが我が勝利の決め手とばかりに城主の笑みは深まっていた。 
少女を抱えたまま、微かに呟いたかに見えた。
城主のマント止めの宝石が輝く。
かつて、ルナルの大地に居た“龍”その生物は魔力の塊だった。
今ではフェイクとも言うべき竜が普遍的にに存在している。
オリジナルの生物の体から造った魔力の供給源をもってより速く城主は動く。
 
一つ、マントが羽ばたくように動き、カマイタチのようにシャボンを切り裂く。
 
一つ、大剣を持った剣士の剣を持つ手の筋を切り裂かんと、
毒の塗られたレイピアを閃光の如く振りかぶる。
 
「どうかね?戦士諸君。私の眷属になればこのような事は容易なのだよ。
 はっはっはっはっはっはっは!」
 
驚嘆すべきは未だに少女を片手で弄んだままで行った事。
少女は今だ眠りの中にあるのか、目を覚ます気配は見られない。

207 :以上、自作自演でした。:02/11/11 18:36
西暦2002年11月7日午前2時4分36秒。
民族浄化運動、始まる。

208 :オーフェン ◆a4STABbERo :02/11/11 19:37
オーフェンvsモリガン
>205

 口を合わされた瞬間、凄まじい快楽と共に、オーフェンの身体から何が吸われる。
このまま、この快楽に飲まれたいと言う意思を、無理矢理ねじ伏せた。

「知らねえな……どっちも、お断りだ」

 一声発するだけでも多大な精神力を使う。
だが、オーフェンの目は死んでいない。まだ屈してはいない。

 黒い物に覆われ、締め付けられる腕。
その腕に握られる、不可視の力場で作られた剣を解除する。
 ふっ、という感触と共に、腕に存在していた魔術の剣が消えた。
そして空いている腕を、後頭部へと移動させる。

 深く息を吸い、息を吐く。
甘ったるい空気、扇情を催すような匂い。
 そして僅かに含まれる、死の香り。
一呼吸ごとに、意識を、感覚を鋭く研ぎ澄ませていく。

 オーフェンにとって人を殺すことは、或る事実を認めることに繋がる。
そしてその事実を認めることは、彼にとっての絶対の禁忌。
 だからオーフェンは人を殺すことができない。
だが相手が人間でないならば―――――彼は、殺せる。
 いや、殺せるだと多少語弊がある。 
ただ、それ以外に手がないのなら決断することができる……といったところだ。

「さっさと、どきやがれ」

 小さく囁くと同時に後頭部を引き寄せ、鼻頭に頭突き。
そして囁き声を媒介に発動した魔術が、光熱波をモリガンとオーフェンの間の空間に発生させる。

209 :黒騎士ブラフォード(M):02/11/11 19:55
クロウvs黒騎士ブラフォード 『黒き剣士、2人』
>192
 
ビュオオオオオオオオウ!!
鬱蒼とした黒い森の中を、2つの剣風が吹き抜ける。
ブラフォードの剣は敵の首へと走り、その敵の太刀は脇腹へと吸い込まれていく。
闇の中、ふたつの煌く刃が交錯し―――――
 
人体が断たれる音が、響いた。
敵の刃が脇腹から一気に抜け、腰から上の胴体を切り裂いた。
 
「GYAAAAAAAAAAAA!!」
 
断末魔の雄叫びとともに、胴体がぼとりと落ち。
既に朽ちかけて屍生人の肉体は、ついに活動を停止した。

210 :モリガン・アーンスランド ◆7Q4EmpreSs :02/11/11 20:00
オーフェンvsモリガン

>208

腕を解き、身体を離す。

「どっちも嫌? そんな虫の良い希望が通ると思う?」

拘束した腕の付け根に絞った様な線が入ったのは、男には見えなかったに違いない。
だが、感じた筈だ。
自分の腕が断たれたのを。

「罰その二、ね。コレはもらうわ」

頭部を引き寄せての頭突きを額で受ける。
その直後、二人の間で閃光と熱が炸裂した。
自爆覚悟の攻撃。避けられない。
爆発に巻き込まれたかのように、翼が四散した。

「っ・・・そういうやり方はあんまり点数高くないわよ?」

視界を覆い尽くす蝙蝠の群れの中、何処からとも無く声が響く。
群れが男の周囲から離れて身体を起こす夢魔の背へと飛んで行き、
翼が再構成された。

「腕、痛そうね。ま、どう答えても結果は最初から決まってたけれど」

嘲笑。

211 :クロウ ◆kUROU70NPE :02/11/11 20:11
クロウvs黒騎士ブラフォード 『黒き剣士、2人』

>209

銀の線が二本。
互いの敵を屠らんと交錯する。

どっ。

何度目かの、肉を絶つ手応え。
抜けた。

どっ。

首を断たれる感触。
初めての筈なのにそうでないような気がした。

 こんな所で終わりか・・・

手から離れた太刀が大地に突き立つ。
その刃が、月明かりを受けてただ、光っていた。

212 :アルカード(M) ◆alucaRdfFU :02/11/11 20:19
アルカードvsストレイツォ 『容赦なき戦い』
>189 
 肉塊と肉塊がぶつかる。 
 破断音、破砕音、粉砕音。人体が崩れるあらゆる音が生まれ、馳せて、消えた。 
 後に残るのは血の沼。肉片と骨の端をまみれさせ、人の成れの果てが作り出す死の形。 
 だが。 
 ―――――――クハッ、ハハハッ。 
 
 それでもまだ、嗤い声は聞こえた。 
 
「ハッ、こいつは傑作だ!」 
 
 血が隆起する。波打ち、鼓動を刻み、生物のように蠢く。 
 肉が飲み込まれ、骨が埋もれ、血溜まりは渦を成した。 
 渦は竜巻となり、一つの筋となって空へと昇り…………消える。 
 
「新人、お前は容赦しないと言った。それも二度、二度もだ」 
 
 声が騒然とする街へ響いた。 
 上でも、下でも、横でもない、距離も位置も感じさせぬ所から。 
 それは意識、すべての奥底からの呼び声。 
 
「それでこれか、おい。期待させておいてこれか」 
 
 月が陰る。 
 雲が過ぎり去った次瞬、吸血鬼の眼前に吸血鬼はいた。 
 赤と黒の、化物を狩る化物が。 
 
「お前の容赦、小せぇな」 
 
 吐き出す言葉と同じくして、無造作な貫手を突き出した。 
 嘲るような楽しむような、荒い嗤いを上げて。

213 :黒騎士ブラフォード(M):02/11/11 20:20
クロウvs黒騎士ブラフォード 『黒き剣士、2人』
レス番纏め
 
>124>126>130>131>135>155>156>164>166
>168>172>178>181>187>190>192>209>211


214 :シーザー・アントニオ・ツェペリ(M):02/11/11 20:32
シーザー・ツェペリvsミカエル・ラージネスvs漆黒の王子
『ただ、尊厳の為に』
>206
 
 シャボンは次々に弾け、飛沫となって散る。
 『波紋』は生物にのみ効力を発揮する能力だ。
 シャボンが奴に触れなければ、効果は無い。
 
(まだ実験段階だが―――やるか!)
 
 再びシーザーの腕が動く。
 出現する球体の数は、先程の物に比べ、少ない。
 だが、その形が微妙に違う。
 
「おれがそれで心を変えるとでも思うか?
 むしろ逆だね! きさまに対する怒りがより一層湧いたッ!!」
 
 遠心力で、シャボン玉は本来ありえない円盤状に変形していた。
 高速で回転する縁は『波紋』によって強化され、刀剣よりも鋭い切れ味を発揮する。
 修行によって編み出した、シャボン・ランチャーの応用―――
 
「行け、シャボン・カッターッ!」
 
 風を切り、唸りすら上げる七色の円盤が漆黒の男へと殺到した。
 そして、シーザーがそれを追い掛けるようにして飛び出す。
 
(巻き添えになる前に、あの娘を救わなければッ!!)
 
 胸の誇りと、決意は揺るぐ事無く。
 『波紋』の呼吸を整え、真っ直ぐに、駆ける。

215 :ミカエル=ラージネス(M):02/11/11 21:14
シーザー・ツェペリvsミカエル・ラージネスvs漆黒の王子
『ただ、尊厳の為に』
>206

 振り下ろされるレイピア。
ミカエルは、片腕を腰に回し一本の小剣を抜き出す。
 そして刃が腕に突き立つよりも速く、それで受け止める。
甲高い金属音を立て、レイピアは小剣に受け止められた。

「―――――遅ェな」

 呟くと同時に小剣を離し、残像が滲むほどの速度で漆黒の王子の両の手を切り落とす。
そして少女の肩を掴むと、後ろに投げとばした。
 意識を失っている少女は、抵抗も無く後ろに転がる。
そして切り落とされた腕が戻るよりも速く、片腕で大剣を薙いだ。

216 :キャル・ディヴェンス ◆QyCal3DreI :02/11/11 21:31
キャル・ディヴェンスvsアリッサ・メイベル 〜十字架の裏側〜 導入

 その街に、二人の少女がいた。とても仲の良い、親友と断言できる絆を持った二人の少女がいた。
 二人は日中ですら闇の気配蠢くスラムの街並みに太陽の光をもたらす笑み作れる子供だった。
 
 一人の少女は、熱心なキリスト教徒であり、よくもう一人の少女を連れ、教会に訪れた。
 教会には優しく楽しい牧師が迎えてくれる。
 神をけして信じないどころか、憎んですらいたもう一人の少女も、その教会だけは好きだった。
 
 
 二人の付き合いは出会ってから二年ほど続いた。別れは突然で、問答無用に降り注ぐ。
 
 ストリートに横たわる娼婦の亡骸。壁を穿つ無数の弾痕。
 けして、この街では珍しい事件では無かった。娼婦が死ぬ、なんてことは。
 問題はその娼婦が、神を信じない少女の――――親代わりだったことである。
 神を信じない少女は消えた。唯一無二の親友にすら何も告げず、忽然と姿を消した。
 
 これが別れ。美しいドラマなど皆無で、別れの言葉すら、無い。
 この時、キャル・ディヴェンス14歳。アリッサ・メイベル11歳。
 二人の少女の儚い友情は、時に流され、思い出の中の存在となった。
 
 
 
 
 
 ――――――そして、時は流れる。舞台は二年後。
          ニューヨーク、イースト・ビレッジの片隅に佇む古い小さな教会。

217 :キャル・ディヴェンス ◆QyCal3DreI :02/11/11 21:32
キャル・ディヴェンスvsアリッサ・メイベル 〜十字架の裏側〜
>216

 ぎぃ、と立て付けの悪い扉が重い音を響かせて開いた。
 その音を聞いて、この教会の牧師、レナード・バレンタインは掃除していた手を止め、振り返る。
 振り返った先には、一人の少女が立っていた。
 開かれた扉から差し込まれる陽光が逆光となり、少女の姿を影で包むが、老いた黒人牧師は一目で
少女が何者かを見抜く。
 数秒の沈黙。
 牧師の皺の刻まれた顔が驚きに包まれる。彼は思わず言葉を漏らした。
 
「キャルさん、ですよね? その髪、その瞳。ああ―――間違いない」

 二年ぶりの再会。
 レナードは持っていたをほうきを取り落とし、両手で顔を覆う。
 生きていた。あの少女が、生きて此処に訪れた。
 神よ―――感謝します。あなたの慈悲に、あなたの優しさに。
 
 こつり、こつり、と床を叩く靴音。光の海から少女が姿を現す。
 真紅のライダースーツを纏い、金色の髪をなびかせ、翡翠色の瞳を挑発的に向ける少女。
 間違いない。彼女だ。キャル・ディヴェンスだ。

218 :キャル・ディヴェンス ◆QyCal3DreI :02/11/11 21:33
>216>217 キャル・ディヴェンスvsアリッサ・メイベル 〜十字架の裏側〜

 牧師は目から溢れ出る熱い涙を必死で堪え、何とか言葉を取り繕う。
 
「アリッサ……そうだ、アリッサも二年間、ずっとあなたに会いたがっていました。ジュディさんが事件の
犠牲者になったときなんて……ああ、そんなことよりも、速く呼んだほうが良いですね」

 アリッサなら、庭の栽培園に水をあげてるはずだ。すぐに呼ばなくては。
 慌てて身体を翻すと、つい先程キャルが潜った扉へと足を運ぶ。
 その背中に、澄んだ少女の声が叩き付けられる。
 悪いんだけど“アリッサ”と……二人にしてくれないか、と。
 
 レナードは足を止め、顔だけキャルの方へと振り返り、満面の笑みを浮かべて一言。

「分かりました」

 何の疑いも無く言い放った。
 
 二年間である。二年間、それは少女が大人への階段を昇り始めるには十二分な時間。
 積もる話もあるだろう。二人だけ分かち合いたいものもあるだろう。
 そこに自分が入り込む隙間などは、無い。
 
 今度こそ、レナード・バレンタイン牧師は扉を潜り抜けると、アリッサのいる庭目指して駆けた。 
 その背中を見送るキャルの表情は、二年ぶりの再会を悦ぶそれでは無い。
 
 二年の時は、確かに長い。人を変える――いや、やめるには、充分なほどに。
 事実、キャルも、そしてアリッサも、スラムに潜む犯罪の影よりも、遙に濃い闇の世界に足を踏み入れていた。
 ――――もう、あのときには戻れない。

219 :漆黒の王子(M):02/11/11 21:39
シーザー・ツェペリvsミカエル・ラージネスvs漆黒の王子
『ただ、尊厳の為に』
>214 >215
シャボンが刃になるのを見て、城主の眉がしかめられる。
恐らくは追尾式。
それを見て取った城主は咒を唱える。
 
同時に城主の片腕が落とされ、もう片方も落とされようとしたとき、
城主は決断する。
 
「ははははは、素晴らしいぞ。戦士諸君。
 君らの発想は実にシンプルで迷いがない。
 だが、単純さゆえのミスもまたある!」
 
城主の時間は常人よりもはるかに速く流れ、 
瞬時に繋がった腕で少女を引き戻し、シャボンカッターと剣士の大剣が交差する位置へと投げる。
もはや引き戻せない位置に倒れこもうとする少女。
そして、決して軽傷とは呼べないほどの血飛沫が上がる。
 
幾つかのシャボンカッターが逸れ、城主に襲い掛かるが……。
城主を切り裂く事無く、霧に包まれた部屋の壁にぶち当たった。
 
謁見の間の床から……、微かにヒビ割れた音が入った。

220 :アリッサ・メイベル ◆PxpeacevxU :02/11/11 21:42
>216>217>218 キャル・ディヴェンスvsアリッサ・メイベル 〜十字架の裏側〜 
  
――――春の日差しって、暖かくて好きだな。 
  
 二年前に穴が空いてオシャカになったポリバケツ・・・今はトマトの鉢代わり・・・を嬉しくなって 
あの空の向こうに蹴っ飛ばしたくなる位に!!  
  
 でもさ、立派になったよね、ここも本当に。 
荒れ放題だった庭にハーブとかを色々植えて、来る人たちに楽しんでもらおう。 
そう思って一生懸命だった。エデンの園みたいにここをしよう!『スラムにも天国は見付かる』 
そういう牧師様の教えをオレ達の手で作ろうって頑張った。 
  今ではエデンとまではいかなくても、郊外の暇な小金持ちとはタメ張れるレベルだと思う。 
  
 ここの庭の入り口には、古い木で出来たアーチがちんまりと掛かってる。 
今も相変わらず、オレには背が届かないオンボロアーチ。 
そう言えば、本気で恨んだね。あいつはもともと、背、高くてさ。・・・ちょっとからかわれて。

221 :アリッサ・メイベル ◆PxpeacevxU :02/11/11 21:43
キャル・ディヴェンスvsアリッサ・メイベル  

>6訂正。  
 オレはアーチを見上げて、おもいっっっきり息を吸い込んだ。 
新鮮な空気がオレの小さな全身をぱんぱんに漲らせて・・・JUMP!  
 二人で塗ったペンキがもうぼろぼろに剥がれてきていたそこに、オレの手が交わり軋む。 
  
・・・梯子でアーチの色塗りをしていた・・・。そこからは、何処までも見渡せる気がしたね。 
今思うと、狭かったんだ。オレの世界って、きっと・・・。こんな半径60ヤードにもなんない所で、 
ほんの数フィートの背伸びで朝まで悩んで、喧嘩して。  
  
 みしみし揺れる、「大人の証」「友情」のアーチ。オレ一人もロクに支えられないくせに。 

「…アリッサは余程そこが好きなのですね。  
 ただ、幾らあなたが軽くとも私と同じおじいちゃん木は中々体がついてこない。  
 愛情は与える形を謝っては、どうして中々に困ります」  
  
「あ、牧師さま…ゴメン。なんか昔を思い出しちゃって、さ」  
  
 自然な空気を持ったオレの尊敬する人、レナード・バレンタイン牧師の声にオレは愛情表現を 
止めて地面に降り立った。地面の硬さを確かめて、思う。多分、宙にぶら下る新しい感覚。視点の高さが 
今のオレにはこそばゆくて、恥ずかしくて。それに感動を覚えたくなくなったんだってね。 
  
「そうです、アリッサ…非常に喜ばしい…実に素敵なニュースがあります」  
  
 …牧師さまの声に思考が中断される。 
陽光がいつに無く眩しいから?視点を変えた俺の目には見上げた牧師様の柔和な顔は  
今日はちょっと、変わって見えた。年寄りだけど天使みたいな…牧師様のこんな嬉しそうな顔 
、初めて見る。   
  
「…牧師様…何?勿体つけないで教えてよ!!」


222 :アリッサ・メイベル ◆PxpeacevxU :02/11/11 21:45
キャル・ディヴェンスvsアリッサ・メイベル 〜十字架の裏側〜  
  
>220(221は廃棄)  
 オレはアーチを見上げて、おもいっっっきり息を吸い込んだ。 
新鮮な空気がオレの小さな全身をぱんぱんに漲らせて・・・JUMP!  
 二人で塗ったペンキがもうぼろぼろに剥がれてきていたそこに、オレの手が交わり軋む。 
  
・・・梯子でアーチの色塗りをしていた・・・。そこからは、何処までも見渡せる気がしたね。 
今思うと、狭かったんだ。オレの世界って、きっと・・・。こんな半径60ヤードにもなんない所で、 
ほんの数フィートの背伸びで朝まで悩んで、喧嘩して。  
  
 みしみし揺れる、「大人の証」「友情」のアーチ。オレ一人もロクに支えられないくせに。 

「…アリッサは余程そこが好きなのですね。  
 ただ、幾らあなたが軽くとも私と同じおじいちゃん木は中々体がついてこない。  
 愛情は与える形を謝っては、どうして中々に困ります」  
  
「あ、牧師さま…ゴメン。なんか昔を思い出しちゃって、さ」  
  
 自然な空気を持ったオレの尊敬する人、レナード・バレンタイン牧師の声にオレは愛情表現を 
止めて地面に降り立った。地面の硬さを確かめて、思う。多分、宙にぶら下る新しい感覚。視点の高さが 
今のオレにはこそばゆくて、恥ずかしくて。それに感動を覚えたくなくなったんだってね。 
  
「そうです、アリッサ…非常に喜ばしい…実に素敵なニュースがあります」  
  
 …牧師さまの声に思考が中断される。 
陽光がいつに無く眩しいから?視点を変えた俺の目には見上げた牧師様の柔和な顔は  
今日はちょっと、変わって見えた。年寄りだけど天使みたいな…牧師様のこんな嬉しそうな顔 
、初めて見る。   
  
「…牧師様…何?勿体つけないで教えてよ!!」

223 :アリッサ・メイベル ◆PxpeacevxU :02/11/11 21:47
キャル・ディヴェンスvsアリッサ・メイベル 〜十字架の裏側〜  
  
>222
――――春の日差しって、やっぱり暖かくて好きだな。  
  
 走る。軽やかに。もう、嬉しくって。だから、植木蜂を蹴っ飛ばしたいくらいに!!  
なんでこんなに遠いんだろう。さっき狭いって思ってた礼拝堂への道がこんなにもまだるっこしい。 
だってさ、お姉さんなんだぜ、ほとんど?大親友で…。 
  
  
     神様。私と彼女の「良き」めぐり合わせに、本当に感謝します…精一杯に。 
こんな単純な事しか感謝の言葉、浮ばないけど…この先、どんな事があっても構わない位 
嬉しい…  
  
「キャル!!!!!!!!!!!!」  
  
 オレは両手で世界でひら泳ぎするみたいに、灰色に汚れた入り口ドアを押し開ける。 
…開いた。ちょっとかび臭いこの広間に、オレの世界の半分みたいな人が存在してるんだ。

224 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/11 21:48
>220>222>223 “ファントム・ドライ”vs“ガンチェリー” 〜十字架の裏側〜

 磔のキリストを仰ぎ見ながら、あたしは親友の来訪を迎えた。
 アリッサ、本当に久しぶりだね。
 
 いつでも一緒にいてくれたアリッサ。
 学校にも行かず、娼婦と寝食を共にしていたあたしを、何の抵抗も無く受け入れてくれたアリッサ。
 神を愛し、希望を愛し、そしてそれ以上に友情を愛してくれたアリッサ。
 優しいアリッサ―――――

「久しぶり、だね。二年ぶりだよな」

 背中を突き刺す視線が熱い。
 すぐにでも駆け寄って抱き付きたいのに、嬉しさのあまり身体が強張って動かない。
 そんな想いが背中越しでもよく分かる。
 よく、分かるよ。

 踵を返し、アリッサが立ち尽くす扉へと振り向く。
 磔のキリストの変わりに、翡翠の瞳に写るはまだ成長も始まったばかりの幼き少女。
 
 ああ、アリッサ。あんたはあの頃と変わらない。変わらず、“正義”を信じ続けている。
 アリッサ。アリッサ・メイベル。
 本当に、本当に―――――

「本当に、会いたかったぜ、“ガンチェリー”」

 アリッサの表情が凍る。
 六年来の友情がいま、音を立てて崩れ落ちた。

225 :アリッサ・メイベル ◆PxpeacevxU :02/11/11 21:50
キャル・ディヴェンスvsアリッサ・メイベル 〜十字架の裏側〜  
>224  
  
「キャル…  
 オレのやってる事知ってるから、名前で呼んでくれないのか?」  
  
 真っ白い顔で。薄暗い闇の中、明るいブロンド、ポニーテールを素軽く着こなした 
お姉さん、キャル・ディヴェンスを仰ぎ見る。  
…ずるい。ずるいよ…背、もっと伸びて。相変わらずオレのことなんてお見通しで。 
  
「♪―――――Hope I die before I get old」  
  
『…ババアになる位なら死んでやる』 
そんな歌。昔、よく怒鳴り散らしてた歌詞を口にする。  
  
 多分、オレ、昔の自分に復讐、されてるんだ。  
キャルになら殺されてもよかったって思ってた。オレは何も変わってない。 
変わってないけど…子供じゃなくて。ガッコも進学してメンスも始まって。 
・・・・・・・「殺し」、もした。妖怪の叫び声。血の雨を全身に浴びた。  
  
…キャルはきっと裏切ったんじゃない。  
変わっていくオレを昔の歌どおりに殺しに来た、オレのある種の願望。  
  
「オレも、あいたかったのに。オレに…『アリッサ』にはあってくれないの?」

226 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/11 21:51
>225 ファントム・ドライvsガンチェリー 〜十字架の裏側〜

 アリッサ―――いや、ガンチェリーとあたしは数メートルの離れて相対している。
 この距離が、あたしとガンチェリーの距離。絶対に縮められない、あたしとガンチェリーの間にある空白。
 
 くく、と笑い声が口から漏れた。彼女の言葉に、顔を伏せながら聞き入っていたが、もう限界だ。
 あたしは顔を上げるとニヤリと笑う。。
 
「あんたは“ガンチェリー”になった。なのにあたしは“キャル”のまま……本気でそう思っているのかい?」

 あの頃のことを、憶えているか? そう言葉を続ける。
 
 二年前のあの頃、ニューヨークの闇社会を震わせた“ファントム”を、あんたは憶えているかい?
 当時、“伝説の殺し屋”とまで呼ばれた暗殺者ファントム。
 闇社会の長老達を片っ端から血祭りにあげたヒットマン・ファントム。
 警察やマスコミの網にもまったく掛からなかった影のようなスナイパー・ファントム。
 その闇社会の悪夢が、最近また復活したのを―――ガンチェリー、あんたは知ってるかい?
 ああ、もちろん知っているだろうな。あんたも同じ闇の住人だからね。
 
「……今のあたしは、“死神”だ。誰もが恐れる死神だ」

 尻のホルスターから黄金色に輝く拳銃を抜き放ちながら、言葉を重ねる。
 鋭く尖った視線は、ガンチェリーを射抜いたままだ。

「あたしの新しい名前はファントム。“<ザ・ビースト>の死神”ファントム・ドライだ」

 正確に言うとあたしは<ザ・ビースト>に籍は置いて無いんだけど……まあ、そこら辺は大した問題じゃない。
 <ザ・ビースト>の敵はファントムの敵。これだけは確かだ。
 
 どうだい、アリッサ。あたしはなれたぜ。―――強くな。誰にも負けないほど、強く。
 
 金色の銃身が、ゆっくりと持ち上がる。昏い銃口が、ガンチェリーを探して彷徨った。

227 :アリッサ・メイベル ◆PxpeacevxU :02/11/11 21:52
キャル・ディヴェンスvsアリッサ・メイベル 〜十字架の裏側〜  
  
>226  
 キャルの言葉、黙って聞いてた…でも、途中まで。  
…暗い部屋でよかった。鏡なんて今、絶対みたくない。サイアクの顔、してるから。 
ガンチェリーは正義のヒロインで。気丈で。敵に涙なんて見せちゃダメだった。 
だから、顔がぐしゃぐしゃでも、天上(天井)にいと高くおわすイエス様を見上げて誤魔化してやる。 
  
 思考を欺瞞でフルにする。正義の持つ一貫性の気高さはつくづくオレには似合ってない。 
それでも、オレは誓ったから。…死んでも自分の意志は貫き通すって。  
  
「…逃げるなら、今の内、だぜ。アンタがオレの姉で、親友だった時代は終わっちゃった。 
 じゃあね、親友。あんたの事、アリッサは……大好き…。…だったよ」  
  
 震える指。ポケットから銀色の銃。西部劇のガンマンが愛用した正義と秩序の象徴、ピースメーカー。 
銃口が向けられた先には「悪」が常に存在するんだ。  
 オレの小さな唇からは、「SLAYER」の『BEHIND THE CROOKED CROSS』。 
死に行くいとしい相手の言葉なんて、聞きたくない。オレは勝手だから、好きな相手の理想像を 
無責任に作り上げていて…それが壊れるのを嫌ってて。だから、最期までキャルの言葉は聞けなくて。  
  
 彼女の生き写しのような暗い、深い銃口を前に。オレはむざむざ背を向け、2歩下がる。 
…大丈夫。キャルはこんなつまらない事で勝負をチャラにしたりしないから。 
巨大な礼拝堂のドア。ステンドグラスから差し込む七色の光。 
そこでオレは、胸のネックレス・・・十字架と弾丸が飾り・・・を引き千切り、宙へと投げた。 
輝く十字の栄光。神さま…オレ、今だけはアンタを信じられないから、さ!!!!!!   
  
「♪生き地獄の中、時が溶けていく…」  
  
 オレの頭頂に十字が差し掛かるとき。…FIRE!!!!   
振り向きざまの、シングルアクション。オレの銀の銃身からのアンチタンクライフルに匹敵する 
魔弾は、落下する十字架をかすめ、『ファントム・ドライ』を破滅へと導く。

228 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/11 21:53
>227 ファントム・ドライvsガンチェリー 〜十字架の裏側〜

 終わり、か。ガンチェリーの背中を見つめながら物思いに耽る。
 一体、何が終わったんだろう。あたしと彼女の友情? 馬鹿を言うな。
 アリッサって誰だよ。キャルって誰だよ。
 
「あたしはファントムで、あんたはガンチェリーだ」

 その二人に友情なんて、初めから無い。
 
 ガンチェリーが、銀の銃口を突き出す。
 いつの間に振り向いたのか。随分とまあ、人間離れな動きが出来るようになったんだね。
 口元に笑みを浮かべながら、宙を回るように跳躍。長椅子の列に頭から突っ込んだ。
 
 数瞬後、背中に不可視の衝撃が叩き付けられる。続いて銃声と炸裂音が教会に轟いた。
 あたしの背後にあった祭壇が木っ端微塵に粉砕する。45口径のくせに、戦車砲みたいな威力だ。
 なるほど。これが噂の“シルバーバレル”か。
 ならば、ガンチェリーが撃てる銃弾の数は六発だけのはずだ。一発は既に撃たれた。残るは五発。
 
 ――――しかし、全部撃たせたら、こんなボロっちい教会、すぐに潰れちまうな。
 
 にやけが止まらない。面白すぎるぜこの野郎。
 ガンチェリーの銀の銃とは対称的な、黄金のメッキがあしらわれたオート拳銃のグリップを握りしめる。
 彫刻の施された象牙のグリップは、見た目とは裏腹に至極持ちやすい。
 
 ハンマーを起こすと、あたしは長椅子の隙間から身体を乗り出し、彼女に向けて叫びながらトリガー。
 
「あたしはあんたと違って“人間”だぜ、ガンチェリー! ちょっとは遠慮ぐらいしてくれよな!」

 だが、彼女は迷わず撃った。世の中には死んだ方が良い人間もいる、てか? 分かってるじゃねえか。
 撃ち放たれた銃弾は三つ。威力こそ桁違いだが、弾丸は彼女と同じ45口径。
 狙いは適当だ。間違っても、急所に当たることだけは無いだろう。

229 :『ガンチェリー』 ◆PxpeacevxU :02/11/11 21:55
>228 ファントム・ドライvsガンチェリー 〜十字架の裏側〜  
  
 ♪――――Trapped by a cause that I once understood.  
  
Fire&Movement。 
 全身に染み付いたヨウカイ滅殺技術。 
自らの火線を一顧だにせずガンチェリーは壁沿いに講壇目掛け、進撃する。 
『敵』の火力はオレのに比べたら豆鉄砲みたいなもん。それでもオレの「あんよ」を再起不能にし、この世から 
オサラバさせるくらいは余裕だろう。…はっ。派手に薬莢をガシガシ飛ばして。綺麗なこったね!  
  
 歌う。口の中だけで。 
♪――――Feeling a sickness building inside of me…  
 オレの顔を赤く掠めた時のキーン、って音。何時聞いてもたまらねぇ。 
ぞくぞくするね。生きてるって、感じが、さ!!!!!!!!!  
くだんねぇ鬼ごっこは止めときな…。それともションベンでもちびったのか? 
  
Fire…&…  
シルバーバレルの発砲による凶悪な反動によりガンを跳ね上げ…オレの親指で撃鉄を引っ掛け戻し… 
再度、破壊を撒き散らす爆音。  
2発の魔弾は聖なる学びや!(Fuckin’)の馴染みの席を薙ぎ散らす。潜むネズミを炙り出すために。 
  
…何も聞こえない…オレは歌う事を止めはしない。世迷言を打ち払うため。 
黙っていると流れてくるココロと涙を押しとどめるため。

230 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/11 21:56
>229 ファントム・ドライvsガンチェリー 〜十字架の裏側〜

 一瞬、目の前が真っ白になった。鼓膜を破らんとする勢いの轟音を聞いて、やっと事態を把握する。
 爆風に煽られ、身体を半分宙に浮かしながらも、ガンチェリーの死角からは決して離れない。
 粉砕した長椅子の破片が身体を叩く。彼女の視界に出てしまったら、あたしもこの長椅子と同じ命運を辿って
しまうのだろう。そいつは少しぞっとしない。
 
 床に転がり、どうにか場所を把握する。随分と派手にやってくれたものだ。
 ぶつぶつ、とガンチェリーの呟きが聞こえてくる。いや、こいつは歌か?
 どっちにしろ、こんな状況で歌ってるなんて――――
 
「やべえな。切れちまったか?」

 チッ、と舌を鳴らす。
 面白いのは此処からだってのに……これじゃあ、何のためにわざわざ姿を見せたのか分からねえじゃねえか。
 殺すだけで良いのなら、遠くからライフルで撃ち抜くだけ良いんだ。もしくは教会ごと吹っ飛ばす、とかな。
 それをしなかったのは、遊びたいからなんだよ。
 
 闇社会なんかに足を突っ込んだことを、ちょっとばかし後悔させてから殺ろうと思ったんだが。
 切れちまっては、話も通じない。さて、どうしたものかね。
 
「――――殺すか」
 
 口の中で呟く。できるのか、それが?
 あたしはファントムだ。それができるから“ファントム”なんだ。
 自問自答。今になってする必要は無いはずなのに。
 くそっ、ガンチェリーの大馬鹿が。つまんねえことになりやがったぜ。
 
 ホルスターからもう一丁の拳銃を抜くと、両手に構えて立ち上がる。
 ガンチェリーがあたしに気付くよりも速くトリガー。銃爪をひたすらに引きまくる。
 
 彼女の牙は残り三発。撃ち出される二発を何とか凌いで……あたしはガンチェリーと決着をつける!

231 :『ガンチェリー』 ◆PxpeacevxU :02/11/11 21:57
>230 ファントム・ドライVS ガンチェリー 〜十字架の裏側〜  
  
 目標は、取り合えずロスト。  
何時もは狭っ苦しく感じるこの場所も、ナカナカどうして、広いじゃん?  
 四文字言葉を頭で唱え…踊るように身を翻す。 
 ポイントを徐々に移しながらばら撒いて来た、ね。  
…本当、やるじゃんか。人間のガンマン相手だったら、さ!!    
  
 背後45度、死角からの弾幕。  
幽かな気配をマズルフラッシュが神経を狂わす仄暗い礼拝堂内で察知しただけでは 
かわせるもんじゃねぇ。…普通なら。でも、オレにそんな常識なんか押し付けて欲しくない。  
 所詮、殺し屋なんて…人間同士の範疇なんだろ。狭い…。狭いね。  
  
 愛銃、妖怪「シルバーバレル」との感応で、オレの索敵能力は通常を逸脱する。 
頬や肘を細く傷つけ、飛び交う複数の弾丸。壁にヒットし幾つかは跳弾。空間を破壊で埋めつくしてる。 
 でも、そんな中でオレは最低限の動き。致命傷のみを避け身を低くし、「敵」の発砲とともに引き金を二度引いた。  
不埒モノの大鼾みたいだね。この音。走りながらの発砲。瞬時に廃莢、ペンダントの弾丸を挿入。 
その間は僅か。爆音鳴り止まぬまま、次の轟音。対物ライフル級の破壊で敵の認知力が低下してる内にトリガー。 
 銃口から飛び出した示威的な二発の弾丸が壁に…長いすの向こう側、風穴を通す。  
  
 オレはそのまま、いい加減なあの世への誘いの種を避け。   
大きな十字架が掲げられた壇上に立つ。頬や脛、肩に多数の火傷と裂傷を負いながら。 
その頬には長く一本のルージュみたいなライン。情熱の赤。オレの血液。気合の証拠。  
  
「♪――――Who will I really have to answer to…?」  
  
 硝煙に歪んで見える十字架を背に。  
戦う運命を、望まれるまま甘受したオレは本当に問い掛けるように歌い上げた。 
右手には聖書…否。銀に輝く「正義」の象徴シルバーバレルを誇らしげに掲げてね。

232 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/11 21:58
>231 ファントム・ドライvsガンチェリー 〜十字架の裏側〜 
 
 撃ち出された数多の銃弾が、ガンチェリーの背中目掛けて雨の如く降り注ぐ。
 振り返る少女。浴びせられた弾丸を縫うようにかわし、腕をあげて銃口を突き付ける。
 素直に蜂の巣になってくれると思っていなかったけどこいつは……正しく化物じゃねえか。
 此処まで人間やめちゃったのかよ。
 
 彼女の指が、銃爪を絞り込む。あたしを睨み据える銃口が、火焔を吹いた。
 やばい。死の戦慄を感じつつ、身体を翻す。
 視界を支配する閃光。耳に届く銃声二つ。
 今までの射撃よりもかなり精度の高い一発が、付近で着弾。爆発。
 
(死――――)
 
 舌を鳴らすことすら許されず、爆風を正面から受け止め、あたしはぼろ雑巾のようにもみくちゃにされながら、
宙を舞う。畜生、舌噛んじまったぜ。
 吹き飛ばされ、床に叩き付けられ、跳ね上がり、更に叩き付けられる。
 それを三回ほど繰り返し、ようやく身体は落ち着く。
 
 視界が急激に狭まり、白い靄に犯され始めた。意識が闇へと落ちていく。
 そんな中、鮮明に頭の中に描写される現実。確かに聞き届けた二つの銃声。
 
 
            残り、あと―――― 一発。
 
 禍々しい笑みが、口元に自然と浮かんだ。

233 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/11 22:00
>231>232 ファントム・ドライvsガンチェリー 〜十字架の裏側〜

 ―――――――視界が突然開いた。気を失っていたのか? 何分、何秒?
 身を伏せたまま、辺りを見回す。状況は何も変わっていない。精々、数十秒と言ったところだろう。
 
 ガンチェリーは何処だ。鈍痛が響く頭を何とか回転させながら、白い肌をレーダーに変えて、策敵。
 顔をあげるまでも無く捕捉。壇上。あいつ……狙撃してくださいとでも言いてぇのか。
 ハ、面白い。何を考えているかは知らねえが……あいつの残弾は一発。
 どうせもう、クライマックスだ。
 
 ジャケットのポケットに手を突っ込む。手に当たる冷たい金属の感触。
 じゃらり、と鎖を垂らしながら、あたしは真鍮製の懐中時計を取り出した。
 懐中時計の蓋を開けると、オルゴールの音色が湧き出てくる。
 教会を包む繊細な旋律は、歌う彼女の耳にも届いているだろうか?
 ま、届こうと届かなかろうと――――このメロディが鳴りやめば、あんたは死ぬんだけどね。
 
 死ぬ。―――あいつが死ぬ。重い、なんて重い一言。
 ……しっかりしろよあたし。決めたんだろう。決心したんだろう。あいつは死ぬ。あたしが殺す。
 
 血迷った感情を押し殺して、あたしは立ち上がる。
 身体は馬鹿みたいに重かった。視界が半分、黒く染まっている。
 額から垂れた生暖かい血が、片目を潰しているらしい。
 こんな小娘相手に、たった数分でここまでボロボロにされるなんて……ハハ、“ファントム”の名が泣くぜ。
 足を引きずるように動かしながら、ガンチェリーの前に姿を現す。
 二人の距離は10メートルちょっと。礼拝堂の直径とほぼ同じだ。
 あたしは二丁の拳銃を西部劇のガンマンのように、器用に回転させてホルスターに納めると、壇上から見下ろす
彼女に、視線を投げ、言葉を吐く。

「分かっているよな……このオルゴールが止まったら、あたしはあんたを殺す」

 死ぬのが嫌なら、その前に撃ちな。
 ファントムは必ず一度だけ相手に“チャンス”をやる。例え、それが“化物”であろうと。

234 :『ガンチェリー』 ◆PxpeacevxU :02/11/11 22:02
>232>233 ファントム・ドライvsガンチェリー 〜十字架の裏側〜  
  
 聖なる十字架。馴染みの場所。最高の思い出。自分の守るべき信念。
そして、抱きしめたいほどの、トモダチ。  
全部が、黄色く翳んだ世界の向こうに見えて…異常と正常なんてわかんない。 
  
 体をボロボロにして、壇上のオレにチープなアクションでガンを弄んだ彼女は  
間違いなく、キャル。キャル・ディヴェンス。 
…<<ファントム・ドライ>>なんて、知らない。キャル。下らないオトコと下らない 
諍いを起こしてボコられたり…馬鹿を一緒にやったりしたキャル。   
 オレの、姉貴みたいな、大好きな女性。いい加減で、勝手で…でも素直なひと。  
  
…………不覚にも、そんな風に思っちゃったんだ。  
綺麗なオルゴールの音…オレの声なんかと違って素直な曲を聞いたから。  
虚構の世界にオレを誘った歌を止めたから…現実が急に重く圧し掛かってきて。  
薬の切れたジャンキーみたいにオレは涙と心が流れ出す。  
  
「あんただって…あんただって…。何も分ってくれないのかよ!  
 オレはもう、十分撃った。何発も。何発も……トモダチを撃った。この手で散々に」  
  
 礼拝堂に掲げられたクロスに掲げられた偶像を一瞥してオレは心の中で訴える。 
“ねぇ、イエス様。あなたは最高に賢い方。もし、この世に『勝者』と『敗者』がいたとして…この場で片方が死んだら、さ。 
あんたはどっちが勝者だと思う?”   
                                    
            歪んだ十字架の向こう――――――――返事は、 当然聞こえない。  
  
 オレはオルゴールの曲をハミングした。 
綺麗で、儚くて。この世界みたいに現実感がなくて。何時までもこの曲が続けばいいのにな。 
…なんて。馬鹿みたいな事を絵空に描きながら、片足でリズムを取って口ずさむ。  
  
 ハミングしながらオレは、全世界の苦悩を背負ってらっしゃる偶像のご尊顔に、シルバーバレルの照準を 
あわせ、ぶっ放した。十字にかけられた神の子は死んじゃった。 今、オレの中では永遠に。

235 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/11 22:03
>234 ファントム・ドライvsガンチェリー 〜十字架の裏側〜

「ああ! てめえ、なにやってんだよ?」

 吹き荒れるオルゴールの旋律の中、思わず叫んでしまった。
 シルバーバレルの最後の牙が、磔の聖人を跡形も無く吹き飛ばす。
 最後の牙、最後の一発。冗談じゃねえ。―――冗談じゃねえ!
 
 靴を床に叩き付け、早足で歩み寄る。オルゴールの音色は何も知らずに黙々と流れ出ていた。
 
「あり……ちっ―――ガンチェリー!」

 壇上で歌を口ずさむ彼女の胸ぐらを締め上げ、力任せに引き寄せる。
 ガンチェリーは大した抵抗も見せず、あたしの片腕に吊り上げられた。
 彼女の涙でグシャグシャになった顔をあたしの眼前に持っていくと、あたしは大声で叫んだ。
 
「てめえ! なに舐めたこと言ってやがる! 泣くぐらいなら―――最初から“こっち”に来るんじゃねえよ!」

 Xヒューマーズの“ヒーロー”ガンチェリー。その肩書きはプロレスラーのリングネームとは訳が違う。
 ギャングスターのように、人々を畏怖させ、同じくらい憎まれる名前だ。
 自分の命を狙われ、親の命を狙われ、友の命を狙われ、全ての命を狙われる。そういう立場だ。
 餓鬼の甘えに付き合ってやれる世界じゃ無い。
 
「おめえが“こっち”にいなけりゃな、てめえみたいなチンケな命、誰も狙わねえよ! もちろんあたしもだ!」
 
 だけど、アリッサは此処にいた。ガンチェリーは此処にいた。
 <ザ・ビースト>の敵として、“ファントム”の敵として!
 
 怒りに任せて、アリッサの軽い体を投げ飛ばす。砕き散らされた長椅子の群れに突っ込む少女。
 彼女が頭を上げるより速く、あたしは拳銃を引き抜いてアリッサの眉間に照準していた。
 
 オルゴールは、まだ止まっていない。

236 :『ガンチェリー』 ◆PxpeacevxU :02/11/11 22:07
>235 ファントム・ドライvsガンチェリー 〜十字架の裏側〜

 突然掴まれ、投げられた。 
全身に衝撃。オレは、長椅子の破片チップが散乱する冷たい床に蹲られる。 
頭が、がんがん痛い。  
 なんか、キャルが言っている。…違うよキャル…逆なんだ…オレは、あの時に。  
   
「Damn……何にも知らない癖に!!!!!オレの気持ちなんか!!好き放題…言わないでよ」 
  
 ダメだよ…なんで…なんですぐに殺さないのさ。 
みっともないオレを見たいの?額にポイントしてるGun.それで一発ズドン、それで終わりじゃん。 
ヤダよ。こんな顔、自分でも続けたくないから…さ。  
  
「…だって…私は…キャルが何年も勝手に行方、くらまして。あんたがいなく 
なったから…あんたを探したかったから…組織に入って…強くなりたいって… 
キャルみたいになりたいって思ったから・・・」  
  
 言動も何もかも。私はキャルを真似て…追いかけて育ったんだ。 
私はクリスチャンで、キャルはそこんところいい加減だったけど…反対の性質を 
もってたから…逆に先生みたいにさえ思えたのに。  
 
「私の正義って…キャルだった…どんなに敵だって思いこんでも…  
 ガンチェリーの敵でも…アリッサは。私はキャルの妹分だって。そう気付いたから。今」 
  
 そう言って、オレは顔を少し上げた。そこには淵の見えない闇の銃口。 
でも、そんなのはどうでもよかったんだ。恐怖も何もない。寧ろそれが救いに思えてる。  
  
「だから。だから…早く」  
  
                              “好きにしてよ”  
  
 恋人にさえ言った事ない台詞を、オレの乾いた口唇は紡いでた。

237 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/11 22:09
>236 ファントム・ドライvsガンチェリー 〜十字架の裏側〜
 
 思わず銃を取り落としそうになった。目が丸く見開かれる。この女……何を言ってやがるんだ。
 あたしのせいか? あたしのせいで、アリッサは“永遠の地獄”に来てしまったのか?
 あの頃を思い返す。あたしが彼女の前から消えたあの日を。
 スラムの一角で血の池に沈むジュディ。壁や道路を穿つ数多の弾痕。血に塗りたくられた通り。消えたあたし。
 誰がどう考えても、何かの犯罪に巻き込まれたという結論漬けるだろう。事実、あたしは犯罪に巻き込まれていた。
 
 アリッサ・メイベル。正義という存在を信じた少女。神という存在を信じた少女。愚かな少女。
 そして―――強い、とても強い少女。そんな少女の人生を、このあたしが狂わせたのか……。
 
「アリッサ……」

 口から自然と湧き出る彼女の名前。オルゴールの旋律も、もう耳には届かない。
 銃を床に放り捨て、あたしはアリッサの手を取り、立ち上がらせ、彼女の顔を覗き込む。
 
「アリッサ……てめえは……てめえは――――」

 涙で汚れた少女の顔。アリッサの両肩に腕を優しく引き寄せ―――その顔面に頭突きを叩き込んだ。
 もろにあたしの頭突きを顔面で受け止めた彼女は、背を大きくのけ反らし、鼻血を吹き出しながら後へと倒れ込む。
 ――――逃がすかよ。
 
「なに甘えたこと言ってやがるんだ、このクソガキィッ!」
 
 吹き飛ぶアリッサの服の襟を左手で掴み、右拳を彼女の腹に埋める。
 “く”の字に折れた少女の身体をそのままを抱え込み、脇に投げ捨てた。
 
「情けねえ……情けねえ、情けねえ情けねえ!! なあ、あんたは誰だ!? あんたの名前は何だ!? あんたは正義
の味方“ガンチェリー”だろ! だったら……あたしに殺される最期の時まで、その正義とやらを掲げろよ!」

 倒れた彼女の上に馬乗りとなり、あたしは拳の雨を彼女へと降らせる。降らせながら叫ぶ。
 拳が壊れる、その時まで。 喉が潰れる、そのときまで。殴り続けてやる……叫び続けてやる。

238 :アリッサ・メイベル ◆PxpeacevxU :02/11/11 22:14
>237 ファントム・ドライvsガンチェリー 〜十字架の裏側〜  
  
 口が切れた。瞼が厚く腫れぼったくて…  
ちょっとだけ最強でヨウカイ退治のエキスパート、でも普通の13歳の女の子なオレは 
腹なんか思いっきり殴られたら…崩れて…痛くて。中のもの、全部吐いちゃう位で…。
  
 ホント、好き放題に殴られた。  
手形がついてない所なんて探したって見当んない。  
 ははっ…でも…馬鹿だね…。It’s so crazy.アリッサだの、ガンチェリーだのさ。 
殺してよ、『ガンチェリー』なんて。ずたずたにさ…。アンタが気に食わないなら、いらないから。 
…でも。  
  
“♪―――迷う子らの帰るを 主は今待ち給う   
                  罪も咎(とが)もあるまま 来たりひれ伏せ” 
  
 迫りくるキャルの腕を掴んで引っ張り、バランスを前方に崩してやる。それから顎を 
掌で押し上げてやって…横に転がり上下、逆転。  
 耳鳴りと一緒に幽かに響く聴き慣れた音にリズムを合わせて殴る。  
指の骨が壊れる位に殴ってやりたかった。ずっと、ずぅっと前から。キャルだけは。 
 こんなにキレイで、強くて…身長差を更に広げて、相変らずオレを小馬鹿にして突き放すキャル。 
思い出すなんて事すらなかった。だって、忘れた事なんてなかったから。 
  
 それ位……それ位、悩んでたのに…相変らず『オレ』の事なんて無視して・・・さ! 
  
手の感覚がなくて視界も重い瞼に遮られてかなり嘘臭いから、ヒットしてるかなんて 
わかんないけど…拳を振るいまくる。  
 キャル達に仕込まれたストリートの喧嘩仕込みの動作で只管に。

239 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/11 22:15
>238 ファントム・ドライvsアリッサ・メイベル 〜十字架の裏側〜

 ガンチェリー。ニューヨークの正義を守るガン・マン。
 その正体が嘗ての親友だと知ったとき、あたしは自ら進んで彼女を殺すことを選んだ。
 “人をやめた”連中や“元から人でない”連中は、ガンチェリーを憎んでいる。
 無理もない。彼女は殺しすぎた。ガンチェリーはこの世界では十分なほどの“有名人”になっていたのだ。
 
 その有名人の正体が、こんな……こんな餓鬼だなんて誰も知らない。
 ちょっと虐めたぐらいですぐに泣きを入れる、おしめが取れたばかりの餓鬼だなんて……誰も思ってくれない。
 
 ガンチェリーの正体が“アリッサ・メイベル”だとバレるのは、時間の問題だった。
 彼等は彼女のことを決して許さない。親を殺し、友を殺し、教師を殺し、最後にアリッサを嬲り殺すだろう。
 それが“こちら側”の世界の掟。今更、どうこう思わない。こっちに来る奴が悪いんだ。
 
 そんなあたしが、アリッサの親友だったものとして出来ることは、彼女を自分の手で殺してやることだった。
 恥辱と絶望と後悔の果てで死ぬぐらいなら、悲劇だけを抱いて死ぬ方が少しはマシだ。
 “ファントム・ドライ”がアリッサ・メイベルに送れる手向けは、彼女を殺すことなのである。
 だからあたしは此処に来た。なのに……なのに――――
 
 口内に広がる鉄の味を噛み締めながら、がむしゃらに拳を振るう。
 床が何処で、天井が何処で、壁が何処なのか。重力の底は上か下か。まったく分からなかった。
 ただ、浴びせられた拳に拳で返し、吹き付けられた血反吐を怒声で返した。
 
 特殊部隊仕込みの暗殺格闘術も、リズィから教わった喧嘩殺法も、妖しげな“ケンポウ”も用いず、ただ感情の
赴くままに暴れる。

 殺さなければいけない。これから先、彼女が生き長らえられたとしても、歩む道は地獄だ。絶望と憎悪のみで突
き動かされる、終わり無き地獄だ。今のあたしと、同じ人間になっちまう。復讐を糧に生きるようになっちまう。
 そんな彼女を―――あたしは見たくなかった。
 
 だから殺そう。
 だけど、両の手は銃把を握らず、ただひたすらに親友を打ち据えるため、拳を振り上げることしかしてくれない。

240 :アリッサ・メイベル ◆PxpeacevxU :02/11/11 22:20
>239 ファントム・ドライvsアリッサ・メイベル 〜十字架の裏側〜  
  
 なんで・・・だろう。今のオレ達はこんなにリガイカンケイの一致した二人なのに。 
それこそ、昔とおんなじく。  
 ねぇ、キャル。もうオレはいいよ。十分殴って恨み、晴らしたから。  
優しいね、キャルは。オレの我侭聞いて、殴り合ってくれたんでしょ・・・?  
オレの勝手な幻想と、そしてオレの勝手な言い草に、ギャングスターらしいある種の寛容で。 
  
 でも。後はもういいんだ・・・。こんなガキのままごとに付き合わなくても。  
  
「キャル。キャル。・・・キャルぅ・・・殺してくれるんだろ・・・。  
お願い・・・」  
  
 懇願する。耐え切れないから。それが救いに思えたから。 
あ、もしかして・・・ガンに不具合でも起きたのかな。  
  
「これ、使ってよ・・・。オレにはもう資格、ないから」  
  
 自分の魂。ガンは、ただの武器じゃねぇ。持つ人の心そのものだって。 
これは、妖銃シルバーバレルが直接オレに言った言葉。だもんだから・・・わざと彼を放棄するの。 
これで名実と共にガンチェリーは消えるんだ。  
  
 実は一発のこってるシルバーバレルの弾丸。  
そのたった一発でオレの頭は世界に真っ赤なジャムを咲かせる事になる。 
その銃をもう要らない玩具みたいに・・・オレをまだ打ちのめしてるキャルの足元に転がした。 
  
 祈るべき神様も無くしたから・・・ちょっと、死ぬの、寂しいけどね・・・。

241 :ストレイツォ:02/11/11 22:21
アルカードvsストレイツォ 『容赦なき戦い』
>212

腰も何もあったものじゃあない、全くもって無造作な貫手。
目の前で再生したアルカードに驚く間もなく、その貫手がストレイツォを襲う。
 
「UUUUURYYYYYYYAAAAAA!!!」
 
人間では不可能な、奇妙な甲高い雄叫びをあげるストレイツォ。
台風のような勢いと素早さを持つ貫手を、両手で挟み込んで止めようとする。
だが、威力は殺しきれなかった。
 
アルカードの腕を掴んだまま、ストレイツォの体は大きく後方に吹き飛ぶ。
体が宙に浮いた、と気付く間もなく、背中と鼓膜にハンマーで殴られたような衝撃。
壁を突き破って、そばのレストランの中にまで突っ込んだのだ。
テーブルを背中で突き破り、料理をぶちまけながらストレイツォの体はようやく止まる。
 
「GYAAAAAAAAAAAAA!!」
 
ストレイツォの絶叫が引き金となって、レストランの客がざわめき出した。
ああ、うるさい。思わずそばの客の顎を殴り、首を胴体から吹き飛ばす。
 
「私は生物の頂点を極めたのだ! 敗北するわけがない!」
 
首の跡地からの血飛沫と混乱のざわめきを聞きながら、ストレイツォは立ち上がる。
流れるような動作で、先程の客と同じくアルカードの頭蓋を砕くため、ハイキックを放っていく。

242 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/11 22:22
>240 ファントム・ドライvsアリッサ・メイベル 〜十字架の裏側〜

 アリッサが床に転がしたシルバーバレルは、回転しながら一直線に滑り、右足の爪先にぶつかった。
 その僅かな衝撃に気付いたあたしは、振り上げた拳を降ろし、腰を屈め、足下の妖銃を拾い上げる。
 銀に輝く拳銃は、懐古趣味なおっさんか西部劇マニアが持つただのコルトピースメーカーだ。
 先程まで戦車砲よろしくの破壊力で室内を蹂躙してきた妖銃には、とてもじゃないが見えない。
 アリッサが持たないと、本来の威力やプレッシャーみたいなのは出されないのだろうか。
 そんな疑問を抱きながら、あたしはシルバーバレルを回転させ、弄んだ。
 
 床に蹲って泣いているアリッサ。もう、彼女には闘う気力なんてありはしない。
 ――――殺してくれ。
 アリッサは確かにそう言った。そうだな。その通りだ。迷うことなんてできない。殺さなければいけないんだ。
 が、シルバーバレルの弾は既に六発全弾撃ち尽くしたはずである。殴り殺せとでも言いたいのだろうか。
 バレル下部にある棒状のイジェクタを手前に引き、排莢。左手の平に一発ずつ、空になった薬莢が落ちてくる。
 間違いない、薬莢は六つ。どれも空に――――
 
「……な!?」

 馬鹿な。“五つ”の空薬莢を床に捨て、あたしはその一発を注視した。
 そんな……銃声は確かに六回響いたのに……。
 
「――――この野郎」

 ぎょろり、と瞳を動かし、アリッサを見る。随分と味な真似をしてくれるじゃねえか。
 お陰で覚悟も決まったぜ。これで終わりだ、アリッサ・メイベル。
 彼女が託してくれた最後の一発を妖銃に詰め込むと、撃鉄を起こし、45口径の銃口をアリッサに向ける。
 
「アリッサ。あんたはもう、ママには会えない。恋人にも、同僚にも、友達にも、牧師にも、だ。分かっているな?」

 泣いた子供を諭す大人のように、優しくあたしは語りかける。
 あたしは覚悟を決めたよ、アリッサ。だからあんたも、覚悟を決めな。

243 :アリッサ・メイベル ◆PxpeacevxU :02/11/11 22:25
>242 ファントム・ドライvsアリッサ・メイベル 〜十字架の裏側〜  
  
 ああ、アニー・・・。元気に朝、送り出してくれたアニー。 
オレの自慢のママさ。一生懸命に生きてる尊敬する女性。  
 エッジ。馬鹿で、いい加減で・・・お調子者で。でも時々大人びた瞳でオレを虜にする。 
抱きあったときの背中の躍動とかがセクシーなひと。  
  
 死んだら会えないんだよね、二度と・・・アンタ等とは。  
Fu.ユー ガットイット、アリッサ。こんなんじゃ合わせる顔なんてないじゃんか。 
  
 目の前にはキャルが握る銀の銃。でも、その銃口は果てしなく暗闇で。 
どんなに美しくてもそれはやっぱり人殺しの道具で。  
・・・・・・死にたくない。やっぱ死にたくないよ・・・。脚が細かに震えた。 
 唇がカラカラになった。合わせる顔とかなんとか、そんなくだらねぇ意地なんか吹っ飛んで 
叫びたい気持ちが湧いてくる。  
  
 やっぱ怖い・・・。リアル。コレが死ぬリアルな感覚なんだ!  
でも、キャルの声は別世界みたいに優しかった。その声を信じて・・・黙って首を縦に振った。 
・・・昔はキャルが居なくなって。今度はオレが消える番。 
キャルはオレの前を何時も走ってた。だから、次がオレなのは昔から決まってたんだよね。 
 この世界に入って、死ぬのはカクゴしてたし・・・相手はキャルだから。オレの理想のキャルだから。  
  
「名前、呼んでくれたね。キャルはアリッサを殺しに、会いに来てくれたんだね。 
それでもう十分だよ・・・」

244 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/11 22:28
>243 ファントム・ドライvsアリッサ・メイベル 〜十字架の裏側〜

 跪いたアリッサの眉間に、そっと銃口を重ね当てる。
 しかし、それだけだ。それで精一杯だった。これ以上は腕も指も動かない。
 まるで肩から先が無くなってしまったような感覚に襲われる。
 これはあたしの意思じゃない。別の“何か”が、トリガーを引かせまいと抗っているのだ。
 
(――――シルバーバレル)

 口に出さず、心の中でそっと呟いた。返事は無い。構わずあたしは続けた。
 
(そんなに“ガンチェリー”を殺したくないのかい?)

 そう。この妖銃があたしの右腕を乗っ取り、自由を奪っているのだ。仲間を救うために、主を護るために。
 立派、立派。立派過ぎるぜ、その仲間意識。だけど、だけどな。よく聞けこのポンコツ野郎。
 
(“ガンチェリー”はもう死んだ。あんたの銃口の先にいるのは、アリッサ・メイベルという名のクソ餓鬼だ)
 
 それとも何だい? あんたはまさか、この女の子の両手を血で染めさせようと言うのか。そいつは頂けねぇな。
 おい、ポンコツ。ガンチェリーはもう充分働いただろう。だから、
 
(そろそろ、楽にさせてやれよ……。な?)

 かくん、と肩が急に重力を感じた。支配が解けたのだ。どうやら、渋々ながらも理解してくれたらしい。
 シルバーバレルはアリッサの手から離れた。もう、“ガンチェリー”なんて言う少女は何処にもいない。
 
 
「あと一年―――いや、半年待ってくれ。そうしたら、全て終わらせて、必ず……必ず、“そっち”に行くよ。
アリッサ……アリッサ・メイベル」
 
 半壊した礼拝堂に、銃声が木霊する。いつまでも響き渡るそれは、妖銃シルバーバレルが唄う別れの歌だ。
 ガンチェリーは死んだ。仕事は終わった。さあ、帰ろう。インフェルノへ。あたしの住むべき世界へ。

245 :ニュースキャスター:02/11/11 22:30
>244  〜十字架の裏側〜 エピローグ



 ―――次のニュースです。
 
 
 ニューヨーク、イースト・ビレッジの教会で、今日の午前十一時半頃、爆破事件が発生しました。
 幸いにして通行人や周囲の建物に被害はありませんでしたが、教会は全壊。
 爆破された教会の牧師であるレナード・バレンタイン氏の話によりますと、当時、教会内には二人の少女が
いたとのことですが、その二人の安否も分かっていません。

 当初はテロによる無差別爆破事件との見方が強められていましたが、周辺住民から、爆破直前まで教会内か
ら激しい銃撃戦のような音が聞こえたという報告が多数来ており、現在の警察の見解は、「マフィア同士抗争
に巻き込まれた」としています。

 また、二人の少女のうち一人は二年前に同じくマフィアの抗争に巻き込まれて失踪したと思われるキャル・
ディヴェンス(16)であり、ディヴェンスさんは二年振りに旧友であるアリッサ・メイベル(13)に会いに
教会を訪ねたとのことです。
 そして、その三十分後に教会は爆破。一体、その三十分の間に何が起こったのでしょうか。
 NY市警は総員体制で事件の解決に当たる、とマフィア間抗争の犯罪に対する怒りと嘆きを露わにしています。

 また、行方不明である二人の少女の死体は爆破跡からは発見されておらず、「生きている可能性は充分にある」
とのことです。
 ただ、爆破に巻き込まれた場合は死体の発見が困難であることから、「あくまでも可能性の話だ」とも付け加え
 ていました。

 
 
 ……それでは、次のニュースです。
 
 『神の使徒』と名乗る三人組が裁判所で――――

246 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/11 22:30
>245 〜十字架の裏側〜 エピローグ

 モーゲンスターンはリモコンのスイッチを叩き、テレビの電源を消すと、ソファに深々と座り直し、口を開いた。

「随分と派手にやってくれたな……ファントム」
「あんた等よりかは残酷じゃなかったつもりなんだけどね」

 呆れ混じりの男の言葉を、キャルは軽々と受け返す。
 
 ここはニューヨーク、超高層ビル175階の一室。見るからに高価な調度品で飾り立てたその部屋に、三人の男と、
一人の少女がそれぞれソファに座り、顔を向け合っていた。
 
 少女の名はご存じ“ファントム”キャル・ディヴェンス。
 彼女の隣で瞼を閉じ、話を聞き入っているのが“麻薬王”レイモンド・マグワイヤ。
 事実上、インフェルノの最高権力者である。
 ニューヨークの闇社会を牛耳る<ザ・ビースト>とアメリカ全土を支配せんとする勢いの<インフェルノ>に、
友好関係を結ばせようと奔走した第一人者でもあった。
 <ザ・ビースト>の天敵である“ガンチェリー”を殺すためにインフェルノの殺し屋が動いた訳も、彼等を機嫌を
取るためのインフェルノからの手土産のようなものである。

 インフェルノに属する二人と、テーブルを挟んで対面している二人は、どれも<ザ・ビースト>の妖怪である。
 特に先程テレビを消した男は幹部の中の幹部。最高幹部の“獣”ロス・モーゲンターンだ。
 
 その隣で覚えた苛立ちを隠そうともせず、先程からキャルを凄んだ表情で睨み据えているのはモーゲンターンが持つ
私兵団の長、“サムの息子”デヴィッド・バーコウィッツ。肉体派の妖怪だ。
 彼と、彼が付き従える妖怪達は<Xヒューマーズ>と長年交戦を続けており、ガンチェリーにもかなりの数の部下を
殺されてきた。故に、心底を彼女を憎んでいた。<Xヒューマーズ>の組織員全てを憎んでいた。
 その憎しみの対象を人間の、しかも小娘風情に屠られてしまったのだ。屈辱の極みである。彼の怒りはいま頂点達していた。
 
 そんな彼を知ってか知らずか、キャルの態度はあっけらかんとしたものだ。
 伝説の殺人鬼や、超大物家にして『黙示録』の“獣”を前にしてのその態度は、デヴィットの怒りを更に煽るような
結果にしかならない。

247 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/11 22:31
>246 〜十字架の裏側〜 エピローグ

「……おい、ファントム」
「何だよ、アンクル・サム」
「――――さっきのニュースで言っていたアリッサ・メイベルって餓鬼が、“ガンチェリー”なのか?」

 デヴィッドはキャルのあからさまな挑発を無視して、問いかけた。
 いくらシルバーバレルの力を得ていたとは言え、十三歳の“女の子”が宿敵ガンチェリーだと信じるのは難しい。
 そんな乳臭い小娘に、精鋭の部下を何匹、何十匹も倒されたなど、認めたくない。それがデヴィッドの本音だった。
 
「そうだよ。……って、あんた、ガンチェリーの宿敵とかご大層なこと言っていた癖に、顔も知らなかったのか」

 また挑発。デヴィッドは太股に置いた拳を、硬く硬く握った。そんな二人の会話に険悪さを感じてか、先程から
沈黙を守り続けていたマグワイヤが、細い目を開き、隣に座るキャルに語りかけた。

「話しに聞くと、ガンチェリーの顔を見た者はみな殺されるらしい。デヴィッド君が容姿を知らないのも、無理は
無いだろう」

 しかし、と彼は続ける。
 
「そんな悪魔のようなガンナーが、まさか十三の少女だとはな……君も大概に若いが、その年齢は常識を超えている」

 マグワイヤの恐れ混じりの言葉を聞いて、沈黙を続けていたモーゲンスターンは思わず失笑してしまった。
 本物の悪魔を前にして、“悪魔のような”は無いだろう。
 だが、もう一人の妖怪、デヴィッドは彼ほどの余裕を持つことはできなかった。。
 
「そうか……まあ、何だって良いさ。素性が割れたんだ。ガンチェリー……いや、アリッサ・メイベルのご両親、
お友達、全部、全部殺してやる。……殺してやる。殺して殺して殺して――――」

 デヴィッド・バーコウィッツは、七十年代後半、ニューヨークに恐怖の風を巻き起こした偏執的な殺人狂である。
 そんな彼を異常なまでに怖れ、脅える現代人の心が“デヴィッド・バーコウィッツ”という妖怪を生み出したのだ。
 彼の“殺人”への妄執とも言うべき固執は、他の妖怪を追従させない領域にまで到達していた。

248 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/11 22:32
>246>247 〜十字架の裏側〜 エピローグ

 デヴィッドの狂気を感じさせる呟きを聞いたキャルは、溜息混じりに言い聞かせる。

「……おい、“サムの息子”。ガンチェリーの件はもう終わったんだ。あいつは死んだ。あたしが殺した」

 インフェルノはマフィアだ。堅気に手を出すようなことは滅多にしない。
 だが、<ザ・ビースト>は違う。人間と豚の見分けも付かないような奴等だ。人としての仁義などあるはずがない。
 キャル自身も、別に良心でそう言っているわけでは無かった。
 堅気の人間がどうなろうと、彼女には関係ない。ただ、アリッサの親や友人を殺らせるわけにはいかないのだ。
 
「てめえが首を突っ込む場所なんてねえんだよ。殺したいのなら、別のメンバーを殺しな」
「ファントム―――口を慎め。<ザ・ビースト>最高幹部の前で、私に恥をかかせる気か」

 マグワイヤが僅かに声を震わせながら、キャルを宥めた。無理もない。目の前にいる二人は、どちらも人外の力を
持つ妖怪なのだ。下手に怒らせれば、瞬時にミンチである。
 それに、元々二つの組織の友好を結ぶためにこの席を用意したのだ。諍いごとなど、以ての外である。
 が、回り始めた歯車はもう止まらない。デヴィッドは身体中から殺気を漲らせて、静かにキャルに言葉を返す。
 
「……黙れ。俺はもう、殺すと決めたんだ」
「そうかい。じゃあ死んでもらうしかないね」

 今のキャルの言葉は、明らかに<ザ・ビースト>への宣戦布告だ。マグワイヤは恐怖に身を強張らせた。
 
「――――人間如きが! 俺を殺せるはずねえだろ!」

 ついにデヴィットの堪忍袋の緒が切れた。
 彼の手が、44オートマグのグリップに飛んで――――
 
「遅ぇよ」

 抜き放つ前に、キャルが持つ拳銃に突き付けられていた。

249 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/11 22:34
>246>247>248 〜十字架の裏側〜 エピローグ

 キャルの早抜きに暫し唖然としていたデヴィッドだが、すぐに気を取り直し、腰のホルスターに手をかけた。
 
「阿呆が! その拳銃で俺を撃ち殺すのか? 上等だ! 拳銃なんかで殺せるもんなら殺してみろ!」

 デヴィッドの全身が総毛立った。彼から湧き出るプレッシャーが、対面するキャルとマグワイヤに叩きつけれる。
 その余りの威圧感に、マグワイヤは「ひぃ」と短く叫んだ。キャルは相変わらず、涼しげな表情で受け流している。
 
「デヴィット、座れ」
「ボス……!」

 此処に来て、ようやくロス・モーゲンターンが口を開く。その意外な横やりは、デヴィットを困惑させた。

「ファントムが持っている拳銃をよく見ろ」

 モーゲンターンは視線だけキャルが構える拳銃に移し、デヴィットを促した。
 彼の視線に続くような形でデヴィットの瞳が拳銃に捉えた瞬間、彼は思わず「あっ」と叫ぶ。
 
「シ、シルバーバレルだ、と―――!?」
「これに撃たれて平気な妖怪がいるのなら、是非、私の下に置きたいものだ」

 銀に輝く拳銃は一見、古めかしいコルトSAAだが、そこから漂う雰囲気は、尋常では無い。
 間違いなく妖銃シルバー・バレルである。デヴィッドみたいな人型の妖怪など、一撃で肉塊に変えてくれるだろう。
 そして、ガンチェリーをガンチェリーと知らしめていたシルバー・バレルをキャルが持っているということは、
キャルはガンチェリーと接触した裏付けとなる。彼女の発言の信憑性は一気に増した。

「馬鹿な……シルバー・バレルは悪人には絶対に懐かないんじゃ……」
「どっちかっていうと、若い女の子にしか懐かないみたいだね」

 キャルはくるくると回転させながら妖銃をホルスターに納めると、愕然とするデヴィットにウィンクをしてみせた。

250 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/11 22:36
>249 〜十字架の裏側〜 エピローグ

 <ザ・ビースト>ととの話し合いはそれ以後、さして派手な諍いも無く円滑に進んだ。
 結局、インフェルと<ザ・ビースト>は同盟関係を結ぶことで話は終わった。
 ガンチェリーの首云々を差し引いても、お互い利のある内容である。この結果は当然と言えよう。





「キャル……」

 話し合いを終え、廊下でぶらぶらと暇を弄んでいるキャルに、彼女の世話役であるリズィ・ガーランドは神妙な
顔つきで話しかけた。
 
「マグワイヤの奴から全部聞いたよ。おまえ、幾ら何でも……」
「そんな小言をあたしに聞かせるために、わざわざモーゲンターンのビルにまで来たのかい? 違うだろう」

 相変わらず勘の良い女だ、とリズィは思った。こうなったらキャルは、彼女の言うことなど何一つ聞かない。
 仕方無しに、本題を切り出した。
 
「ツヴァイの奴の居場所が割れたよ」

 その言葉を聞いた瞬間、キャルの肩がぴくり、と揺れた。
 そして暫く身体を固めていたが、突然顔をリズィに向け、口元を歪めニヤリと嗤う。
 
「へぇ……何処だよ」
「日本らしい。まだ細かいところまでは分かっていねえが……サイスが中国に飛んだ。完全に二人の位置を割り当てる
のも、時間の問題だ」

251 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/11 22:36
>250 〜十字架の裏側〜 エピローグ

「そうか……」

 ―――アリッサ。
 聞いたかい?
 どうやら半年も待たせずに済むようだぜ。
 
「キャル? お、おい、どこ行くんだよ。あんたもすぐに動かねえと……キャル!」

 呼び止めるリズィを無視して、あたしはふらふらと廊下を歩き進む。
 リズィ。そんなことは言われなくても分かっているんだよ。明日にでも日本に出発だ。
 
 血が疼く。
 玲二を殺せ、と。
 アインを殺せ、と。
 
 それが“ファントム・ドライ”の生きる理由だった。
 それだけのためにあたしは……ドライは生きてきた。殺してきた。
 二人との決着をつければ、全てが終わる。
 
 アリッサ、あたしもすぐに―――“そっち”へ行くぜ。
 
 全てを終わらし、二人でまた会おう。
 今度は“ドライ”と“ガンチェリー”じゃない。“キャル”と“アリッサ”でも無い。
 全てを片付け一からやり直した“あたし”と“あんた”が出会うんだ。
 
 アリッサ、あと少しだ。もう終わりは目の前まで来ている。
 だから―――待っててくれ。
 きっと、迎えに行くから――――。

252 :女の子 ◆PxpeacevxU :02/11/11 22:42
>244>245>246>247>248>249>250>251 ファントム・ドライVSガンチェリー 〜十字架の裏側〜  
Guncherry-side Epilogue  
  
「Bull shit・・・」  
  
 カスワードを吐いて目の前の相手と対峙する。  
一歩。また一歩、じりじり、じりじりと目線だけはそらさず、でもゆっくり戦術的後退を行なう相手。 
 ヤツはいつもこう。貴重な食料を何時もはゆっくりと分け合う中なのに、家計簿を付ける月末になると 
人の分まで手を出したがる。  
・・・そんな回想をしていて、まっすぐにしていた視線を床に落とした刹那。 
  
・・・やべっ!!
ヤツは人とは思えない叫び声を上げて、自らの身長の三倍以上の高さまで跳躍。  
目標のオレの頭部を直撃した。  
 まだら色のソイツをモロに喰らったオレは尻餅をついて、クラッカーの入った箱を奪われてしまう。 
3勝2敗。それがこれまでの戦績。そして今日が6回目。そんでもって戦績はイーブンに戻った。 
  
「はいはい、オレの分、ミルクは分けるから・・・それは返せよ。どうせ殆ど喰えねぇじゃん」 
  
 そう、こいつはオレの今ん所の唯一の敵でライバルで、友達で・・・家族の「ミュウ」。 
何処にでも居る普通の雌の三毛猫、ともいうけれど。

253 :オーフェン ◆a4STABbERo :02/11/11 22:42
オーフェンvsモリガン
>210

(っ、距離を稼ぐためとは言え、今のはかなり無茶だったか)

 投げかけられる嘲笑。
それに対しオーフェンは苦痛を面に出さず応える。

「そうでもないぜ」

 その言葉を媒介に魔術を発動させた。
 切断された左腕の断面から流れる血が止まり、真新しいピンクの肉が盛り上がる。
数秒もせずに、切断された腕の傷は塞がった。

 だが、傷は塞がっても痛みはなくならない。
普通の人間なら何度も気絶しているだろう痛みが、オーフェンを襲っている。
 しかし、そんな状態でもオーフェンは苦痛を胸の所で押し殺し、魔術の構成を編む。
そして切り裂くかのように、短く呪文を叫ぶ。

「我は砕く原始の静寂」

 呪文が終わると共に魔術の効果が発動した。
モリガンの周囲の空間に波紋が走る。
 そして次の瞬間、大爆発が起こった。

 爆炎に飲み込まれるモリガンの影。
だが、それを見てもオーフェンの全身から緊張は途切れていない。

254 :女の子 ◆PxpeacevxU :02/11/11 22:48
>252 ファントム・ドライVSガンチェリー 〜十字架の裏側〜  
Guncherry-side Epilogue  
  
 オレがキャルと再開して、もう半年。  
ミルクに飽きたミュウを頭に乗せて、フィラデルフィアのうらぶれたアパートの窓から四角い空を 
黙って見上げた。  
  
 なんでオレは生きてるんだろう。  
・・・ううん、わかってる。キャルが約束してくれたから。キャルがオレを生かしてくれたから。  
だからオレはただ、平凡に日々を潰してる。そんなこんなで今日、この時間を以って約束の半年が経った。  
  
 キャル・・・でも、オレ今更気付いたよ。  
オレはさ、出来ればばあんたには、戻ってきて欲しくないって・・・。  
 だってさ、キャルはこの国の大ギャングスター『ファントム』なんだろ?  
綺麗で・・・まっすぐなオレの姉貴だから・・・あんたには好きな人と結ばれたり、幸せに生きて欲しいもの。 
 だから・・・オレの事なんて忘れてください。オレが消えれば・・・オレの家族も狙われないから。  
あんたも厄介事なんて背負う必要、これっぽっちもなくなるから。  
  
 オレはこれ以上、人との約束、破れない。だから、待たなくちゃいけない。キャルを。 
でも、きっと、待っちゃ駄目なんだよ・・・。どうすればいいの・・・。教えてよ・・・誰か。  
  
 オレは生きてく理由を、楽しさを、強さを。ここまで表面的に与えてくれたライバルを  
頭からゆっくりおろし、穢れた腕で抱きしめた。  
  
・・・・・・人の強さや弱さ、優しさに傷ついても、空の蒼さは消せやしない!! 
  
 吸い込まれるような綺麗な青空の下、子猫が一匹、「なぁ」と鳴いた。 
                             【Guncherry-side Fin.】  

255 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/11 22:51
>252>254 キャル・ディヴェンスvsアリッサ・メイベル 〜十字架の裏側〜 
 
 時は戻り、あの日、あの時間、あの頃の教会。
 
 耳に響く銃声の残音。
 銃口からもくもくと湧き出る硝煙。
 日差しに照らされ、輝く銀のボディ。
 キャル・ディヴェンスは床に転がった少女の身体を、静かに見下ろしていた。
 じっ……と、静かに。
 
 床に転がる少女の身体は、天井を仰ぎ、虚ろな瞳はその先にある空を見上げていた。
 
 
 
 少女の口が、開いては閉じられている。
 痙攣――――では無い。
 
 言いたいことがあるが、言葉にできない。疑問があるのに、喉から声が出てこない。
 どうして、どうして……。
 
 アリッサ・メイベルは生きていた。なぜ生きているのか。撃たれたはずなのに。
 それは本人にも分からない。
 
 
 困惑する彼女に、キャルは自嘲じみた笑みを返す。
 
「これでガンチェリーは死んだ。アリッサも死んだ。あたしの仕事は終わった。キャルの仕事も終わった」

 床に背を付け、仰向けに倒れているアリッサ。
 未だ幼さが残る彼女の顔の眉間に、僅かに血が滲んでいるすり傷があった。
 シルバー・バレルから撃ち出された45口径の弾丸が撃ち込まれた傷だ。
 銃弾は眉間を貫き、脳を抉り、頭部を粉砕―――しなかった。薄い皮膚に弾かれ、床に転がっている。

256 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/11 22:52
>255 キャル・ディヴェンスvsアリッサ・メイベル 〜十字架の裏側〜

「今のあんたは誰でもない、一匹のガキだ」

 キャルはジャケットのポケットから財布を取り出すと、少女の胸に放り投げた。
 彼女には似合わない、チンピラが好んで使いそうなブランド物の財布。厚く、カードやら札束やらがギッシリ
と詰まっていることが、外からでもうかがいしれる。
 
「貸してやるよ。利子はといちな。カードの暗証番号は昔“アリッサ”と一緒に使っていたロッカーの鍵と同じだぜ」

 金を渡しても、手は差し伸べなかった。状況を理解できず呆然としている少女を、キャルは見下し続けている。

「やり直そうぜ……お互いにさ。あたしはまだやることがあるから、今すぐにってわけにはいかないけど――あたしと
あんたが銃を向け合わなきゃいけない世界なんて……一緒にぶち壊してやろうじゃねえか。なあ?」

 ―――それは考えるだけで自然と笑みが浮かんでしまうほどに、愉快な妄想。愉しい夢。



 ガンチェリーが放ったシルバー・バレルの銃弾に粉砕され、崩れ落ちた壁や天井から日差しが覗く。
 太陽の光に照らされながら、キャルは語り続けた。少女は聞き続けた。
 キャルはこの時が永遠であって欲しいと願った。
 少女も願った。
 キャルは語りながら笑っていた。
 少女も釣られて、うっすらと顔に笑みを浮かべた。
 
 
 そこには、二人しかいなかった。
 
 
 
                                   THE END

257 :クロウ ◆kUROU70NPE :02/11/11 23:08
オーフェンvsモリガン

>253

「強がっちゃって。見栄を張るばかりが男じゃないわよ」

「力」が、夢魔の周囲の空間に干渉する。
薄く笑ったまま、炎に巻かれた。

「・・・ねぇ? もう少し熱くないと、感じないんだけど」

繭の様に夢魔の体を包み込んだ翼が羽ばたき、爆発の余韻を振り払う。
だらりと下げた両手が、淡く輝いた。

「例えば、こんな風に、ねっ!!」

跳ね上がった両手が輝きを強め、二条の閃光が解き放たれる。
渦を巻き伸びるそれは溶け合い、一つの塊になった。

「――――ボン」

囁きと同時、塊が男の眼前で爆ぜた。
飛散した光の散弾が、辺りを無差別に襲った。

258 :モリガン・アーンスランド ◆7Q4EmpreSs :02/11/11 23:09
オーフェンvsモリガン

>253

「強がっちゃって。見栄を張るばかりが男じゃないわよ」

「力」が、夢魔の周囲の空間に干渉する。
薄く笑ったまま、炎に巻かれた。

「・・・ねぇ? もう少し熱くないと、感じないんだけど」

繭の様に夢魔の体を包み込んだ翼が羽ばたき、爆発の余韻を振り払う。
だらりと下げた両手が、淡く輝いた。

「例えば、こんな風に、ねっ!!」

跳ね上がった両手が輝きを強め、二条の閃光が解き放たれる。
渦を巻き伸びるそれは溶け合い、一つの塊になった。

「――――ボン」

囁きと同時、塊が男の眼前で爆ぜた。
飛散した光の散弾が、辺りを無差別に襲った。

259 :アリッサ・メイベル ◆PxpeacevxU :02/11/11 23:24
キャル・ディヴェンスvsアリッサ・メイベル 〜十字架の裏側〜  レス番纏め。 
  
>216>217>218>220>222>223>224>225>226>227>228>229
>230>231>232>233>234>235>236>237>238>239>240>242
>243>244>245>246>247>248>249>250>251>252>254>255>256
  
 世界ってさ、誰かが誰かの為に・・・知らない所で必死に戦ってて。  
そこで所で嘆いたり、悲しんだり、怒ったりしてるんだよね。もちろん、笑ったりも・・・。 
  
 オレにはもう、こんな所で・・・空を見上げてるしか出来ないけれど。  
きっと、誰かの為に戦ってるその綺麗な姿を・・・オレは決して忘れないから・・・ 
  
それじゃ、BYE・・・。

260 :以上、自作自演でした。:02/11/11 23:33
ネタスレのどこがなりきりなのか教えてください

261 :以上、自作自演でした。:02/11/11 23:34
自分の行ったうち、お勧めの闘争を挙げてください。
そもそもまだ闘争をしたことが無い、という方は、
「こいつとやったら良い闘争が出来る!!」という予想でもいいです。

262 :以上、自作自演でした。:02/11/12 01:12
http://www.maitou.gr.jp/terumi/

263 :レッドアリーマー ◆99Arremerg :02/11/12 01:22
レッドアリーマー対レイオット・スタインバーグ
クレナイのアクマ〜TRUE DEMON〜
>200>201
 
悪魔の疾駆は止まらない。
己が命の炎を燃やし、殺意の全てを我が手に宿し、悪魔は獲物に飛び掛る。
そして、見た。
 
その手に槍を、瞳に意志を。
混信の力を込め放たれたそれが、全ての闇を討つかのように空気を斬り、迫る。
 
そう。
奴は最後まで諦めはしなかった。
あの時も、単身魔界に赴き、そして滅ぼしたあの時さえも。
力と鎧を失った窮地ですら、奴は戦意を失わなかった。
 
「アアアアアアアアアサアァァァァァァァァァ!!!」
 
既視感――――それは、呪わしくも懐かしい光景。
気付けば、殺意を呪詛に代え叫んでいた。
 
そして――――――

264 :レッドアリーマー ◆99Arremerg :02/11/12 01:23
>263続き

抉った。
だが、感触は浅い。
心臓の一点を狙った一撃は、先端が食い込んだ程度。
血が爪を伝い、滴り落ちる音が幽かに聞こえた。
 
そして…己が胸には違和感。
生えている木製の棒。
相手の放った十字の槍は、確実に心臓を貫いていた。
 
“アー・・・・・サー・・・・”
 
―――――敗北。
敵の生存と己の死を悟り、赤き異形はくず折れる。
命の残滓を燃やし尽くすかのように、燃え上がる体躯。
力が抜け落ち、身体が塵と化していくのが解る。
しかし、悪魔は恐れない。
 
“ツギハ・・・・・カナラ、ズ・・・・・”
 
吼える。
もはや声ともつかない音で。
呪詛を、全て情念を込めて、吐く。
己が滅ぶ時ですら、恐怖は湧きなどしない。
変わりに或るのは只一つ、冥く激しい復讐の狂気。
 
“マタ、アオウ・・・・・シュク・・・テキ、ヨ・・・・”
 
最期の言葉も終わらずに――――赤き悪魔は燃え尽き、消えた。

265 :レイオット・スタインバーグ ◆LOSJACkEtA :02/11/12 02:14
レッドアリーマー対レイオット・スタインバーグ
クレナイのアクマ〜TRUE DEMON〜
>263>264(エピローグ)
 
「……はっ。冗談じゃない。俺はもう、二度と会いたくないね」
 
 肩を竦める。嘆息とともにつぶやかれた言葉は、すでに燃え尽きた灰に向かって投げかけ
られていた。勝った―――そう思った瞬間、ぼろぼろになっていた身体を辛うじて支えてい
た両足が、力尽きたように崩れる。
 
 背にした壁を滑り落ちるように、レイオットはゆっくりとその場に座り込んだ。
 同時に、全身に、今までの全てを覆すような、猛烈な苦痛と疲労が襲いかかる。なんの前
触れも無しに訪れたそれは、全身を強化、維持していた<アクセラレータ>の効力がついに途
切れた証だった。失いかける意識を寄り合わせ、ぎりぎりでつなぎ止める。

 すでに肉体の機能低下は限界に近い。ここで眠りにつけば……二度と目覚めないであろ
う事は、想像に難くない。それは……何となく癪だ。
 
(……このままこちらからの動きがなければ、別の魔法士が派遣されてくるはず―――後
三十分程度の辛抱か)
 
 フィリシス辺りが出てくれば、それがベストだが―――と。
 そこまで考えて、ようやく、レイオットは自分が派遣されてきた、本来の目的を思い出して
いた。魔族は……一体、どうなったんだ?
 
 舌打ちしようと、頬を歪ませた、その刹那―――
 
 脇腹が……正確には、脇腹に刻み込まれた小さな傷が、もぞりと蠢いたような気がした。
 
「――――!?」
 
 否。それは錯覚などではない。

266 :レイオット・スタインバーグ ◆LOSJACkEtA :02/11/12 02:15
(>265 続き)

 次に蠢き始めたのは脇腹だけではなく、力無く投げ出されていた四肢までが、レイオットの
意志に反し次々に、各々が独自の意志を持つかのように活動を開始する。
 
 あるべきカタチから外れていくのは、肉体に止まらない。驚愕に半ば凍り付かせていた思
考までもが、ゆっくりと、彼の内に生み出された何かに、迅速に浸食されていく―――
 
(魔族化――――!)
 
 つまり―――最初にモールドに決定的な打撃が与えられていたその時点で、彼の運命は
決していたのだろう。今までそれが現れていなかったのは、おそらく……肉体に作用してい
た<アクセラレータ>が、何らかの方法で魔族化の進行を阻んでいたのかも知れない。
 
 もっとも……今このときにおいては、あらゆる過程など無意味だった。
 レイオットスタインバーグは……少なくとも、そう呼ばれていた”人間”は、まもなくこの世か
ら消滅する。
 
「……まあ。そんなうまい話もないか」
 
 絞りかすのような自分を総動員して、レイオットは苦笑を浮かべた。案外、こう言うのは自
分に似合いの最後なのかも知れないと思いながら。
 
 まだ、自らの一部として動いてくれる右腕を、腰のホルスタへと伸ばす。すでに手のしての
姿すら保っていないそれが掴んだのは、愛用の拳銃……<ハード・フレア>カスタムだ。
 
 願わくば。引き金を引き終わるまで、消えずにいられますように―――
 
 誰に対してのものかも分からない祈りを捧げながら。
 レイオットは、引き金に伸びた指らしき肉塊を、ゆっくりと絞り込んだ。
 
―――了

267 :レス番纏め:02/11/12 02:54
(古びた書物の1ページ。次のような言葉と共にある数字が記されている)
 
…今此処に、偽りの眷属を屠りし悪魔の終末を記す。
だが彼の者との戦い、魔界に伝え広めるべからず。
秘録とし深遠の彼方に封ずること、無礼の極みながら魔王の御方々に進言致すもの也。
 
(レス番まとめ)
レッドアリーマー対レイオット・スタインバーグ
クレナイのアクマ〜TRUE DEMON〜
42章(ttp://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1033169522/)
>264>265>266>267>379>386>387>509>695>698>699
43章(ttp://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1033917327/)
>569
44章 (ttp://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1033169522/)
>627>629
45章(ttp://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1034786869/)
>635>636>651>652
46章(ttp://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1035222907/)
>107>232>233>234>392>393
47章(ttp://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1035977720/)
>33>34>35>37>38>175>176
48章
>9>10>28>29>37>99>100>200>201>263>264>265>266


268 :オーフェン ◆a4STABbERo :02/11/12 10:31
オーフェンvsモリガン
>258

(だろうと思ったぜ……)

 閃光が飛散する寸前に作り出した光の壁が、散弾を防ぐ。
 光の粒子を火花のように散らし、光弾が弾かれる。
 大地を抉り、粉塵が舞う。
 数秒後、ようやく降り注ぐ光弾が収まった。
 巻き上がる粉塵は、オーフェンの姿を覆い隠す。

「我は砕く―――――」

 土煙の中から声が響く。
 それは先刻と同じ呪文。
 だが、空間に展開している構成は、より緻密で強大である。
 
「我は砕く原始の静寂」

 再び、モリガンの周囲の空間に波紋が走った。
だがそれは、以前のものとは比べ物にならない規模でモリガンを包み込む。

 そして爆発が起る。
 身体が持っていかれそうなほど爆風。
 爆炎は周囲の空間を飲み込み、その獰猛な顎を振い続けた。

(流石にこれを喰らったら無傷じゃねえよな……)
 
 最初の魔術はフェイント。
本命の魔術―――制御できるギリギリまで威力を高めた、魔術を確実に当てるための捨石であった。

269 :以上、自作自演でした。:02/11/12 13:29
結局は留蔵と機械式と原作者・赤は同じものを目指して居たのだろうか…


270 :以上、自作自演でした。:02/11/12 14:47
>269
目指したものが同じであっても
留が行ったのはテロだ。
量産型に至っては自爆テロだ。
ジン閣下の革命とは質が違うのだよ。

271 :以上、自作自演でした。:02/11/12 14:57
参加者が盲信してるだけ。
言ってる事は留蔵以上にマイ・マザー

272 :以上、自作自演でした。:02/11/12 15:57
正直、面白い物が見れるならどーでもいい。
一ROMとしては


273 :人形使いナハツェーラー ◆.MhXHETARE :02/11/12 16:50
<イノヴェルチ本部>
 
「おのれ、ヘルシングの狗どもめ!」
 
 イノヴェルチの誇るヴァンパイア三銃士の一人、人形使いナハツェーラーは一人怒声を上げた。
 彼は此処、最近、ヘルシングに煮え湯を飲まされつづけていたのだ。
 
 ――幼稚園バス誘拐作戦、失敗
 
 ――TV局襲撃、毒電波放送作戦失敗
 
 etcetc……
 策士を称するナハツェーラーの作戦はことごとく、失敗に終わっていた。
 
『へっ、爺さん、そんなにいきり立ってんじゃねえよ、高血圧で逝っちまうぜ?』
 
 そこに三銃士ウピエルが皮肉な笑みを浮かべて、ナハツェーラーをあざ笑う。
 
「――うるさい、今度の作戦は完璧だ、次こそはヘルシングを滅殺してくれるわ!」
 
 ナハツェーラーは一枚の作戦計画書を机の上に叩きつけた――――

274 :キメラヴァンプ×2:02/11/12 16:51
<○○ダム>
 
 黒いスーツに身を包んだ女性と、ロングコートを来た巨漢がダムを闊歩する。
 彼等の手にあるは1つの瓶。
 中には1滴で巨象も殺しうる毒が詰まっている。
 
 おお、なんという悪辣非道な作戦か!
 彼等は毒をダムに投げ込み、大量虐殺を図ろうというのだ!!
 まさに悪鬼の所業―――、悪魔に魂を売ったイノヴェルチだからこそしうる業!!!
 
 そして、毒が湖面に投擲されようとする瞬間――――!

275 :セラス・ヴィクトリア ◆g4BCFhuKeI :02/11/12 17:31
<ヘルシング本部>

 鳴り響くはサイレン。地球上の全生物の危機感を煽る音を以てして危険を告げる。
 それがヘルシング本部の総数120個全てのスピーカーから喚き散らされた瞬間、全職員は慌てず、
迅速かつ的確に“戦支度”を開始した。

『国境付近の○○ダムにタイプ7の吸血鬼発生! 数は二匹! 繰り返す――――』

 警告音と共にスピーカーから流れ出るアナウンス。
 ヘルシング職員達はその情報を聞き取りながら、己の部署へと駆ける。
 乱れ交う人と人。ここは戦場。英国国教騎士団ヘルシング本部。


 ――――執務室。

「アーカードはどうした!」
「現在、アルカードの詮索のためアイルランドの方へ飛んでいます! 呼び戻しますか!?」
「あの馬鹿が……! アーカードに連絡! 直接現場に急行させろ!」
「YAH!」

 くそ。周りで報告を仰いでは駆け去る数多の職員達には聞こえぬように、インテグラは小さく毒づく。
 ―――このタイミングでタイプ7だと? イノヴェルチめ……!
 
「セラス・ヴィクトリア! カタパルト・デッキに着きました! 発進準備……よろし!」
「システムオールグリーン。セラス・ヴィクトリア、いつでも発射できます!」
「――よし、射出しろ!」
「あ……待ってください。セラス・ヴィクトリアが発進拒否を―――」
「知るか! 打ち出せ!」
「「ヤ、ヤー」」

 数秒後、インテグラの耳に急速に遠ざかるドップラー効果を伴った女の叫び声が聞こえてくるが、それは
それで何というか錯覚というか気のせいというか疲れているのだろうとインテグラは結論付けた。

276 :セラス・ヴィクトリア ◆g4BCFhuKeI :02/11/12 17:32
セラス・ヴィクトリアvsキメラヴァンプ  
          〜倒せ! 悪の野望。守れ! 正義と平和〜
>273>274>275 


  夜空を彩る一筋のシューティングスター。
 その輝きは力強く、時が一秒、また一秒と経つごとに激しく煌めく。
 星の大きさもそれに比例して大きく――――
 
 ……なったかと思った瞬間、人に夢と希望を与える流れ星は黒装束の男女の背後十数メートルの地点
に“着陸”した。
 “墜落”ではない。
 “不時着”でもない。
 あくまで予定通り、何の狂いも無く、目指す地点に“着陸”した。
 
 地面が僅かに揺れ、低い轟音が辺りを揺るがす。
 爆発したかのように舞い上がった土砂が視界を塞ぐ中、その奥で二つの紅い光がギラリ、と輝いた。
 
「――そこまでデス!」

 叫びと共に薙がれる細腕。が、それは膨大な風圧を生み出し、吹き荒れる土砂を霧散させる。
 土煙の奧から姿を見せたのは――真紅の双眸を欄と燃やす一人の少女だった。
 片手に巨大なライフルを持ち、身を正義の象徴である制服で固めている彼女は言うまでもなく英国
国教騎士団ゴミ処理屋セラス・ヴィクトリア。
 この世の全ての吸血鬼を駆逐をせんがため、ここに見参。
 
「……む、無駄な抵抗はやめておいた方が身のためデすよ。ホッ、ホラ、あと三時間ほどでマスター
が来るらしいデスから、はい。マスター、強いデスよ」

 全身に緊張を漲らせ、油断無き構えを取りながら、正義の執行官セラス・ヴィクトリアはジリジリ
と後ずさる。

277 :人形使いナハツェーラー ◆.MhXHETARE :02/11/12 17:45
>275>276
<イノヴェルチ本部>
 
「クックックッ、今度こそ、あの女も終わりよ」
 
 ナハツェーラーはモニターを見ながら、不敵な笑みを漏らす。
 そんなナハツェーラーにウピエルが訝しげに問いを投げかける。
 
『爺さん、どういう意味だ? 何時もと変わらねえじゃねえか?』
 
 ウピエルの問いにそれを待っていたかとばかりに、ナハツェーラーは答える。
 
「ふっ、ただ、吼えるだけの楽師には分からぬよ。まあ、教えてやろう、我が姦計を」
 
 ――考えてもみたまえ、そもそもの吸血鬼の弱点というものを
 
 ――吸血鬼は流水に弱い
 
 ――そして、ダムは水で満ちておる
 
 ――落ちれば即、灰に還る
 
 ――あの女、限られた足場で縦横無尽に動くキメラヴァンプに対抗しうる訳がなかろう、クックックッ
 
『姑息な手を。奴等を滅ぼしうるのはこの魂の一刀しかないのだ―――』
 
 ナハツェーラーを不愉快そうな目で見ながら、三銃士、紅の騎士、ギーラッハはつぶやいた。

278 :スコーピオンヴァンプ、バットヴァンプ:02/11/12 17:53
>277
<○○ダム>
 
        「来たわね」/「来たな」
 
 バッと宙を舞う、黒のスーツ/ロングコート。
 現れたは―――
 
 禍々しく巨大な二つの鋏―――
 幾多の犠牲者を出してきた、魔性の尻尾―――
 
                     ――――サソリの異形、スコーピオンヴァンプ!
 
 空を変幻自在に駆ける魔翼―――
 その両の腕にあるは人間如き容易に蜂の巣に変える鉄(くろがね)の牙―――
 
                     ――――蝙蝠の異形、バットヴァンプ!
 
「今日こそ引導を渡してやるわ、ヘルシング!」
 
 カチカチと鋏を鳴らしつつ、スコーピオンヴァンプは吼える。
 
「そうだ、犯して、殺して、愉しませてもらうぜぇ――――!」
 
 両手のサブマシンガン、MP5A5とMP5Kを構えつつ、バットヴァンプは叫ぶ。
 
 
 そして、戦いの火蓋は切られた――――!
 
 パララララとタイプライターのように乾いた音がダムに木霊する!!

279 :セラス・ヴィクトリア ◆g4BCFhuKeI :02/11/12 18:16
セラス・ヴィクトリアvsキメラヴァンプ  
>277>278     〜倒せ! 悪の野望。守れ! 正義と平和〜


「あは……」

 間の抜けた笑い声が口から漏れる。
 それは別にもはや吸血鬼とは言い難い“化物”二匹と相対したからではない。
 いや、それはそれで驚愕に値するんですだけど……。

(……わたし、本当に人間やめちゃったのね)
 
 今まで幾度と無く思い知らされたことだったが、今度こそ確信した。
 秒速数`と言う弾速よろしくのスピードで空を駆け、その勢いをまったく殺さずに地面に激突。
 なのに痛みは無い。さすがに衝撃は激しかったけど、それは痛みとはまた違う。
 これはもう笑うしかないでしょう。だから笑いました。
 
 この心の嘆きの痛みに比べれば、9パラの雨なんて――――
 
「セラス・ヴィクトリア。―――これより吸血鬼殲滅のための攻撃行動に移ります」

 形式的な文句。誰も聞いてない独り言。言い終えると同時に、わたしは地を蹴った。
 降り注ぐ銃弾を紙一重のところでかわしながら、手に持つ13.7mmフルオートライフル、『ロング・
ホーン・ワッターズ』を標的に向けて構える。そしてそこで気付く。

「―――ここ、ちょっと狭い……」

 回避行動を取りながらの射撃は不可能だ。撃ったら撃たれる。
 特殊弾でなければ当たってもさして影響は無いんだけど……それは分の悪い賭けだ。
 ―――接近戦しかないデスね。嫌だなあ。
 わたしはチラリ、と瞳を蝙蝠吸血鬼からサソリマンに移すと、小さく嘆息。
 銃弾の雨の中を縫うように駆け抜けた。

280 :人形使いナハツェーラー ◆.MhXHETARE :02/11/12 18:47
>279
<イノヴェルチ本部>
 
『おい、だが、キメラヴァンプも同じだろ、流水に弱いのは』
 
 得心のいかないウピエルはナハツェーラーに再度、問う。
 
「私がその程度、気づかないと思ったかね? だから、蠍と蝙蝠なのだ」
 
 ――地は蠍で標的を釘づけにし
 
 ――空は蝙蝠が流水に関係なく、縦横無尽に駆け巡る
 
「ふっふっふっ、これぞ、適材適所だと思わないかね?」

281 :スコーピオンヴァンプ、バットヴァンプ:02/11/12 18:49
>280
<○○ダム>
 
「馬鹿な娘ね、5分刻みに引き裂いてやるわ!」
 
 スコーピオンヴァンプはセラスを突進してくる見据え、嘲笑する。
 
 ―――スコーピオンヴァンプは我慢ならない。
     目の前の如何にも、半人前を絵に描いたような物が自分と同じ超越者たる吸血鬼などと。
 
 ―――スコーピオンヴァンプは自負がある。
     自分こそが選ばれし者、適格者『Vチューンド』であると。
 
 背後のバットヴァンプが銃弾の雨をセラスに降らせる中、スコーピオンヴァンプは大きく首を振った。
 勢いのついた鋏が死神の鎌となり、セラスを迎え撃つ―――!

282 :セラス・ヴィクトリア ◆g4BCFhuKeI :02/11/12 19:09
>280>281 セラス・ヴィクトリアvsキメラヴァンプ  〜倒せ! 悪の野望。守れ! 正義と平和〜

 どくり。
 一歩足を踏み締めるごとに、心臓の鼓動が高鳴っていく。
 ―――落ち着いて……。
 自分の心に、自分の血に言い聞かせる。
 “この程度”の相手なら、自我を保ったままでも倒せる―――!!
 
「あああああああああああああああ!!」

 裂帛の気合いを込めて、夜空に咆吼を響かせる。
 同時、低く……限りなく低く跳躍。
 地面すれすれを跳びながら、サソリマンに――――銃弾が邪魔ぁッ!

 目はサソリマンの鋏を睨み据えたまま、左手を翻す。
 動きは一瞬。腰の鞘から抜き様に投擲された抗不死ナイフが、蝙蝠吸血鬼の頭部に深々と突き立った。
 これで死ぬとは思っていません。が、銃弾は止んだ。
 時間稼ぎとしては上々の結果と言えるはず!
 そして!
 
 極限まで研ぎ澄まされたサソリマンの二つの刃が妖しく煌めく。
 恐怖を覚える程に美麗なその刃も、今のわたしから見ると――――
 
 どくり。
 ……くく。
 無意識に唇を舐めてしまう。
 
 繰り出された鋏が頭上を紙一重で通り過ぎる。数本の金髪が、夜風に舞った。
 わたしは攻撃が避けれたことを本能的に悟ると、一気に身体を起こし、ライフルの銃口をサソリマンの
胸に突き当てる。
 躊躇……そんな言葉を思い付いた。思い付いた時には、既に引金は引かれ、サソリマンは13.7mmの特殊
改造弾の零距離フルオート射撃を全身に浴びていた。

283 :スコーピオンヴァンプ、バットヴァンプ:02/11/12 19:27
>282
<○○ダム>
 
 キ ヒ ャ ア ァ ァ ァ ァ ッ ! ! !
 
 夜のダムに木霊する怪人の絶叫。
 バットヴァンプの頭に深く深く突き刺さっていた。
 
 パ パ パ パ パ パ パ パ パ パ パ パ パ パ ン――――ク ギ ャ ァ ッ !
 
 セラスの零距離でのフルオート射撃――そして、苦悶の叫びを上げるスコーピオンヴァンプ。
 
 
 激痛で揺らめく視界の中、バットヴァンプは考える。
 
 だが、今こそ、最大のチャンスではないかと?
 今、標的はスコーピオンヴァンプに注意が向いている。
 隙だらけだ、此処からダムの湖面に蹴り落としてやれば、一溜りもないじゃねえか?
 もっとも、そうするとスコーピオンヴァンプも巻き込むことになるが―――
 
 かまいやしねえ。
 アレは自分がEXグレードのキメラヴァンプだからとつくづくオレを見下してやがったからな。
 寧ろ、邪魔者も消えて、清々する。
 それに手柄を独り占め出来る。
 
 なんだ、なんだ、いいこと尽くめじゃねえか――――!
 
 
 その後のバットヴァンプの動きは早かった。
 翼をはためかせ、一気にセラスとスコーピオンヴァンプに飛翔する!
 そして、繰り出されるキック。
 その衝撃はセラスとスコーピオンヴァンプをダムの湖面へ、死へと突き落とすには十分な威力!!

284 :セラス・ヴィクトリア ◆g4BCFhuKeI :02/11/12 20:02
>283 セラス・ヴィクトリアvsキメラヴァンプ  〜倒せ! 悪の野望。守れ! 正義と平和〜

「あ――――」

 衝撃。ふわりと身体が浮かび、
 そして、
 ――――落ちる。
 
 サソリマン――よく見るとサソリウーマンでした――と抱き合うように、湖面に向けて真っ逆様に。
 流水。
 滾っていた血が急速に冷めていくのが分かる。
 拙い。それは、拙い。
 し、死んじゃう……。
 
 生きよう。生き足掻こう。でもどうやって!? 
 舞空術、トベルーラー、レイ・ブン、ミノフスキードライブ。
 わたし、全部使えませんよ!?
 
「いやあ! マスター! ヘルプ! ヘルプわたし!」

 しかしもちろん返事は無い。
 ―――死ぬ。
 冗談でも無ければ揶揄でも無く、流水に身を落とせば全身は灰と化す。
 ―――死ぬ。
 それは、嫌デス。
 
 だから、わたしは鳴らした。
 喉を。
 
 
 
 ぐるるる。

285 :セラス・ヴィクトリア ◆g4BCFhuKeI :02/11/12 20:03
>283>284 セラス・ヴィクトリアvsキメラヴァンプ  〜倒せ! 悪の野望。守れ! 正義と平和〜

 シュア、と口から吐息を漏らす。冷め切った血が瞬時に沸点ギリギリまで熱く……熱く!
 
「クゥアアアアア―――!!」

 牙を剥き、真紅の瞳を一段と激しく燃え上がらせての雄叫び。
 無駄にでかいサソリ……ウーマンの身体を下に回し、彼女の着水と同時に彼女の胸を蹴り上げた。
 眼下に広がる水、水、水。見ているだけで灰になってしまいそうな程の水尽くし。
 身体は重力に引かれて落ち、片端が水面に触れる。
 
「あっついいっ!」

 じゅう、と音を立てて足の裏が灼けた。思わず足を引っ込める。
 代わりに逆の足を水面につけ、バランスを――――
 
「ぎゃあ!」

 こっちも灼けた。代わりに逆の足を―――「だから熱い!」
 灼けた。だから、代わりに―――「いやあああっ!」
 またまた灼けた。だから――――
 
「あれ?」

 右足が水に沈む前に、左足を前に一歩。左足が沈む前に右足を前に一歩。右足が水に――――
 
「あ、歩ける……!?」

 いや、もはやこれは爆走の領域。水柱を撒き散らしながらわたしは水上を駆け抜ける。
 凄い……。
 ――――これがノーライフキングの継嗣の力――――
 違う、と聞き慣れた声が頭の中に響いたりもしますが、それはそれ、これはこれ。 

286 :バットヴァンプ:02/11/12 20:26
「あ―――――?」
 
 ソレは酷く間の抜けた声。
 いや、バットヴァンプが茫然自失としても仕方のないことだったのかもしれない。
 
 ――――セラスは湖面を走っていた 
 
 ありえない現象、あってはいけない事実、しかし、これは紛れもない真実なのだ。
 
「く、くそっ―――、しかし、走れる距離は15メートルまでのはずだ!」
 
 同じく湖面を走る中国拳法の達人も15メートルまでと断言したことから、バットヴァンプも、セラスの限界は15メートルだと断じた。
 
 何の事はない、それまでに標的を仕留めればいいだけのこと――――
 何も、問題は、無い、とバットヴァンプはほくそえむ。
 
 そう、バットヴァンプには奥の手があった。
 それはまさに必殺技と呼ぶべき代物、かのヴァンパイア三銃士、ウピエルの必殺技をバットヴァンプは修練の末にマスターしていた!
 
「こぉぉぉぉぉぉぉぉぉ――――!」
 
 バットヴァンプは喉を鳴らす。
 そして、バットヴァンプの口から吐き出される破壊の波―――  超  音  波  !  !
 圧倒的な破壊の波がセラスを襲う!!!
 
 一方、そのころ―――
 
<イノヴェルチ本部>
『超音波は関係ねえだろ、超音波は――――!』
 
 ウピエルが愛銃、スクリーミングバンシーを片手にイノヴェルチ本部で大暴れしていた―――
 まあ、それは又、別の話である。

287 :セラス・ヴィクトリア ◆g4BCFhuKeI :02/11/12 20:49
>286 セラス・ヴィクトリアvsキメラヴァンプ  〜倒せ! 悪の野望。守れ! 正義と平和〜

「ああっ!」

 水面を蹴って跳躍。ダムの壁面に縋り付くと、二本足で駆け上がる。
 
 わたしだって何も考え無しに駆け回っていたわけではない。
 何しろ灼けた鉄板の上を疾走しているのと同じなのだ。
 そんな灼熱地獄、一秒でも早く抜け出したい。
 なれば、この行動は見当外れとは言えないはずです。
 
 ……ざわり。
 背後の水面が静かに波打った。
 
「な、なに……?」
 
 背中に寒いものを感じつつ、遥か前方、ダムの上にいるはずの蝙蝠吸血鬼に目を向けた。
 何も変わったところは無い。
 無いけど――――
 
「―――ッ!?」

 不可視の衝撃波が全身に襲いかかる。あ、頭が……な、なんなの、コレ……!?
 バランスが取れない。壁から足が離れ落ちてしまいそうだ。
 
「ク、―――あ――――」

 ギリッ、歯を噛み締める。ここで落ちたら、ここで負けたら、その後はどうなる!?
 落ちられない。負けられない。わたしは、わたしは―――ッ!! 
 
 右腕を、ライフルを、銃口を、天へと掲げる。銃爪は引かれ、弾丸は放たれる。その数僅か三発。
 しかし何の狂いも無く蝙蝠吸血鬼を貫くでしょう。だって、わたしは、わたしは――――。 

288 :シーザー・アントニオ・ツェペリ(M):02/11/12 20:55
シーザー・ツェペリvsミカエル・ラージネスvs漆黒の王子
『ただ、尊厳の為に』
>219
 
「お」
 
 迸る。止められない。
 奴は炎に油を注いだ。そんなに死にたいのか腐れ外道。
 ならいいだろう。
 お前を、骨も残さず、滅ぼしてやる。
 
「おおおおおおおおおッ!!」
 
 赤い液体を顔に浴びつつ、振り返らず前へ進む。
 あの傷で彼女が助かるかどうかは―――今のままでは、五分五分だ。
 万全な状態で『波紋』による治療さえ出来れば、確立は上昇する。
 一刻も早く、奴を倒さねば!
 
「きさまは! きさまだけは―――」
 
 石鹸水の飛沫が描く、腕の軌道。
 それは、輝く残像として空に刻まれた。
 
「おれが片付ける! 片をつけなきゃあ―――気が済まないッ!!」
 
 殆ど激情に任せたままなのか。
 シーザーは、シャボン玉を出鱈目に送り出す。
 
「食らえ、シャボン・ランチャ――――ッ!!」

289 :バットヴァンプ:02/11/12 21:38
>287
 パン! パン! パン!
 
 3発の銃声。
 セラスの決死の弾丸は見事にバットヴァンプの心臓を貫いた。
 足をもがれようが、脳を吹き飛ばされようが、再生してしまう怪物も、その不死の源である心臓を破壊されてはひとたまりもない。
 
「ギヒャァァァァァッ―――――!」
 
 最後に一際、甲高い断末魔の叫びを上げ、バットヴァンプは絶命した。
 その呪われた身体は灰に還っていく――――

290 :ミカエル=ラージネス(M):02/11/12 22:26
シーザー・ツェペリvsミカエル・ラージネスvs漆黒の王子
『ただ、尊厳の為に』
>219

 振う剣は少女を紙のように切り裂いた。
 だが、ミカエルは剣を止めない。
 そのまま、大剣が振りぬかれた。

 一閃。

 虚空を薙ぐ剣。
 その剣の軌道状に、霧が切り裂かれる。
 いや、切り裂いたのでは無い。
 見よ、その大剣を。そこに浮き上がる無数の死霊の顔を。
その剣に触れる端から霧は消えていく。

―――――否。

 霧は消されているのではない、魔剣に喰われているのだ。
 それこそがミカエルの持つ魔剣の力。
ミカエルが腕を振うごとに、その軌跡に合わせ霧は剣に喰われていく。

291 :セラス・ヴィクトリア ◆g4BCFhuKeI :02/11/12 22:31
セラス・ヴィクトリアvsキメラヴァンプ  
    〜倒せ! 悪の野望。守れ! 正義と平和〜
>289


 蝙蝠吸血鬼の身体が燃え、灰になっていくのが遠目に見える。
 勝った――――。
 英国の平和を、わたしが守ったんだ……。
 ああ、こういうのもなんか……悪く――無いな。
 
 身体という身体から力が抜け落ちていく。
 
 ヴァンパイア・タイプ7。通称“キメラヴァンプ”。
 対吸血鬼戦に特化された吸血鬼二匹を相手にこの戦績。
 悪くは無い、はず―――。
 
 そこでわたしの思考は途切れた。
 身体は透き通る湖面へと真っ逆様。
 
 でも、わたしの顔には……言い知れぬ満足感が、笑みと共に浮かんでいた。

292 :アーカード ◆UOArcardog :02/11/12 22:32
セラス・ヴィクトリアvsキメラヴァンプ  
    〜倒せ! 悪の野望。守れ! 正義と平和〜
>291    
エピローグ

 ――――――だ。―――
 こち―――ド――――
 ―――――――を―――した。
 
 ―――聞こえているか? ―――アーカードだ。
 婦警を回収した。このまま本部に帰還する。
 
 ――ああ、傷は見当たらない。ダムへの被害も皆無だ。
 婦警にしてはなかなかの仕事をやってくれたようだな。
 
 “奴”について?
 ふん、何も、何も掴めんよ。何一つ痕跡は掴めない。
 “らしい”ものは幾つか見つけたが……奴のことだ、トラップかもしれん。
 ―――ああ。
 “もしかしたら”IRAに邪魔しているかもな。
 調べてみよう。イノヴェルチのほうもついでに、な。
 
 今回の件は間違いなくナハツェーラーが噛んでいる。
 毒をダムに投げ込み、大量虐殺をしようなどと考えるヴァンパイアは後にも先にも奴だけだ。
 相応の報いはしてやろうではないか。
 リァノーンとは知らぬ仲でもないからな。
 
 ああ。二時間もすれば付く。婦警は18秒しか掛からなかったらしいがね。
 ……分かっている。切るぞ。――――


                           THE END

293 :人形使いナハツェーラー ◆.MhXHETARE :02/11/12 22:52
「おのれぇぇぇぇぇぇ! 又しても――――!!」
 
 モニターを前に怒声を上げるナハツェーラー。
 無論、周囲はウピエルが暴れた後で惨憺たる様であるのはいうことまでもない。
 
『ふん、だから、姑息な手は通用せんと言った』
 
 背後で冷笑を投げかけるギーラッハ。
 
「やかましい、我が策に欠陥は無かった! 無かったのだ!!」
 
 血管が切れそうな勢いで叫ぶナハツェーラー。
 
『おいおい、爺さん、その辺にしとけよ、心臓に悪いぜ』
 
 先ほど、暴れたことをすっかり忘れたかのように、爽やかな笑みを浮かべるウピエル。
 
「ぐぐぐぐぐぐぐぐ――――!」
 
 言葉に詰まるナハツェーラー。
 そこに響く謎の声―――――
 
 
「もう、老人の時代ではないのだ。これからは私の時代だ!」

294 : ◆.MhXHETARE :02/11/12 22:53
 次回予告!
 イノヴェルチに協力者として現れた謎の組織『インフェルノ』!!
 ナハツェーラー以上の智謀を以って、ヘルシングに挑む『インフェルノ』の策士の影!!!
 
 次回―――――
 
 『ビックベン爆発3秒前! 吸血鬼爆弾の恐怖!!』
 
 来週もお楽しみに!!
                               (続く――――?)

295 :アーカード ◆UOArcardog :02/11/12 22:55
セラス・ヴィクトリアvsキメラヴァンプ  
〜倒せ! 悪の野望。守れ! 正義と平和〜

レス番纏め
>273>274>275>276>277>278>279>280>281
>282>283>284>285>286>287>291>292>293
次回予告>294


――――来い。(ニィィッ

296 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/12 22:58
キリエvsファントム・ドライ 導入

 扉を押し開ける。
 きぃ、と錆びた金具と金具が擦れ合う音。いつ聞いても苛立ちを誘ってくれる。
 
「よう、ファントム。あの娘なら二階にいるぜ」

 店内に顔を見せた途端、カウンター越しにマスターが言葉を投げ掛けてくる。
 顔は向けず、片手を軽くあげて挨拶とすると、あたしは周りを見回した。
 
 ここは旅人達の酒場、<バッフォロー・アイ>。
 田舎町に構えているだけあって西部劇よろしくの風体を持つ、愛すべき馬鹿共の吹き溜まりだ。
 が、いくら田舎町でも昼間から酒場に入り浸る奴ぁ、いねえ。
 
 ―――と思ったら。
 
 ふん、と鼻で笑い、あたしはマスターに顔を向ける。
 
「臭ぇな」
「あん? 何がだよ」

 怪訝な顔をして、マスターが問い返す。
 あたしはそれを無視して、カウンターまで足を運ぶと、チビチビとミルクを啜っている黒尽くめ
の女の横で立ち止まった。

「臭いなあ、あんた。臭すぎる。この臭い、我慢できねえぜ」

 何か言おうとするマスターに冷たい視線を投げて黙らせる。

「此処はな、人間サマ専用なんだ。お宅、この意味分かる?」

 とっと消えろ。さすがのあたしでも、そこまでは言えないね。

297 :キリエ ◆XXUZAIRv9c :02/11/12 22:59
>296 キリエVSドライ
 
 時代遅れを全身で主張しているかのような、場末の酒場。
 西部劇さながらの風体のその店の名は、<バッファロー・アイ>と言ったか。
 その雰囲気に便乗しているかのように、客の姿も時代遅れのガンマンそのものだ。
 まるで時間に置き去りにされたかのように、その酒場はあった。
 
 そんな店のカウンターに、全身黒ずくめの少女が一人。
 黒いブーツ、ニーソックス、黒いワンピースは、右腕が長袖で、左腕は肩からが剥き出しになっている。
 そして鮮やかな漆黒の髪。
 首に巻いたチョーカーからは、無骨な鉄の十字架をぶら下げていた。
 脇に奇妙な取っ手の付いた傘を立てかけながら、コップ一杯のミルクを舐める様に飲んでいた。
 彼女にとって、ミルクの味は血に近い、そうだ。
 
 少女は、名をキリエと言った。
 血を飲み、屍肉を喰らってその命を長らえる狂血病患者――世間一般には吸血鬼の方が通りがいいか。
 発病すると、人間らしい理性も自我も失って血肉を貪るバケモノと化すが故に忌み嫌われる者達。
 忌まわしい病をバラ撒き、それを試練と呼んだ黒衣の者、狂血病の特効薬となるのはその黒衣の者の血。
 それを求めて、キリエは渇いた荒野を渡り歩き続けてきた。
 
 ここに立ち寄ったのも、そんな旅の合間の骨休めにすぎない。
 束の間の休息、だがそれすらもキリエには許されないのか。
 錆びた金属音と共に開け放たれる扉、入ってきた客はマスターと何事か言葉を交わしている。
 声から察するに、まだ年端もいかぬ少女の様だ。
 我関せずと目の前のコップをやっつける事に集中していると、足音がこちらに向かってきた。

298 :キリエ ◆XXUZAIRv9c :02/11/12 22:59
>297続き
 
『臭いなあ、あんた。臭すぎる。この臭い、我慢できねえぜ』
 
 横目で、声を掛けてきた少女を見やる。
 鮮やかな金髪に翠瞳、少女の外見でありながら、それを大きく裏切るプロポーション。
 皮のツナギでその肢体を無理矢理押さえ付けているようにすら見える。
 
 そんな少女からの、あまりに唐突な因縁の付けられ方にとまどいを隠しきれない。
 見たところ、防疫修道会との関係はないと断定してもいい。
 だけど、濃い、そして甘い血の匂いは全身から感じられる。
 たくさん、たくさん殺してきた匂い……。
 
『此処はな、人間サマ専用なんだ。お宅、この意味分かる?』
「……っ!」
(こいつ、私が狂血病だって気付いてる?)
 
 刹那、ホルスターから一挺のリボルバーを半ば反射的に抜きはなって少女の顎下に突き付けていた。
 撃鉄を上げ、後は引き金を絞るだけでいい。
 
「あんた、誰?」
 
 油断なく少女に目を配りながら、隣の傘に手を掛けて引き寄せる。
 取っ手の内側にある引き金に指を掛けながら、じっと少女からの反応を待つ。

299 :以上、自作自演でした。:02/11/12 23:11
セラス・ヴィクトリアvsキメラヴァンプを流し読みして。 
  
>286とか。  
上手い闘争だけれど・・・そこまでネタを入れんでもいいのでは。  
その方がヴェドのいい雰囲気がでたかもかも。  
  
ナハやイノヴェルチは実力ある策士と組織(の予定)なんだし。 
などと感想をぼやいてみたり。

300 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/12 23:19
>297>298 ファントム・ドライvsキリエ

 ――――疾い。
 手がグリップへと飛び、拳銃を引き抜き、セイフティを外して撃鉄を起こす。
 その一連の動作をこの餓鬼は並はずれた速度でやってみせた。
 いやはや疾い。疾いねえ。
 でも、
 
「“常識”を超えた疾さじゃねえなあ、吸血鬼」

 口笛を吹いて、視線を落とす。
 視線の先には銀に輝くオート拳銃、スミス&ウェッソン。少女の胸に突き付けられている。
 そう……胸に。心臓の位置に。一分の狂いも無く。
 
 さて、あたしとこいつ、どちらが疾かったのかな。まあ、それはどうでもいい。
 
「―――馬鹿がっ!」

 一瞬遅れて事態を察したマスターがカウンターの下から散弾銃を取り出し、構えようとする。
 あたしは少女の赤い瞳を見据えたまま「やめろ」と一喝。
 
「ここじゃ場所が悪い。……表に出な」

 言って、あたしはS&Wをくるくると回転させながらホルスターに収めた。
 散弾銃を元の位置に戻したマスターがその言葉を聞き、意外そうに言う。
 
「お、おい……あの娘どうするんだよ?」
「すぐに戻る。いいかてめえ、あいつにチクるんじゃねえぞ。分かってんだろうな」
「あ、ああ……」

 その返事に満足すると、あたしは少女とマスターに背を向け、扉を押し開ける。
 “付いて来な”。背中でそう語りながら。

301 :以上、自作自演でした。:02/11/12 23:35
ネタ闘争マンセー!!
おカタイ雰囲気ぶっとバスタァァァ…ブゥゥゥメラン!(何
次は大アモンvsアンデルSSSSぎぼーん!!

302 :キリエ ◆XXUZAIRv9c :02/11/12 23:44
>300 キリエVSドライ
 
(一体、いつの間に突き付けられてたんだ……)
 
 少女の手捌きが見えなかった事に歯噛みしながら席を立ち、少女の後を追う。
 肩に傘を担ぎ、外で叩きつけられる陽射しを想像してうんざりしながら。
 軋むドアを、片手で押し開ける――――。
 
 乾いた風が渡り、刺すような陽射しが容赦なく降り注ぐ砂地。
 十歩ほどの距離を境に向かい合う二人。
 
「それで、これからどうするの、殺し屋さん?」
 
 吸血鬼である事を見抜かれた意趣返しのつもりで、少女にそう問い掛ける。
 あれほどの血の匂いだ、それ以外には考えられまい。
 もっとも、ただの殺人狂という可能性だってあるわけだが。
 
「あんたの事なんか知らないし、わたしとしては放っておいてもらえるとありがたいんだけど」
 
 と言うよりも、先ほど見せつけられた腕から察するに、あまり戦いたい相手ではない。
 ホルスターに納めた拳銃に手を掛けながら、油断なく問い掛けた。
 傘を持つ手も、その引き金に掛かっている。
 少しでもおかしな動きを見せたら撃つ……その意志を示す事も兼ねて。

303 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/13 00:17
>302 vsキリエ

「殺し屋、ねえ」

 ―――いい天気だあ。太陽を見上げながらあたしは微笑む。
 通りにチラホラと見える人影は、あたしと少女が険悪な――主に険悪なのは向こうで、
その相手があたしだからだろうけど――雰囲気を察知すると、我先にと逃げ帰った。
 流れ弾を怖れ、辺りの家の雨戸という雨戸が一斉に閉じられていく。
 クク。このピリピリとした空気。たまらねえな。
 
「そんなの昔の話さ」

 ただ、その昔の話、経験ってのは意外と役に立つ。
 
「あたしは今まで四人……いや、“四匹”の吸血鬼――あんたのお友達だな――と出会ったことがある」

 笑みを消し、少女の立つ方へと振り向く。吸血鬼、その言葉を口にした瞬間、僅かに町がざわめいた。
 こんな田舎町じゃあ、マイナーなキャラなのかもな。
 
「どいつもクソみてえな野郎だったぜ。……あれは害虫だ。あれこそが害虫だ。……そいつ等は全員死ん
だ。うち三匹はあたしが殺した」

 ディック、チャベス、グランドー、フロスト。
 四人が四人、最高に下衆だった。思い出すだけで吐き気がする。
 
「あんたの雰囲気、臭い。そして―――その赤い、濁った紅の瞳」

 “濁った紅”。吸血鬼特有の血色の瞳。間違えるはずもない。
 
「クソが。最高に嫌な気分だぜ。ヴァンパイアだぁ? ―――死んじまえ」

 人差し指を拳銃に見立て、少女に向けて「ばあん」。口端を吊り上げながら戯けてみせて。 

304 :キリエ ◆XXUZAIRv9c :02/11/13 00:57
>303 キリエVSドライ
 
「赤い……瞳?」
 
 それで気が付いた、いつの間にか自分の瞳が血の凝ったような赤色に染まっている。
 これこそ疑いようもなく自らが狂血病患者――吸血鬼である証。
 だが、何故?
 普段は――意識したり、死の淵に立たない限りは――黒い瞳をしているはずなのだが。
 
 そこで、気が付いた。
 自分の身体が、血の匂いに疼いている事に。
 少女の身体から漂う、拭いがたい血の匂いが、キリエの衝動を優しく愛撫している事に。
 否応なく、吸血鬼の本性が揺さぶられている事に――――。
 
 ――――――ウザい、ウザい、ウザい、ウザいウザいウザい――――――――
 
「ウザいっ!」
 
 衝動に従って銃を抜き放ち、少女へと銃口を向ける。
 引き金に掛かっている指は、すんでの所で押しとどめたが……。
 だが、始まってしまった、今の行為は、明らかな敵意の表明だ。
 こうなっては退くワケにもいくまい。
 
「あんたなんかにゴチャゴチャ言われる筋合いない!」
 
 誰に何と言われようとも、こんなところで立ち止まるわけにはいかないから。
 先に進むために、キリエは少女に銃を向ける。
 
「どいて……どかないんなら、撃つ」

305 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/13 01:26
>304 vsキリエ

「ハッハァ―――ッ!」

 高らかに笑い飛ばす。
 コレだから化物どもは。コレだから吸血鬼どもは――――人間サマに勝てねえんだよ!
 
「先に抜いたなヴァンパイア!」

 トリガーを引かなかったことは誉めてやる。が、それでも愚行に変わりはねえ!
 
 見えない何かに弾かれたかのように横に跳躍。
 身体を倒しながらS&Wを引き抜き、セィフティを外す。
 少女――ドラキュリーナの銃口から伸びる軌跡は未だあたしの身体に辿り着いてはいない。
 遅い、遅いなあ。
 昼にあたしと会ったことを、灰になって悔やむんだね!
 
 何も考えずに突き出した拳銃。リアサイト越しに伺える少女の姿。
 あら不思議、銃口を向けた先には勝手にターゲットがいてくれる。
 先に抜いたのは向こうだ。遠慮をしてやる必要は何処にも無い。
 あたしは躊躇無く引金を三度搾った。
 
 澄み切った青空に響く銃声。熱を帯びて宙を舞う空薬莢。
 
 手を地面に突き、側転の要領で体勢を直すと、あたしは更なる追撃の射撃を開始する。
 一発、二発、三発、四発――――。
 撃ちながら駆けた。
 先には赤錆で染まった軽トラック。銃弾の盾としては上々だ。
 
「身体が熱いだろう! 血が熱いだろう! クハハハハ! あんたも同じだ! 同じクソ野郎だ!」

 銃弾が尽きた。同時、左手で残るもう一丁のS&Wを腰から抜き放ち、撃って撃って撃ちまくる。

306 :以上、自作自演でした。:02/11/13 01:33
ネタ闘争イイ!

307 :キリエ ◆XXUZAIRv9c :02/11/13 02:06
>305 キリエVSドライ
 
 始まった、始まってしまった――――!
 もう止める事も止まる事もできまい……どちらかの死以外では。
 素早く動く少女の動きに、銃口の追尾が遅れた、舌打ちしながらも、切り替えは早い。
 先に撃たれる事を予期して、こちらが撃つ事は諦めた。
 肩に担いでいた傘を振り回してスイッチ、漆黒の翼がキリエの前に姿を現した。
 
 次瞬、その表面に間断なく叩きつけられる銃弾。
 一発、二発、三発、四発、五発、六発、七発――――止まった。
 視線だけを傘の外へと向けてみると、少女は赤茶けた軽トラックの方へと走っていく。
 なるほど、アレを盾にして撃ち合おうという魂胆か。
 
「させるかっ」
 
 傘を折り畳み、自らもまっすぐに軽トラックへと走る。
 新たな銃から降り注ぐ弾幕の雨へとその身を晒しながら。
 腕を、肩を銃弾が掠め、頭髪が舞う、その中で一発の銃弾が左腕を撃ち抜いた。
 
「くぁっ!」
 
 よろめく、が止まるワケにはいかない、痛みをかみ殺してまっすぐに走り続けた。
 少女より先にあのトラックに辿り着かなければ……。
 目の前に軽トラックが迫ってくる、少女より軽く二秒以上先んじていた。
 
「遅いっ!」
 
 地を蹴り、軽快に宙を舞った。
 軽々とトラックの屋根を飛び越え、スカートの裾を翻して縦に一回転しながら向こう側に膝立ちで着地。
 視線を僅か横へ向けると、そこには突如目の前に降ってきたキリエに対して驚愕する少女がいた。
 すかさず、銃口を少女へ向けてトリガーを引き絞り、立て続けに空いた手で撃鉄を弾いた。
 ファニングと呼ばれるリボルバー専用技術で、リボルバーに納められた全弾を一息に少女へと叩き込む!

308 :以上、自作自演でした。:02/11/13 03:00
キリエタンイタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)ゴルァ・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)-_-)=゚ω゚)ノ━━━!!!!

309 :ブラムス:02/11/13 03:38
ほう、このような所に不死者達が集う地があるとはな。
それに……レナスだと?
成る程…ならば私も赴かねばなるまい。
 
出典 :ヴァルキリープロファイル(PSソフト・RPG)
名前 :ブラムス
年齢 :神々と同じ年月を過ごしている…最も、摂理の輪を外れた私には詮無きことだが。
性別 :男
職業 :不死者を統べる者
趣味 :此処に相応しく闘争…とでもしておこうか。
恋人の有無 :・・・・・・・・・(シルメリア……)
好きな異性のタイプ :強き心を持ち、そして…
好きな食べ物 :美女の生き血だ、不死者たる私にとっては当然だな。
最近気になること :神々の動向だ。…オーディンよ、一体何を考えている?
一番苦手なもの :聖なる力には少々手を焼く。
得意な技 :我が五体を駆使しての格闘戦に他ならぬ。
一番の決めゼリフ :レナス、我等の戦いはこのような形で決着すべきものではないはずだ。
将来の夢 :さあな…再び神々の軍勢と雌雄を決するか、あるいは…
ここの住人として一言 :果たして、此処に私の渇きを満たせる程の者がいるのか……
            …まあ良い、期待させてもらおう。
ここの仲間たちに一言 :如何に不死の王なれど、此処では新参…宜しく頼もう。
ここの名無しに一言 :神聖なる戦いを阻む者は滅する…心しておくがいい。


310 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/13 04:02
>307 vsキリエ

 突如、眼前に舞い降りたドラキュリーナ。……なんて迂闊。回り込まれた。
 しかし、あの距離差で先にトラックに辿り着き、あまつさえ飛び越えるとは……。
 
「―――化物め」
 
 吐くように言い捨てる。
 銃口があたしを見据えた。……やばい。
 周囲の地図を頭の中に浮かべるが、銃弾の盾となってくれそうな障害物が見当たらない。
 トラックは遠すぎる。くそっ。
 
 拳銃を両の手から投げ捨てると、ジャケットの襟を掴み取り、派手に脱ぎ放つ。
 そのまま真紅のジャケットをドラキュリーナとあたしの間に投げた。
 風に揺られながらももヒラヒラと重力に引かれる真紅のライダージャケット。
 ジャケットがあたしの視界を阻む。ドラキュリーナが姿を消した。
 
 ―――この一連の行動は時間にして一秒も満たない。
 
 そして次の瞬間、鳴り響く銃声。神速で撃ち込まれる六発の銃弾。
 しかし、そのどれもがあたしに辿り着く前に脱ぎ放ったジャケットに阻まれ、勢いを止める。
 
 貫通した銃弾は無かった。あるはずがない。
 あのジャケットには防弾繊維が縫い込まれている上に、背の部分には軟質素材のプレート入りだ。
 
「くそが! ビビらせやがって!」

 そう叫ぶあたしの姿勢は、身体を横にして地面に倒れ込んでいる。
 未だ宙を揺らぐ真紅のジャケット。あの女の視界の中にあたしはいない。ならばその隙に―――!
 
 両脇のホルスターから抜き放なった二丁の拳銃を両手に構え、ただひたすらに、銃弾が尽きるまでトリガー。
 左手のベレッタM93Rの狙いは少女自身。本命、右手のファイブセブンの狙いは――トラックのガソリンタンク!

311 :キリエ ◆XXUZAIRv9c :02/11/13 04:57
>310 キリエVSドライ
 
「まさか、あんなのでっ!?」
 
 ジャケットが銃弾を絡め取る様を見て、驚愕の声を上げる、自分の傘の事を棚に上げて。
 少女の姿がジャケットに阻まれて視認できない、次は、どう来るのか?
 
 答えは、すぐにやってきた。
 低い弾道を這うように迫ってくる銃弾に気付いたのは、既に回避は間に合わないタイミング。
 こわばる身体を嘲笑うかのように、次々と両足を傷つけ、抉り、貫いていく銃弾。
 
「ぎゃうっ!?」
 
 足元が血の霧に煙り、たまらず転倒して地面を転がる。
 何とか少女の銃弾から身を……と考えた刹那。
 耳に響く金属音、その正体を確かめようとした視線の先には。
 
「なっ……まさかっ!」
 
 弾痕を穿たれた軽トラックのガソリンタンク、それが示す状況は……。
 拙い、拙い、拙い……と認識しても、身体の動きが付いてこれない。
 少しずつ、少しずつ、やけにスローモーな爆炎の華を視認しながら、キリエは吹き飛ばされた。
 身体が爆風と爆炎に嬲られて、地面を為す術なく跳ね転がり続ける。
 全身に絶え間ない熱と衝撃による苦痛が叩きつけられ、感覚は嵐のただ中のような錯乱の極みにあった。
 
「げぁは……っ!」
 
 血を吐く……内臓にまでダメージは及んだらしい。
 足のダメージも立てないほどではないが、決して軽くはない、それでも膝立ちになりながら、銃を抜く。
 目が眩む、息が荒い、気を抜くと意識を失ってしまいそうだ、血が欲しい……。
 
「くそっ、何処に行った……っ!」

312 :以上、自作自演でした。:02/11/13 08:11
>>128
確かに、あれは全て二次創作と作家を馬鹿にしている。
原作者だから我侭に参加者を選ぶのは構わないさ。
だが他の二次創作を乏しめる権利は無い。

>>131
総攻撃はやり過ぎ(ニガワラ

313 :モリガン・アーンスランド ◆7Q4EmpreSs :02/11/13 11:57
オーフェンvsモリガン

>268

巻き上がる粉塵が辺りを覆う。
当然、お互いに目視できる距離はほぼゼロ。
相手が仕掛けてくるとしたら直前まで敵がいた座標へ、と言う事になる。
だから、夢魔は跳んだ。
純粋な跳躍で3メートルほど、「飛んで」更に上空へ――

視界が開けた刹那、爆発。
あっという間に追いつかれた。
爆風に煽られ、炎に足が焼かれる。

「・・・!!」

苦痛に顔を歪める夢魔の身体が、上へと吹き飛び、止まる。
そして、未だ収まらぬ土煙の中の男へと落ち始めた。
風を切る音も無く、加速してゆく。

一刻も早く男の元へ。
その首を、切り落とす為に。

314 :園長(M):02/11/13 16:50
バイクヴァンプvsランスイル
日が沈み、夜となる。
ここ、某学園の寮では、院長が夜の散歩をしていた。
その美貌は月光に彩られ、幻のように森を魔性の物にしていた。
 
爆音が壁の向こう側から響いた。
いつもなら、レースをする少年達だと思い、
院長は放置するはずだったが……。
 
この夜だけは、何かが違っていた。
そう、死臭が立ち込め邪気が寮内へと向かいそうなほどに。
生徒達を守らねばならない、壁を飛び越え、森を抜けようとする異形の前に、
尼僧の装束を纏った院長は立ちはだかった。


315 :バイクヴァンプ(M):02/11/13 16:52
>314
 
「あぁ、ウザってぇな、畜生――――なんでEXグレイドの俺が餓鬼なんぞ攫わなきゃならねぇんだ――――」
 
森の小道に小気味のいい爆音を響かせながら、俺はぼやいた。
選ばれしエリート様だぞ、俺は?
それが何が悲しくて餓鬼の拉致なんぞしなきゃなんねぇんだ・・・・・・・
まぁ、多少のお目こぼしはしてもらわなきゃなぁ・・・・・・・
 
俺は餓鬼どもの新鮮で青臭い血の香りを思い描き、暗い笑いを浮かべる。
その時、俺の前に尼服の女が立っているのに気づく。
女の目の前でバイクを止めると、静かに対峙する。
いい女だ―――――思わず喉首にむしゃぶりつきたくなるくらいになぁ!!
 
「いい夜だな、シスター。こんな夜更けにお散歩かい?一人は危ないぜぇ・・・・・・・
 俺と一緒にドライブでもしねぇかい?」
 
かけていたサングラスを外し、赤い瞳で睨み付ける。
さぁ、その白い喉を俺に差し出してくれ。
俺に赤い血を差し出してくれ。
 

316 :園長(M):02/11/13 16:58
バイクヴァンプvsランスイル
>315
 
院長であり、園長である尼僧は赤い眼をした男に言う。
「深夜のご面会はご遠慮願います。
 そう、人以外の方は特に」
 
静かに、憂いも怯えも何の感情も篭っていないかのように園長は言う。
微かに、風が吹いた。
 
森の奥からちらちらと小さな何かが空を飛ぶ。
猫の首だけが、蝙蝠の翼を生やして。


317 :バイクヴァンプ(M):02/11/13 17:03
>316
 
ひゅう♪
口笛を吹く。まさか、魅了が効かねぇとはねぇ・・・・・・
 
「つうことは、あんたも化け物ってわけかい!!たまげたねぇ!!
 こっちにも事情っつうもんがあってなぁ、帰るわけにはいかねぇんでな」
 
そう言い放ち、女目掛けて襲い掛かる。
着ていた黒いコートは弾けとび、その姿はもはや一個の魔獣。
機械と獣と人とが融合した最新のキメラヴァンプ。
バイクヴァンプの姿が其処にあった。
 
右の鉤爪が尼僧を引き裂かんと振り下ろされる。
ブン、とそれは風を斬った。

318 :園長(M):02/11/13 17:19
バイクヴァンプvsランスイル
>317
颶風。
尼僧の頭巾が、衣服が鉤爪によってより淫らに引き裂かれる。
原型をとどめ、胸元が、首筋があらわになる。
その白い肌は月光によってより引き立ち園長の髪が夜風に舞う。
 
「お帰りいただけなければ……、消えていただきます」
尼僧の言と同時に、猫の首のような蝙蝠たちが魔獣の元へ殺到する。

319 :バイクヴァンプ(M):02/11/13 17:25
>318
 
風を斬った鉤爪が頭巾を、僧服を切り裂く。
豊満な胸が大気にさらされる。
思わず牙を押し込みたくなるじゃねぇか!そそるねぇ!!
 
だが、尼僧は慌てることなく後方に下がる。
何しでかしやがる?
そう思った俺の耳に妙な音が聞こえる。
見上げると、そこには猫と蝙蝠のゴッチャになったような獣が舞っていた。
尼僧の指図にいっせいに襲い掛かってくる。
 
「俺を倒そうってか、このサンピンどもが!ウゼェよ!!」
 
左腕にタイヤを装着、筋肉と接続させる。
さぁ、ミンチにしてやるぜ、この糞どもが!
宙を舞う獣どもめがけ、そのタイヤを放り投げた。

320 :ランスイル(M):02/11/13 17:25
>318続き
 
園長は背中から髪をおろし、
撃ち落される蝙蝠たちを微かに悼みながらおのれの本性を出す。
 
それはマレーシアの魔。
出産の際に命を落とした女性が、
死後、その怨念により悪霊と化したもの。
緑のマントをまとい、尖った爪を持ち、長い髪をした白衣の美女。
首の後ろにもう一つの口があり、それで幼児の血を吸う。
彼女の長い髪をその口に詰め込むと人と見分けがつかなくなるという。
 
その種の名はランスイル。
ランスイルは飛翔し、無音の領域から異形と化した手の爪を幾度も翻す。
 
己の守りたい生徒達の為に、血に狂う魔獣を打ち倒さんと。

321 :ランスイル(M):02/11/13 17:28
>320は>319へのレスよ…。

322 :バイクヴァンプ(M):02/11/13 17:41
>320
 
宙に舞った糞どもが唯の肉塊になり、地面に落ちる。
糞は糞らしく、さっさと糞溜めに落ちやがれ。
 
あらかた掃除をし終わり、尼僧に向き直る。
そこには、一個の吸血姫の姿があった。
黒髪を垂らし、刀のごとくに伸びた鉤爪を振るう尼僧。
いいぜいいぜいいぜいいぜ!
最ッ高にハイって奴だ!!
 
だが甘い甘い甘い甘い甘い!!
そんな蚊の止まるようなスピードで振ったって当たるかよ――――
鉤爪の閃光を掻い潜り、懐近くまで潜り込む。
 
「Give Meeeeeeeeeeee Your Blooooooooooooood!!!」
 
その腹に叩き込まんと、鉤爪をレイピアの如くに突き込んだ。

323 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/13 17:49
>311 vsキリエ

 パチパチ、と割れる音を立てながら飛び散る火の粉。
 四方に撒き散らされた破片と飛び火。
 そして、窓という窓から、穴という穴から火を噴くトラック。
 
 あたしはそれを横目で確認すると、小さく嘆息した。
 
「はぁ……まずったね……」

 少し派手にやりすぎた。
 あのトラック、あんなにボロでも一応は現役だったんだ。弁償しなくちゃならない。
 どうしよう。金ねえよ。
 
 あたしは今、爆破したトラックの脇にある駐車小屋の中で、木の板の壁を背にして息を
潜めていた。
 傷は無い。逆にあの餓鬼は重傷。
 人間代表のキャル・ディヴェンスが吸血鬼を圧倒しているというわけだ。
 
 二丁の拳銃のマガジンを落とし、新たな弾倉を装填する。
 いつも六丁からなる拳銃を持ち歩いているあたしだけど、今はこの二つが無くなれば、
あとはデリンジャーしかない。ジャケットの裏地に二丁が隠してあったんだ。
 まあ、あんな死に損ない。これで充分だとは思うけど。
 
「さて……どうしよう」

 トンズラするか、とどめを刺すか。 

324 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/13 17:50
>311>323 vsキリエ

 殺すことに躊躇は無い。吸血鬼は勿論、人だって必要とあらば殺してみせる。
 だが、あたしの眼に写るはまだ年端も行かぬ少女。至るところから血を流し、地を這い
ずり回っている。
 
 十三、四と行ったところか……。
 ―――あいつと同じぐらいだな。
 
 それがまた後味の悪さを大きくさせている。
 だけど――――。
 
 あの頃を思い返す。
 
 
    ―――リズィ、泣いているのか? どうして……?
    ああ、そいつのことなら話に聞いたことはあるけど……。
    なんだよ、所詮は裏切り者だろう?
    あんたが引導を渡してやったんじゃねえのかよ。なのに何で泣くの?
 
 悲しみ。
 
    
    ―――あんた父親だろう!? なんで、何で守ってやれなかったんだよ!
    許せねえ……まだガキじゃねえか。なのに……こんな……。
    てめえ! それでも父親か! 親が……親が娘に銃を向けるのかよ!
    この娘が何かやったのか? なあ! 全部てめえのせいだろう!
    
 怒り。
 
 駄目だ……。首を横に振る。“あいつ等”を生かしておくわけにはいかねえ。
 あたしは意を決すると立ち上がり、小屋の外へと足を運ぶ。少女の眼前へと足を運ぶ。

325 :ランスイル(M):02/11/13 17:54
バイクヴァンプvsランスイル
>322
閃。
 
唸る鉤爪がランスイルの爪を掻い潜り、レイピアの如く突き込まれる。
もう片方の爪によって辛くも凌ぐが浅く、甘い血の香が夜の闇に広がる。
 
衣服が裂け、胸元が更に露になる。
血潮が胸を、腹を伝い欲情を誘う川となる。
「私は……。陽気になるといけないんです。
 だって、ほら。
 こんなに本性が出ちゃうから」
 
ランスイルの微笑と共に腕の異形の具合がいや増してくる。
豪腕とも言うべき巨大な腕で魔獣を殴りつける。
そして、正しく空へ飛び、落下の勢いと神速とも言うべき突きを繰り出す。

326 :バイクヴァンプ(M):02/11/13 18:03
>325
 
突きは避わされたが、軽くは抉れた。
爪の先にこびり付いた血を舐める。
甘い女の血が舌全体に広がる。特に吸血鬼の女の血は最高って話は、
本当だったわけだ。もっと、もっと俺にその血をよこせ!
 
しかし、その考えは横合いから最高の角度で殴りつけられ、中断する。
見れば吸血姫の腕はまさに丸太の如く膨れ上がっている。
吹き飛ばされた俺は怒りの唸り声を上げると、
突き出される突きを紙一重の差で避け続ける。
 
だが、その身にはかわしきれなかった突きが、
小さい傷となって残る。体から命の源が流れていく。
早く、早く取り戻さねば。あの紅い、甘い血を取り込まねば――――
 
樹を蹴り、宙高く跳ぶ。吸血姫に対し鉤爪を振るいながら、
左手に繋げし車輪を放つ。
高速に回転する車輪は轢き潰す肉体を求め、宙を滑空した。

327 :アルカード(M) ◆alucaRdfFU :02/11/13 18:54
アルカードvsストレイツォ 『容赦なき戦い』
>241  
 
 大股で歩く。 
 転がる死体を踏み潰し、地に伏す人々を踏み潰し、並ぶ椅子をテーブルを踏み潰し。 
 人の波を手で薙ぎ、足で払い、銃で弾き、歩く。 
 悲鳴が絶叫に変わり、絶叫が途絶えた頃。 
 ようやく赤の吸血鬼はレストランへ足を踏み入れていた。 
 
 肩に長物を置くと、ポンポンと跳ねさせる。 
 楽しそうに歪む目線の先、そこには地を啜りようやく立ち上がる一匹の化物がいた。 
 散々ぶち壊し、砕き、引き千切ったが何とも元気そうで。 
 知らず、アルカードの口が吊り上がった。 
  
「生物。へぇ、そいつは初耳だ」 
 
 蹴りを避けるでなく、また、受ける。 
 だが今度は顔面でなく腕が、それを固く握りしめていた。 
 
「てっきり、俺はとっくに死んでると思ったぜ」 
 
 右腕に力が籠もる。 
 吸血鬼の膂力が吸血鬼を持ち上げ、歪なハンマーのように振り上げた。 
 そして、振り下ろす。 
 
「なぁ、吸血鬼(ノーライフキング)」

328 :ストレイツォ:02/11/13 20:06
アルカードvsストレイツォ 『容赦なき戦い』
>327

砕けたテーブルと砕けた料理と砕けた皿と砕けた死体の上に、ストレイツォは叩き付けられた。
料理の肉片と人間の肉片とが飛び散り、床に壁にべったりとへばりついた。
背中を強く床にぶつけられ、肺は悲鳴をあげた。
 
「GUHAAAAAAAAAAA!!」
 
咳と吐息を同時に漏らしながらも、倒れた状態からさらに蹴りを放つストレイツォ。
その反動で跳躍、反転。態勢を立て直し、同時に距離を取った。
 
「否! 今こそ私は生きているのだ!!」
 
言いながら、わずかに首を傾ける。
その目が罅割れを起こし、いかなるものをも切り裂く体液を発射する。
 
「この若さ! この強さ! 
 老いさらばえて朽ちた肉体よりも遥かに生きている充実感があるぞッ!!」
 
ストレイツォの言葉とともに、体液はアルカードの脳と心臓、両方を貫こうと迫る。

329 :以上、自作自演でした。:02/11/13 20:21
ゴ マ ス リ を 晒 す ぜ 〜 ♪

ttp://jbbs.shitaraba.com/movie/bbs/read.cgi?BBS=1470&KEY=1034878982&START=85

330 :漆黒の王子(M):02/11/13 22:29
シーザー・ツェペリvsミカエル・ラージネスvs漆黒の王子
『ただ、尊厳の為に』
>288>290
シャボンの軌跡が室内を包む。
されど霧には通じず、室内は幻想の世界へと更に歩を進めてゆく。
 
が、その幻想を打ち破るものがあった。
剣士の大剣が振りぬかれる度に霧が薄れる。
 
城主は内心焦りを浮かべる。
もし、肉体のままであったならば大剣の魔力などどうにでも出来た筈だと。
だが、肉体を持ったままならば拳士のシャボンにて致命傷を負う事は必至。
このままでは眷族を増やす事すら出来ずに、
滅びる事を恐れた城主は霧のままでもう一つの策を実行する。
即ち、謁見の間の床をすべて壊すと。
古き城ゆえに外敵に対する備えとしてあった策。
 
“いささか惜しいがな……”
霧のままで呟いた後、間髪いれずに床が尽く崩れ、
階下へと部屋にいた者達を叩き落とさんとする。
重傷を負った少女は恐らく、
この崩落によって息絶えるかもしれぬ程に地へと、
叩きつけられようとしていた。
 
「来たれ、夜の子らよ汝らの狩りの時間だ」
崩落と同時に城主はおのれの魔力で虜とした野犬、狼の群を招集する。
崩れ去った広間から獣の群が次々に戦士達に襲いかかる。

331 :ランスイル(M):02/11/13 22:37
バイクヴァンプvsランスイル
>326
紙一重で突きは避けられる。
ならば、避けられないまでに追い詰めるとばかりに連続で、
腕の大きさを変えながら爪を突きこむ。
 
思ったよりも長引いてしまっている。
ランスイルはつくづくそう思った。
使い魔を動かした時点で信頼できる生徒、
いや聖女と神父二人に頼み生徒達を無事に逃がすか、
救援に来てもらうという手もあったが、
一人は問題ないが、出来うる限りもう一人―――――天堂裂、
真祖とも言うべき存在の力は借りたくなかった。
 
ランスイルは上司の言葉を思い出す。
『彼はね、まだ目覚めていないんだ』
悪魔祓いを行う吸血鬼、境界の者として向こう側のものと戦える者として
かの者達の力は借りるべきではないと判断した。
 
迫る車輪を剛力により、先の車輪で切り落とされた木を縦にぶつけ凌ぐ。
「空中では私の方に分があるようですね、いざ……」 
 
そして、裂ける木々を渡り、
魔獣へと刀の如き爪を閃かせて突き入れようとする。

332 :キリエ ◆XXUZAIRv9c :02/11/14 05:10
>323>324 キリエVSドライ
 
 悠然と、物陰から姿を現した少女。
 勝利の手応えを掴んでいるのだろう、歩み寄ってくる様には決然とした態度が見てとれる。
 トドメを、刺そうというのだろう。
 
 膝立ちのまま、少女を朱い瞳で睨み付ける。
 明らかに劣勢、このまま撃ち合ったとしても不利は否めない。
 リボルバーとオートでは、装弾数、装弾の手間などが段違いだ。
 ましてや向こうは無傷、こちらは半死半生。
 勝てる要素など何処にもない、けど……。
 
(あいつが言ったんだ、答えを示すために生きろって……!)
 
 狂血病という、恐怖と狂気と血の渇望と戦い続けて、負けた人たち。
 託された絶望と――――――希望。
 希望を手にするためには、黒衣の者に辿り着いて、その心臓から搾られた血を手に入れるしかない。
 それのみが、狂血病の特効薬たり得るのだ。
 
 渇きに負けて母親に牙を剥き、射殺された少年。
 渇きと戦い続けて、キリエの為に、自分にはない明日の、希望の為に死を選んだ少年。
 託されたモノ……希望を掴むために、悲劇を終わりにするために、まだ、死ねない――――。
 
 立ち上がり、両足を踏みしめて、両手に一挺ずつ、しっかと銃を握った。
 抗議の悲鳴を上げる腕を無視して、銃口を少女へと向ける。
 
「わたしは……戦うっ」
 
 トリガー。

333 :以上、自作自演でした。:02/11/14 10:58
ダイ・アモン!
アーカード!
アルトルージュ!赤!
留!
機械式!

君等の公開討論を希望する!
他はチョンばかりで話にならん。

334 :以上、自作自演でした。:02/11/14 11:06
紅丸は?

335 :以上、自作自演でした。:02/11/14 11:55
橙が入っていないのは何故か。

336 :以上、自作自演でした。:02/11/14 11:55
スマソ。なんでもない。

337 :アルカード(M) ◆alucaRdfFU :02/11/14 14:12
アルカードvsストレイツォ 『容赦なき戦い』
>328  
 
「ハッ――――――――――――」 
 
 風穴。 
 風穴が開く。 
 一つは胸に、一つは頭に。 
 顔面の半分を抉り取られ、胸元からは鮮血が華と咲く。 
 
「ハハ、ハハハッ、ハハハハハッ!」 
 
 欠けた顔は、血と脂肪を垂らしながら、欠けた口で、嗤う。 
 赤と白とを流しつつ、嗤い、走り、再び徒手を翳した。 
 
「ハハ、なら、俺がもう一度殺してやるさ」 
 
 己が血と返り血と、赤のコートと赤の帽子と、 
 すべてが赤い吸血鬼は赤の瞳へ鈍い光を宿し、死の使いとなる。 
 先駆たる白の腕は、無造作に指を揃え"刃"を成す。 
 
「なぁ、人生の走馬燈は楽しんだかい。楽しんだよな、これだけ派手にやったんだ」 
 
 後で怒られるのは俺なんだ、何とも割に合わないね。小さく呟きつつ。 
 刃は、放たれた。 
 弦を引き絞った弓から矢が飛び出すかのように。 
 
「それじゃあ、さようなら」

338 :以上、自作自演でした。:02/11/14 16:34
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1036510350/269
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1036510350/270
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1036510350/271
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1036510350/272
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1036510350/299
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1036510350/312
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1036510350/329
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1036510350/333
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1036510350/334
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1036510350/335
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1036510350/269
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1036510350/336

 留 蔵 自 作 自 演 必 死 だ な ( ワ ラ

339 :以上、自作自演でした。:02/11/14 17:49
順不同でリストラ要員をピックアップ。
相手が古参だろうが首脳部だろうがはっきり言うべきだ。
おまいらは(・∀・)カエレ!!と・・・
 
ストジャケ・ラグナロク・都市・ブギポの連中、黒岩、ダグバ、ライダー全部、オーフェン、
シグマ、アリーマー、奈津子、ベニー、マルチ、ロゼット、玲二、スプリガン、タバサ、タオロー、
鈴鹿、ダンテ、エミリオ、アテナ、ジャッジデス、夜が来るの香具師、ナオミ、荒木、鰤、初音、
横島、シグモンド、耕一・千鶴、モリガン

340 :以上、自作自演でした。:02/11/14 18:20
>>339
えぇ〜てゆっかぁでもぉ〜○○ちゃんイイコだしぃ〜切りたくないしぃ〜

341 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/14 18:52
>332 vsキリエ

 向けられた二つの銃口。その奧で輝く赫い双眸。
 くく―――喉から嗤いが漏れた。
 ――――ヌルい眼光だなあ、お嬢ちゃん。
 心地よい怒りの衝動。全てを捨てて、それに身を委ねたくなる。
 ふつふつ、と血が滾っていくのが分かる。
 口元に笑み。見開かれた翡翠の瞳。狂気が張り付いて離れない。
 コレだ―――。
 これが、あたしだ。
 
 剥き出しの肩に触れる風。それが滾った血を冷ましてくれる―――はずは無かった。
 
 少女の拳銃の引き金が絞られる。銃口を構え、狙いを定めてトリガー。
 遅い、遅いんだよ―――出会ったときのあの疾さはどこに行っちまったんだい?
 一歩前に踏み出す。腰を動かし、身体を少女に向けて直角に向ける。
 銃弾が鼻先と背中を掠めた。
 同時、突き出した左手に握られている拳銃が火を噴く。
 M93Rの三点バースト。9ミリの銃弾三発は余すこと無く少女の腹部を貫いた。
 
「……これくらいじゃ、“あんた等”は死ねない」

 薄い笑みを浮かべながらトリガー。更に腹部に三発。少女が血を吐きながら地面に倒れ込む。
 ―――まだまだ。
 倒れた女吸血鬼に右手のファイブセブンの追い打ち。
 5.7x28mm――ライフル弾よろしくの鋭い銃弾が、並の拳銃弾の倍速で少女を抉る。抉る抉る。
 腕を穿つ。足を穿つ。その度に少女は甲高い悲鳴をあげる。五月蠅ぇよ。

「苦しいよなあ。痛いよなあ。……ククッ――クハハハッ! でも何でだろう。最高の気分だ。
憎しみが晴れていく。もっと、もっと―――あんたを殺したい」

 急所という急所を除き、少女の身体に満遍なく鉛玉を撃ち込み続けながら、あたしは進軍する。

342 :キリエ ◆XXUZAIRv9c :02/11/14 19:32
>341 キリエVSドライ
 
「げふ……ぎゃっ!……ごふぁっ!」
 
 次々と、次々と次々と次々と浴びせかけられる銃弾。
 腹を腕を足を四肢を慈悲なく容赦なく満遍なく抉り尽くす。
 穿たれる穴からは止めどなく血が流れ、意識に霞が掛かりだす。
 いくら吸血鬼といえども、このダメージは拙い。
 
 だが、それでもキリエは諦めない。
 胡乱な頭で、それでも必死に意識を繋ぎ止めながら、勝機の訪れる瞬間を待っている。
 血の海でもがきながら、血反吐を吐きながら、ただ少女が慢心して近づく時を待っている。
 
(そう……もっと、もっと近づいて)
 
 少女の足音が、少しずつ近づいてくる、浴びせられる銃弾と共に。
 苦痛に伴って、確実に少女はその距離を詰めてくる。
 もっと、もっと、もっと……足音が、キリエのすぐ前で止まった。
 
「今っ!」
 
 踵を地面に叩きつけ、つま先から仕込みナイフを送り出す。
 両手を頭の脇に突け、ヘッドスプリングの要領で足を射出。
 狙うは、少女の右腕!

343 :オーフェン ◆a4STABbERo :02/11/14 20:25
オーフェンvsモリガン
>313

 爆発が起った瞬間。
吹き荒れる風と衝撃波が、粉塵を洗い流した。

 刹那の時間、クリアーになる視界。
 吹き荒れる風と衝撃波の中で、爆心地を見る。
 だが、そこに女の影は無かった。

(あれを避けたのか!?)

 爆風が収まり、再び周囲を土煙が覆い尽くす。
 その中でオーフェンは、女の影を探す。
 姿は見えなくとも、土煙に映る影から位置を予測することはできる。

―――――中空から舞い降りる影。

 身に纏う、袖の無い革ジャンを片手で脱ぎ捨てる。
そして空から迫る影に向けて、彼はそれを被せるように投げた。
 投げると同時に、自分は地面と平行するかのように低く疾走を始めている。
 編み始めた魔術の構成が完成していく。

「我掲げるは―――――」

 呪文が口から発する。
女の真下に潜り込み、手を掲げた。

「我掲げるは降魔の剣!」

 完成した呪文、発動する魔術。
目には見えない力場で形成された剣が、掌中に生まれる。

344 :モリガン・アーンスランド ◆7Q4EmpreSs :02/11/14 20:31
オーフェンvsモリガン

>343

どっ。

カウンターだった。
豊かな胸の谷間から背中へ抜けた不可視の刃が、紅く、浮かび上がっている。
こふ、と血を吐いて地面に落ちた。
男はわたしの形をしたモノを見つめていた。


「・・・お疲れ様」

終わった、と思っている男の虚を突く事など造作も無い。
背後から声を掛けるのと同時、
変形した翼が、男の四肢――今はもう三肢か、と口へと電光の速さで伸びる。

「ヒントくらいあげた方が良かった? ま、そろそろ終わりにしましょう」

飽きたし・・・何よりあの魔術。
隙を作る為とはいえ、消えかかった分身を維持すため再構成するに等しい魔力を流した。
少々、疲れた。

「ふふ、苦しい? でも、その口は塞いでおかないとね。『牙の塔』の魔術師さん?
 頑張ったご褒美に痛くない様にしてあげるわ。じゃあ、さよなら」

揃えた指が、心臓へと吸い込まれていった。

345 :ストレイツォ:02/11/14 20:41
アルカードvsストレイツォ 『容赦なき戦い』
>337
 
勝てないという絶望と、若返った至福と。
血のように赤い吸血鬼が、ストレイツォにふたつの強烈な感情を抱かせた。
 
「満足しているとも。我にとって若返ったことは至高の幸福だったぞッ!!」
 
ストレイツォはそう言い切って、奇妙なリズムの呼吸を始めた。
光が全身から漏れ、肉体が崩れ去っていく。
吸血鬼の天敵、陽光と同様の波長を持つエネルギー。
ストレイツォが人間であった極めた能力、「波紋」によってだ。
 
「この至福と貴様を道連れに、地獄に行こう!」
 
自らの体をも破壊するエネルギーを拳に込める。
アルカードの腕に合わせて、カウンター気味に叩き込み。
 
目映い閃光が、走った。
拳の行き先を見ることもなく、ストレイツォは、「波紋」によって消失した。

346 :オーフェン ◆a4STABbERo :02/11/14 21:12
オーフェンvsモリガン
>344

 身動きを完全に封じられ、次の攻撃は避けられないことを、直感で理解する。
 だから、オーフェンは覚悟を決めた。
残った力を全て注ぎ、魔術の構成を編む。
 喉を震わせ、舌を動かす。
 外には響かない、口内と口を塞ぐ物質にだけその声は響く。

―――――我が左手に冥府の像。

 それは言葉になっていない、微かな声。
 だが、魔術は発動する。
口内に黒い因子が発生し、口を覆う黒い物体に触れる。

 瞬時に分解される物体。
背中に衝撃が走り、胸の先から指が突き出る。
 凍りついた時間。
 その中で、今も胸を貫き、ゆっくりと進んでいく指を見る。

(一人で逝くのも寂しいんでな……手前も同伴してもらうぜ……)

 次瞬、分解された物質によって起る爆発。
全てを喰らい尽くし焼き尽くす爆炎は、その場に存在しているものを、跡形も無く飲みこんでいった。

347 :アセルス ◆1TAseLLUSs :02/11/14 21:57
さて・・・随分と間が空いたけど、質問に答えるか。
例によって前スレ分からいくつか、だ。
 
>60 神様はどこにいるんでしょう?
別に、悪魔の眷属なんてものじゃないが・・・知るか、そんなものは。
第一・・・私にこんな運命を強いた神様なんて者がいるのか?
 
まあ、本当にいるというのならば会ってみたいけれどもね・・・礼を尽くして、殺してやるから。
 
>64 吸血大殲で最強の剣士とガンマンは誰だと思います?
最強の剣士はこの私。ガンマンは・・・さて、誰だろうか。
まあ、誰であろうと私の邪魔をする奴は皆消してやるけれど。
 
>133 他の参戦者で、「自分とこいつは似ている」と思うようなキャラクターはいますか?
さあ? そんなことは考えたこともなくてね。
この妖魔の君と似た者など、そうそう居るはずがないだろう?
 
・・・まあ、世界中を探せば或いは居るのかもしれないけど。
世の中には三人、自分に似た者が居るというしな。
 
>243 ついさっき、とうとう死兆星が見えてしまいましたよ。
死兆星? なんだそれは?
・・・見ると死んでしまう、だと? はは・・・そんな物があるのか。
もしかしたら、あの日を迎える前の私にも、見えていたのかもしれないな・・・ククク。
 
・・・君は美しいね、その怯えた顔も。
怖がることはない、私が救ってあげよう。君に流れるその赤い血と引き替えにね。
そうすれば君はもう、死を恐れる必要はなくなる。永遠に闇の住人として生きていくんだ。
ふふ、さあ・・・こちらへおいで・・・

348 :アセルス ◆1TAseLLUSs :02/11/14 21:58
>248 自分と戦闘スタイルが同じ人で(銃とか魔法とか)、こいつだけには一歩譲ると思う人は誰ですか?
愚問だな、そんなものは居やしない。
私は妖魔の君だ―――譲るべき相手など、いるはずがないだろう?
 
>285 問題、健ちゃんは覆面を被り(以下略
・・・3に決まってるんだろうな。
全く、男という奴は救いがたい。理解できないね。
もっとスマートに事を運べばよいものを・・・私のように。
 
>324 ここだけの話、吸血大殲でこいつだけは殺しておくべきだと思う奴は?
  横   島   。
あの時の恥辱・屈辱、そうそう忘れられるものか・・・!
 
>377 敵に回したら厄介だと思う人物+化け物はいますか?
・・・アルトルージュとしておこうか。
今のところは、そこそこ友好的な関係だと思うけれど・・・。

349 :アセルス ◆1TAseLLUSs :02/11/14 21:58
そして今スレ分、と。
 
>16 範馬勇次郎や東方不敗がでてきたら戦いますか?
は?
・・・流石に勘弁してくれ。私もそう暇な身分じゃないんだ。
第一「スレ違い」というやつだろうに・・・
 
>95>96 遠野秋葉VS・・・
 
・・・ふ。不毛な争いだな。
そもそも大きさをあれこれ言っている時点で同じ穴の狢。
美しさはそんな上っ面な事で決まるわけではないと言うのに。
ふふっ。
 
>261 自分の行ったうち、お勧めの闘争を挙げてください。
全部だ・・・が、まあ強いて挙げるならばアグリアスとの一戦か。
あれは愉しかった・・・ふふ、良い思い出ってやつだよ、アグリアス・・・

350 :モリガン・アーンスランド ◆7Q4EmpreSs :02/11/14 22:28
オーフェンvsモリガン

>346

紅い。
暖かい。

喉を動かすのは判った。
とてつもなく嫌な予感がした。
男の身体を蹴り剥がして、反動で後に飛びつつ使い魔達を身体の前面に展開。
全ての力を、それに注ぎ込む。

――熱い。
血と、燃える炎の紅。

気が付けば、空を飛んでいた。
恐らく、最後の力での自爆。洒落にならない威力の魔術。
蝙蝠達が、跡形も無く消し飛んでいた。

351 :モリガン・アーンスランド ◆7Q4EmpreSs :02/11/14 22:29
オーフェンvsモリガン

>350

「がはぁっ・・・!!」

ビルの壁面に叩きつけられた。もとい、壁面にめり込んだ。
壁全体に亀裂が走り、わたしの身体にも皹が入ったよう。
もっとも、それ以前に下半身は消し飛んでいたし、顔面を庇った腕は炭と変わらない。
腹部の肉は弾け、零れ出すはずの内臓も焼け爛れてへし折れた背骨が覗いていた。

 ・・・冗談、じゃ、ない、わよ。

心中なんてごめんだった。
かと言え、このままではそう遠くない終わりを待つだけだ。

「・・・リ、リス」

 行って、力を・・・

意識が持ったのは、そこまでだった。

352 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/14 22:38
>342 vsキリエ

 身体の芯から湧き出るどす黒い感情。引き金を搾る度に広がっていく。
 
 ―――ああ、憎んでいるんだな。
 あたしには分かる。あたしは吸血鬼を心の底から憎んでいる。
 悲劇しか生み出せない吸血鬼を憎んでいる。
 憎悪しか生み出せない吸血鬼を憎んでいる。
 死人しか生み出せない吸血鬼を憎んでいる。
 
 ―――同族嫌悪―――
 
 何も無い。何も無い空虚なあたし。
 目的も無い。
 やりたいことも無い。
 人生の残りカスに縋ってダラダラと生き延びる哀れなあたし。
 
 この少女は言った。
 ―――殺し屋さん。
 昔の話だ。それはあたしが“生きていた”頃の話だ。
 玲二を殺せなかった。
 アインを殺せなかった。
 だけど目的は達した。生涯を賭けての復讐劇は達成した。
 今のあたしに何も無い。
 何も、無い。
 あたしは人間の肉を纏った虚(うつろ)だ――――。
 
 ―――こいつ等と同じ、生きる屍だ。

353 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/14 22:39
>342>352vsキリエ

 ミラ……。
 クロウディア……。
 
 撒き散らされた悲劇を思い返す。
 あたしに怒る資格があるとでも思っているのか?
 殺し、殺し、殺し尽くして来たあたしに、彼女達の仇を討つ資格が何処にある?
 無い。何処にもない。
 偽善は嫌いだ。だからあったとしてもあたしは否定する。
 
 あたしは吸血鬼を憎んでいる。それは正義の衝動ではない。
 生きる屍。
 同族嫌悪。
 鏡の中の自分。
 ――――クソ食らえだ。
 
 そこで気付く。右手からファイブセブンがこぼれ落ちている。
 視線を向ける。右腕から刃が生えていた。
 痛みは無い。興奮状態によって脳内に分泌された麻薬物質が神経を麻痺させている。
 だけど、
 
「とっくのとうに死んでいるのに……そんなに死にたくねえのかてめえは!」

 ベレッタの銃口を少女の口に突っ込み、力に任せて押し倒す。
 無数の弾丸に穿たれ、傷を負っている少女は、大した抵抗も見せずに組み伏せられた。
 
「生きる理由なんて無い! 殺す理由なんて無い! 目的も無ければ夢も無い! なのに
なんでてめえ等は生き足掻く!? ムカツクんだよ……てめえ等を見るとな、どうしよう
もないほどに殺したくなるんだよ! だから――なあ? 大人しく死んでくれよ!」

 少女の口内に銃口を押しつけ、片腕一本で彼女を地面に縛り、あたしは叫んだ。 

354 :モリガン・アーンスランド ◆7Q4EmpreSs :02/11/14 22:42
オーフェンvsモリガンのレス番纏め。

>109 >110 >111 >112 >113 >114 >115 >116 >117 >118
>132 >134 >175 >179 >184 >186 >191 >195 >199 >205
>208 >210 >253 >258 >268 >313 >343 >344 >346 >350 >351

本当、たまにああいう人間が居るから面白いのよね。

――わたし?
ふふ、誰でしょう? 当てて御覧なさい。


答えが判ったなら、ここへね。
ttp://plan-a.fargaia.com/html/vampbattle/res.cgi/1033894737/

355 :キリエ ◆XXUZAIRv9c :02/11/15 00:24
>352>353 キリエVSドライ
 
(わたしは死んでない、生きてるんだ!)
 
 片腕でも躊躇なく突っかかってくる少女に面食らうが、慌てずに状況を整理する。
 口の中に押し込まれた銃口、馬乗りになっている少女。
 右腕は先ほどの一撃で使い物にならなくなっている。
 
(うかつな奴……!)
 
 まさに千載一遇のチャンス、ここが勝負の分かれ目になる。
 間抜けな殺し屋は、自滅の道を歩き出したのだ。
 
 口の中に押し込まれた銃口のスライドを、ほんの少し歯で押し込み、そのまま噛み挟む。
 驚愕した少女が慌てて引き金を引こうとするが、もう遅い。
 がっちりと挟み込まれたスライドは、引き金を引こうとも、押しても引いても捻ってもびくともしない。
 忌まわしい吸血鬼の証であるこの牙も、こうなってみれば役に立つ、皮肉なモノだ。
 それでも、少女の激しい抵抗にあって、歯にヒビが入り、別の歯が欠けた。
 激痛が走るが構うモノか。
 
「ふばひっ(ウザいっ)!」
 
 動揺から拘束が緩んだ隙を突いて、少女を巴投げの要領で投げ飛ばした。
 背中から地面に叩きつけられる音と、カエルの潰れたような呼気を尻目にゆっくりと立ち上がる。
 横を向いて銃と欠けた歯を、血混じりの唾液と一緒に吐き捨てた。
 定まらない足元を無理矢理定めながら、少女へと向き直る。
 腰の後ろに束ねてあったライフルを取り出して仰向けに倒れている少女の額をポイント。
 
「……わたしの明日を邪魔しないでっ」
 
 僅かな逡巡を押し殺し、引き金を引き絞った。


356 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/15 00:47
>355 vsキリエ

 ―――太陽が見える。
 地に大の字で寝転がるあたし。立ち上がろうとは思わない。
 
 立ち上がってどうしようと言うのだ。あの少女を殺してその先に何があるというのだ。
 問わなくても分かっている。何も、無い。
 
 太陽が隠れた。
 逆光で影となる少女の顔。
 突き付けられた銃口。
 絶対絶命―――そんなことは無い。
 どうとでも切り抜けられる。が、切り抜けたいとは思えなかった。
 生き延びたいとは思えなかった。
 
 ―――彼女を、吸血鬼を殺さなくてもいいのか? 殺したいほどに憎いんだろう?
 ……良いんだ、もう。あの声が聞こえてしまったから。
 
「そうか……」

 何処か悟ったように呟く。
 明日のある屍。それは屍なんかじゃない。生きている。死人に明日など無いのだから。
 
「あんた、人間だったんだね」

 生きる屍はあたしだけだった。結局、最期まであたしは独りだった。
 ――――少し、寂しいな。
 
 瞼を閉じ、自嘲じみた笑みを浮かべる。
 数瞬後、銃声と共に頭に響く反動。意識が闇に呑まれていくのが分かった……。
 
 いま、この時、生ける屍という矛盾が一つ、この世から消えた。

357 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/15 00:48
>355 vsキリエ

 ―――太陽が見える。
 地に大の字で寝転がるあたし。立ち上がろうとは思わない。
 
 立ち上がってどうしようと言うのだ。あの少女を殺してその先に何があるというのだ。
 問わなくても分かっている。何も、無い。
 
 太陽が隠れた。
 逆光で影となる少女の顔。
 突き付けられた銃口。
 絶対絶命―――そんなことは無い。
 どうとでも切り抜けられる。が、切り抜けたいとは思えなかった。
 生き延びたいとは思えなかった。
 
 ―――彼女を、吸血鬼を殺さなくてもいいのか? 殺したいほどに憎いんだろう?
 ……良いんだ、もう。あの声が聞こえてしまったから。
 
「そうか……」

 何処か悟ったように呟く。
 明日のある屍。それは屍なんかじゃない。生きている。死人に明日など無いのだから。
 
「あんた、人間だったんだね」

 生きる屍はあたしだけだった。結局、最期まであたしは独りだった。
 ――――少し、寂しいな。
 
 瞼を閉じ、自嘲じみた笑みを浮かべる。
 数瞬後、銃声と共に頭に響く反動。意識が闇に呑まれていくのが分かった……。
 
 いま、この時、生ける屍という矛盾が一つ、この世から消えた。

358 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/15 00:50
>355 vsキリエ

 ―――太陽が見える。
 地に大の字で寝転がるあたし。立ち上がろうとは思わない。
 
 立ち上がってどうしようと言うのだ。あの少女を殺してその先に何があるというのだ。
 問わなくても分かっている。何も、無い。
 
 太陽が隠れた。
 逆光で影となる少女の顔。
 突き付けられた銃口。
 絶対絶命―――そんなことは無い。
 どうとでも切り抜けられる。が、切り抜けたいとは思えなかった。
 生き延びたいとは思えなかった。
 
 ―――彼女を、吸血鬼を殺さなくてもいいのか? 殺したいほどに憎いんだろう?
 ……良いんだ、もう。あの声が聞こえてしまったから。
 
「そうか……」

 何処か悟ったように呟く。
 明日のある屍。それは屍なんかじゃない。生きている。死人に明日など無いのだから。
 
「あんた、人間だったんだね」

 生きる屍はあたしだけだった。結局、最期まであたしは独りだった。
 ――――少し、寂しいな。
 
 瞼を閉じ、自嘲じみた笑みを浮かべる。
 数瞬後、銃声と共に頭に響く反動。意識が闇に呑まれていくのが分かった……。
 
 いま、この時、生ける屍という矛盾が一つ、この世から消えた。

359 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/15 00:52
……クソ多重投降。
チッ、あたしとしたことが……!!


360 :キリエ ◆XXUZAIRv9c :02/11/15 02:11
>358 キリエVSドライ
 
「……」
 
 足元で、大きく目を見開いたまま死んでいる少女。
 散々自分を殺そうと鉛弾を大量に打ち込まれた相手。
 
「――――最後の呟きは、どういう意味だったの?」
 
 ライフルの銃口を向けられた彼女は、とても静かだった。
 口元に刻まれていた薄笑みの意味は、何だろう?
 キリエは、少女の亡骸の側に跪き、その首筋に牙を突き立てる。
 失った血を補うためであり、少女の命の欠片を明日へと連れて行くためであり、慰霊の儀式でもあった。
 吸血鬼である彼女に、神の祈りほど似つかわしくないモノはないから。
 
 口元を朱く汚しながら、立ち上がる。
 日は暮れかけていた、空が茜に染まっている、旅を続けるにはちょうどいいかもしれない。
 少しだけ、少女の死体へと視線を向けた。
 ……放っておけば、町の誰かが埋葬してくれるだろう。
 
 きびすを返して、キリエは歩き出す。
 荒野へ、まだ誰も知る事のない明日へ――――。
 
 
                                 Kyrie eleison,Amen

361 :ファントム・ドライ ◆QyCal3DreI :02/11/15 03:32
キリエvsファントム・ドライ 
レス番纏め

>296>297>298>300>302>303>304>305>307>310
>311>323>324>332>341>342>352>353>355>356
エピローグ>360

……まあ、どうでもいい話さ。

362 :以上、自作自演でした。:02/11/15 05:02
吸血大殲ももう終わりですね。
初めの頃はそれでも楽しかったです。
楽しませていただき、ありがとうございました。
んでは、さようならです。
またどこかでも、素敵ななりきりしてください。

363 :以上、自作自演でした。:02/11/15 09:48
6.最終殲争勃発。最後の一人まで戦って死ね。そして大殲終結。
ってのはどうよ?開始は開戦からちょうど一年後の平成14年11月20日午後8時4分。
一周年を区切りに丁度いい頃なんじゃないの?


364 :以上、自作自演でした。:02/11/15 12:38
>>362-363何デマを振りまいてるんだ。

365 :アルカード(M) ◆alucaRdfFU :02/11/15 14:28
アルカードvsストレイツォ 『容赦なき戦い』
>345 
 
 光が爆ぜる。目の前で、体の内で、細胞の一片一片を飲み込んで。 
 その末端まで焼き付く鮮烈なまでの、光。 
 陽光を克服し、吸血鬼の"法"から外れたアルカードを焼く波紋の力だった。 
 何故か、それが酷く懐かしい。 
 身が焦がされることか、太陽を全身で感じたことか、わからなかったが。 
 
「ハッ――――なるほど、ねぇ」 
 
 気付けば指先から溶解していた。忘れて久しい滅びが、神経と血管を伝わる。 
 
「若造。おまえ、向こう側だったのか」 
 
 腕が落ち、ごろりと転がって灰になった。 
 不思議と苦痛はない。回帰する喪失感だけが吸血鬼の心にある。 
 いや、だけではない。もっと、他の、別な…… 
 
「ま、覚悟に報いてやるとしますか」 
 
 もしや俺は、と考えたがすぐに振り払った。 
 そんな筈はない、あり得ないのだから。 
 吸血鬼アルカードは、HELLSINGが作り出したアンデット。 
 それが見事にヘマを打ち、灰は灰へ、なだけだ。 
 左肩にライフルを置く。それもすぐに支えを失って、高い音を立てた。 
 溶け失せ灰すら残さない男の残滓を見つめながら、吸血鬼はニィと表情を歪め、 
 
「ハハハッ、ハハッ、ハハハハハハハハハッ――――――――――――」 
 
 嗤う。 
 その声は延々と響き渡り、喧噪の戻る街を切り裂いていった。

366 : ◆alucaRdfFU :02/11/15 14:36
 
 笑い声が響く。 
 夜の街に。 
 その赤い吸血鬼は時代物のライフルを手に、高い声で嗤っていた。 
 無邪気に、愉快そうに、撃爪を搾りながら。 
 
「共存共栄、地球は一家。平和が一番っつーコトでだ、死ね」 
 
 クイが突き刺さる。 
 その返り血を浴びながら――――――――――――また、吸血鬼は嗤うのだった。 
 
 
アルカードvsストレイツォ レス番まとめ 
導入
>169>170
闘争
>174>176>177>180>183>185>189>212>241>327>328>337
死亡……?
>345>365
纏め
>366

367 :バイクヴァンプ(M):02/11/15 17:17
>331
 
尼僧は空中を我が物顔に飛びながら、
俺を殺そうと迫ってくる。
確かに空中じゃあ分が悪い。
ならば――――――地べたに這い蹲らせてやろう。
その綺麗な顔をあの薄汚ねぇ地面に打ち当ててやる。
 
突き入れられるその爪をコンマの差で避ける。
避けきれぬそれは脇を抉る。が、これから先のことを思えば安いものだ。
下卑た笑いを浮かべながら俺は尼僧を羽交い絞めにすると、堕ちた。
さすがの吸血姫とて、これだけの高さから落ちればたまらねぇだろうよ!
内臓ぶちまけて死んじまいなぁぁぁぁぁ!!

368 :ビリー・龍 ◆OClOnGFAng :02/11/15 20:39
ロング・ファング VS ラルヴァ 導入

 眠りというのは、この現世に残された数少ない救いであると、そう思う。
 眠っている間は、余計なことをあれこれと考えずに済むから、てのが理由だ。
 何に拘ることも囚われることも無く、ただ、そこに在ればいい。
 ま、あれだ。眠りってのは擬似的な死だからな。
 人は、朝叩き起こされて苦しみ多き生を生き、夜に再び死んで安らぎを得る――
 死んでる間は、これ幸せ、ってわけ、さ。

 さて、ここで問題だ。
 生と死というくびきから外れてしまった吸血鬼に、眠りはあるのか?

 答えから言っちまえば、吸血鬼にも眠りはある。が、極めて浅い。
 常人からすれば起きているのとさほど変わりは無く、
 彼らは眠りながら血を渇望し、眠りながら陽光を憎む。
 連中には、生と死の境はごくごく薄い。

 俺が、まがりなりに眠り、のようなものを得られるのはマクスウェルのおかげだ。
 俺の眠りが常人の眠りとどう違うのかは、さて、確かめようが無いし、正直どうでもいい。
 偽りでもいい。
 俺はただ、自分に残されたわずかな救いにすがりつくように、ひたすらに惰眠を貪る。
 悪夢を見ずに済むことを願いながら。

 もっとも、そういう切実な願いに限って、かなえられないものと相場は決まっているのだが。

369 :ラルヴァ ◆hALARVAIdY :02/11/15 20:43
ロング・ファング VS ラルヴァ 導入
>368
 
疼いている。
あの時の疵は既にもう消え去った。
幸いなことに、私の肉体は以前とあまり変わっていない。
……なのに、まだ疼いている。
 
気が付けば、人ごみの中に赤いジャケットを探している。
血の色に染まった「ブラッドジャケット」を。
 
かの男はいくつもの名を持つ。
きっと、長く生き過ぎたのだろう。
ただ、<生きている>と言う言葉には語弊があるのだが。
 
何ヶ月かぶりに、再び情報屋の所へ行った。
仕留められなかったのか、と嘲笑を浴びせ掛けられると思っていたが
そいつの言葉は、さらに私の感情を逆なでするものだった。
 
「…やっぱりな」
 
殴ったりはしなかったが、情報料はツケにしてやった。
この男も、もう少し真摯に私の勝利を祈ることだろう。

370 :ラルヴァ ◆hALARVAIdY :02/11/15 20:43
ロング・ファング VS ラルヴァ 導入
>369
 
バイクを止め、武装を再確認。
真新しいスーパーレッドホーク―――当然グリップも新品なのだが―――
それは前のものと寸分変わらない握りごこちで、
私の手の中に収まったまま、敵との遭遇を静かに待っている。
 
それも貸しの一つだ。
利子はたっぷりと払ってもらうとしよう。
 
最後に自分の首筋にそっと手を当て、鍵もろくにかかっていない安普請のドアを開けた。
 
「今度こそ棺桶から出て来れないようにしてあげるわ、ロングファング」
 
再会の祝砲は、きっと華々しく響くことだろう。

371 :ビリー・龍 ◆OClOnGFAng :02/11/15 20:50
ロング・ファング VS ラルヴァ
>370

 不意に――未だ夢から抜けきらぬままに、俺は目を開いた。
 些細な物音か、あるいは気配にか――
 そして、俺の眠りを邪魔したものは、夢の中から出て来たような、
 そんな非現実感を漂わせて眼前にあった。

 危ういバランスを保ちながら、懸命にそこに在るその様。
 銃口の向こう、薄暗がりに幽鬼のように浮かび上がる青白い顔。
 その姿に、俺は何故だか奇妙な安らぎを感じた。

「俺を、…………」
 何も考えず、受けた印象のままに、続ける。

「救いに、きたのか?」
 夢うつつのまま無表情に呟き、
 俺は闇に浮かぶその瞳を、ただ、まっすぐに見返した。

372 :ホッパード・ザ・ガントレット(M) ◆PLGUNS4k4s :02/11/15 21:02
対シエル・エレイシア     『White Album』

 ――フランス。名も無き廃村にて。

 俺は鬼になりたいのです。
 冷酷で、非道で、残忍で、人間のことは餌だと思っている鬼になることが俺
の望みなのです。
 鬼になる為に何人も何人も殺しました。
 鬼になる為に何人も何人も犯しました。
 血の匂いに慣れました。
 血の匂いに勃起するようになりました。
 血を啜ります、それはまさに甘露です。

 あの女の顔が思い浮かびます。
 あの女の声が響きます。
 あの女の匂いがします。
 それが為に俺の人生はあったのです。
 あの女の血の味を知るために俺の人生はあったのです。

 一九九二年、フランス、あの懐かしい町、あの懐かしい風景。
 血に満ちた空間、糞のように淀んだ空気、そして根こそぎの絶望。
 力が漲る。
 一九九二年から十年間、全人生をあの女の為に捧げた。
 俺は吸血鬼。
 俺は銃。
 俺は弾丸。
 俺は引金。
 感じる、あの女が――――――――――
「来る」

373 :ラルヴァ ◆hALARVAIdY :02/11/15 21:04
ロング・ファング VS ラルヴァ
>371
 
トリガーにかかる指にわずかに力がこもる。
彼の反応は、微妙に予想外のものだった。
 
「滅びが救いになるほど、長く生き過ぎたの?
 見かけに寄らずお年寄りなのね」
 
危険な魅了の視線を持つ、赤い瞳から眼を逸らしつつも、
私らしくもない感慨が口をついて出る。
 
「吸血鬼への救いの手の差し伸べ方なら、良く知ってるわよ。
 祈りの言葉は一つしか知らないけれどね」
 
見せつけるようにして、真新しいハンマーをコック。
改めて、ロングファングの心臓に照準を合わせる。
 
「灰は灰に。塵は塵に」
 
銃火が、部屋の中を一瞬だけ照らし上げる。
窓ガラスに映った私の顔は――なぜか、ひどく憔悴しているようにも見えた。

374 :以上、自作自演でした。:02/11/15 21:04
>372
原典教えて〜。

375 :ビリー・龍 ◆OClOnGFAng :02/11/15 21:17
ロング・ファング VS ラルヴァ
>373

 何も答えずに、撃ち殺してしまえばよかったのだ。
 俺が、夢から抜け出せないでいるうちに。

 銃声とともに、夢は破れた。

 身を捩る。
 同時に、強烈な衝撃が俺の体を襲った。
 左胸に大穴が空き、肋骨が折れ、銃弾が食い込む。
 それでも、心臓は避けていた。

 着弾の衝撃を利用し、寝ていたソファの背に体重をかけ、倒す。
 同時に俺は足を跳ね上げ、女の手の拳銃を蹴り飛ばそうとした。

 蹴り飛ばせたかわからぬまま、俺は床を転がり、
 暗い部屋の奥、デスクの影に滑り込む。

 状況を整理する片手間、のん気な台詞が口をついた。

「俺は寝起きが悪いんだ。もう少し、優しく起こしてくれないもんかね?」

376 :両儀 織 ◆QLORihiMeM :02/11/15 21:19
ttp://cocoa.2ch.net/charaneta/kako/1027/10273/1027355320.html
>514
ジョナサン・ジョースターvs両儀織
 
 男の取った構え―――猫足立ちか。
 どんな行動にも対応出来るような、いわば『待ち』の構え。
 
 どうするか。仕掛ければ相手の思う壺だろう。みすみす嵌るやつはいない。
―――否。
 
  ここに一人、居るだろう。
 
 
 地を這うように駆ける。
 目指すは短刀、それからあの大男。
 ステップは二つ、対して相手のすることは一つだけだ。
 
 ナイフに触れた。
 僅差。気配でわかる、男はもう動き出している。
 
 オレはぐるりと身体を捻り、後ろ回しげりを放つ。
 そのまま次いで、独楽のように斬り込んだ。

377 :シーザー・アントニオ・ツェペリ(M):02/11/15 21:30
シーザー・ツェペリvsミカエル・ラージネスvs漆黒の王子
『ただ、尊厳の為に』
>330

 足元が、崩れ去る。
 負傷した少女も救えず。悪しき吸血鬼すら倒せず。
 襲いかかる獣たちに殺されるだけなのか。
 
 威力を発揮しなかった無数のシャボンが、空しく宙に漂う。
 
「く、くくく……」
 
 遂に怒りと絶望で狂ったか。
 空中でシャボンを生み出し続けるシーザーから笑いが漏れた。
 
 だが、その目の光は消えていない。
 
「こーいうのはJOJOみたいで好きじゃあないんだがな。
 一つ、罠を仕掛けさせてもらったぜ」
 
 狼の爪牙が眼前に迫った時。
 にやり、と口の端を歪めてシーザーは言い放った。
 
 直後、一際大きいシャボン玉の群れを送り出す。
 打ちのめされる狼たちを尻目に、球体は更に奥へと進む。
 
 何かに『引き寄せられる』ように。

378 :シーザー・アントニオ・ツェペリ(M):02/11/15 21:31
>377続き
 
「そのシャボンに流したのは“くっつく”波紋ッ!
 そこら中を漂う『シャボン』とくっついて、『シャボン』はより大きくなり―――」
 
 シーザーの言葉通り、シャボン玉は他の球を吸収して肥大化していく。
 そして、優しく抱き込むように、傷ついた少女の身体を包んだ。
 
「こうなる訳さ。そして、きさまも例外じゃあないッ!!」
 
 着地したシーザーの叫びに従い、巨大化するもう一つのシャボンが黒衣を覆う!
 
「特製の檻、シャボン・バリアーだ。その中で―――ゆっくり灰になれッ!」

379 :ラルヴァ ◆hALARVAIdY :02/11/15 21:35
ロング・ファング VS ラルヴァ
>375
 
スーパーレッドホークが蹴り上げられ、
空の上でこの様子を見物しているどこかの誰かに、照準を合わせた。
その誰かの加護か呪いか、幸いまだ手の中に拳銃はある。
 
「お年寄りは朝が早いって言うじゃない。
 それに、貴方にキスするのもされるのも遠慮したい所ね」
 
転がったソファを盾にしつつ、ロングファングの位置を探る。
動く死体である吸血鬼は… その気になれば物も同じだ。
気配を読みづらいことこの上ない。
会話し続ける事は、彼の位置把握にも都合が良い。
 
あのデスクではカスール弾の盾にはならない。
だが、心臓に当てることも不可能だ。
弾切れした瞬間を狙われれば、殲鬼化していない私に勝ち目は薄い。
 
「それに…大丈夫よ。二度と起きなくていいようにしてあげるから」
 
そして、ゆっくりと移動を開始する。
右手にはリボルバー、左手にはアーミーナイフ。
 
硝煙の臭いと、焦げたシーツの臭いが、
緊張で敏感になっている私の臭覚を刺激し続けていた。

380 :シエル ◆kcbhGUILTY :02/11/15 21:54
対ホッパード・ザ・「ガントレッド」     『White Album』

>372

道行きは順調で、滞り無く目的の場所に到着した。
捨てられて久しい、名前も忘れ去られた廃村。
崩れた村の入り口で、歩を止める。

「こんな所に……?」

手の中の小さな紙切れを、意識せず握り締めていた。

―――まあ、やりやすくなるだけですか。

町を一つ潰して、たった一人の女の子を攫うなんて……
何がしたいのか判らないけれど、化け物が何を考えようが関係無い。
攫われた子は助け出して、吸血鬼は殺すだけ。
他の人が巻き込まれる可能性を心配しなくて良い分、気が楽になる。

「――早くしないといけませんね。攫われたリーヴが心配ですし」

疑問が一つ、意識の隅に引っかかってはいたが、
犯人――人とは言えないけれど、が見つければそれも解決する。

死んだ様に静かな村に、足を踏み入れた。

381 :ビリー・龍 ◆OClOnGFAng :02/11/15 21:57
ロング・ファング VS ラルヴァ
>379

 マクスウェルに暇を出し、肺に食い込んだ弾丸を指でつまみ出す。
「年寄り呼ばわりはひでぇな。俺ァ、これでも、気は若いつもりでね……」

――ああ……
 キスをするもされるも、で思い出した。
 あの女とは、昔、そんなこともあったのだ。
 いや、さして昔でもなかったはずだが、月日の感覚は、どうにも曖昧だった。
 ったく、長く生き過ぎるとこれだ。

 俺は思わず首筋を――かつて女が口付けた場所を擦りながら、言った。
「――そうつれなくしないでくれ、よ。悲しくなっちまうじゃねーか。
 俺はてっきり、俺の血が恋しくて、あんたが追いかけてきたのかと思ったんだぜ?」

 そこで、黙る
 這ったまま高速で移動、机を逆方向に回り込む。
 そして、右手に持ったままのひしゃげた弾丸を指で弾いた。
 女を狙ってのことではない。
 狙ったのは部屋の照明のスイッチだ。

 闇に慣れた目には、この灯りは少々辛いだろうさ、
 そのまま体当たりをかけるつもりで、俺は中腰に立ち上がった。

382 :ホッパード・ザ・ガントレット(M) ◆PLGUNS4k4s :02/11/15 22:01
対シエル・エレイシア     『White Album』

「は、はは、あはははっは!」
 ついに来た。
 廃村の真ん中の噴水。そこで俺は彼女を待った。
 近付いてくる。
 汗がにじむ、どうしよう、怖がって逃げたりしないだろうか、などというあ
り得ない妄想が頭に浮かぶ。
 眼前の女は十年前とまるで変わらない容貌だ、違いがあるとすれば、せいぜ
い髪型と服装くらいのものか。
 脳味噌が動き出し始めた、股間に血流が溜まる。興奮している。
 射精しそうなくらい恐ろしい空間。
「久しぶりだな、シエル」
 シエルは眉を吊り上げた。
「思い出してくれよ、俺とアンタはこれが二度目だ」
 笑みが漏れる。
「俺の名前は……ホッパード・ザ・ガントレット。
 そうだよ、あの町を襲ったのは俺さ。
 感謝しろよ、時間がかかるかと思って喰屍鬼にせずに全員殺してやったんだ」
 銃を引き抜く、口さがない奴は「安全靴か」というような不恰好な銃だ、だ
が不恰好ゆえに俺にお似合いだ、威力も充分。
 ただし、それが、こいつに、通用するかどうか。
 彼女は凛とした表情で、こちらの異形の姿も意に介さず言った。
「リーヴを返しなさい……そうすれば即死で勘弁してあげます」
 俺は肩を竦めた。
「怖いね……それよりもう少し思い出話といこう」
 そう言いながら銃を構える、彼女も黒鍵を構えた。
「大切なんだ、思い出ってのは!」
 スイッチを入れ、グーデリアを始動させる。
 どん、というジェット噴射の音と共に俺は瞬間的に加速した。
 そのまま拳銃の引金を引き捲くった。

383 :ラルヴァ ◆hALARVAIdY :02/11/15 22:14
ロング・ファング VS ラルヴァ
>381
 
部屋に明かりが灯ると同時に、私の脚は勝手にソファーを蹴り飛ばしていた。
サングラス越しとはいえ、目が慣れるのには僅かなタイムラグが存在する。
この隙を突いてくるだろうと言う判断よりも、単なる反射行動の方が圧倒的に早かったわけだ。
 
「まだ寝ぼけてるみたいね。
 私は、血を吸いに来たわけでも何でもないわ」
 
一応、この部屋の間取り図は頭に入れてある。
明かりのスイッチの位置は…入り口の方だったか。
 
そちらを見もせずに、.454カスール弾を一発だけ撃ち込む。
そこに居るとは思ってはいないが、神様だって気まぐれの一つくらい起こすかもしれない。
 
――その気まぐれのせいで、私はこんな身体になってしまったのだが。
 
「それに、私は貴方と再会できて結構嬉しいのよ?
 ……やっと、止めが刺せるんだから!」

384 :ジョナサン・ジョースター ◆Jenuk/JoJo :02/11/15 22:14
ジョナサン・ジョースターvs両儀織
>376
 
暗闇を破るような音。蹴りを放って来る少女。
鮮烈な威力の蹴りを、ぼくは咄嗟に右腕を上げて止める。
感覚の消失。その一瞬後に襲う痺れ。
 
「だが、ここで止まるわけにはいかないッ!」
 
目の前の死体を作り出したのが、この襲撃者なのかどうかはわからない。
しかし、今彼女を止めなくては、取り返しが付かないことになると直感が訴えていた。
その直感に従い動く、痺れたままの右手。
その掌に深く突き刺さる、銀色の煌きを持ったナイフ。
肉が断たれ、血が流れだすが―――――
 
「鋼色の波紋疾走ッ!!」
 
自らの痛みを薙ぎ払うように、ぼくは叫んだ。
あえてナイフを突き立て、そこから波紋を送り込む!

385 :ビリー・龍 ◆OClOnGFAng :02/11/15 22:24
ロング・ファング VS ラルヴァ
>383

 床を蹴った。
 数メートルの距離であり、自分の部屋だ、足元に何があるかは見なくても分かる。

 かすかに軋んだ床の音で、振り向けられる拳銃。
 遅い――俺に向ききる前に、俺は自分の間合いに女を捉えている。

 振り向けられる拳銃、それを握る女の手首に、俺は手を伸ばした。
 握りつぶしてしまうつもりで。

386 :以上、自作自演でした。:02/11/15 22:44
「シエル・エレイシア」って誰よ?
シエルはただの「シエル」で姓なんて無いだろ。
エレイシアは昔の名前、一緒にすんなや。

387 :ラルヴァ ◆hALARVAIdY :02/11/15 22:45
ロング・ファング VS ラルヴァ
>385
 
ゴトっと重い音がした。
実際は、銃が落ちる前に骨が砕ける音がした筈なのだが…
私の耳には、骨が軋んでいるようなその嫌な音は、
後から追いかけてきたように聞こえた。
 
悲鳴は出ない。出したくない。
だが、私が歯を噛みしめる音はロングファングにも聞こえたような気がする。
 
左手のナイフで、ロングファングの手の甲に斬りつける。
思ったよりもあっさりとした手応えの後、今度床でした音はかなり軽かった。
 
そのついでに、私の手首の動脈も切断する。もちろん意図的に。
――だが、出血のスピードは遅い。
殲鬼化するまでには何分もかかるだろう。
 
刹那の迷いの後、私は自分の首にナイフを当てた。
 
「ここからが本番かもね…
 大家さんには私から謝ってあげるから、安心して滅びなさい。ロングファング」
 
頸動脈に滑り込む冷たい感触は、先程のような嫌な音は伴わないが
不快感も喪失感も、比べるのが馬鹿らしいほどの大きさだった。

388 :シエル ◆kcbhGUILTY :02/11/15 22:48
対ホッパード・ザ・「ガントレッド」     『White Album』

>382

枯れ果てた噴水の残骸の脇。
そこに居た。
小さな穴が幾つか空いただけの不気味な仮面。右腕には、得体の知れない鉄の塊。
妙に低い姿勢は膝でも突いているからだろうか。

―――戯れ言なんてどうでも良い。

重要なのは、攫われたリーヴ。そして、滅ぼすべき吸血鬼が目の前に居る事。
これから始まるのは、性質の悪い害虫の駆除。
殺し合いになどならない。

「吸血鬼と話す事などありません」

語尾を置き去りにして、男が弾ける様に加速した。
立て続けに低く炸裂する音。向けられた銃口から迸る閃光。
両の手に4本ずつの黒鍵を下げて横へ飛び、数歩走る。
ひび割れた民家の壁を蹴って斜め前方の上空へ。

「会ったのが二度目だと言うなら、それで最後です」

身を捩って振り向く。
背後にあった家だったモノが、一撃で瓦礫に変わっていた。
あんな物が当たれば、それで勝負は決まってしまうだろう。

―――当たればですけど。

黒鍵が4本、風を穿って男の背へと走った。

389 :ビリー・龍 ◆OClOnGFAng :02/11/15 23:13
ロング・ファング VS ラルヴァ
>387

 掴んだ右手にナイフが走り、指が三本、落ちた。
 女が離れる。
 向けられたキツイ視線に俺は笑い返し、指先を再生させながら踏み込もうとした。

 だが、俺はあえて踏みとどまった。
 女のナイフは俺ではなく、彼女自身の首筋に向いていたのだ。
 頚動脈にもぐりこみ、噴出す血飛沫――いや……

 女が隠し持っていた、本来の力、刃のような気配が向けられるのを感じる。
 急速に夜の――魔物の気配を増していく相手を見ながら、俺は身構えた。

「あんたみたいないい女に滅ぼされるなら本望さ。
 だが……折角だから名前ぐらいは教えてくれないもんかね。
 自分を滅ぼした相手の名前ぐらい、知っておきたいだろう?」

 目を細め、様子を見るつもりで、重心を後ろに置く。
 にやと――牙を剥き出し、挑発の笑みを浮かべて誘いをかけた。

390 :ホッパード・ザ・ガントレット(M) ◆PLGUNS4k4s :02/11/15 23:34
対シエル・エレイシア     『White Album』

 ――ちっ。
 舌打ち。グーデリアをこうも容易く避けられると自信が喪失しそうだ。
 彼女が空中に舞う。
 黒鍵が投擲される。こちらはグーデリアを再始動。
 グーデリアのジェット噴射の方が、黒鍵が俺の背中に突き刺さるよりは幾分
か疾かった。

 俺の躰が同じように宙に浮く、ただし俺のは舞いじゃない、そんな美しいも
のでは断じてない。
 ロケットのように空を駆け昇る、シエルがミニマムサイズに見える。
 一旦ジェット噴射を止め、急速落下しながら態勢を立て直し、再び始動。
 叫んだ。彼女に聞かせたいあの大切な思い出を力の限り叫んだ。
「昔昔あるところにィ!」
 避けられた。間髪入れずに地上へ逆噴射。
「フランスはとある田舎町に、一人のパン屋の娘がおりましたとさ!」
 彼女の表情が凍り付いた。
「そしてその町には、皆に優しく受け入れられていた盲目の娘と、はぐれ者
の足が生まれつき未熟のままな若者も住んでおりましたとさ!」
 地上から再び空へ、屋根を伝うシエルに銃弾を降らせる。
 肩をわずかに掠めただけに終わる。
「若者は盲目の娘に恋をした! 見ているだけで幸せだった!」

 ――幸せだったのです、それだけで良かったのです。

 グーデリアがついにシエルを捕らえた、車で人を撥ねた時のような衝撃。
「だが、殺された、散々弄ばれて、嬲られて、ズタズタにされてな!
 もう分かっただろ? 殺したのは手前だ、シエル・エレイシア――!」
 シエルをグーデリアもろとも地面に叩き付けた。確実に骨をヘシ折った感触
があった、彼女の唇から血が滲み出す。

391 :ラルヴァ ◆hALARVAIdY :02/11/15 23:45
ロング・ファング VS ラルヴァ
>389
 
「貴方の本当の名前は誰も知らないのに…私の名前を聞くの?」
 
ロングファングの口元――瞳を見るわけにはいかない――を見詰め、
呼吸を計りながらすり足で半歩前に進む。
突進にも逃亡にも対応出来るように、
身体中に湧き上がる力を、全身へと均等に行き渡らせる。
 
「私の名前はラルヴァ。
 お互い、あまりロマンチックな名前じゃないわね」
 
ロングファングの皮肉気に歪んだ口元に、かすかな怒りを感じつつ再び半歩進む。
 
この狭い事務所の中では、私が不利かもしれない。
飛び道具は確実に心臓に当てないと意味がないし、今度掴まれればさっきの手は通用しない。
 
そして何より…
彼の時間は無限だが、私の時間は酷く限られているのだ。
 
挑発と知りつつ、ロングファングの胸元に向けて大きくジャンプする。
 
少し手前に着地、大きなモーションで回し蹴りを放つ…と見せかけ
ナイフを手首のスナップだけでロングファングの顔面に投擲。
 
どちらもが囮の攻撃。
本命は、先程床に転がったスーパーレッドホーク。
 
ダンスのようなステップで、私は散らかった部屋の中を飛び跳ねた。

392 :ミカエル=ラージネス(M):02/11/16 00:01
シーザー・ツェペリvsミカエル・ラージネスvs漆黒の王子
『ただ、尊厳の為に』
>330

 落下する寸前、壁に小剣を突き立て、ミカエルはその身体を空中に固定した。
 下に落下していく少女と男には、目もくれない。
空を跳び、再び霧を切り裂こうと全身に力を込める。

 その時、下から吹き上がったシャボン玉が一際大きい塊となり、霧を包み込んだ。
 シャボン玉に包み込まれた霧が、人の形を取っていく。

 それを目で確認した瞬間、ミカエルは壁を砕くほどの力で蹴り飛ばし、宙に舞った。
銃弾の如き速度で、シャボン玉に包まれた漆黒の王子へと、ミカエルは迫る。

「ガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアアアア!!!!」

 空気の叫び。風の唸り。
 その時ミカエルは、人の形をした闇であった。
 闇が動き、刃の輝きが、虚空に線を描き出す。

―――――閃光の如き剣閃が、袈裟懸け、逆袈裟と、Vの字を描くかのように走った。


393 :ビリー・龍 ◆OClOnGFAng :02/11/16 00:05
ロング・ファング VS ラルヴァ
>391

「ラルヴァ、か……悪くないと思うぜ?」

 どうにもさっきから、身が入っていないことを感じて、俺は内心顔をしかめた。
 殺すにも逃げるにも半端なまま、長引かせたい気分らしい。
 阿呆なことだと思いつつ、俺は眼前で跳ねた動きに対応した。

 回し蹴り――フェイント。
 後手に回っていたが故に一瞬、引っかかる。
 投擲されるナイフ――わずかに首を逸らし、目を狙ったそれは頬骨に突き刺さった。

 俺は一歩引きながら次の攻撃に対しようとし、
 しかしそのときには、すでに眼前に女の姿は無かった。

 ああ、そういうことか。

 頬に刺さったナイフを抜く。
 銃を構えたラルヴァに、俺はそれを投げつけ――
 同時、銃声が響いた。

394 :ラルヴァ ◆hALARVAIdY :02/11/16 00:39
ロング・ファング VS ラルヴァ
>393
 
また、肉を裂く嫌な音がした。
私の左肩に生えたナイフは、冗談みたいに的確な位置に命中している。
 
一方、私の放った.454カスール弾もどこかには当ったらしい。
……心臓以外なら外れたも同じ事だが。
 
一瞬の迷い。
銃で追い討ちすべきか、ナイフを抜くべきか。
 
ロングファングの手の上で踊っているような、そんな気分を振り払って、肩のナイフを一気に抜く。
これで動かすだけなら充分な筈だ。傷の再生もゆっくり始まり出す。
 
だが、私の再生力はロングファングに遠く及ばない。
赤い血が、私の肩をつたって床にポタポタと落ちる。
 
身体の底から怒りと――別の感情が湧き起こってくる。
奥歯を噛みしめると、口の中の犬歯が刺さりそうになった。
 
銃を持ち上げて、一気に残りの全弾を発射。
ただし、最初の一発は天井の照明を破壊した。
ちょっとした意趣返しだが、
マズルフラッシュの直後ならば、少しは目くらましになるだろう。

395 :比良坂初音 ◆HtiOHATUNE :02/11/16 00:44
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
 
 
ロンドン郊外、都会の喧騒から遠く離れた場所に一軒の古城がある
元々は名の有る貴族のものだったのだろう、その城内の広大なベッドルーム
そこで比良坂初音はぼんやりとシーツに包まりながら、外を見ていた。
   
ここに来て以来数日、城の主に抱かれるのも少々飽きてきた
あくびをかみ殺しながら、初音は草原を2つに分断するように走っている道の先へ視線を移す。
   
彼女の瞳は常人のそれとは違い遥か先まで見通せる、道のかなたに一軒の教会が目に入った
そこにいたのはまだ若い1組の男女---------どうやら結婚式らしい。
さらに瞳を凝らしてみる、男女ともになかなかの美形だ、とくに娘がいい・・・・
仕込めばなかなか楽しそうな玩具になりそうだ。
  
くくっ、と喉を鳴らすと初音は、自分をここへ招いた城の主の名前を呼ぶ
「ねぇ、アセルスさん、面白い趣向を思いついたのですけど、乗ってみませんこと?」


396 :アセルス ◆1TAseLLUSs :02/11/16 00:45
>396 比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
 
「面白い趣向・・・?」
私の横で窓の外を眺めていた比良坂初音が、不意にそう言った。
疑問符を浮かべる私に、初音は窓の外を促す。
 
遠くに、なにやら人だかりが見える。
初音ほどではないが、私も常人よりは遠くのものを見ることが出来る。
教会、花束、ドレス・・・結婚式か。
 
「・・・ふふ、なるほど―――初音。
 さすが、君の考えそうなことだ」
 
言いながら、初音の背中へ腕をまわす。
 
「いいよ、乗ってあげる。
 せっかくこうして密会してるんだもの・・・楽しそうなイベントには一緒に参加しなきゃね」
 
艶やかな黒髪を撫でてから・・・私はベッドから降りた。
 
「それじゃ・・・行こうか?」

397 :ジョナサン・ジョースター ◆Jenuk/JoJo :02/11/16 00:47
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>395>396
 
太陽が、2人を祝福するかのように輝いている。
草原の青が、その日を鮮やかに照り返す。
 
ぼくのそばには、ウェディングドレスで着飾った女性が立っている。
エリナ・ペンドルトン。
彼女はまもなく、エリナ・ジョースターと名を変える。
 
ウインドナイツ・ロットでのディオとの戦いを終え、
ぼくとエリナはついに結ばれる事となったのだ。
 
トンペティさん達、他の波紋使いが来れず、
来るはずのスピードワゴンが遅刻しているのは少し残念だったが・・・。
 
幸福感が、ぼくの胸を満たしていた。
そして、エリナの表情を見る限り、彼女もそう感じているようだ。
 
この幸せが、ずっと続けば・・・。
心から、そう思う。
 
その想いが、すぐに打ち砕かれる事も知らず。

398 :紅丸:02/11/16 00:48
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>397
 
城の近くの宿に陣取り、獲物の監視を続ける男がいた 
「やっと動き出しやがるか・・ この時を長年待ったぜ」

男は改造バイクにライフルを据え付け、ショットガンと拳銃をホルスターに収めると
ヘルメットを被りゴーグルをかけた
「処刑に出動だ!」

399 :比良坂初音 ◆HtiOHATUNE :02/11/16 00:49
>>398
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸

太陽の光の下、今まさに2人は誓いの口付けを行おうとしている
が、不意に土ぼこりが彼方から舞いあがる、それと同時に招待客の1人が悲鳴を上げた
「暴れ馬だぁ!!」
結婚式の最中、乱入したのは巨大な馬車
しかもそれを牽引しているのはただの馬ではない、魔界産の悍馬だ。
 
招待客を踏み潰しながら、そいつは新郎新婦へと迫って行く
新郎が馬に気を取られ、新婦から一瞬気をそらせた瞬間
無人に見えた馬車の中から踊り出る、漆黒の影
影は新婦を抱きかかえると、そのまま再び馬車へと飛び移る
 
そして唖然とする新郎に『追って来い』と言わんばかりに
馬車はその速度を落とし、わざとゆっくりその場から離れていこうとしていた。

400 :アセルス ◆1TAseLLUSs :02/11/16 00:49
>397>398 比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
 
指輪の交換、誓いの口付け・・・式は滞りなく進んでいく。
そしてラストイベント、ブーケトスが行われる。
 
全てが至福に包まれる中、花嫁の手から舞い飛んだ花束は・・・蒼い髪の少女、
すなわち私の手に収まった。
 
周囲の人間たちが訝しむ・・・まあ当然だろう。
突然見慣れぬ顔が二人現れたのだから。
 
「おめでとう、と言っておこうか?」
 
そんな空気に構わず、私は口を開いた。
 
「一生に一度の幸せ、というやつか。
 ・・・クク、全くもっておめでたい」
 
言いながら、花束の生気を吸い取る。
みるみるうちに枯れていく花束を見た周囲の人間たちがどよめきの声を上げる。
 
「なぜなら、その花嫁は・・・私たちのものにするのだから!」
 
空間転移。花嫁を後ろから抱きしめ首筋を舌で軽くなぞる。
か細い声を上げ、花嫁の力が抜ける。
 
次の瞬間、何も無い空間から馬車が現れる。
妖魔界産の漆黒の悍馬に牽引された、妖美さと禍々しさを漂わせた巨大な馬車。
招待客をひき潰しながら現れたそれに、私たちは飛び乗ろうとした・・・

401 :ジョナサン・ジョースター ◆Jenuk/JoJo :02/11/16 00:54
>400
 
馬車が、微塵のように招待客を打ち砕いていく。
肉片と血が煙のように巻き散る様子。
ぼくは思わず目を背けた。
 
恐怖からではなく、「人の死」の悲しみから。
 
その隙に、気絶したエリナを抱えた蒼い髪の少女と、
その傍らにいる黒髪の少女とが馬車へと跳んだ。
 
「やめろ――――――ッ!!」
 
自分自身がそう叫ぶより先に、ぼくは駆け出していた。
あの少女はブーケの花を一瞬で枯らしていた。
まさか、吸血鬼かッ!?
だが、もしそうなら日光の元にいられるはずが――――――。
 
思考を巡らしながらも、ぼくは波紋の呼吸を練り上げて行く。
彼女たちは女性。
できれば傷つけたくはないが・・・。
これ以上・・・特にエリナを、好きにさせるわけにはいかない!
 
「波紋疾走(オーヴァードライブ)!」
 
微弱な波紋を込めて、指で蒼髪の少女の腕に触れる。
吸血鬼なら、これでも動きを止めるくらいはできる!

402 :比良坂初音 ◆HtiOHATUNE :02/11/16 00:56
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>401

男は絶叫しながらも馬車へと追いすがって行く
この反応・・・予想通りだ。
あとは生け捕って花嫁の目の前で引き裂いてやろう・・・・・・
 
くくっ・・・と初音はほくそえんだが、だが妙な点に気がついた。
男の走る速度があきらかに常人のそれを超えている
それに呼吸の音がなにやら妙だ・・・独特のリズムがある。
 
そういえば小耳に挟んだことがある。
自らの呼吸をコントロールすることで、肉体に眠る潜在能力や退魔のエネルギーを発動させる
戦闘術があるらしいと
 
そのとき初音は男の振り上げた腕に閃く光を確かに捉えていた、間違い無い!!
だがアセルスは全く気がついていない。
(美女を目の前にして油断?・・・悪い癖よ)
あきれながらも初音はアセルスへと叫ぶ
「アセルス!油断しないで、その男只者じゃないわよ!」


403 :比良坂初音 ◆HtiOHATUNE :02/11/16 00:59
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>401

男は絶叫しながらも馬車へと追いすがって行く
この反応・・・予想通りだ。
あとは生け捕って花嫁の目の前で引き裂いてやろう・・・・・・
 
くくっ・・・と初音はほくそえんだが、だが妙な点に気がついた。
男の走る速度があきらかに常人のそれを超えている
それに呼吸の音がなにやら妙だ・・・独特のリズムがある。
 
そういえば小耳に挟んだことがある。
自らの呼吸をコントロールすることで、肉体に眠る潜在能力や退魔のエネルギーを発動させる
戦闘術があるらしいと
 
そのとき初音は男の振り上げた腕に閃く光を確かに捉えていた、間違い無い!!
だがアセルスは全く気がついていない。
(美女を目の前にして油断?・・・悪い癖よ)
あきれながらも初音はアセルスへと叫ぶ
「アセルス!油断しないで、その男只者じゃないわよ!」


404 :アセルス ◆1TAseLLUSs :02/11/16 01:01
>403 比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
 
花嫁を奪われた男の絶叫が私の耳に心地よく響くなか、
私は自分の腕に抱えたその花嫁の姿に目を走らせた。
 
・・・美しい。さすがに初音が目をつけるだけのことはある。
さぞかし、その身に流れる血は甘美な味わいをもっていることだろう。
先ほど吸った花の生気などとは比べ物になるまい。
ましてや、あの男の前で吸ったならば・・・
 
そんなことを考えていたその時、不意に初音の叱咤の声が飛び込んできた。
 
『アセルス!油断しないで、その男只者じゃないわよ!』
(・・・何?)
 
その声に思わず振り返ろうとした瞬間、
私の腕に、まるで焼きごてを当てられたかのような激痛が走った。
 
「・・・っ!?」
 
痛みに顔をしかめた私の目に映ったものは、ただ私に触れているだけの男の姿。
だが、その指先は光を放っていた。
 
この光―――退魔の業か!?
 
「く・・・」
忌々しい。本来なら今すぐ叩き切るところだが・・・まだ、舞台は整っていない。
私は内心で舌打ちをしながら、男から跳び退り再び馬車に向かった。

405 :ジョナサン・ジョースター ◆Jenuk/JoJo :02/11/16 01:02
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>403>404
分厚い鉄の扉に流れ弾の当たったような音。
いつも効く波紋が流れる音だ。
歪んだ少女の表情が、波紋の効果があった事を伝える。
 
しかし、手加減した波紋では、動きを止めるには至らなかったようだ。
蒼髪の少女が、憎悪の炎を宿した目をこちらに向ける。
しかし、次の瞬間にはその怒りを押し殺すかのように、再び馬車へと向かう。
 
奇妙な雰囲気を宿した、二人の少女が軽やかに馬車に飛び乗った。
主人を得た馬車が黒い暴風のように、祝福の場を打ち砕いて去っていく。
 
後悔に歯噛みしながら、ぼくはそれを追って駆け出す。
一瞬の躊躇のせいで、エリナを連れ去られてしまうなんて―――――
自分に対する怒りを宿し、一心不乱に足を動かす。
 
しかし、息が、乱れる。
エリナの居る馬車には、人の足では追いつけそうにもなかった。


406 :ジョナサン・ジョースター ◆Jenuk/JoJo :02/11/16 01:03
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>405
 
落胆しかけているジョナサンを尻目に、一台のバイクが横を駆け抜けていく 

馬車を追い越し、前に先回りすると、対戦車ライフルを構えた 
「きたよ きましたよ」 

馬車の荷台ど真ん中を狙って弾が飛んでいく

407 :紅丸:02/11/16 01:03
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>405
 
落胆しかけているジョナサンを尻目に、一台のバイクが横を駆け抜けていく 

馬車を追い越し、前に先回りすると、対戦車ライフルを構えた 
「きたよ きましたよ」 

馬車の荷台ど真ん中を狙って弾が飛んでいく

408 :ジョナサン・ジョースター ◆Jenuk/JoJo :02/11/16 01:04
>406は代理貼り付けによるミスだ・・・すまないッ!

409 :比良坂初音 ◆HtiOHATUNE :02/11/16 01:04
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>407  

「ふっ!」
初音は軽く笑うと糸を放ち榴弾を真ッ二つに斬り裂く
爆風に照らされた男の顔には見覚えがあった。
何故だか知らないが、自分を眼の敵にしている紅丸とかいう男だ

どうせ追ってくるだろうとは思っていたが
それにしても、こんなところまで・・・・・初音は半ば呆れ顔で紅丸を見ると
すばやく彼めがけ糸を放つ。
「しつこい男は嫌われるわよ!!」


410 :紅丸:02/11/16 01:06
>409
 
棒高跳びのごとくライフルを使って糸をすり抜ける
「へ、ぬかしやがれ」

距離を突き放す馬車から目を離さずにバイクにまたがる

視認しにくく自在に動く糸の厄介さは以前と変わらない 
そして今はもう一匹いる 
さてどうする? 

「まあ、やってみないと分からんか」 

411 :ジョナサン・ジョースター ◆Jenuk/JoJo :02/11/16 01:07
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>409>410
ぼくの横を、電光のようにバイクが駆け抜ける。
バイクに乗った男は、馬車に乗った二人の少女を付け狙っているようだ。
 
ぼくは咄嗟に、そのバイクへと跳躍する。
波紋の力を利用した、常人には不可能な程の飛翔。
その力で、ぼくはバイクに飛び乗った。
 
ぼくはバイクの持ち主に叫ぶ。
 
「ぼくも連れて行ってくれッ!!」


412 :紅丸:02/11/16 01:08
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>411
「とっとと降りろ! 今忙しいんだよ兄ちゃん・・あ 」 

後ろの大男には見覚えがあるどころではなかった 
ゴーグルを上げて顔を確かめるとやはり間違いではない 

「何でアンタがここにいるんです・・?」 
何という偶然か ジョナサン卿から手早く事情を伺う 
「いや偶然じゃないのかな・・」

結局、これ以上は時間を浪費するだけなので同行する事に決め
一足先にバイクにまたがり、ゴーグルをかける 
「変身!」
波紋には面白い使い方もありそうだ 
一体化したバイクの後部に卿がまたがるのを確認するとロケットスタートを切る!

「遅れを取り戻さないとな」

413 :アセルス ◆1TAseLLUSs :02/11/16 01:12
>407>409>410>411>412 比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
 
後ろから、先ほどのバイクの男が轟音とともに追いすがってくる。
 
「ふん、確かに初音の言うとおりしつこい、そして無粋な男だな・・・」
 
僅かだが、醜く焼け爛れた腕に手を当てつつ呟く。
退魔の業でつけられた傷はすぐには再生しない。
奪ってきた花嫁の血を吸えばあるいは再生するだろうが・・・こうも揺れていてはそれも出来ない。
 
―――この醜き傷を癒すことが出来ない。
それだけで、憎悪が炎となって確実に私を駆り立てる。
・・・だが、このままでは炎はこの身に燻るのみ。
ならば・・・
 
私はまず、御者に少しずつ速度を落とすよう命じた。
どのみち向こうがバイクなどというもので追ってくる以上、逃げ切れるはずもない。
 
そして、揺れが先ほどより収まったのを感じながら、私は件の花嫁を抱き寄せた。
「君は私たちのもの・・・あんな男など忘れてしまうほどに、愛してあげる・・・」
抱きしめながら耳元で囁く私に、彼女は熱い吐息を返した・・・

414 :比良坂初音 ◆HtiOHATUNE :02/11/16 01:12
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>413 

初音は迫り来るバイクに繭弾を放つが、相手は巧みにそれを避ける
このままではいずれ追いつかれ格闘戦になるだろう、しかし紅丸の手強さを知っている初音としては
それは避けたいところだ・・・・・・馬車のスピードを落とした所をみると
アセルスは戦う気満々のようだ。
   
初音は暫し考えると、アセルスと入れ替わりで御者台へと向かい、命令する
「もっと速度を上げて、それからまっすぐ城には向かわずに迂回してくださいな」
  
「しかし・・・・・迂回路は険しい谷間ですよ、それにアセルス様から速度を落とすように先程命じられまして」
  
「今ここで私に叱られるか、それとも後で御主人様に叱られるか好きな方をお選び・・・・・・
でも私は慈悲深くは無くってよ」
  
初音は恫喝まがいの命令で、ムリヤリ馬車の進路を変更させる
これでいい・・機動力で劣るこちらは平地で戦うのは不利だ、少しでも有利な地形に誘いださねば
  
馬車は早くも険阻な岩山の入り口まで差し掛かりつつあった。


415 :紅丸:02/11/16 01:14
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>413>414
 
「おいおい、ロンドンのどこにこんな所があるんだよ」
口では言いつつも内心ほくそえんでいた 
ここは遮蔽物が多い 
自身の能力が活かせる場所だ

馬車からつかずはなれずの位置を維持しながら据え付けライフルに手をかけた
「ちょっと脅かしてやりますか」


416 :ジョナサン・ジョースター ◆Jenuk/JoJo :02/11/16 01:15
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>415
 
眼前の馬車に向けられたライフルを見て、ぼくは躊躇う。
間違ってエリナに当たることを心配したわけではない。
紅丸の腕前は信じられる。
 
銃の先にいるのは、女性。
紳士として、女性を手にかけるわけにはいかない。
だが―――――――
 
脳裏に、人々を塵芥のように踏み殺した、馬車の光景が蘇る。
捕えられた、エリナの表情が蘇る。
 
「そう、彼女達は人に仇為す魔!倒さなくてはいけないんだッ!!」
 
眼差しが光の帯を放ち、横に疾った。
同時に、呼吸とともに体内に波紋を蓄積していく。
 
「この波紋はエリナを助け出すと言う決意!!
 そして、貴女がたを倒すという決意だッ!!」
 
一声あげると、ぼくは紅丸の持ったライフルへと波紋を流す。
魔を断つ力の篭った銃弾が、禍禍しさを伴った馬車向けて放たれた。


417 :アセルス ◆1TAseLLUSs :02/11/16 01:16
>414>415>416 比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
 
初音に命じられ、馬車が迂回路の谷間を疾走する。
こういうときの思考は、さすがに初音のほうが一枚上手だ・・・
おそらく、何か考えがあってのことなのだろう。
 
その時、背後から追って来るバイクから銃声が轟いた。
御者は慌てず、手綱を振るって回避しようとする。
・・・だが、こんな場所で普通に銃撃してくるはずもない。
おそらく追尾してきているのだろう。
 
「く・・・」
 
蕩けた表情になってる花嫁を乱暴に放し、私は奥歯を噛み締めた。
口惜しいが・・・今の状況で私に出来ることはほとんどない。
しもべの手綱捌きに期待するか・・・あるいは、初音に何か策があるのか・・・?

418 :比良坂初音 ◆HtiOHATUNE :02/11/16 01:17
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>417

波紋を帯びた弾丸は馬車の後方に陣取る初音へと容赦無く襲いかかる
普通の弾丸など恐るるに足らないのだが、それは複雑な軌道を描いている
なんとか身をよじって避けたつもりだったが、それでも何発かはもらってしまったらしい
初音の身体から鮮血が噴きだす、むろん致命傷ではないが。
 
負けじと初音は糸を振るい、2人に対して応戦する
しかし糸は直接2人に対してではなく2人の背後の木々や岩をなぎ倒し、崩して行く
退路を塞いでいるのだ。
  
十分に準備が整ったと見るや、初音は今度こそ糸を紅丸に対して
ただし斬るのではなく突き刺すように放って行く
 
「アセルス!私が合図したらあの糸に炎を放って頂戴な」
(バイクと融合しているのなら、その腹の中はガソリンで充満しているはず・・・・・粉々になっておしまい)

419 :紅丸:02/11/16 01:19
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>417>418
 
「もう一丁、景気良いの行きますか大将!」 
間髪入れずに連発しようとするとジョナサンが止める 
エリナが囚われの身だという事をすっかり忘れていた 
もう少し緩やかな手をと希望される

そうこうしている内に空を切る音が聞こえる 
何度もてこずらされた糸か― 

瞬間、変身を解除しバイクと分離する 
「大将、ジャンプ頼まァ!」 

座ったままの姿勢でジャンプしたジョナサンに抱えられたまま空中で再度変身し、
そのまま同時にアクセルを全開にしていたバイクを馬車へ突っ込ませる 

今度はジョナサンを抱えると、馬車へバイクが接触するよりも先に胸の拳銃を抜き撃ちする

「飛行時の射撃訓練をしていない者と、している者の違いを、見せてやろう!」

拳銃の弾倉が空になるまで撃ち尽くした 
今度の狙いは、馬車の車体と車輪をつなぐ留め金だ 
十発もの弾丸と特大の焼夷弾と化したバイクを同時に防ぐ方法はあるまい! 

420 :アセルス ◆1TAseLLUSs :02/11/16 01:20
>418>419 比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
 
初音の声に了解の意を示すよりも早く、
バイクの男が分離し、共に空中へと跳び上がるのが見えた。
・・・もしや、初音の意図に感づいた? だとすれば・・・
 
「―――炎よ!」
段取りを一切無視して、初音の糸に火炎を走らせる。
そして同時に、空中の二人へと目線を変える。
 
私の目に映ったのは―――まさに、男が銃を抜き打ちせんとする瞬間。
 
口惜しいが・・・銃弾をどうにかする方法は、今の私にはない。
出来ることはただ、御者に鋭く命じることと・・・そして。
 
「・・・切り裂けっ!!」
 
空中の男に、一撃を加えることのみ!
 
幻夢の一撃―――死神の姿をした幻獣リーパーが、男に向かって鎌を振り上げる。
 
刹那、ガソリンに引火したバイクの盛大な爆発音と爆風が、この場の全てに襲い掛かった―――

421 :比良坂初音 ◆HtiOHATUNE :02/11/16 01:21
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>420

「アセルスっ!しばらく任せたわよ」
紅丸本体についてはなんとかしてくれるだろう・・しかし・・・銃弾をどうするか
〈考えている暇はなさそうね)
初音は馬車の天井部分を糸で両断・粉砕し、さらに無数の繭弾を射出し
銃弾を相殺させる。
これでなんとか『足』を奪われる事だけは防げた・・・が
しかし、その瞬間強烈な爆音と爆風が辺り一面を襲った。


422 :ジョナサン・ジョースター ◆Jenuk/JoJo :02/11/16 01:21
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>420>421
 
空中にいるぼくと紅丸の前に、死神の姿が現れた。
その死神の手元から、轟音が唸る。
空間すら歪める暴風のように、巨大な鎌がぼくたちへと襲いかかった。
 
銃を乱射していた紅丸には反応仕切れず、ぼくにとっては間合いの外の攻撃。
そう、本来なら。
 
「こおおおおおおおおおおおお!!」
 
関節を外し、腕を伸ばす。
その痛みを波紋の呼吸で和らげる。
 
「ズームパンチ!!」
 
鎌よりも一瞬早く、伸びた腕が死神を捕える。
ぼくの一撃を受けて、死神はあっさりと消し飛んだ。
 
そこに、爆音が轟く。
紅丸のバイクが爆発した音だ。
エリナも乗っている馬車に大した影響はなかったようだが・・・。
 
「後先考えずに無茶をする人だ・・・」
 
ふと紅丸のほうを見て、ぼくは呟いていた。

423 :アセルス ◆1TAseLLUSs :02/11/16 01:24
>421>422 比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
 
銃弾は初音の機転によって相殺され、
バイクの爆発もこちらには多少熱風が吹きつけた程度で免れた。
―――もっとも、上空の奴らも爆風の影響を受けることなく
難なくリーパーを葬ってしまったが。
 
「・・・ふん」
 
そのリーパーが葬られる様を思い出す。
 
・・・絶妙の間合い、絶妙のタイミング。
私の放ったリーパーは確実にその鎌を血に染める・・・はずだった。
だが、バイクが爆発するその直前私が見たものは―――腕を伸ばして攻撃する男の姿。
 
「まったく・・・デタラメな」
 
半ば呆れるように呟く。
なんにせよ、奴は見た目以上の間合いをもつということか・・・
 
 
『主上、比良坂様・・・まもなく、例の古城に到着してしまいますが』
 
御者を勤めるしもべの声が告げる。
・・・結局、奴らをここまで招待してしまったか。
 
「構わん・・・そのまま、城門をくぐれ。
 お楽しみは、まだまだこれからだ・・・ね、初音」

424 :比良坂初音 ◆HtiOHATUNE :02/11/16 01:24
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>423

しかし初音はアセルスの言葉を聞いてはいなかったようだ。
アセルスがもう1度初音に確認を取ろうとしたのだが、それより早く
「馬、借りるわよ」

初音は馬車を牽引する3頭の馬の内、1頭を馬車から切り離しすでにそれに飛び乗っていた。

馬といっても魔界で育ったそれはサイズといい運動能力といい人間界の物とは比べ物にならない
むしろ馬というより馬型のモンスターというべきだろう
事実、初音を乗せたまま切り立った直角に近い断崖をものともせず駆けあがって行く

そして、断崖の頂上まで達したそのとき
初音を載せたそいつは、後方に位置していた紅丸たちを蹴り砕き、踏み潰そうと
その巨体を宙に躍らせていた。


425 :紅丸:02/11/16 01:26
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>423>424
 
「その無茶な事を平気でやるのがオレっちでさァ!」 
言っている間に妖しげな城が近付いてきた 
下から馬が駆け上ってくる 

「空を飛べないってのは厄介だねぇ」
振りかぶってくる蹄を、腕から出た槍で串刺しにする 
そのまま馬の前足を釘付けにしながら下に回りこみ、腹をカニバサミで挟み込んで
力ずくで裏返しにした 
初音は宙ぶらりんになる 

上になった背中に卿がちょうど飛び降りる 
「これからどうすると思う? 
こうするんだよ!」

長い滞空時間を経て、地面目掛けて自由落下する 
「変形馬式誉れ落とし!」

426 :ジョナサン・ジョースター ◆Jenuk/JoJo :02/11/16 01:27
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>425
 
紅丸の言葉に、ぼくは苦笑を浮かべる。
だが、同時に奇妙な安心感もある。
下の、黒い服の女性は紅丸に任せていいという安心感だ。
ぼくは、馬車にいるエリナを助け出しに行ける!
 
「ならば、ぼくも無茶をさせてもらおう!!」
 
苦笑を不敵な笑みに変えると、ぼくは紅丸の背から・・・「飛んだ」。
下は地面、この高さで落ちれば完熟したトマトのように潰れてしまうだろう。
しかし、ぼくに恐怖はない。
落下の風を肺に送り込み、ぼくは波紋を練り上げていく。
 
「生命磁気への波紋疾走!!」
 
そう叫ぶと、崖っぷちに生えた木に向け、蹴りとともに波紋を放出した。
木の葉が舞い散り、それがぼくの足元へ吸い込まれて行く。
収束した木の葉は、巨大な「ハート」を形作った。
 
人間の体の微量な生命磁力を強化し、木の葉にそれを流し込むことで操ったのだ。
ぼくは馬車向けて、サーフボードのように「ハート」に乗って進んでいく。
ある程度まで近づくと、生命磁力の形を変える。
 
ぼくの身体の磁力と木の葉の磁力を反発させ!
自らの195cmの巨体を、弾丸として馬車へと放ったッ!!

427 :アセルス ◆1TAseLLUSs :02/11/16 01:29
>424>425>426 比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
 
(意外に派手に行くなぁ・・・)
馬車を止め、馬を借りて駆け上がって行く初音を
苦笑を浮かべつつ見送る。
 
さて、こちらもただ眺めてるわけにも行くまい。
何せ『戦利品』はここにいる。攻めてくるのは時間の問題だろう。
私はいつでも剣を抜けるよう、油断なく身構えた。




・・・来た!
あの男の巨体が、妙なものに乗って突撃してくる。
私は迎撃態勢をとり・・・

428 :アセルス ◆1TAseLLUSs :02/11/16 01:30
>427続き
 
刹那。
 
「な―――」
私の目の前で突然、男が加速度をつけて飛んできた。
サイドステップで避けようとするも、そのスピードによる風圧が私を吹き飛ばす。
 
地面を転がりかけ、無理やり手をついて跳躍、受身を取る。
この程度で腕なり何なりに異常がくるほど、私の体は柔ではない。
 
それにしても・・・なんという無茶苦茶な奴だ!
ならばこっちは―――
 
「―――落ち来たれ!!」
 
一声と共に、妖魔武具から魔力を開放する。
それは男の頭上でエネルギーをなし・・・雷(いかずち)と化して降り注ぐ!

429 :比良坂初音 ◆HtiOHATUNE :02/11/16 01:30
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>427

「良く避けたわね、ですけどそれも折込済みよ」
自分の背後に地面が迫ってくるのもお構いなく、初音は馬の身体超しに糸を発射する。
もがく馬を押さえこみながら落下する紅丸にそれを避けることは出来ない
糸が紅丸の肉に食いこむ感覚が確かに初音の手元に届く。
 
さらに攻撃を加えようとした初音だったが、その刹那周囲の空気がひりひりとささくれだすのを感じる
雷撃か、これは好都合だ。
「アセルス!その雷頂戴な」
初音はアセルスの前方・・・男の頭上へと糸を放つ
と、男に降り注ぐはずだった雷撃のエネルギーが全て糸に宿り、それは瞬時にして紅丸の体内を直撃した。

430 :紅丸:02/11/16 01:31
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>428>429
 
卿が正に飛んで降りるのを視確するその瞬間、絡みついた糸による電撃が
体を貫く 
体内の肉が焦げ、顔の穴から血が溢れ出した  

そのまま馬ごと地面に激突し盛大に土埃をあげる


431 :ジョナサン・ジョースター ◆Jenuk/JoJo :02/11/16 01:32
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>428>429>430
 
馬車へのタックルを避け、蒼髪の少女は地面に降り立つ。
ぼくも態勢を立て直し、それと同時に、耳に轟音が響いた。
部厚いガラスを打ち砕いたような音。
 
その一瞬後、紅丸の体が地面に落ち、粉塵を巻き上げる。
 
「紅丸!」
 
思わず駆け寄ろうとするが、そのぼくの眼前が蒼に覆われる。
蒼髪の少女がぼくの前に立ちふさがったのだ。
少女に真っ直ぐに視線を向け、ぼくは口を開いた。
 
「エリナを解放してくれ。そうすれば、ぼくは退く。紅丸も説得しよう」
 
それは全くの本心から来る言葉。
 
「あなた達は女性。ぼくはあなた達を傷つけたくはないッ!」
 
しかしぼくの体は、断られればいつでも攻撃を取れる態勢になっている。
ぼくはなんていやなやつなんだ!
自分の打算を憎みながら、ぼくは強く言葉を発した。

432 :アセルス ◆1TAseLLUSs :02/11/16 01:34
>429>430>431 比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
 
「・・・ふ、くく・・・ははははははは!!」
 
・・・私は笑った。男のその馬鹿げた言葉に。
“彼女を解放しろ、そうすれば手出しはしない”―――全くもって馬鹿げている。
何せ私を・・・妖魔の君たるこの私を説得しようというのだから。
笑うなというのが無理な話だ!
 
「ははは・・・なんとまあ、ずいぶんと紳士的な言葉だな。涙が出そうだ」
 
ひとしきり笑ってから・・・男のその目を侮蔑を込めて睨み返す。
 
「私を傷つけたくない? 一体何様のつもりだ貴様は。
 人間風情が私にそのような口を利くだけでも万死に値するというのに、
 そのうえ私に指図するとは・・・
 ―――第一、それならばなぜ貴様は・・・その構えを崩さない!」
 
言い放つと同時に、男に向かって大きく踏み込む。
同時に月下美人を抜刀、不遜なその男に向かって一閃する!

433 :比良坂初音 ◆HtiOHATUNE :02/11/16 01:35
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>432
 
土煙が晴れたとき
初音は自からの背中から生やした8本の蜘蛛脚をめいっぱい
展開させ、地面への直撃を防いでいた。
さらに背中にエアバッグ状の繭を装着し、身体を支える。
 
とはいえ、魔物としては非力な初音だ、数トンの重みを支えるのには限界がある
実際、みしみしと地面に突き刺した蜘蛛脚がきしみはじめている。
 
(このままでは押しつぶされる、どうする!)
 
初音は糸を馬ごと紅丸に結わえ付け、さらにその糸の端を崖の壁面へ接着する
その糸は仕掛けがありゴムの様に伸縮するのだ。
 
ギシギシと何かがしなる音がしたかと思うと
紅丸はパチンコの弾のようにきりたった崖の壁へと馬もろとも吹き飛ばされ
盛大に激突した。


434 :ジョナサン・ジョースター ◆Jenuk/JoJo :02/11/16 01:36
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>432>433
 
白い疾風が頭上を吹き抜ける。
ぼくを断ち割るべく、その風を呼びつつ剣が迫る。
 
地面に、血の雫が滴り落ちる。
握り締められたぼくの拳の中に、少女の振るった剣がある。
素手で剣を掴んで止めたのだ。
 
断られることは半ばわかってはいた。
戦う決意も出来てはいた。
だから、構えを解く事はできなかった。
 
ぼくは自分自身に、歯が砕けんばかりに歯軋りした。
 
一瞬だけ悲しい目を少女に向けると、ぼくは蹴りを彼女に放つ。
しかし、それでも顔は外し、肩口へと丸太のような足を叩き込む。

435 :アセルス ◆1TAseLLUSs :02/11/16 01:38
>433>434 比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
 
私の振るった剣を、あろうことか男は素手で掴み取った。
これまで数多の者を切り裂いてきた我が愛刀を素手で掴み取る・・・
半ば信じられぬその好意に、一瞬隙を生んでしまった。
 
一瞬の後・・・私の肩に、男の蹴りが叩き込まれた。
大きく吹っ飛ばされ、土煙を上げて地面を転がる。
 
「・・・く、そ・・・」
 
肩に走る激痛に顔をしかめつつ立ち上がる。
この痛みは・・・肩の骨を砕かれたか。再生までには少々時間がかかる・・・
 
だが・・・あの体勢なら、肩といわずに顔面目掛けての攻撃も出来たはず。
―――わざと顔を外したのでなければ。
 
ふと、奴が蹴りを放つ前に浮かべた表情を思い出す。
悲しみに彩られたその目を。

436 :アセルス ◆1TAseLLUSs :02/11/16 01:39
>435続き
 
・・・気に、いらない。
私が女だから、だから奴は手加減したとでもいうのか。
―――思い上がるな、人間風情が。
全く持って気に入らない・・・奴を、心底まで絶望させてやりたい。
己が無力さを思い知らせてやりたい―――!
 
・・・ふふ、そうか。いい方法があるじゃないか・・・
ちょうどいい、そろそろ目を覚ます頃だ・・・
 
剣を構え男を警戒しながら・・・視線を馬車へと向ける。
 
そう、そこには―――花嫁衣裳に身を包み、熱っぽく潤んだ目でこちらを見ながら
歩み寄ってくる“彼女”の姿があった・・・

437 :ジョナサン・ジョースター ◆Jenuk/JoJo :02/11/16 01:40
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>435>436
 
掌がずたずたに裂かれ、熱のように痛みが溜まっている。
赤い雫が無数の線となり、地面へと流れていく。
 
その血を波紋の呼吸で止め、ぼくは吹き飛んだ少女向けて歩を進めた。
痛みを意に介している暇などない。
これ以上の痛みを、ぼくは彼女に与えなくてはいけないのだから!
苦悩はあるが、迷いはない。
少女が立ちあがったのを見て、ぼくは血流から波紋の力を練り始めた。
 
しかし。
そこに気配が現れ、ぼくは思わず振り向く。
馬車からエリナが降りたってきたのだ。
 
だが、彼女の表情からは、あの誇り高さは失われていた。
惚けたような彼女の目に、耳を針で貫かれたような衝撃が走る。
 
一瞬。
 
ぼくの動きは、止まった。


438 :アセルス ◆1TAseLLUSs :02/11/16 01:41
>437 比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
 
自らの婚約者のそばを、しかしそんな男など存在しないかのように通り過ぎ、
彼女は私のそばへとやってきた。
・・・まあ、当然のことだが。
今の彼女には、あの男どころか私と初音以外には誰も眼中に入っていないはずなのだから・・・
 
私は剣を鞘に収め、うっとりとした表情の彼女を腕を広げて迎え入れる。
・・・無論、その腕は片腕だけ。
もう片方は肩の神経を完全にやられて全く動かせない。
 
痛みに顔をしかめつつ・・・私は抱き寄せた彼女の耳元で囁きかけた。
 
「いい子だ・・・名前は?」
『・・・エリナ・・・ペンドルトン・・・』
「そう・・・エリナ、か。ふふ・・・」
 
耳たぶを軽く舐め、唇を這わせ・・・その白いうなじに牙を立てた。
とろけるような甘美な味わいが喉を流れ落ち・・・砕かれた肩の痛みが和らいでいく。
完全回復とまではいかないが、とりあえず腕を動かせる所まで再生させる。
先程までに比べればこれで充分だ。
 
牙を抜いてあの男を見やり・・・にやりと笑ってみせた。
 
「さあ・・・どうかな、今の気分は。
 婚約者を目の前で汚される、その気分は? ククク・・・」

439 :ジョナサン・ジョースター ◆Jenuk/JoJo :02/11/16 01:42
>438 比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
 
牙が、エリナの肌へとゆるやかに沈む。
エリナの表情が魂が抜けていくように快楽に崩れる。
 
それを見て、ぼくの頭は、焼けつきそうなまでに熱くなった。
血管が切れて行くのがわかる。
血流が、ぼくの全身を駆け巡っていく。
 
「人々の命を弄び!今また彼女の誇りを侮辱する!」
 
わずかに俯き、ぼくは口を開いた。
紳士としては恥ずべき行為だが、もう彼女を女性とは思わない。
愛する者の誇りを奪うことだけは―――――――
 
「絶対に許せないッ!!」
 
ぼくの足が、地面を割らんばかりに地を蹴り、土を跳ねる。
肺には大きく空気が吸い込まれていく。
怒りで早まった血液の流れと呼吸とが、「波紋」の力を産み出し、身体能力が爆発的に膨れ上がる。
 
「ふるえるぞハート!」
 
ほんの一瞬で、エリナを奪った少女とぼくとの間合いはゼロになる。
 
「燃え尽きるほどヒ―――――ト!」
 
エリナに当てることは避けてみせる。
正確に蒼髪の少女の顔面目掛け、砲弾のような拳から、波紋を送り込む!
 
「山吹色の波紋疾走!」


440 :アセルス ◆1TAseLLUSs :02/11/16 01:44
>439 比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
 
「く・・・くはははははは!!」
 
男の台詞を聞いて思わず哄笑・・・
そのまま、エリナを置いて防御姿勢をとりつつバックステップした。
奴が攻撃してくるのは明らかだったから。
・・・そう、女であるこの私を。
 
が、予測できたのはそこまで。
男の突撃は、私の予想を大きく上回っていた。
 
食らった、そう思った次の瞬間には私は崖に叩きつけられていた。
肺から空気が押し出され、口から漏れる。
・・・それでもなんとか、顔面へのダメージは避けられた。
その代わり今度こそ、左腕が犠牲になったが。
あの退魔の業を食らったのだ・・・ダメージは尋常ではない。
 
だが、それでも―――

441 :アセルス ◆1TAseLLUSs :02/11/16 01:44
>440続き
 
それでも―――私は笑っていた。
 
「はは・・・ようやく素直になったか。
 結局、私は貴様にとってただの敵でしかないわけだな。
 ならば、私も貴様に敬意を表して・・・」
 
立ち上がる。幻魔を構える。
片腕しか使えないが・・・委細構わない。
むしろこれくらい、ハンデのうちというもの。
そして―――
 
「愛する者の目の前で・・・貴様をズタズタに切り刻んでやろう!!」
 
先程のやつに勝るとも劣らぬ迅さで肉薄、
懐に飛び込むと同時に、幻魔を下から掬い上げるように斬りつける!

442 :ジョナサン・ジョースター ◆Jenuk/JoJo :02/11/16 01:45
>440>441 比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸

地を蹴ると、ぼくは後方へと跳躍したが、刃はそれを追い上げて来る。
浅く肉が裂かれ、糸の切れた数珠のように血が飛び散る。
 
しかし、痛みは激しい怒りに圧し殺されている。
波紋の呼吸が産む生命エネルギーで咄嗟に止血。
剣が跳ね上げられた瞬間を狙い、ぼくは懐に潜り込んだ。
 
「ああ、ぼくはあなたを・・・」
 
熱くなっているのがどこがでわかっている。
だが、彼女の今までの行い全てを・・・許せない。
許すわけにも、いかない。
 
剣を握る少女の手に肘撃ちを合わせ、
 
「殺すッ!」
 
言葉を発したと同時に、ぼくは肩口から渾身のタックルを浴びせる。


443 :紅丸:02/11/16 01:46
>442 比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
 
岩壁に空いた穴から飛び出す空中へ舞い上がり、
瓦礫をつかんで初音・アセルスに投擲する

奴らにとっては単なる岩など意に介さず防ぐだろうが、
その攻撃でぶつかり合っていたジョナサン卿とアセルス、初音の距離が更に開く

三者の中間へと飛び込むと
拳銃の銃口を、操られたままのエリナへと向けて発砲した


444 :比良坂初音 ◆HtiOHATUNE :02/11/16 01:46
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>443

初音がアセルスに加勢しようとしたそのとき
岩壁から無数の瓦礫とともに紅丸が飛び出してくる。
だが、瓦礫程度容易く防げる
 
初音は紅丸の身体にすかさず糸を巻きつけると
四肢を寸断しようと糸を持つ指先に力を込める
しかし初音の動きより早く紅丸は、なんと人質のエリナに向かって
拳銃を発砲したのだ
 
あまりに不可解な行動に初音も一瞬呆気に取られてしまっていた。


445 :アセルス ◆1TAseLLUSs :02/11/16 01:47
>442>443>444 比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
 
男のタックルが私を襲う。
一瞬だけ早く後方へと地を蹴り威力は多少殺せたものの、私は再び吹っ飛ばされた。
直前の肘打ちによって痺れた手から、幻魔が零れ落ちる。
 
私は空いた手で受け身を取り、着地。
再び突進し、月下美人を抜きつけようとした。
 
そこへ瓦礫が、私の邪魔をするように飛んでくる。
私は舌打ちをしつつサイドステップ、その瓦礫を悉く切り裂いた。
小さな礫と化した瓦礫が、私の体を掠める。
 
再び開いてしまった男への間合いを詰めようと、男へと向き直ったそのとき。
目の前に飛び込んできた紅丸と呼ばれてた男が、手にした銃を発砲した。
 
「な・・・!?」
 
何を考えてか、エリナへと向かって。

446 :ジョナサン・ジョースター ◆Jenuk/JoJo :02/11/16 01:48
>443>444>445
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸

銃弾は空間を貫き、殺意を持ってエリナへと突き進む。
ぼくは紅丸の動きから銃弾の進路を見極め、発射される前に跳躍していた。
空中で素早く自分の髪を抜き、波紋を流し込む。
銃弾の進路に着地すると、小型の矢のようになった髪を銃弾めがけ放つ。
 
硝子を鋼鉄の爪が掻き毟ったような音を立て、髪は弾頭を弾く。
髪が一種のバリアとなり、銃弾はことごとく地に落ちた。
 
一息つくと、頭に登っていた血が沈静化しているのに気づいた。
今の戦いはエリナを守るためのもの。
けして傷つけるためのものじゃあない。
それを気づかせるための紅丸の行動だったのか・・・
彼の表情は仮面に隠れて見えないが、ぼくはそう信じることにした。


447 :比良坂初音 ◆HtiOHATUNE :02/11/16 01:49
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>446
 
2人が驚いている間に
男は自らの婚約者を狙った弾丸を鮮やかな手並みで防いでいた
その横顔は先程までのあせりは微塵も感じられない
そうか・・紅丸の狙いはこれだったのか・・・・
  
「全く、腹立たしいにも程があるわ」
初音は一言呟くと、紅丸の身体を一息に引き裂くべく
巻きつけた斬鋼糸に力を込めた。


448 :紅丸:02/11/16 01:50
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>447
 
ついに糸に捕らえられた 
その力は今まで幾多の絶闘に耐え抜いた体に食い込んでいく
骨が砕ける音がした 
引き裂かれるよりも押し潰される事を体は選んだのだ 

「腹立たしいのはこっちだ! この黒豚白豚どもがァー!」
一度も聞いた事はないが、おそらく時計塔の鐘の音より響き渡るであろう大声で絶叫すると、
一瞬だけ周りにいる者全てが弛緩した

その時、糸に巻き付かれた腕を裂けた脇腹に突っ込ませると赤黒い塊を一掴み引きずり出した

腸だ 

それを持ったまま、肩の方へ腕を無造作に引き抜き、初音の顔面に投げ付けた

その混乱に乗じて、引き裂かれた体をナメクジのように動かして糸から抜け出す

「次にオレの体に糸が巻きつく時はどっちかが喰われる時だぜ!」
今度はジョナサンの方へと向き直り、アセルスの後方から襲い掛かった

449 :ビリー・龍 ◆OClOnGFAng :02/11/16 01:50
ロング・ファング VS ラルヴァ
>394

 右肩に銃弾が突き刺さる。
 肉が爆ぜ、骨を叩き折って銃弾は抜けた。
 再生するに任せ、退く。

 灯りの消えた部屋で閃くマズルフラッシュを背に、部屋を出た。

「悪いが今日は気分が乗らなくてな、またあとで遊んでくれや」

 廊下から、ドアを叩き壊してとなりの住人の部屋へ侵入する。
 幸い、留守らしい。暗い部屋に人気は無い。

 思えば、そのまま逃げちまってもよかった。
 俺はその代わりに、手近な椅子を窓に投げつけて己の逃走を偽装し、
 自分は壁に張り付くようにして闇に身を溶け込ませていた。

450 :アセルス ◆1TAseLLUSs :02/11/16 01:51
>446>447>448 比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
 
紅丸の放った銃弾が男によって弾かれる様を、一瞬驚きはしたものの
私は冷めた心境で見ていた。
―――あの花嫁は、今日の私たちにとってはただの「おもちゃ」にすぎない。
だからあれが傷ついたところでどうということはない。生き長らえさせる方法もいくらでもある。
見たところ、あの男を落ち着かせるための銃撃でもあったようだが・・・
全く、くだらない策を弄したものだ。
 
「ふん・・・落ち着いたか?
 ならば・・・後はゆっくりと、切り刻んでやろう」
 
エリナの身を守り一息ついていたその男に、無造作に近づく。
そして奴へ、その言葉通りに剣を振り上げ・・・
 
次の瞬間、大音声が私の耳に響いた。
振り向いた私の目に、件の男―――紅丸の姿が飛び込んだ。
 
「く―――!」
 
視認と同時に、私は振り上げた剣を後方の紅丸へと叩き付けるように振り回した。
・・・いちいち邪魔だ、いい加減失せろ―――!

451 :ジョナサン・ジョースター ◆Jenuk/JoJo :02/11/16 01:52
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>450
 
蒼い少女の剣が風を切り裂いて紅丸を襲う。
荒療治とはいえ、ぼくは紅丸に助けられたようなものだ。ならば今度はぼくが助けよう!
ズザァッ。
自分の足が強く地面を蹴る音を聞く間もなく、少女の手元を狙って低いドロップキックを繰り出す。
 
「こおおおおおおおおおおお!」
 
羽根のように浮いた体が呼吸とともに空間を駆け抜ける。
 
「金属を伝わる波紋! 鋼色の波紋疾走!!」
 
剣へと蹴りが迫っていく。
紅丸のサポートから攻撃へと繋がる蹴りが!

452 :比良坂初音 ◆HtiOHATUNE :02/11/16 01:53
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>451
 
「な・・・・何!」
またしても理解不能な紅丸の行動に呆気にとられる初音
しかしこのままではアセルスが危ない
初音はアセルスの剣へと糸を放ち、剣を伝い彼女の身体を焼くはずの
波紋エネルギーを外部へと誘導する。
 
結果、男の攻撃は単なる蹴りとなりその意味をなくす
そこへ初音は追撃の糸を放った。
「背中がお留守よ、猪武者さん」


453 :ジョナサン・ジョースター ◆Jenuk/JoJo :02/11/16 01:54
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>452
 
冷水を浴びせかけられたかのような痛みが、背に走る。
肉に食い込む鋭くしなやかな糸の感触を受けて、ぼくの顔が歪んだ。
しかし、それは苦痛のためだけじゃあない。
波紋の呼吸と共に背の筋肉を硬化させ、糸を自らの背中で止めるためでもある。
 
「こおおおおおおおおおおお!」
 
呼吸と共に手元の、紅丸が撃ち、ぼくが叩き落とした銃弾を握り締める。
さっきのジャンプで手元に跳ね上げていたのだ。
まだわずかに残った弾丸の熱と「弾丸の生命」に波紋を送り込み、爆発的な熱量を産み出す。
 
冷静になった頭でぼくはいろいろなことを理解するとともに、
彼女たちを倒さなくてはならないということも理解してしまっていた。
紳士としてはやはり恥ずかしいが、それは完全なる決意。
誰ももうその意志を揺り動かすことはできない。
 
「ならばあなたは、目の前がガラ空きだッ!」
 
一声吼えると、ぼくはその熱を帯びた拳で自らの腹を打った。
背に食い込んだ糸まで波紋は伝わり、糸を焼き切りながら黒髪の女性へと迫る!

454 :アセルス ◆1TAseLLUSs :02/11/16 01:55
>451>452>453 比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
 
紅丸へと放った剣が、もう一人の男に蹴りつけられる。
体勢を崩された私は、一旦間合いを離す羽目になった。
 
だが今の攻撃・・・あまりにあっけない。
見れば、剣に初音の糸が僅かだがまとわりついていた。
これは・・・男の真の狙いを、初音が挫いたか?
 
何にせよ、私はただ体勢を崩しただけだ。
すぐに、追撃には移れる。
 
だがこのままではつまらない。少し趣向を凝らすとしよう・・・
私は呪文を唱えつつ、再び紅丸へと斬りつけるべく駆けた。
 
走る、駆ける。
開いていた間合いは瞬く間に縮まる。
あと少しで肉薄。私は剣を振り上げ・・・
 
「―――影よ!」
 
妖術ミラーシェイド発動。
まるで分裂するように、私と寸分違わぬ虚像が二体現れ
やはり寸分違わず、剣を振り上げる。
 
そして私と二体の虚像、三人で同時に剣を振り下ろす!
真に殺傷せしめるのはこの私の剣のみ―――さあ、貴様に見切れるか、紅丸!

455 :紅丸:02/11/16 01:56
>454 比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
 
アセルスが突然分身した
おそらく魔法の類だろうがそんな事は関係ない

ぶちかますのみ!

「ぶち割れろ!」
適当に真ん中の奴を選んで頭を振り上げ、骨で覆われた額を剣に叩きつけた

と思ったら頭がすり抜け空中で前転し、ショットガンを落とした
しかし闘牛とは訳が違うのはここからだ

頭から地面に激突する前に、腰の後ろに指した二連発のソードオフ二丁を抜き取り
左右の女に向ける

「全員撃てば同じ事だ!」

456 :比良坂初音:02/11/16 02:02
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>453>454>455

自らの放った糸を走る波紋を見て
初音は慌てて糸を切り離そうとするが間に合わない
まさか、この状況で反撃されるとは思ってなかったのだ
いまや波紋は糸を伝い初音の身体に流れ込もうとしていた。
  
「こうするより他に無さそうね」
初音は覚悟を決めると糸を操る自分の左手首を自ら斬り落とす
波紋が全身に伝わるのを防ぐにはこれしか無いのだ
切り離された手首はみるみるうちに焼け爛れて行くが
それにかまうことなく、右手の爪を伸ばし初音は目の前の男に突撃する。
 
「勝負よ!」

457 :ジョナサン・ジョースター ◆Jenuk/JoJo :02/11/16 02:03
比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>456
 
黒髪の女性は片腕になりながらも、ぼくの命を奪うべく爪を伸ばし、こちらへと迫る。
なんという執念! 
だが・・・驚いている暇はない!
 
「こおおおおおおおおおおおおお!」
 
大きく息を吸い、吐き出す。
心臓が波立ち、全身の秘められた力が解放されていく。
力強く地を蹴り、ぼくは駆け出した。
同時に、指先へと膨れ上がる自らの力を集中させる。
拳を握り締める。血が滾っている。熱い。
 
「おおおおおッ! 刻むぞ血液のビート!」
 
2人の間合いが、わずか一呼吸の間に縮まる。
ぼくの拳と彼女の爪。
その一瞬、2つの旋風が交錯する。
 
「山吹色の波紋疾走!」

458 :アセルス ◆1TAseLLUSs :02/11/16 02:06
>455>456>457 比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
 
紅丸が真ん中の“私”に頭突きを見舞う。
―――ふ、残念はずれだ。
私は内心で奴を嗤いつつ、たたらを踏む奴めがけて剣を振り下ろす。
 
が・・・あろうことか奴はその体勢のまま銃を抜き
“私”と本物のこの私、その両方へと銃口を向け発砲した。
このタイミングでは、さすがに回避は無理だった。
虚像は消え、実体である私はもろに弾丸を食らって剣を振り下ろすタイミングがずれる。
 
だが、だ。まだ終わりではない。
「趣向」はまだ―――!
 
 
「・・・リーパーーーーッ!!!」
 
傷に響く事など承知の上で、叫ぶ。
瞬間、紅丸の背後に死神の影―――幻獣リーパーが立ち上り、鎌を振り上げた。

459 :紅丸:02/11/16 02:07
>458 比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
 
地面に触れるよりも早くアセルスの出した怪人の鎌が襲い掛かってくる
天地が逆転しているために、凶刃を受け止めるのは右腕という事になった
右腕に備え付けられている骨の盾は鎌を防いだ、ように見えた
しかしこの盾は所詮 骨、申し訳程度の強度しかない
食い込んだ刃が勢いを失わずに右腕を空中へと飛ばし、胴を貫く

本来なら飛行できる筈の体が重力へ逆らえず地面に激突する

「相討ちなら、まだオレの方が強い・・」
起き上がる事すら出来ない状態でも未だ口は減らなかった


460 :比良坂初音:02/11/16 02:08
>457>458>459
 
角度といいスピードといい、初音の突撃は申し分がなかった
恐らく並みの狩人なら一撃で屠っていただろう
しかし・・・相手が悪過ぎた
 
鋼鉄をも貫く初音の爪は男の発するエネルギーによって届くことなく
焼け落ちていく
そこに唖然とする暇もなく男の渾身の一撃が叩きこまれる
「ぐふっ・・・・・」
おびただしい血を吐きながらも初音はなおも踏みとどまり相撃ちに持ちこもうとする
しかし精神はともかく肉体はもはや限界
その身体は紙のように崩れ焼け落ちて行く・・・・・・
 
最期を悟った初音の唇から呟くような呪詛が漏れ出す
「いい・・・・ことを教えてあげるわ・・・・・・お前の一族は呪われているの
お前の子孫たちは程度の差はあれ、道を踏み外し・・・・罪人の汚名を着ることになる
そして・・・お前自身は・・・幸せの絶頂にして非業の死を遂げるのよ!!」

それだけを言い終えると、皮肉げな微笑を浮かべたまま初音は灰になっていった

ちなみにこの予言めいた呪詛はあくまでも負け惜しみのでまかせに過ぎなかった
だが・・・・・・・・

(比良坂初音 死亡)

461 :ジョナサン・ジョースター ◆Jenuk/JoJo :02/11/16 02:10
>460 比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
 
呪詛の言葉を残し、黒髪の少女は灰になっていく。
最後まで怨嗟を向けられながらも、彼女を葬ってしまった悲しみは薄れなかった。
ほんの一瞬だが、砕け散った彼女に黙祷し、素早く紅丸へと駆け寄る。
 
もう、戦いに使える波紋エネルギーは残っていない。
ならば、急がなくてはならない。
このほんのわずかに残った力を――――――!
 
残った波紋の力を振り絞り、ぼくは紅丸に触れた。
エネルギーを分け与え、傷を癒すために。
 
「この力で・・・エリナを助けてくれ」
 
ただ、エリナが助かる事だけを考えながら。
ぼくは力を使い果たして、気を失った。


462 :紅丸:02/11/16 02:10
>461 比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸  
 
初音が倒れ伏した
それを横目で見ながら考える

また少しだけ立ち上がられる力が甦る
左手にはまだソードオフ(水平バレルの二連装式ショットガン)
が残っている
弾が切れたコイツをどう使うか―

死神の顔面を銃身で殴りつけ、打ち砕いた
「鉄砲=鉄の棍棒なんだよ」

代わりにレミントンを受け渡されると切り落とされたままの右腕を拾い上げ、
ジョナサンを思い切り突き飛ばす
そのまま上空へと舞い上がった

「クモ姉ちゃんの代わりに、お前さんに『返して』もらうぜ!」
左手に握られ、即座に『一体化』したレミントンのフォアエンドがスライドし散弾を装填する

同じく左腕から出る槍に突き刺している己の右腕をアセルス目掛けて叩きつけた
注意をそらし尚且つ視界を塞ぐと、右腕はアセルスの後頭部の方へ飛んでいく

超至近距離まで接近し、レミントンの銃口をアセルスに突きつけた
―この間合いでは相撃ちになりかねないが

ソードオフを握ったままの右腕が、最後の一発を後ろから発砲した―
粒弾が『体の何処か』を吹き飛ばす

「いただき!」
トドメとばかり、レミントンの引き金を一回、二回、...計六回引き絞った


463 :アセルス ◆1TAseLLUSs :02/11/16 02:12
>459>460>461>462 比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
 
駆け寄ってきた男もろとも両断すべく、幻魔を握り振り上げる。
その私に紅丸は、断ち切られた腕を自ら投げつけてきた。
 
「いつまでも、悪あがきを・・・っ!」
 
その腕を避け、再び紅丸に注意を向けた時・・・奴は至近距離で私に銃口を向けていた。
好都合だ、このまま真っ二つにしてくれる―――
 
 
・・・轟音とともに、背中を重い衝撃が貫いたのはその瞬間だった。
その私の体に、さらに奴の銃弾が叩き込まれる。
 
真っ青な血が、口からあふれ出た。
それでも私は、剣を振り上げたまま倒れるのを堪える。
そう、倒れるわけにはいかない。妖魔の君たるこの私が倒れるわけにはいかない。
この足がある限り、この体がある限り・・・
 
―――不意に視界が、がくんと上にずれた。
いつの間にか足の身体感覚が・・・いや、足そのものが消え失せたことをそのときになってようやく悟る。
そしてそのまま、昏くなった視界は地面を大写しにし・・・
 
 
 
そこで、私のすべては消え失せた。
 
(アセルス、消滅)

464 :エリナ・ジョースター ◆Jenuk/JoJo :02/11/16 02:14
>463 比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
 
わたくしの意識が完全に戻った時には、ジョナサンは既に倒れていました。
あの人達に血を吸われ、それを救うためにジョナサンともう一人の男性が戦ってくれたのはおぼろげながら記憶に残っていました。
そして、戦ってる間の、ジョナサンの決意と悲しみとをたたえた眼も。
 
灰と化した少女達に、わたくしは十字を切りました。
ジョナサンなら、きっとそうしたでしょうから。
あの黒髪の少女が残した呪いが事実でも、ジョナサン・ジョースターの誇り高き精神は。
きっと子孫にも受け継がれ、呪いを乗り越えることでしょう。
 
そう信じて、わたくしは倒れたジョナサンを抱きかかえました。


465 :ジョナサン・ジョースター ◆Jenuk/JoJo :02/11/16 02:15
>464 比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
 
―――――――戦いの翌日。
 
ぼく達の横では、船が出航を待っていた。
あとわずかで、アメリカへと新婚旅行の旅に出る予定があった。
ただ、ぼくには、その前に挨拶をしておかねばいけない相手がいた。
 
彼を待つ間に、多くの人と挨拶をした。
トンペティさんとポコと、それから、スピードワゴンと。
挨拶の間も、ぼくは頭の片隅で彼のことを考えていた。
 
挨拶を終えるとほぼ同時に、出発を告げる笛がなった。
まだ、待ち人―――――紅丸は姿を見せていなかった。
仕方がないか……すまない、紅丸。
心の中で紅丸に謝りつつも、ぼくは船へと乗り込んだ。
 
帰って来てからでも、挨拶はできるだろう。
そう思ったから。
まさか、ぼくが帰って来れなくなるとは、思っていなかったからだ。


466 :紅丸:02/11/16 02:16
>465 比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
―紳士と狩人、蜘蛛と薔薇が絶闘を繰り広げたその先にある峠―
奴ら、いや彼女たちの「ガラスの城」に辿り着くまでには
松葉杖をついて歩いている身重には堪える道程である

「もう待たせられん 
なんでオレっちが関わるといつも遅刻なんだ?」
もう一人の相棒である愛馬を木につなぎとめておき、城を見上げた

「変身!」
怪我をおして骨の面をまとった狩人に姿を変えると
城の上空へと舞い上がり、
持っていた袋に集めておいた「塵」を振りかけていく 
塵は目の前で崩れ去った、彼女たちの屍だった
もしかすると、それすらも残らずに殆ど全てがただの土であったのかもしれない
それでも構わないと、そういうつもりだった


467 :紅丸:02/11/16 02:16
>466
 
改めて城から適当な距離をおいて陣取ると
馬に運ばせた荷物の中から、一丁のライフルと弾薬一式を取り出す
―その弾丸は.460口径ウェザビーマグナムの改造ナパーム爆裂弾
ある男から譲り受けたものである―

腕時計を見ると、ちょうどジョナサンご夫妻が出航する時間である

港の方向を確かめてから
専用ライフルに世界一の巨根を一発ずつ押し込めると、
城の最上部ダンジョンへと狙いを定めた
「・・行きますよ!」

緋く染まった煙が城から上がる

こころなしかその煙は
薔薇の花に蜘蛛が絡んでお互いに遊んでいるようにも見えていた

468 :エピローグ:02/11/16 02:20
>465>466>467 比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
 
ジョナサンの出航を見送ったスピードワゴンは、ふと後を振り向く。
彼の視線の先に映ったのは――――狼煙だろうか。一筋の、煙だった。
その狼煙はジョナサンの出航祝いにも、誰かの死を悼んでいるようにも見えた。
 
しかし、そこまで深く考えるのは似合わないとでも思ったのだろうか。
すぐに視線を去り行く船に戻し、もう一度だけを手を振ると、港に背を向ける。
そして、スピードワゴンはクールに港を立ち去った。
 
レス番纏めを残して。
 
>395 >396 >397 >398 >400 >401 >402 >403 >404 >405 >407 >409 >410
>411 >412 >413 >414 >415 >416 >417 >418 >419 >420 >421 >422 >423
>424 >425 >426 >427 >428 >429 >430 >431 >432 >433 >434 >435 >436
>437 >438 >439 >440 >441 >442 >443 >444 >445 >446 >447 >448 >450
>451 >452 >453 >454 >455 >456 >457 >458 >459 >460 >461 >462 >463
>464 >465 >466 >467
 
エピローグ>468


469 :ラルヴァ ◆hALARVAIdY :02/11/16 02:22
ロング・ファング VS ラルヴァ
>449
 
クイックローダーを扱う暇も惜しんで、ロングファングを追いかけた。
ドアの残骸を踏まない様にして、隣のドアへ飛び込む。
 
ほぼ同時に、窓ガラスの割れる音と、続いてアスファルトに何かが落ちる音がした。
飛び降りたのだろうか? バイクを使うべきか、上から弾を撃ち込んでも止めには――
 
そこまで来て、ふと気付く。
 
――落ちる音?
 
ドアをぶち破った男が、窓はわざわざ何かを使って割ったのだろうか?
しかも、再生能力は先程見せた通りなのだ。
あの音は、長年生きた吸血鬼が地面に降り立った音では無い。それは断言出来る。
 
 
ドアの近くに立ったまま、ゆっくりと辺りを見回す。
吸血鬼の眼を持ってしても、誰かが居るとは思えないが…
 
慎重に窓まで近づいた。やはり、血の跡は残っていない。
間違いない。ロングファングはまだこの部屋の中だ。
 
「かくれんぼが好きなの? 確かに意外と子供っぽいのね」
 
じりじりと増していく、焼け付くような喉の渇きを無理矢理押さえ込んで
私はブラフのカードを切った。
振り向きざまにスーパーレッドホークを構え直すことも忘れない。
 
さて、ジョーカーはどちらの手にあるのだろうか?

470 :ビリー・龍 ◆OClOnGFAng :02/11/16 13:34
ロング・ファング VS ラルヴァ
>469

 どうやら、完全にだますにゃ至らなかったらしい。
 だが、俺がいる”かもしれない”部屋に留まるのは、失策だったといえる。
 俺は、それこそ、間抜けなかくれんぼの鬼に対してするように、
 女の背後に低い姿勢で忍び寄っていた。

 ラルヴァが振り向き様に銃を構え直す。
 突き出されたそのすぐ脇に、俺はいた。
 銃が構え直される寸前、機先を制して右手を被せて抑える。

――今の一瞬、死命を制したに等しい。俺の左腕は空いているのだ。

「俺は、あまり会いたくなかったぜ――会えばこうなるのはわかってたからな」
 俺は、ラルヴァを見つめた。
 己の台詞でようやく合点がいった。
 俺はこの女を殺したくないと、そう思っていたのだ。

「俺のつけたキスマークはまだついてるかい?
 あんたは大した女だよ。俺を殺そうと、人に戻ろうと、そのためにここまで来たんだろう?」

 人と吸血鬼の境に立ち、人であろうと足掻く女を、
 この世に数少ない、同類と見なしていたのだろうか。
 ほんのわずかな間、当たり前の男女のように、対等に抱き合った女を……
 俺は、この女に惚れているのか?

――会わなければ、夢のままにしておけたものを……

 左腕に力がたわむ。

471 :ラルヴァ ◆hALARVAIdY :02/11/16 13:42
ロング・ファング VS ラルヴァ
>470
 
「お誉めに預かり光栄ね」
 
気付かれたかどうかは分らないが、微妙に声が震えている。
私は何に動揺しているのか。
 
銃を押さえ付けられた事か。
今にも私を貫きそうな、ロングファングの左腕にか。
 
――それとも、思いがけず寂しそうだった赤い瞳か。
 
「そうよ。私は人に戻りたい…
 今の私には、それしかないもの」
 
限りなく細い道だという事は、自分でも分っている。
目の前の男を滅ぼしたとて、それで終わりという訳でもない。
 
肩になにかがのしかかるような、そんな疲労感が私を襲う。
私は…無駄な事をしているのだろうか?
闇に脚を踏み入れたものには、帰り道が見えるはずもないのだろうか。

472 :ラルヴァ ◆hALARVAIdY :02/11/16 13:43
ロング・ファング VS ラルヴァ
>471
 
「だから貴方を殺すわ。他に道なんて無いんだから。
 ――私はヴェドゴニアなんだから」
 
 
そう。脚を止めればこの身は緩慢に死んでいくだけ。
私は、引き絞られた弓の様なロングファングの左腕に向けて、かぎ爪を振るった。
 
相打ちは無い。彼を滅ぼすか、私が死ぬか…私が吸血鬼化するか。
この闘いのゴールにたどり着けるのは、たった一人なのだ。

473 :ホッパード・ザ・ガントレット(M) ◆PLGUNS4k4s :02/11/16 13:54
>386
ああ……見逃していたぜ。
で、確認したが確かに「シエル・エレイシア」ではないようだな。
「シエル」が洗礼名で「エレイシア」が本名(もしくは愛称)と。
謝罪する。


474 :シエル ◆kcbhGUILTY :02/11/16 14:20
対ホッパード・ザ・「ガントレット」     『White Album』

>390

降り注ぐ銃火の中、痛んだ屋根を走る。
1歩、2歩、3歩、4歩―――踏み出した足のすぐ傍が抜け落ちて、バランスを崩した。

―――……!!

肩の肉を数発の銃弾がこそいでゆく。
転がるように民家の向こう側へ逃れた。
再び走り出そうとした時には、朽ちた建材を吹き飛ばして鉄塊が至近にある。
肺腑が押し潰される衝撃に肋骨が悲鳴を上げ、2度目の衝撃で断末魔を上げて折れた。

「かはっ……!」

口の中に広がる血の味。
全身がバラバラになりそうな苦痛も、男の吐いた言葉の前では遠い。

―――エレイシア。

紅い色と、むせ返るような匂い。
記憶の扉がこじ開けられる音を聞いた。

475 :シエル ◆kcbhGUILTY :02/11/16 14:21
対ホッパード・ザ・「ガントレット」     『White Album』

>474

―――さして大きくない町だ。
    最初のうちだけとはいえ、奇妙な男女の事はそれなりに人々の口の端に乗った。

    幾ばくかの時が過ぎて。
    話に聞いた場所のドアをノックするソレは、笑っていた。
    わたしの顔で、新しい玩具を手に入れたばかりの子供のように。

そこから先は思い出したくも無い。
ただ、わたしにとっては町一つ分の内の一つで、おそらく男にとっては全てだった。
疑問は解け、点と線が繋がる。

「けど――だからと言って人を、無関係の人を巻き込むなんて!」

胸が痛い。
「おまえが言うな」と言われている気がした。

476 :ビリー・龍 ◆OClOnGFAng :02/11/16 14:30
ロング・ファング VS ラルヴァ
>472

 女の腕に生えた爪と、俺の左腕が交錯する。
 今の一瞬、強引にでも抜き手を繰り出せば、殺せたろうか?

 殺せたはずだ。
 だがその機会は失われた。

「ク、ク……」
 ああ、わかってるのさ。
 手に入らないものは、永久に手に入らない。

 俺の今の望みは簡単だ、今、一秒でも長く――

「いいだろうよ。俺を殺してあんたの道を行くがいいさ。
 殺せるものなら、な!」
 一秒でも長く、この殺し合いを続けることだ。ただ、それだけだ。

 言い様、俺は裏拳でラルヴァの頭を狙った。

477 :ホッパード・ザ・ガントレット(M) ◆PLGUNS4k4s :02/11/16 14:52
対シエル     『White Album』

「あながち無関係という訳じゃねぇ」
 銃口を眉間に押し当てた、力を篭めて押し当てる。
 グーデリアの重さは半端ではない、彼女にこれを持ち上げる力はあるまい。
「雑貨屋で小麦を買っただろ? 肉屋で牛肉を買っただろ? パンを売って、
連中と会話したよな? 何よりあの町はお前が護った町だ。
 俺からあの町を奪い尽くしたお前がな!」
 どん。
 引金を引く。
 彼女の眉間に黒い孔が開いた。
「か、はっ……」
 ダラダラと血が流れ、彼女の白い顔を穢す。
「何様のつもりだ、お前。
 償いなのか? ――偽善者め! 反吐が出るぜ、吸血鬼め」
 すると驚いたことに、今度は涙を流し始めた。
 醒める。
 頑強に抵抗するならば、まだこちらも嬲りようがあったものを、たかがこれ
位で泣き崩れるならば、早めにトドメを刺した方がいいだろう。
 顔面に突きつけていた銃を、ゆっくりと下半身に移動していく。
「いいことを教えてやろう、リーヴって娘のことだ」
 劇的な反応を見せた。
「あの娘はまだ生きている」
 銃弾で彼女の両の脚を破壊する。今回は歯を食いしばって痛みに耐えたよう
だ、ご立派なことだ。
「今から殺しに行く、この村の端にある朽ちた教会でな。
 ……精々足掻いて足掻いて、俺が殺す前に教会まで辿り着くことだな!」
 グーデリアを始動させる。
「待っ――」
 俺は彼女が命乞いをする町の連中を弄んだ時の、あの笑いの真似をした。

 上手く嗤えた。

478 :ラルヴァ ◆hALARVAIdY :02/11/16 15:05
ロング・ファング VS ラルヴァ
>476
 
お互いの腕は掠めあっただけ。
…男女の仲はすれ違いばかりとは良く言ったものだ。
 
鋭い裏拳が閃く。岩をも砕くとは言わないが、私の頭くらいは軽く吹っ飛ばせるだろう。
右腕を掴まれたままでは防御は出来ない。
首だけでなく、身体全体をすくませるようにしてなんとかかわす。
 
風が私の髪を揺らして、銀の輝きがそよぐ。
…だが、ロマンチックには程遠い状況だ。
 
「顔は狙わないで欲しいんだけど。
 こんな身体になっても、女なんだし」
 
喉が痛いほど渇き始めている。
目の前の男も、こんな渇きを覚える夜があるのだろう。
そして、血でその渇きを癒した時―― どんな気分なのだろうか?
 
反撃の糸口を探す。ナイフを抜く余裕はない。
ならば…
 
左手を背中の方に回す。私の背中には窓がある。
 
そこにはさっき割れた硝子もある。
 
 
手袋越しにも感じる、わずかな冷たい感触。
躊躇いもなく強く握りしめ、目の前の男の胸に突立てた。
狙いは心臓―― 破片の大きさが足りるかどうかは、神のみぞ知る、だ。

479 :ビリー・龍 ◆OClOnGFAng :02/11/16 15:36
ロング・ファング VS ラルヴァ
>478

 体を捻り、ガラスの刃を肩で受けた。
 刃を持ったその左手首を右手で掴み、俺は体を回した。
 引きちぎるような勢いでその左腕を引き、ついで、鋭く捻る。

 刹那、かみ締めた女の口元に、なりかけの証――牙があるのが目に入る。
(まさか、そのままこっちに来ちまうんじゃねーだろうな?)

 唇を舐め、サイドに回り込もうと体を捌く。

480 :ラルヴァ ◆hALARVAIdY :02/11/16 16:23
ロング・ファング VS ラルヴァ
>479
 
赤いジャケットを染めるさらなる赤に、私の目が吸い付けられる。
意識が一瞬遠のくような感覚。
食欲とも情欲ともかけ離れていて、根元は同じ感覚。
 
ワルツを踊るように回転する、二人の身体。
熱に浮かされているような、夢を見ているような、そんな錯覚。
 
その中でリアルな感覚は、右腕の中のリボルバーの重みだけ。 
だが、大砲みたいな9.5インチの銃身は、接近戦にはまるで向いていない。
 
サイドに回り込もうとする、身体の流れに逆らわずそのまま半回転。
勢いを利用して、ロングファングの身体を窓枠に押し付ける。
 
新鮮な血の香りが私の鼻孔に飛び込んで来た。
知らないうちに、両腕に強く力がこもる。
 
「―― 一緒に落ちてみる?」
 
口調に押し込めた皮肉は、どこの誰に向けられたものだろう。

481 :ビリー・龍 ◆OClOnGFAng :02/11/16 17:20
ロング・ファング VS ラルヴァ
>480

「おちてみたいのか?」
 俺は床を蹴った。
 残ったガラスの破片が背中に食い込み、
 俺の体は、女と組み合ったまま窓枠を乗り越える。

 二階――俺にとっちゃ大した高さでもないが……
 浮遊感――落下。

「俺は、あんたとだったら別に堕ちてもかまわないんだが、ね……」

482 :シエル ◆kcbhGUILTY :02/11/16 17:27
対ホッパード・ザ・「ガントレット」     『White Album』

>477

鼻梁を伝うモノが視界を染めた。
紅く、赤く、朱く、アカク―――

―――浴びるほどに流させて、それでも足りずに撒き散らした。
    高い天井に響く悲鳴は、まるで不出来な歌の様。
    ステンドグラスも十字架も血で染め上げて、青い髪の女が笑っていた。

あの時と今と。
無関係の人間なら、町二つ分巻き込んでいる。
自身の罪が男の憎悪を生み出したなら、巻き込んだのは―――
殺戮の咎はわたしにこそ与えられるべきだった。

流れる涙を男の言葉が止めた。
まだやらなければならない事がある。
そう思えば痛みには耐えられた。

「教会……」

鉛に掻き回された太ももを押さえて立ちあがる。

―――まだ動ける。

今だけはこの身体を有難いと思いつつ男の後を追う。
何もしてくれない神とやらへの思いを込めて、両開きのドアを蹴破った。

483 :ビリー・ジョーンズ ◆YuzBillyCM :02/11/16 17:30

パパを・・・父さんを探してるんだ・・・・・・
ロングファング―――そういう名前の吸血鬼を知っていたら、教えて欲しい。



出典 :ブライトライツ・ホーリーランド
名前 :ビリー・ジョーンズ
年齢 :10代後半
性別 :少年
職業 :吸血狩人
趣味 :キャプテン・ドレイクのフィギュア集め
恋人の有無 :無し。
好きな異性のタイプ :思春期前の為、恋愛情動は希薄
好きな食べ物 :ブラインドフォーチュンビスケット
最近気になること :父親の消息
一番苦手なもの :母親を殺す事。
得意な技 :射撃
一番の決めゼリフ :「なにも、見えないよ・・・・・・」
将来の夢 :父親を殺す。
ここの住人として一言 :悪い吸血鬼は、殺すよ。
ここの仲間たちに一言 :仲間なんて要らないよ・・・
ここの名無しに一言 :うん、よろしく・・・

484 :ラルヴァ ◆hALARVAIdY :02/11/16 17:43
ロング・ファング VS ラルヴァ
>481
 
「お生憎様。落ちるのは一緒でも、行き着く先はきっと別よ」
 
空中でもつれ合うようにしつつ、もろともに落下。
逆さになった視界の中で、赤い輝きが二つ。
本能的に、その二つの真ん中にポイントする。
 
トリガーは一回しか引けなかった。
 
二度目を引こうとしたその瞬間に、私は受け身も取れずにアスファルトに叩き付けられる。
ニュートンが見たリンゴはその後どうなったか?
どの参考書にもそんな事は載っていない。
 
落下の衝撃で意識を失わなかったのは、私が殲鬼だからこそだが……
感謝の祈りは一つも思い出せずに、呪いの言葉ばかりが脳裏を駆け巡った。

485 :以上、自作自演でした。:02/11/16 22:32
 エロマンガ島とか住んでる所も大まかに書いとくと紹介しやすくて助か
 ります。
 ちなみにエロマンガ島は地球温暖化のあおりを食って水没したそうです。

486 :ドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ ◆7eSINSO3sw :02/11/16 23:10
 
 トランシルバニア―――此処には旧くから伝わる伝説がある。
 
         ―――ドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ―――
 
 吸血鬼の頂点と呼ぶに相応しい力を持ち、誰もがその名を唱える時は畏敬と恐怖の念を以って、その名を呼ぶ。
 そして、彼は100年に一度の周期を以って、蘇る。
 
                         ――――この世に破壊と混沌をもたらす為に

487 :ドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ ◆7eSINSO3sw :02/11/16 23:11
>486
 
 始まりは女性の連続失踪事件だった。
 ある田舎町で次々に若い女性が失踪した。
 最初は誰も不思議に思わなかった。
 
                         異変が起こり始めた。
                         その町で何か得体の知れないモノの目撃報告が相次いだ。
                         夜、墓場の死体が町の通りを歩いていた、、、、
                         人の顔をした鳥が屋根に止まっていた、、、、
                         例を挙げれば、キリが無い。
 
 やがて、その報告がヴァチカンに入った。
 当局はこのただならぬ事態に対し、
 多数の、百戦錬磨ともいえる人員をその街に送った。
 だが、彼等は一人として戻ってこなかった。
 
                         遂にはその町からの連絡が途絶えた。
                         電話も何もその町には通じない。
                         行った者は帰って来ない。

488 :ドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ ◆7eSINSO3sw :02/11/16 23:12
>487
 そして、今、又、ヴァチカンからの依頼を受け、二人の男がこの町にやってきた。
 
     ―――――“紫電掌”こと孔濤羅
 
     ―――――戦術魔法士、レイオット・スタインバーグ
 
 2人ともその道では名うてのハンターである、、、、、
 
 
 町の東に位置する屋敷。
 此処を終末思想を教えとする、カルト宗教がその根城としていた。
 彼等の望みは滅びであり、死。
 それこそが救いであると説く。
 
                       屋敷の中にはバラバラになった幾つもの女性の手、足、首。
                       血の匂いが充満し、在るのは死の気配のみ。
                       そして、今、教団の司祭らしき者が、祭壇でその仕上げとして、
                       自らの首を刎ねた。
                       ゴトンと、男の首が床に転がった、その顔は狂気に満ち―――
 
 黒い光が辺りを包み、祭壇に一人の初老の男が現れる。
 全てのモノを威圧するかのごとき、禍々しき雰囲気を纏って、、、
 100年の時を経て、此処に神祖、ドラキュラ・ヴラド・ツェペシュは復活した。
 
 そして、同時に開く屋敷の扉、現れる2人の男。
 彼らの視線とドラキュラの視線は火花を散らす、、、、

489 :レイオット・スタインバーグ ◆LOSJACkEtA :02/11/16 23:13
孔濤羅&レイオット・スタインバーグVSドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ
>486-488

「くそったれ、サリアルの野郎―――話が違うじゃねえかっ!」
 
 ここには居ない、この依頼を斡旋してきた仲介屋に向かい呪詛を吐き捨てて、
レイオットは手にしたマグナム・ライフル―――<ウェルザーMk.IV>カスタムから、
装填済みの弾薬を排出させていた。

 撃ち出されることもなく地に落ちる弾丸をそのままに、乱雑に殴り書きが為されたアモ・
ケースから、改めて五発の弾丸を銃身に押し込めていく。

 弾殻に、教会による法儀式を施された純銀を用いた特殊弾頭。
 念のためと、今回の仕事用に調達してきた代物だが―――
 まさか早速使わざるをえない羽目に陥るとは、さしものレイオットも考えていなかった。
 
(……ヴァチカンからの依頼だと?)

 ヴァチカン……彼の世界最大の宗教組織の総本山とも言えるあそこには、
”こういう事”専門の人員が山と居るはずだ。

 にもかかわらず、連中からすれば紛う事なき異端とも言えるこちらに、
こんな依頼が回ってきた理由は凡そふたつ。わざわざ出るまでもないのか。

 或いは―――

(……彼らでも手に負えないほどやばいのか、だ)
 
 だがレイオットは、本能的に前者の答えを否定した。
 一帯を支配する、腐ったような気配。それが、これから相対するであろう敵が、
 ただの雑魚などではないことを証明している。

490 :レイオット・スタインバーグ ◆LOSJACkEtA :02/11/16 23:15
(>489 続き)

「勘弁してくれ。そんなことは一言も―――って、おいっ!?」
 
 呼び止めるこちらを無視するように先行するのは、今回嫌が応にもコンビを組むこととなった黒コートの男だ。
コン・タオローと言う馴染みのない音が、妙に耳に残っている。

 だがそれよりも、その初対面の男を印象づけていたのは、全身から発せられる、それ自体が凶器のような、強烈な戦意。
明らかに東洋のものと思える細身の剣を携えた彼の姿は、裡に抱く殺意を隠そうともせず……
数秒待たずに、開け放たれた扉の闇へと足を踏み入れていった。
 
「……誰がここまで運転してきたと思ってるんだよ」
 
 嘆息混じりに呻いてみるが、すでにこの場にいない当人に聞こえるはずもない。
レイオットは諦めたように肩を竦めると、全身を包み込んでいる黒い鎧―――
モールドと称される、特殊な作業着を一撫でした。
 
「あいつ……俺と組むって事、分かってるのか、おい」
 
 呟きながら、手にしたマグナム・ライフルをコッキング。
薬室に初弾を送り込んだのを確認して、足早に館の入り口に歩を進める。
 
 闇の中から漂う臭気は、死に満ちたそれだ。
 
「―――ま。仕方ない。これも、仕事だ」
 
 言いながらも、仮面に覆われた口元に浮かぶのは紛れもない笑いだ。
 これから訪れるであろう闘争と、結局は貧乏くじを引いてしまう自分に対する苦笑と。
 その両者がない交ぜになった奇妙な笑み。

491 :レイオット・スタインバーグ ◆LOSJACkEtA :02/11/16 23:16
(>490 続き)
 
 息をひとつ。
 この奥にいるはずの存在にとって大敵であるとされる、太陽を浴びた大気を思い切り吸い込む。
 無駄な行為であるとは自覚しているが、やったからと言ってどうだと言うこともない。
 要するに、気分の問題だ―――そう結論づけて、外界と隔絶された闇へその一歩を刻み込んだ。

「……今回は割に合わないかもな、流石に」
 
 どこか沈んだ声音が……響いて、そして消えた。

492 :孔濤羅 ◆dTAoloUdks :02/11/16 23:17
孔濤羅&レイオット・スタインバーグVSドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ
>489>490>491
 
 孔濤羅は夢を見る。
 懐かしい桃園の中、妹が微笑み、友と歓談する。
 かぐわしい桃の香。響き渡る琴の音。ただ話すだけでわだかまりを解かれるような口調。
 そんな、幸福な記憶の残滓。
 悪夢だ。
 それら全てが失われた今、思い起こすことは苦痛でしかない。
 
 孔濤羅は、また別の夢を見る。
 紅々と輝く二対の瞳。艶然と微笑む瑞麗。常と変わらぬ笑みの豪軍。闇の中、白々と牙
がきらめき……
 ――一瞬だけ瑞麗は、酷く、悲しそうな表情を見せた。
 助けを願うような顔だった。
 それは何より辛い記憶の棘。
 これもまた悪夢。

493 :ホッパード・ザ・ガントレット(M) ◆PLGUNS4k4s :02/11/16 23:17
対シエル     『White Album』

 教会の尖塔に立って彼女を待つ。
 持っていたありったけの超々高純度ステロイドを静脈注入。心臓の鼓動が跳
ね上がる。
 先ほどまで鈍重だったグーデリアが羽毛のように軽い。
 今ならグーデリアの最高速度にも耐えることができるだろう。
「さあ、来い……」
 心臓の激しい鼓動が全身の肉体を沸騰させる。
 だが、頭の中は冷え切っている。
 例えばさっき、泣きじゃくるリーヴとかいう娘の首を締め続けた時のように。
 そしてリーヴの首筋に血を迸らせる為の孔を穿った時のように。

 シエルが教会の前に立っている。
 脚を引き摺って引き摺って、必死の思いでここまで走りに走って。
 遅ればせながらのご到着だ。
 シエルが教会の扉を開いた、ここから先、尖塔に潜んでいる俺には彼女の姿
を捉えることができない。
 ただ、もうすぐ反応があるはずだ。劇的な反応が必ずある。
「――――――!!」
 ああ……ほら、やっぱり反応があった。
 眼前に神の供物のように供えられた屍体を見て、彼女は何を思うだろう。
 せめてあの時の俺の気持ちの二割の痛みを味わって欲しい。

 しばらくするとシエルが黒鍵を握り締めて教会から出てきた。
 声をかけてやる。
「シエル、残念だったなぁ! 間に合わなかったんだよ、お前は」
 そう叫んで尖塔から飛んだ。
 グーデリアのブーストを限界まで引っ張り上げる。
「よく来てくれたシエル! 絶望の世界へ――ようこそ」
 ホッパード・ザ・ガントレットという名の弾丸が襲い掛かった。最大の破壊
力で、最大の速度で、最大の技で。

494 :孔濤羅 ◆dTAoloUdks :02/11/16 23:18
>492(続き)
 
 そして現実は夢の続き。
 既に濤羅が生きるのは望まずして得た夢の世界。
 
 そのことを、奴らを見るたびに思い出す。
 見ただけで怒りが身体を焦がし憎悪は心を凍りつかせる。
 
 夜闇を蠢く化生。血を啜る鬼。
 すなわち吸血鬼。
 
 殺意に任せて倭刀の鞘を払えば、そこには『木克土』と銀で刻まれた刀身がある。
 かつて半人半機の鬼を狩る凶手だった濤羅は、今では吸血鬼を狩る狩人だ。
 
 上海を吸血鬼の街としたはじまりの吸血鬼を殺せるほど強くあるために。
 鬼となった妹を躊躇なく殺せるほど非情であるために。
 
「蘇って早々だが、死んでもらう」
 
 そう、全ては瑞麗のために。彼女の魂の安息のために。
 濤羅は、悪夢を生きることを選択したのだった。

495 :導入:02/11/16 23:19



 整然と並ぶ高層マンション。
 ミリ単位の狂い無く舗装された道路。
 白を彷彿とさせる自然公園。
 視界の果てまで立ち並ぶ街灯。
 未来的なデザインによって設計された美しい街並み。
 
 
 ……美し過ぎる。
 
 人が住んでいるとは思えない。
 人が集まる場所独特の乱雑さがまったく見て取れない無機質な街。
 明かりと言える明かりは、街灯の他には月光しかない。
 高層マンションに張り付いた五百の窓は全て黒に染められている。
 
 ―――進みすぎた都市開発計画
 
 人の温もりが微塵にも感じられぬその街の一区画から、物語は始まる。



496 :クイン(M):02/11/16 23:20
>495

 自分に問う。
 ―――何処で間違ってしまったのだろう。
 答えはすぐに来た。
 ―――この道を選んだときにだ。
 
 汗が、全身から噴き出た汗が衣服を濡らす。
 震えが止まらない。カチカチ、と歯が鳴る。
 
 ―――おれは死ぬ。
 確信できる。断言できる。
 おれは死ぬ。絶対に死ぬ。間違いなく死ぬ。殺される―――。
 
 街灯の光すら届かかない裏路地。両脇と背後にそびえ立つコンクリートの壁。
 唯一の道である前方には、バックに満月を背負った赤い人影が佇んでいる。
 赤い人影が。
 
「―――ッ!」 
 
 声にならない悲鳴。
 駄目だ。生きられない。死ぬ。殺される。
 でも死にたくない。何としてでも生き延びたい。
 
 左腕の脇に抱えた金髪の少女。彼女の頭頂部に拳銃を突き付けて、おれは震えながらも叫ぶ。
 
「く、来るな……来たら、殺すぞ……こいつを……殺すぞ!」

 声は裏返っていた。 

497 :クイン(M):02/11/16 23:21
>495>496

 少女の啜り泣く声が聞こえる。
 
「お願い。助けて……誰か……」
 
 その声を聞く度に、おれは一歩、また一歩と地獄に近付いていく錯覚を覚える。
 いや、事実、近付いているのだろう。この餓鬼は爆弾だ。
 
 少女が泣く。
 
「死にたくない……誰か、助けて」

 馬鹿野郎。おれだって死にたくねえ。
 
 いっそ、この餓鬼を投げ捨てて、命乞いをしてやろうか。
 その方が、よほどに生き残る可能性もあるというものだ。
 
 ――――可能性。
 そんなものは何処にもない。
 分かっている。分かっているさ。あるのは“確定”だけだ。“絶対”だけだ。
 でもおれは死にたくないんだ。
 助けてくれ、誰か――――
 
「うぅ……ごめんなさい。何でもするから、助けて……」

 少女の泣き声とおれの心の嘆きがハモり、二重奏を奏でる。
 どちらも想いは同じ。
 
 ……死にたくない。
 ……助けて。

498 :ドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ ◆7eSINSO3sw :02/11/16 23:29
>489>490>491>492>494
 空気が張り詰める。
 ドラキュラの発する禍々しい気と孔濤羅とレイオットの殺気がぶつかり、その緊張を高めていく。
 
「ほう、私の想像以上に早いな、狩人どもの動きは――――」
 
 ドラキュラは彼らの殺気を意にも介せず、唇を歪め、不敵に笑う。
 所詮は人間、とうの昔に魔王となった自身に敵うべくもない――――
 
「しかし、わざわざ、命を捨てに来ることも無かっただろうに。救えぬ愚者とはお前達のような者をいうのだな」
 
 重く澱んだ空気がその濃度を増していく。
 臨界に達したところで、ドラキュラの漆黒のマントが翻された。
 
「まあ、よかろう。復活の最初の贄はお前達だ。苦痛と死という名の供物を私に奉げるが良い!」
 
 漆黒のマントの下から現れたのは幾つものの黒き業火の球。
 ドラキュラの底知れぬ闇を体現したかのような火球が2人を焼き尽くすべく、次々に飛来していく。

499 :必殺処刑コップ(M):02/11/16 23:32
>497
 
黒い車の中で、ふたりの男がその様子を眺めていた。
厳しい顔をした男と、大柄で髭で生やした男だった。
 
「あいつらは吸血鬼だな・・・俺にはわかる」
 
厳しい顔をした男が呟き、大柄な男に車のアクセルを踏む様に指図する。
 
「吸血鬼も、その関係者も抹殺しなくてはならない・・・俺は殺人許可証を持つ・・・
 マーダーライセンス牙だ!」
  
その言葉とともに、アクセル音が響き、タイヤが地面を擦る。
車体が吸血鬼に突っ込んでいき―――――
 
突然、そばの川に住む大ダコの触手が出現して車体を薙ぎ払った。
タコの一撃で、車は横転し、爆発。
車内部のふたりは、炎の中で死亡した。

500 :アーカード(M) ◆w0ArucARd6 :02/11/16 23:56
>495>496>497
 
 酷く―――くだらない。
 あからさまな不機嫌を表情に浮かべて、アーカードは無言で眼前でそれ―――
 ガタガタ震える屑に歩み寄った。
 
 『吸血鬼』―――? 
 これが? 
 
 この盾にもならぬ盾を抱えて、戦意も殺意もなく、ただ恐怖に押しつぶされているどうしようもないゴミ屑が―――
 よりにもよって吸血鬼だと? 
 
「……全く。全く持って詰まらない冗談だ。そうは思わないか小僧?」
 
 紅いサングラス越しに、鋭く細められた双眸が屑と人間を貫いた。
 挑発するようにゆがめられた口元からは、白く鋭い牙が覗く。
 
 だが―――結果はやはり裏目。トリガーに掛けた指先までもガタガタブルブル。
 果たしてそれでまともに撃てるのか……それすらも危うい。

―――まあ、結局屑は屑だったと言うだけの話だ。
 一向に戦意の欠片も浮かばせないそれにあっさりと見切りを付けて、
アーカードは右手に、冗談じみた大きさを誇る、一挺の拳銃を、深紅の外套から振り出していた。
 
 ヘルシング―――王立国教騎士団兵器工廠謹製、『Hellsing Arm .454Casull』
 これから撃ち出される13mm爆裂鉄鋼弾は、こんな屑には特に”よく効く”。
 
 助けて。そんな掠れた声音が、辛うじてアーカードの耳に届く。
 盾か、屑か―――それを発したのが、一体どちらであったのかまでは分からない。

501 :アーカード(M) ◆w0ArucARd6 :02/11/16 23:56
(>500続き)

 だが、紅い影の応えは……この上なくシンプルだった。
 
「駄目だ」
 
―――心地よい反動が手首を叩く。
 ガン・スモークの向こう側に見えるのは―――
 おびただしい量の血溜まりと、それに沈み込む、少女であった肉塊と……そして、周囲に散っていく紅い灰だけだった。


502 :必殺処刑コップの死体(M):02/11/17 00:03
燃え盛る炎の中で、大ダコの触手が蠢く。
その足は文字と数字の羅列を残して川へと戻った。
 
アーカードvsクインvs必殺処刑コップ レス番纏め
 
>495>496>497>499>500>501

503 :ビリー・龍 ◆OClOnGFAng :02/11/17 00:04
ロング・ファング VS ラルヴァ
>484

 やべ、手を離しちまった――
 相手とのリンクを失ってしまえば、空中ではできることは少ない。
 向けられた銃身を避けようとするが―――

 銃弾が目を射抜く。
 眼底を突き破り、脳をかき回し、
 それでも肝心なところ――脳幹は避けたのだから、多少の甲斐はあったか。
 俺はそのまま肩から地面に叩き付けられた。

 ラルヴァは、どうしたか――
 立ち上がろうとしてよろめく。
 頭蓋に残った銃弾が、脳の再生を妨害しているのだろう。
 取り出すには荒療治が必要だ。が――
 俺は女の姿を探した。

 探して、歩み寄った。
 脳に食い込んだ銃弾がよこす、不快感に耐えながら言う。
「どうした。起きないと殺しちまうぜ?」

504 :アーカード(M) ◆w0ArucARd6 :02/11/17 00:07
(>500続き、501修正)

 だが、紅い影の応えは……この上なくシンプルだった。
 
「駄目だ」
 
―――心地よい反動が手首を叩く。
 ガン・スモークの向こう側に見えるのは―――
 おびただしい量の血溜まりと、灰と化していくゴミ屑と……そして、その傍らで泣き崩れる、少女の姿だけだった。


505 :シエル ◆kcbhGUILTY :02/11/17 00:07
対ホッパード・ザ・「ガントレット」     『White Album』

>493

「リーヴ……!!」

倒れ伏す小さな身体。紫に染まった苦悶の表情。首筋の二つの傷。
立ち眩みでも起こしたかのようにふらついた。
硬く握り締めた指の間に、血が滲んだ。

「…………」

仰向けに寝かせて、胸の上で手を組む。
見開かれた目をそっと閉じて、立ちあがった。

自らの撒いた悲劇はこの手で刈り取らなければならない。

開け放たれたドアを抜けて、外に出る。
掛けられた声の主へと向き直った。

―――何も出来なかった。

町一つ救ったつもりで、少女一人助けられなかった。
それでも、これからやれる――やらなければならない事があった。

506 :シエル ◆kcbhGUILTY :02/11/17 00:08
対ホッパード・ザ・「ガントレット」     『White Album』

>505

今までで一番大きい音。加速。
これから受ける痛みが、男へのせめてもの手向け。

半身だけずらして受けた鉄の塊は、立ったまま左腕だけを引き千切った。
独楽のように回り、短くなった腕の断面から溢れる液体を白い仮面に叩きつける。
鉄塊の裏のギミックに黒鍵を突き刺してすぐさま火葬式典を起動。

「……貴方はもう絶望する必要はありませんよ。これで終わりですから」

吸血鬼を滅ぼす摂理の鍵が、男の心臓に深々と埋まる。
異変に気付いたのはそのすぐ後だった。

―――え?

おかしい。何で灰にならない?
この男は吸血鬼だ。ならその死体は灰になるはず。

理由を探してさ迷う視線が首筋を捕らえた。
一瞬、何もかも意識から消えて、力の抜けた身体が膝から崩れる。

―――吸血痕が無い……?

ソレが意味する事はたった一つだった。

507 :以上、自作自演でした。:02/11/17 00:26
>698
これは?
19歳だってよ。
オペラも歌えるらしいぞ。

ttp://zbe77990.hp.infoseek.co.jp/yasu&yoshi.wma

http://zbe77990.hp.infoseek.co.jp/yasu&yoshi2.wma

http://zbe77990.hp.infoseek.co.jp/fielder&yoshi.wma

508 :レイオット・スタインバーグ ◆LOSJACkEtA :02/11/17 00:29
孔濤羅&レイオット・スタインバーグVSドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ
>498
 
 コン・タオローの姿は、すぐに見つかった。
 やれやれと声を掛けようと、彼は一歩更に踏み出し―――そして、言葉を飲み込んだ。
 その奥から……闇と表現してもまだ足りない何かが、確かにこちらを見据えている。
 
 視線の主が、この舞台のホスト―――件の、『伯爵』だというのは、すぐに知れた。
 そして。眼前に現れたのは――――

 炎―――なのだろうか。そこにあるだけで、強大な破壊力を感じさせる、黒色の球体。
 轟、と唸りを上げて蠢くそれは、立て続けにレイオットと―――
 そして、すぐ側にいるはずのタオローに向けて飛来する。

 
「―――はっ! 早速の持てなしがこれかよっ!」
 
 右手のライフルを足下に放り捨てて、引きちぎるように、背部のマウントから長大な機械―――スタッフを構えた。
 電動鋸と機関銃の合いの子のようなその姿……
 レイオットはスタッフ本体から突き出た操作桿を握りしめると、力任せにそれを引いていた。
 
 無音詠唱。スタッフ内部に組み込まれていた呪文書式版を、操作桿に接続された疑似詠唱端子が滑る。
 機械的に詠唱された呪文書式が脳内に於いて仮想魔力回路を構成。
 虚数界面に構築された事象誘導機関と同期したそれは、撃発音声の詠唱にともない、現実世界に魔法を顕現させる―――
 
「顕っ!」
 
 鋭く叫ばれたその一言が、瞬く間に現実事象を書き換える。
 レイオットの正面―――ろくな明かりもない室内に於いて発生した波紋は、そのまま力場となって虚空に発現した。
 遮蔽呪文<デフィレイド>。もともとは、対砲撃戦用に開発された軍用魔法である。
 装甲艦艇の主砲ですら受け流す防御力場面に阻まれて、襲い来る黒色の炎は、次々にレイオットの側面へと弾かれていた。

509 :レイオット・スタインバーグ ◆LOSJACkEtA :02/11/17 00:29
(>508 続き)

 だが……瞬時に発動したためか、その展開範囲はちょうどレイオット一人分。
 距離こそは近いものの、とてもタオローにまで届く大きさではない。
 いくら彼が数多の修羅場をくぐり向けた狩人であったとしても、生身でこれに耐えきれるのかどうか―――
 
「……いきなり、随分とピンチじゃないか、これは?」
 
 呟きながら―――すでにタオローが死亡したものと仮定したレイオットは、
 即座に単独で敵を殲滅すべく、行動を開始しようとしていた。
 手始めに、投げ捨てたマグナム・ライフルを拾い上げながら。

510 :孔濤羅 ◆dTAoloUdks :02/11/17 00:38
孔濤羅&レイオット・スタインバーグVSドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ
>498>508>509
 
 火球が焼き払った場所には、既に濤羅の姿はない。
 灰も残らず焼き尽くされたわけでもない。
 濤羅は移動していた。
 軽功を用いての移動は滑らかで、まるでローラースケートをはいているかのようだ。
 その動きで襲いかかる火球を躱していく。
 
 危なげのない動き。笑みを浮かべる余裕すらある。
 そう。いつしか濤羅の唇は吊りあがっていた。
 吊りこまれるような朗らかな笑みではない。見るものをぞっとさせる悪鬼の笑みだ。
 
 ちら、と相棒のレイオットの方を見やる。
 彼が構えた重機関銃のような機械の先で、放たれる炎の球は壁にぶつかったように側面へと弾かれる。
 なるほど。便利なものだ。魔法が使えない濤羅には足を使って避けるしかないというのに。
 
 次々に飛来する火球を斜め前方への移動で躱す。躱しながら間合を詰めて行く。
 横への移動で相手の目を慣らしておき、隙を見て一足で飛びこむ腹だ。
 
「どうした? この程度か伯爵」
 
 口と顔で嘲る。
 逆上して攻撃が大振りになれば隙ができる。
 その隙を突く。

511 :以上、自作自演でした。:02/11/17 01:02
http://members.jcom.home.ne.jp/act777-paopao/

512 :ドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ ◆7eSINSO3sw :02/11/17 01:03
>508>509>510
「ふむ――――」
 
 火球が弾かれたことに別段、ドラキュラは動揺もせずに、孔濤羅の挑発にも動じず、孔濤羅とレイオットを見やる。
 ドラキュラの血のように朱い瞳が彼等の全てを見透かすかのように紅く輝く。
 
「なるほどな。お前達は、少々、他の者とは違うらしい」
 
 人の心の中に潜む闇。
 それはドラキュラの前では決して隠せない。
 彼自身が人の持つ負の感情の具現であるのだから。
 
 魔王、神祖となどと称される吸血鬼、その正体は人の想念によって作られた滅びという名前の1つの概念である。
 
「だが、お前達は限りなく、我々に近い。ただ、逃れる為に――――」
 
 ――――戦い、殺し、戦い、殺し、戦い、殺す。
      
          我々といかなる違いがあるのだ?――――

513 :ドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ ◆7eSINSO3sw :02/11/17 01:03
>512
 ドラキュラの言葉と同時に室内に異変が起きた。
 床にぶちまけられた、女性の、無数の、腕、脚、頭。
 これらは、何かの意思を持ったかのようにふわりと浮かぶ。
 それはさながら、出来の悪い、ホラー映画。
 だが、これはどうしようもない現実である。
 それらは一斉に弾丸と化して、孔濤羅を迎撃する。
 
 さらに悪夢の光景は終わらない。
 床に転がる信者達の死体が虚ろな目で起き上がり、レイオットへと向かっていく。
 その腕を以って、レイオット・スタインバーグを彼等の仲間に引き入れる為に―――
 
 死体が動き、生首が、腕が、脚が舞う悪夢の世界。
 あらゆる常識を覆す、ドラキュラの底なしの黒い意思に満ちた世界が展開されつつあった。

514 :レイオット・スタインバーグ ◆LOSJACkEtA :02/11/17 01:47
孔濤羅&レイオット・スタインバーグVSドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ
>510>512>513
 
「……へえ」
 
 それは、場違いな感嘆。
 滑るように―――僅かな間隙を縫って黒炎を次々に回避するその様は、まるであらかじめ定められた舞踏のよう。
 人間離れした動きを目の当たりにして、レイオットはタオローに抱いていた、些細な懸念を払拭していた。
 少なくとも―――彼を守りながら戦わなくてはならないと言う、最悪の展開は考えなくてもいい。
 
「―――と言うか、どこから見つけてきたんだ、あんな化け物」
 
 笑みながら言うレイオットの声音は軽い。
 なんだかんだと言って、やはり……楽しいのだ。
 
 自らを、危険のただ中へと送り込むその行為が。
 襲い来る生命の危機が。
 極限の中で行われる闘争が―――
 
 『伯爵』の声が響く。
 何が違うと。吸血鬼(我々)とお前(人間)たちの、一体どこが違うのかと―――
 
「そうだな」
 
 レイオットは頷いた。
 すでにその正面に展開していた防御力場面は消え失せ、蜷局まく闇の中にある、『伯爵』を皮肉混じりに見上げている。
 
「多分、何も変わらない。人間なんて、一皮むけばどこまでも薄汚くなれるもんだ。
 それこそ―――あんたのように。あんた以上にだ。だが……だからどうした?」
 
 装弾済みのマグナム・ライフルを構えたまま肩を竦める。そんなことは、どうでもいいのだと。

515 :レイオット・スタインバーグ ◆LOSJACkEtA :02/11/17 01:47
(>514 続き)
 
「そんなこと、欠片だってどうでもいいんだよ。目の前に敵がいて―――お互いに、相手を殺そうとしてる。
 それが、今ここにある現実だ。他のことなんて……どうだっていいんだよ」
 
 引き金を引いた。
 轟く銃声とともに、レイオットに掴みかかろうとしていた、一体の生ける屍に、解き放たれたマグナム・ライフル弾が容赦なく突き刺さる。
 聖別された―――未だにこの単語になれない―――純銀をその表面に被った銃弾は死骸の脳髄を容赦なく削り……
 
 真っ白な灰が、その人物がかつて存在していた残滓として、ただそこに積み重なった。
 
「……やれやれ」
 
 四発が残留するライフルを、レイオットは今度こそ放棄した。
 理由は単純―――ぐるりと周囲を見回して、レイオットは軽くため息をつく。
 
「あのな―――流石にそれは、俺でも未練たらしいと思うんだが」
 
 彼を中心に詰めかけるのは、たった今撃ち抜いたものと同質の存在だった。
 ゾンビィ……いや、この場合はグールと呼んだ方がいいのだろうか。
 こちら側に足を踏み込んで日の浅いレイオットにとって、それらを明確に区別する方法など無いのだが。
 
「……高みの見物とはいいご身分だ。待ってろ。すぐにそっちに行ってやる―――」
 
 『伯爵』に一言叩きつけて、レイオットは両手に拳銃を握り込んだ。
 新たに増設し、ふたつになったホルスタから、同型のリボルバー拳銃を抜き放つ。
 
 サーカムT12<ハード・フレア>カスタム……
 ライフル弾と同様に純銀の弾殻で包まれた弾丸を装填されたふたつの銃を正面に構えて。
 レイオットは、死者の群れへと突っ込んだ。

516 :クイン(M):02/11/17 01:53
>500>504

 身体が崩れ落ちてゆく。
 人質など何の意味も成さない慈悲無き一撃。
 
 引き金が引かれた瞬間、奴は餓鬼ごとおれを撃ち抜いたのかと思った。
 違った。
 おれだけ撃ったんだ。
 大口径の炸裂弾で。
 餓鬼には傷一つ与えず、正確におれだけを撃ち抜いた。
 
 精密を通り越し、曲芸の粋を飛び越えた神業の一発。
 身体が炎に包まれる。
 肩が灰と化し、ボロリと崩れ落ちた。
 
 全身が、死の恐怖から解放されていくのが分かる。
 ああ、やっと楽になれた――――。
 
 瞳から涙が流れ落ちる。
 嬉しくて、恐怖から逃れられるのが嬉しくて、〈彼女〉から逃れられるのが嬉しくて。
 
 
 途切れ行く意識の中。
 おれは満面の笑みを浮かべて、目の前で銃を構える死神に言う。
 
「あんたぁ……嵌められたぜ」

 悪魔に、な。

517 :クイン(M):02/11/17 01:54
>516

 くすん、くすん、と少女の泣き声が夜に響く。
 クインはとうに灰と化し、地面に僅かな焦げ後を残して、存在をこの世から消して
いる。
 不死者の王は……泣き崩れる少女には何の興味も示さず、巨大な銃を懐に収め、そ
の場を後にしようと踵を返す。
 いや、返そうとした。
 
 突如、彼の背後から湧き出る三つの気配。
 不死者の王は、咄嗟に振り返ろうとするが――――
 
 火薬の弾ける音――銃声が三度響く。同時、王の首、背中、右肩が派手に弾けた。
 彼の表情が一瞬強張る。
 ―――ただの銃弾では無い。
 聖別済み。
 特殊水銀弾頭。
 シルヴァージャケット。
 炸裂弾。
 彼が扱う銃弾と殆ど同じだ。
 それが意味することは――――。
 
 ―――プロ、だ!―――
 
 不死者の王は、戦慄と愉悦を同時に味わいながらも、銀に犯され、竦む身体を鞭打
ち踵を返す。彼は見せた。〈彼女〉に“背中”を見せてしまった。
 ギラリ。王の背後で何者かの双眸が鋭く輝いた。
 同時、
 
「―――バチ喰らいやがれ!」

 アーカードの背中に、閃光が迸った。

518 :バレッタ ◆LOVE7IVoYE :02/11/17 01:54
>516>517 バレッタvsアーカード

「バチ喰らいやがれ!」

 怒声と共に突き出された右拳。
 それが全身赤の悪趣味な化物(ミディアン)の背中に叩き込まれた瞬間、拳は眩いばか
りの光を発し、暴れ狂う。
 数百万Vの電撃の嵐。
 その全てが余すことなくミディアンの身体に吸い込まれ、全身を駆け巡っていく。
 
「ハッハァ――ッ! スタンナックルって奴だ!」

 もちろん、ただの電撃なんかじゃねえ。
 神の怒り――“怒鎚”を限りなく近づけ、再現した“いかずち”だ。
 吸血鬼相手には死ぬほど“よく効く”。
 
 但しお値段は50万ドル。しかも使い捨て。
 特注品だと言うことを考えれば、まあ妥当な線なんだが……それでもたけぇ。
 使う相手が“ノーライフキング”でも無ければ、精算は取りようが無い。
 使う相手が“ノーライフキング”ならば、お釣りで同じものが好きなだけ買える。
 要するに、使うべき時に使った、てことだ。
 
「オラァッ!」

 焼け焦げたナックルをジョイントアウト。宙に投げ捨てると、神の怒りに嬲られ、炎
の舌で全身を舐め尽くされたミディアンの背中にエルボータックル。
 化物は何の抵抗も見せずに、地面に倒れ込んだ。
 まぁ、あの一撃を受けて抵抗できる奴なんぞ、この世にはいねえけどな。
 灰にならないのがすげえぐらいだぜ。

519 :バレッタ ◆LOVE7IVoYE :02/11/17 01:55
>516>517>518 バレッタvsアーカード

「こいつはオマケだ!」

 エプロンのポケットから白木の杭を六本取り出し、吸血鬼の四肢、頭、背中に立て続け
に撃ち込む。
 樹齢千四百年の大樹から削りだした杭六本。――お値段は合わせて1万ドル。
 これほどまでの大バーゲンを開催したことなんぞ、ハンター歴長しと言えども、一度も
ねえな。
 なに? 目玉商品はどれか? おーし、お客さんのニーズに応えてこそのこの商売!

「ボブ! 聞こえているか? とどめをくれてやりな!」

 先程、ミディアンの背中に銃弾を撃ち込んだ三人の間を割って、一台の乗用車が路地に
滑り込んできた。車はブレーキを踏むと、あたしの眼前でピタリ、と止まる。
 ミディアンは前輪の下敷き。
 日産ブルーバード。お値段は……。
 
「ボブ、いくらだ?」
「はあ? 何のですか?」

 運転席の窓から顔を出す筋肉質な男が、素っ頓狂な声をあげる。
 
「いや、何でもねえ。こっちの話だ。それより……」

 路地の入り口から駆け寄って来た三人のうちの一人が、怪訝な顔を浮かべながら言う。

「随分楽に終わっちゃいましたね」

 ああ、まったくその通りだぜ。こんな事なら、あたし一人で殺っちまえば良かったな。 

520 :バレッタ ◆LOVE7IVoYE :02/11/17 01:55
>516>517>518>519 バレットvsアーカード

「展開した部隊はどうします?」
「あー、取りあえず“こいつ”を運ばなけなきゃなんねえからな。ヘリを呼んでくれ」

 車の運転手は「サー」と短く言うと、手に持つ無線に顔を近づけ、ブツブツと喋り始め
た。残りの三人は、車の下敷きになったミディアンに簡易封印を施している。
 
 あたしは、んなものが利くはずねえだろ、と肩を竦めながら、四人を背中にして、表通り
に歩を進めた。進めながら笑った。声をあげて。高らかに。
 
 不死者の王・アーカード。
 真祖・アーカード。
 ヘルシングの鬼札・アーカード。
 吸血鬼・アーカード。
 
 そいつがいま、手元にある。“最強の吸血鬼”をあたしが仕留めた。
 何処に売り込む? 誰に売り込む?
 ヴァチカン?
 イノヴェルチ?
 降魔局?
 
 全部、全部だ。
 十等分ぐらいにしてやって、全ての組織に満遍なく均等に売り払ってやる。
 動く……動くぞ……死ぬほど莫大な金が!
 
「チンピラ吸血鬼を脅して、餌にしただけでコレなんだもん。ハンターってボロい商売よ
ね。あたし、癖になっちゃいそう♪」

 もうなってるつーの。
 ルンルン気分で、スキップなんかもしちゃいながら、あたしはヘリが来るのを待った。

521 :バレッタ ◆LOVE7IVoYE :02/11/17 01:57
>500>501 vsアーカード

 ピタリ、と据えられた銃口。
 そうそう、その調子でチャッチャと片付けちゃってくださいね〜。
 
 おい、デブ。てめえ。ちょっと締め付け過ぎたぞこの野郎。
 あいつに殺される前にあたしが殺してやろうか? ああん?
 ―――おっと。いけねえ。いけねえ。顔に出る所だったぜ。
 スマイル、スマイル。
 ……って、何でスマイルなんだよ、コラ。
 泣けよ自分。無き喚くんだよ。
 
「助けてー!」

 そうそう、そんな感じ。
 
『駄目だ』
 
 ああ、そいつは残念。
 くそ、助かりたかったなあ。
 ―――って、ええ!?
 
 おい、ちょっとてめえ! その銃口、あたしに向いてません?
 何であたし? もうちょっと右斜め上だろうが!
 あんたのほうからすると逆だけどな。
 とにかく、もうちょっと上よ上よ。
 
 ――――聞けよコラ! 撃つな! 殺すな! 乙女の叫びだぞ!

522 :バレッタ ◆LOVE7IVoYE :02/11/17 01:57
vsアーカード


 ・
 
 ・
 
 ・
 
 
 ……こいつ、マヂで撃ちやがった……。
 ノーライフキング・アーカード……おそる、べ……し……ぐはっ。
 
 
 
バレッタvsアーカード 〜アナザーストーリー〜
『些細なすれ違い』
闘争レス番纏め
 >495>496>497>499>500>501>521>522

523 :孔濤羅 ◆dTAoloUdks :02/11/17 02:24
孔濤羅&レイオット・スタインバーグVSドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ
>512>513>514>515
 
「確かに似ているかもしれんな」
 
 憎悪に狂い復讐に走るのは、結局受けた痛手が忘れられないからだ。相手を許す強さを
持たないからだ。
 だから濤羅はここにいる。自分のの弱さ故に愛する者を守れず、またその弱さ故に仇敵を
許せなかったがために。
 裏切られてよりこの方濤羅が歩んできたのは復讐の牙を研ぐための修羅の道行きだった。
闇の中のさらに闇に己を置く行為だった。
 その意味では正しく濤羅もまた鬼であると言えよう。
 
「だが、たった一つ違っていることがある。天と地程の違いだ」
 
 濤羅の倭刀がここに来て初めて動く。唸りを上げる肉の弾丸をあるものは足捌きで躱し、
あるものは倭刀で叩き落す。銀色の残像を残して縦横無尽に刀が走った。
 
「俺は人間でお前は吸血鬼だ」
 
 聴覚を揺さぶる銃声。装薬量の多いライフル弾のもの。
 諸手に拳銃を携え突進するレイオットの姿が見える。
 もはや横に回りこむ時期は過ぎ、攻撃に移る時がやってきた。
 左右背後から迫る肉弾は軽功で躱し、倭刀の防御は前方に集中させる。
 ただ真っ直ぐに吸血鬼目掛けて走り寄る。

524 :アーカード(M) ◆w0ArucARd6 :02/11/17 02:45
>516>517>518>519>520
 
―――く、ク、く、くハ。
 
 最高だ。
 最高すぎる。最高に最高だ。まさか―――ゴミ処理に来て、こんな上物に巡り会えるとは。
 さんざん我慢した「かい」があったというものだと、挽き潰されたそれは思った。
 
 駆けめぐるのは、脳髄を火鉢で引っかき回されたような耐え難い苦痛。
 ただの電撃では、ここまでのダメージはあり得ない。おそらくは、”いかづち”―――
 もしくは、それに類するものを叩き込まれたに違いないと、それは思った。

 打ちつけられた白木の杭は、なるほど確かにその効果を発揮している。
 だが―――甘い、とそれは思った。
 
 確かに、それは『正しい』。正しい吸血鬼の倒し方。
 ヘルシングの戦闘教本に掲載しても問題ないほどの、ほれぼれするような手際だった。
 
 だが―――甘い、とそれは思った。
 それは、『吸血鬼』……そう、吸血鬼の倒し方だ。そしてそれは、この『私』の倒し方ではない。
 
 それは―――不死の王(ノーライフキング)アーカードは、潰れた頭で確かに嗤った。
 
―――お嬢ちゃん、とても筋がいい。だから―――
 
 瞬間。
 車のボンネットが爆ぜた。爆裂したエンジンの残骸とともに、もうもうと黒煙が夜空に向かって立ち上る。
 その中から現れたのは、真っ白な手袋を纏った紅い腕。
 最初に吹き飛んだはずの右腕が、何かを掴むかのように、天に向かって生えている。
 


525 :アーカード(M) ◆w0ArucARd6 :02/11/17 02:46
(>524続き)

「もっと、もっと、もっと。そうだ、もっと! もっと私を愉しませろ!」

 更に炸裂した爆音とともに―――エンジン部を失った車が、綺麗に弧を描いて宙を舞っていた。
 腹を丸出しにアスファルトに落着した車体は、からからと車輪を空転させて沈黙する。 
 
 晴れた煙の中に―――アーカードは立っていた。
 帽子と、サングラス。そのふたつこそ無くしているものの、そこに肉体的なダメージは一切感じられない。
 喜悦に歪んだ眼差しを探し当てた少女の姿に固定すると、アーカードは言った。
 
「さあ! これは前払いだ、遠慮無く受け取れ!」
 
 突き出された銀と黒―――ふたつの銃身から、銃弾が雨のようにあふれ出した。

526 :シエル ◆kcbhGUILTY :02/11/17 08:23
第39章>578に中間纏めのあるクルースニクvsシエルの続きなんですが、
時間が空きすぎてしまったので導入から貼り直させてもらいたいと思います。
それと、その際に若干の加筆修正を入れた事も報告しておきます。


クルースニクvsシエル

>導入

とある町。とある夜。

私がここにいる理由。
それは、一つしかない。

―――ここに・・・いる。

ロアが。
この手で、私に両親を殺させたモノが。
この身を去ってなお、忌まわしい呪いで私を縛るモノが。

永遠を求め、数多の人を犠牲に時を重ねるモノを殺す為に。
呪縛を断ち切り、何時か、せめて人として死ねるように。

―――殺してみせる。

527 :シエル ◆kcbhGUILTY :02/11/17 08:24
クルースニクvsシエル

>526

ビルへと踏み込んで最初に目に付いたのは、純白のカソック。

―――聖職者?

私以外の人間が来るとは聞いていない。
おまけに、手に持った武器はどう見ても普通の銃。

まさか、あれでロアを?
止めなければいけない。
あんなモノで殺せはしないし、教会に知れたと気づけばすぐに逃げるだろう。
ここまで来て取り逃がす事なんて出来ない。
万が一先を越されれば、転生を待つことになる。
それだけは、けして―――

左手に込めた魔力に呼応して、黒鍵が具現化される。

「止まりなさい!!」

それを牽制に投擲して、ブラックバレルと呼ばれる漆黒の銃を握り締めて走った。

528 :Kresnik ◆fFCROSSQsM :02/11/17 09:25
>527 「Sanctuary」 −Fate which becomes entangled−
 バケモノは、須く殺し尽くす。
 誰に問うでもない、誰に言うでもない、誰に訊くまでもない誓約。血の通わない左腕に
触れて、思う。触れる度に思い出す。パンとワインを届けてくれた彼女。優しく微笑んで
くれた彼女。赤い瞳で泣いていた彼女。泣き笑いの表情。呟く声。
『殺して』
 殺した。
 俺が、殺した。
 握ったナイフ。胸に吸い込まれていく刃。突き刺した俺に、彼女は何て言った?
『有り難う』
 ……冗談は止めてくれ、シスター。俺は、君を殺したんだ。バケモノになっても、主の
栄光を信じ続けた君を、容赦のカケラも無く殺した。バケモノだって認識してた。
 君を守ろうと思った? ……酷い自己満足。最悪の偽善。俺は偽善者か、畜生。
 胸を覆う後悔が消えない。渦を巻いて意識を苛み続けている。間違った事をしたなん
て考えてないけれど。でも、それでも。
 
 彼女の笑顔は戻らない。彼女の心は還らない。彼女の魂は、もう主の膝元に。
 俺の傍に無い。ソレは当然。構わない。こんな奴の傍に君の魂が寄り沿う筈は無い。
だったら――せめて、笑顔だけでも俺の中に。記憶は美化される、なんて言うけれど、
それならそれで構わない。俺は、それだけで生きて行けるから。
 そっと、全ての感情を心の澱に閉じ込める。ペシミストを気取るのは似合わない。
 墓参りには行けなくても、彼女の記憶は、彼女の笑顔は、全部俺が仕舞ってる。
 
 だから、せめて――誓った。世界中のバケモノに死を。君の笑顔を奪ったクズ共に滅
びを撒こう。一匹だって逃さない。みんなみんな殺して滅ぼしてみせる。
 オーストリア。カウント・ヴァルダレク。バケモノの悲鳴。血臭。殺した。殺した殺した殺
した――ざまあみろ、クソ共め。うん……はは、大丈夫。仇は討ったよ、シスター。
 笑い声の変わりに届くのはバケモノの悲鳴。それで良い。
 君の笑顔は主と共に。神様に嫉妬するなんて、きっと俺がどうかしてるだけだから。
 報告書を流し読み。標的の分類はヴァンパイア。場所は郊外のビル――OK。何て事
はない。いつも通りに片付ける。左手に軽く口付けて、ドゥカティに跨って。
 ……行って来ます、シスター。

529 :Kresnik ◆fFCROSSQsM :02/11/17 09:31
>528 クルースニクvsシエル 「Sanctuary」 −Fate which becomes entangled−
 
「―――――……」
 
 空気の摩擦。空間を翔ける殺意。張り詰めていた神経は、自分で称賛したい位の速
度で反応を返す。思い切りタイルを踏み込んでサイドステップ。コンクリートの支柱の影
に隠れるのと、硬い接触音は殆ど同時だった。
トリガーガードに添えた指を静かに離し、そっと息を吐き出す。
 
 ――敵?
 
 フロアに反響した、やけに高い声。
 柱の影から顔を出して一瞥。ゆっくりと歩み出て、認識した。一般司祭用のカソックに
身を包んだ女。断末魔の輝きを続けている証明に照らされて、相貌が朧に照らされる。
 まだ若い――外見は、ともすれば少女とも取れた。
 コンクリート製の柱に突き刺さった長剣を一瞥する。切先までが完全に埋まったそれ
が、少女の膂力と技量を正確に表していた。片手に不釣合いなライフルを握って、少女
は苛烈な視線を向けて来る。
 優しげな面立ちが気迫を些か削いではいる物の、瞳が秘めた意思はこの上なく強力。
 
記憶の箱を探って、すぐに思い至った。
知っている、コイツを。 『埋葬機関』――下らない異端組織に属している女。異端を異
端として認識せず、魔術と外道の秘蹟を持って闇を狩る者。
 ……面倒な。
 シスター、として分類されるのだろうけれど、彼女とは大違い。

「……止まれ? いきなり物騒な物投げ付けて第一声がソレか?
今回は見逃してやる。さっさと失せなよ、異端者がこんな所で――」
 
 どくん、と。
 脈が胸郭を蹴り付ける。

530 :Kresnik ◆fFCROSSQsM :02/11/17 09:33
>529
 
「――あ、れ」
 
違う、と。心臓が叫んだ。
 
コイツは、違う。
この女は、違う。
何が違う。
何が――何が何が何が何だよ、この感触は!?
気分、悪い。
 
……ああ、つまり。
軽く息を吐き出して、結論した。
 
――止まれ? 関係無い、そんなコト。
 
 ……だって、
 
「……バケモノは、殺すだけだからさ」
 
 垂らしていた腕が、雷光の速度で跳ね上がる。ノーモーションで振り上げられたグロッ
クが、一瞬で少女の眉間をポイントする。目を細め、躊躇いなくトリガーセイフティを解除。
 サイト越しの仄暗い空間に、マズルフラッシュが燦然と咲いた。

531 :シエル ◆kcbhGUILTY :02/11/17 09:35
クルースニクvsシエル  「Sanctuary」 −Fate which becomes entangled−

>528 >529 >530

反応は迅速。行動は的確。
白いカソックが、飛び込んだ柱の影から現れる。

―――化物?

私を見て何処か納得した様に。
その青年は言った。

―――化物。

脳裏に浮かぶのは。

血を啜る、化物。
唇を赤く染める自分の姿。

罪も無い隣人から、命を、全てを奪う。
私の姿をしたモノが。

私は―――
アレはロア。私は違う。

けれど、それは事実。
犯した罪の重さは変わらない。
だから、化け物を殺す。
そうする事で手に掛けた人達に報いる為に。
そうする事で平穏に暮らす人々を守る為に。

ロアは、ここで殺す。

532 :シエル ◆kcbhGUILTY :02/11/17 09:37
クルースニクvsシエル  「Sanctuary」 −Fate which becomes entangled−

>531

ここで時間を食っている訳にはいかない。

だらりと下がっていた腕が跳ね上がる。
握られた拳銃が、顔面を向いた。

「くっ・・・!!」

トリガーが落ちるのと、全力で横に飛ぶのは同時。
避けきれなかった銃弾が頬を抉る。
そのままジグザグに走りながら、更に一本黒鍵を作りだす。

「悪く思わないでくださいよ・・・」

青年へ向けて投擲。
タイミングを合わせて壁に突き刺さっている黒鍵を起動する。
青年の側方から釘のような刀身の剣が、背後からは爆発が襲う。

533 :Kresnik ◆fFCROSSQsM :02/11/17 09:41
>532 クルースニクvsシエル  「Sanctuary」 −Fate which becomes entangled−
 
 突如として右手に浮き上がる刀身。薄暗い灯りに緩い煌きが燈り、振り被られ――温過
ぎだよ、バケモノ。
 知覚して、速断。身を屈めて銀光の閃きを背後に流す。
 刹那、背後で爆音。熱量と熱風の暴圧が殴り掛かるように全身を前へと追いやる。爆圧
を利用して一気に加速。20メートル程度の距離は接近圏。
 問題――無い。技量は読めた。これなら、
 
「アッサリ殺せるよ、お前」
 
 ――悪く思うな? 悪く思うなだって? 傑作だ。
 この程度の殺意で、この程度の技量で、この程度の意思で、この程度の信念で、この程
度の力で俺の意思を否定する?
 
 ――フザけるなよ、バケモノ。
 
 ライフルの射程内から一気に接近。相手の間合いに踊ってやるつもりは最初から微塵も
ない。左手を思い切り振り出す。掌に納まったグロック33は、下から擦り上げる勢いその
ままに、右手と背を合わせながら少女をポイント。
 果てない経験によって染み付いた感覚は、過たず両の眼球にサイトを向けている。
 刹那の躊躇いも無く両手はトリガーを引き絞った。
 マズルフラッシュの赤光を全身で纏い、青年は一散に突撃する。

534 :シエル ◆kcbhGUILTY :02/11/17 09:51
クルースニクvsシエル

>533

爆風に乗って、青年が迫る。
両手に持った拳銃のトリガーを引いて。

―――避けた。

あの反応速度では無理もない。
ましてや、今度は視界の内から。
身体能力的には互角か、相手の方が上。
それでも引ける筈なんて無い。

「私を殺すんですか?」

―――その銃では死なない。
            死ねない。

気付いているだろうか?
頬の傷が、既に跡形もない事を。

身を屈めざま、黒鍵を4本生成する。
脇腹を弾が抜け、耳たぶを弾け飛ばした。
一本は青年へ。
避けられる前に起動、爆発が私と青年の間で起こる。
残りは天井へ。
カッカッカッ、と音を立てて突き刺さった。

―――上手く、いきますかね・・・

後方へ飛び、ブラックバレルのトリガーを立て続けに引いた。

535 :Kresnik ◆fFCROSSQsM :02/11/17 09:54
>534 クルースニクvsシエル  「Sanctuary」 −Fate which becomes entangled−
 惑わされるつもりは無い。
 少女の姿をしている? 顔形が整っている? だからなんだ。
 バケモノというのは、つまりそういうコト。外見だけは違うだろうけれど、中身は全部が全部
同じモノ でしかない。だから、この女に対する俺の行動も同じ。
 ――殺してやるよ、バケモノ。
 
 ……バケモノ?
 
 小さな違和感。頭の隅に生まれた疑問は、現状把握の思考に塗り潰される。
 飛来する長剣が――眼前で炸裂。視界を埋める閃光が、視覚を熱量と光量で妨害する。
 爆圧に吹き飛ばされたタイルの破片が、噴煙となって視界を覆った。
 くそ、拙い――ネガティブな感情を握り潰す。聴覚へ神経を集中して、全身の感覚を反応
に乗せる。売女め。……シスターとは大違いだ。ブチ殺す。今殺す。殺し尽くす。
 魔術か――異能。魔女の技能。知った事じゃない、そんなコト。
 袖から両腕を抜き、カソックを首で止めた。クラスW程度の防弾性と難燃性を併せ持った
カソックは、瞬時に白い防壁となる。
 白い裾を靡かせて、一気に走り抜ける。思い切り猫背に身を屈め、更に加そ――
 
 どす、ん。
 
 視界が、翳った。
 意識が揺れる。
 カソックごと腹部を貫く、鈍い衝撃。
 ……撃たれた? ああ、撃ったんだろう。防弾性が高くても衝撃は殺し切れない。
 つまり、撃たれて、当たった訳だ。バケモノに、
 バケモノに、撃たれ――て。
 この。
 テメエ。
 バケモノ、が、
 
「…………舐める――なぁッ!」

536 :Kresnik ◆fFCROSSQsM :02/11/17 09:55
>535
 
 反射神経に任せて正面にトリガーを絞り切る。
 チェンバー内は残り一発。右手のグロックのスライド部を咥える。懐に手を差し入れ、引き
千切るようにスタングレネードを抜いた。
 音響をギリギリまで押さえ込んだ特製のソレは、凶悪な光量だけを周囲にブチ撒ける最新
型。リングに指を引っ掛けて、叩き付けるように足元に。
 強く目を瞑って、視界を覆う炎の中へ翔けた。
 
 瞼の上からでも眼球を焼くような光量が開放された。一切の生物の視力を破壊する光の
波が、フロアを一瞬で夏の真昼に変える。――0.5秒。白光が消失。
 薄く目を開ける。例え光が消え去ろうと、30万カンデラの凶悪な光量は、生物の行動を完
全に停止させる。
 
 無防備な少女を嘲い、姿勢を折って踏み込む。業火を圧する光を背に、行動を停止した
彼女の懐へ。1秒掛からなかった。加速の勢いを殺さずに前蹴り気味に腹を蹴り飛ばす。ス
チールで補強された爪先が腹部を抉り込むように貫き、爪先までが肉に埋没した。
 膂力に反して、体重は見た目通り相当に軽い。弾かれ、枯れ枝のように転がって行く身
体がタイルの壁に激突する。
 追撃。咥えていたグロックで最後の一発を放ち、そのまま捨てる。左手でショルダーホ
ルスターからグロック35を引き抜き、壁に激突した少女へポイント。
 外さない。逃さない。――壊れろ。
 
 両手の先から絶え間無いマズルフラッシュが迸る。生贄を喰らう古の神の雷さながらに、
無数の弾丸が少女の心臓と眉間だけを睨み据えて放たれた。
 
「踊れ、バケモノ。はは……ははは、はは―――ハハハハ! く、ふハハハハハハハッ!」

537 :シエル ◆kcbhGUILTY :02/11/17 09:58
クルースニクvsシエル

>535 >536

確かな手応え。
そして、爆炎を突き破って現れる白いカソック。

・・・!!
避け切れない。身を縮め、急所だけはカバー。
直後に、圧倒的な光が眼球を刺した。
ホワイトアウトした視界に引き摺られて出来た意識の空白。
腹部にめり込んだ衝撃が、肋骨を三本折った。

「ぐあっ・・・」

何かに叩き付けられて止まった。
視界は、まだ戻らないけれど、このままではいい的。
そう考え、横へと転がる。

―――ぐっ。

幾つもの痛み。
贖罪の証。
仮初めの、死への―――階段。

まだ。
まだ死ねない。
魂を縛る鎖を断ち切っていないから。
世界が、呪われた行いの償いを求めるから。

ロアを、殺していないから。
死んでいないから―――

538 :シエル ◆kcbhGUILTY :02/11/17 10:00
クルースニクvsシエル  「Sanctuary」 −Fate which becomes entangled−

>537

朧な視界の中、ブラックバレルを向けてトリガー。
二度目を引く前に右腕に激痛。黒い銃身が手から転がり落ちる。
跳ね起きて走る。
右の太腿に灼熱。バランスを崩しながらも左手の黒鍵4本を天井に投擲する。

―――これでも、死なない。

傷は、時間が巻き戻る様に復元してゆく。
それが、与えられた罪の形。

避けられた二本目の黒鍵――壁に突き刺さっている、を起動。
火葬式典の爆発が配電盤を破壊して、フロアには暗闇が満ちた。

「舐めてなんかいませんよ・・・狂信者さん」

更に、黒鍵を両手に4本ずつ。
一本を残して、床と天井にばら撒く。

「ですから、私の邪魔をしないでください」

539 :Kresnik ◆fFCROSSQsM :02/11/17 10:07
>538 クルースニクvsシエル 「Sanctuary」 −Fate which becomes entangled−
 
「誰が狂信者だ、クソ売女。――嬲ってバラして晒すぞ、テメエ」
 
 髪を散らした弾丸に、軽く舌打ち。
 吸血鬼なら10回は殺せる量の弾丸を浴びて――女は起き上がる。
 ……いよいよ、バケモノか。
 音響を混ぜない事が祟ったか――否、この再生力では、高デシベルの音階の中でも
堪えたかどうかは怪しい物。
 そんな事を考えるのと同時に、背中側で爆発。世界が完全な闇に囚われる。
 電気系統が死んだ――けれど、そんなのは下らない小細工。
 
 ……埋葬機関。
 元々、虫の好かない組織だった。吸血鬼を飼っている? フザけるな、そんなモノ
が神の僕であって良い筈が無い!
 バケモノは生きていてはいけない。バケモノは駆逐されなきゃならない。機会さえ
あれば実体を掴もうとは思っていた――が、その必要は無くなった。
 この女が生き証人だ。死んでも生き証人? 死に証人か。まあ、どうでも良いけど。
 バラして持ち帰って、死体は連中に直接送り付けよう。ハッピーエンドへの布石。
ハコには一筆を添えて。『娘さんを下さい』。『貰いました』が正解かもしれないけど。
 
 周囲を見回して、小さく鼻を鳴らす。
 放り投げられた剣が、結界さながらに辺りを取り囲んでいた。突き立った形状に法則性
は皆無だが、その目的は明らか。剣を媒介にして発動した爆発を無視する事は出来ない。
 蹴り飛ばした瞬間に発火されるのは、あまり面白くない。
 
 とりあえず――もっと無視できないのは、あの傷で既に行動を開始している女。闇の中
を軽快に走り抜ける足音が、フロアに高く反響する。けど――でも。
 
 ――笑わせてくれる。

540 :Kresnik ◆fFCROSSQsM :02/11/17 10:09
>539
 
 左手に視線を落とす。ソレは、外見からでは窺い知る事はできない、鉄と人口繊維を
持って構成される、あらゆる生物を上回る膂力を付加された人造の腕。
 見ててくれ、シスター。
 俺は、君の敵を殺す。殺し尽くす。人として、人の力を持って。――人の、力。
 人は偉大だ。知識を罪とされた主の御意志は、正しく正解なのだろう。使い方を誤れば、
何もかもを破壊しかねない力こそが、即ち知識なのだから。主は選択を人に任せられた。
自身で選ぶ事を、主は望まれた。
 左手に軽く触れて、思う。俺の選択――俺は、悪の絶滅を望む。
 
 聴覚優先で意識を錯綜させた。足音と呼吸の気配。技量は読めている。
 能力の全てを読み切った訳じゃない。そんな考えを戦闘に持ち込むのは愚考だ。僅か
な 時間、ほんの僅かなこの空間で、どれだけ相手を理解出来るかなんてのは、たかが
知れている。膂力、行動パターン――必要なのは、限られた僅かな情報だけ。
 第一、バケモノの事なんて理解したくもない。趣味でも聞くか?
 ご趣味は? はい、バケモノ殺しです。オーケー、さっさとアンタを地獄に叩き落そう。
 闇を読む。見辛いなら訊けば良い。訊けないなら感じれば良い。
 生かしてはおかない。何があろうと――
 ――絶対に。

541 :Kresnik ◆fFCROSSQsM :02/11/17 10:12
>540
 
 青年の追撃が始まった。腰の後ろからTポイントの炭素鋼ナイフを引き抜き、足音も
無く翔け抜ける。
 少女の足音を感じる。気配を読み込む。数本の支柱を螺旋に回り、足音の気配が近付
いた瞬間、その足は柱を蹴っている。常識では有り得ない速度とバランス感覚で柱を上方
へ翔け抜けると、右手を懐へと差し入れる。
 五つのハンドグレネードを握り出し、無造作に投擲。
 
 左手をそっと柱に押し付け――ほんの僅かな行動だった――爆炎と爆音が渦巻く眼下
を一瞥。白光によって明らかになる、少女の確実な位置。確実な死。
 柱に両足を押し付けると、ナイフを逆手に持ち替えた。全身の力を足先に収束。
 弾かれたように、青年は闇を滑る。闇色のナイフが闇に溶ける。
 
「……終わりだ。お前にはヒトカケラの希望もない。
 お前達には明日も未来も光もない。――絶望しろ、バケモノ」
 
 刹那で距離はゼロへと変わる。
 眼前で囁くように呟いて――青年は、少女の首筋へとナイフを振り下ろした。
 
「――寝ちまえよ、お嬢さん」

542 :シエル ◆kcbhGUILTY :02/11/17 10:14
クルースニクvsシエル  「Sanctuary」 −Fate which becomes entangled−

>539 >540 >541

5つの爆発。
その光が、辺りを照らし出す。

―――終わり?

終わらない。
終われない。

希望?
一つだけある。
一つしかない。

未来?
あるのだろうか。
少なくとも今のままでは無い。

絶望?
以前の私はしていた。
この身を嘆き、ただ、得られる筈の無い人としての終わりを求めていた。

今は、違う―――

543 :シエル ◆kcbhGUILTY :02/11/17 10:15
クルースニクvsシエル  「Sanctuary」 −Fate which becomes entangled−

>542

種は蒔き終わった。
あとは、実らせるだけ。

だから、敢えて避けようとはしなかった。
黒鍵の林の中に誘導した、ナイフを突き立てている青年を振り払う。

辺りの黒鍵の式典は二つ。
その内の一つ、水葬式典を起動。

「これは、ただの聖水です」

天井から、床に、大量の聖水が生まれ、青年に降り注ぐ。
自分へ降り掛かるそれは、手に持った黒鍵の風葬式典で弾き飛ばす。

「でも、これで―――
 後でちゃんと治療します。暫く大人しくしていてください」

即座に、氷葬式典を起動。
本来ならコンクリートの表面を僅かに走るだけの筈の凍てつく冷気が、
聖水を伝って辺り一面を襲った。

544 :Kresnik ◆fFCROSSQsM :02/11/17 10:20
>543 クルースニクvsシエル  「Sanctuary」 −Fate which becomes entangled−
 
 ……何処まで反則だ、この女。
 柄元まで血に汚れたブレードと、足元を氷結させた氷の束を一瞥して、思った。
 頚椎を切断する感触。アレで死なないなんて、感動のラストがブチ壊し。演出から風情も
タイミングも奪われて、まるでB級ムービーのスナッフシーン。
 ナイフは確実にあの白い細首を蹂躙した。間違いなく――なのに。冗談だろ、くそ。
 いまだ在るべき所に腰を据えているあの顔は、一体何だって言うんだろう。
 幸いにして脾破裂は避けた物の、腹部からの鈍痛は消えていない。対して、少女からは傷
の痕跡すら消え失せていると言う有り様だ。漆黒の刃に染み込んだ血液は本物に違いない
筈なのに、その顔には苦痛の気配すら希薄。
 違和感の正体に、今になって思い至る。
 
 ……成る程、大したバケモノ。技量よりも魔術よりも腕力よりも――何よりこの女の恐るべ
きは、異常を通り越したこの再生能力。潮が引くように塞がって行く傷は、寒気すら憶える程
に異質な光景。見目が整っている分、尚の事その異質さがアンバランスに映える。
 これじゃまるで、こちらが一人で踊ってるだけ。奇しくも最初に考えた通りの無様さ。
 追い詰めているなんて、都合の良い勘違いだった――いいや。それは――有り得ない。
 
 氷の塊が、徐々に足元から這い上がって来ている。目の前に立つのは――相変わらず見
苦しさも見せない少女の姿。空色の瞳は、どこか憐れんでいる様で――
 苛付いた。
 
 ――この女は人間じゃない。掛けてくる言葉は全部ニセモノ。
   殺してもいい。殺せ。殺さなきゃダメだ。綺麗な髪だな。バラしてやる。
   腹が立つ。……バケモノのクセに、何でコイツは生きてるんだ。良い目だ。抉り出してやろう。
   頭に来る。バケモノのクセに、何処まで人間のフリをする気だ。……もう、いい。
   ブレードに付いた血を、軽く舐め取る。
   ……血の味は俺と同じ。ああ、やっぱりフザけてる、コイツは絶対、
 
 ――バラバラにしてやる。

545 :Kresnik ◆fFCROSSQsM :02/11/17 10:23
>544
 
 鼓動が加速する。過熱する殺意に反比例して、意識は何処までも冷えて行く。
 そう。もう、全ては終わっている。『点は線で繋ぎ終えた』。後は――
 
「……治療? は、ソレはご丁寧にどうも」
 
 口の端を歪めて、大袈裟に肩を竦めてみる。苦笑い――嘲笑。現状へ? ハズレ。
 自分の無様な姿へ? それも違う。勝利を確信しているこの女。自分の優位を疑わない
このバケモノ。良いさ、思い知れ。はは、そうさ。すぐに思い知らせてやる。
 
「――でも、さ」
 
 確信する。コイツは――戦いを、人間を舐め切っている。殺すというコトの意味を曲解し
てはいなくても、完全には理解していない。そんなコトでは――死んでしまう。
 
「油断は死に直結する。――使い古された言葉だけど、至言だと思わないか?」
 
 感慨も何も無く、言い捨てた。
 それは、正しく現状破壊への一石。静かな声音は、静寂を叩き壊す。行動不可の状態で、
静かに嘲笑。冷え切った静寂の中、その左手が静かに空を滑る。
 つ――と、孤を描くように、顔の正面を薙ぐように。
 刹那。静謐な空気が、びん、と音を立てて跳ねる。間を置かず、突き立っていた剣の一本
が音も立てずに柄元から折れて落ちた。折れて――否。『断たれて』落ちた。

546 :Kresnik ◆fFCROSSQsM :02/11/17 10:25
>545
 
 薄闇は、寧ろ好都合だった。
 もし此処が明ければ、目を凝らして――或いは気付いたかも知れない。一本の支柱か
ら生えた銀線が、フロアの全てを覆う絶景を。
 化学繊維を強化したミクロンに迫る極細の鋼線は、意識しても見える物ではない。
 それは、喩えるべくも無い死の具現化。触れた者全てを容赦無く死の淵に追い遣る、絶
対の摂理。左手の甲から尾を引く流線は、複雑な軌道を描きながら絶え間無い網をフロ
アに構築している。それは十重二重と重なりつつもけして絡む事無く、獲物を飲み込む蜘
蛛の糸さながらに、生命を捕食する為に空間を侵食している。
 右腕を吊り上げ――もう一本、剣が中程から断割される。
 
「……アンタとこうして逢えたのも主の敷いて下さった運命の巡り合わせだろうな?
 感謝するよ、この縁に。アンタに逢えた事に――この断罪の役割に。
 世界の意思はアンタを否定する。運命の歯車は、アンタを擂り潰す事を望んだ」
 
 限界まで張り詰めた弓の様に、彼方此方で糸が弾ける細かな音が残響した。突き出さ
れた右腕が、トリガー代わりに握られる。
 氷よりも冷え切った表情で、青年は厳かに――告げた。
 
「――壊れろ」
 
 その一動作で、全ての線は完成を見る。滅びと言う糸で織り上げられた、死と言う名の
節理。獣より獰猛に風よりも速やかに――縦横無尽に空間を覆い尽くす無数の糸の山は、
凍て付く空間に解き放たれる。苛烈で鮮烈で迅速に、容赦も憐憫も遠慮の欠片も無く――
 ――全方向から襲う死の網が、少女を喰らいに翔けた。

547 :シエル ◆kcbhGUILTY :02/11/17 10:26
クルースニクvsシエル  「Sanctuary」 −Fate which becomes entangled−

>544 >545

首筋に穿たれた刃の跡が、溢れる血がビデオを巻き戻した様に元に戻る。
もちろん痛い。
間違い無くその一撃で私は死んだ。
けれど、世界がそれを認めない。
              許さない。

本当の理由は判っている――ロアに引き摺られている所為。

けれど、こう思えてしまう。
     贖罪は果たされていない。
     故に私は生き続けなければならない――

いけない。
本当にやらなければいけない事はこれから・・・

青年に軽く視線だけで会釈して、壁際のブラックバレルを取りに行く。
背を向けた瞬間、背後から流れてくる呟き。
そして、引き絞った糸が解放されるような張り詰めた音。

548 :シエル ◆kcbhGUILTY :02/11/17 10:28
クルースニクvsシエル  「Sanctuary」 −Fate which becomes entangled−

>547

・・・・・・!!
迫る何かに向けて、振り向きざまに取り出した短剣を叩き付ける。

闇色のフィルター越しの視界に、霧――おそらくは紅いだろう、と、細切れになった肉が舞った。

痛みは無かった。その瞬間も、今現在も。
右腕が無かった。付け根の辺りから。

「くっ・・・!!」

ようなじゃなくて、糸。それが右腕をバラバラにした。
そう判断するのと同時に、腕を叩きつけて出来た糸の隙間に飛び込む。
避け切れなかったそれは全身を切り刻んだ。

「見えますか? 今の私の姿が」

右腕は無く、左の足首も無い。左の肩口の傷は肺まで達している。
左手で抑える腹部の傷口からは、大量の血とはみ出した腸。
右の太腿は骨が覗くほどに肉が削げていた。
他にも無数の朱線が身体を走っている。

「これでも死なないんです。貴方の武装では私は殺し切れません」

言葉を紡ぐ間も、世界の修正は止まらない。

「判ったら引いてください。やりあうのは時間の無駄です」

呪われた魂を絡め取る罪の鎖は、死を与えてはくれない。

549 :Kresnik ◆fFCROSSQsM :02/11/17 10:33
>548 クルースニクvsシエル 「Sanctuary」 −Fate which becomes entangled−
 
「……この、バケモノめ」
 
 何で、死なない。アレで生存する可能性は絶無。言葉を発する事が出来る状態で留まる
可能性なんて皆無。――なのに。
 見ている光景が曖昧なのか、この現実がイカサマなのか、まだこうして生存し、言葉を
口にするこの少女が一体何なのか。騙し絵の世界の世界へようこそ? ……フザけるな。
 
 ……武装? 確かに足りないだろう。アレは再生能力なんて問題を通り越している。
 一瞬で生み出された100を超える切断面をやり過ごしている時点で、それは余りにも明白
過ぎる事実。
 達磨になり掛けた身体で、少女はそれでも瞳の輝きを失わない。闇に慣れた視覚が捉える
彼女の血液と内臓が、どこか世界を異質なノとして認識させる。
 義手から信号を流してワイヤーを焼き切り、右手から糸の輪を外した。
 漠然と考える。
 ……如何したら、彼女を殺せるのだろう、と。
 
 下らない。考える必要は無い筈だ、そんな事。全ての思考が漂白される。曇りが消える。
 氷の枷で戒められた青年の足元に、仄かな燐光が燈り出していた。蛍の光を思わせる、
微細で儚い無数の輝き。
 
「時間の無駄はこっちも同じだ。――このままじゃ、バケモノを逃がす羽目になる」
 
 刹那、蛍の光は焼却の劫火と化した。
 炎の渦が撒く。何の予兆も見せずに生み出された紅蓮の炎が、青年を中心に召喚さ
れる。その全身を飲み込み、容赦ない余波を辺りに撒き散らし――
 ――炎に包まれたフロアの中心で、青年は傲然と立っている。
 床を這っていた氷は溶けて蒸発して失せ、充満していた冷気は跡形も無く消失。
 紅蓮の残滓を足元から纏って、青年はただ、そこに存在していた。

550 :Kresnik ◆fFCROSSQsM :02/11/17 10:36
>549
 
「それに……殺せないバケモノなんて、存在しない」
 
 少女に――何より自分に言い聞かせるように宣言して、カソックを開く。
 体重を軽く20キロは増やしているだろう無数の銃器の内、抜いたのはショルダーホル
スターに吊られた白銀のリボルバー。UADR−G。コンパクトなサイズに反して、そ
の口径は50口径に迫る。異端審問局で手を加えられたそれは、バレル側面とグリップへ
と聖別儀式を丹念に施され、そう、コレはあらゆる悪を打ち祓うウリエルの焔。
 
 さあ、今こそ魔女を打ち払おう。
 無造作にスイングアウトしてエジェクターロッド操作。シリンダーからバラバラと口
紅大の薬莢が零れ落ちる。転がる弾薬は何れも未使用のまま。ゆっくりとポーチに伸び
た左手は、指先に一つのクリップを取り出す。
 異質な程に長い、プラチナ色の薬莢の一束。リロード。

551 :Kresnik ◆fFCROSSQsM :02/11/17 10:37
>550
 
「通常兵装じゃアンタは消せないらしい。……けど、封じるなり――」
 
 言った青年の姿が、霞む。
 体が風と変わる。瞬き一つの内に少女との距離を詰めた青年は、勢いそのままにその顔
面を右手で鷲掴み、地面スレスレを滑空する様に背後の壁まで引き摺って叩き付けた。
 微塵の容赦の気配も無い破壊行動。殺意の具象。
 かは、と吐血する少女の髪を掴んで持ち上げ、虚ろな瞳を至近距離から覗き込む。
 
「――バラして固めるなり、アンタの存在を止める方法なんて幾らでもある」
 
 彼女は、銃口を、切先を、殺意を向けて来た。なのに――「退け」?
 余裕か? バケモノが、バケモノのクセに、俺を『逃してやる』とでも?
 自分が不死だから。死なないから。俺を侮ってる? バケモノが? バケモノのクセに?
 ――フザけるな。フザけてる、フザけてるのか、フザけるのかああそうか。
 OK。お前の気持ちは理解した。しっかり受け止めたよ、アンタの意向は。
 
 ――ブチ壊してやる。
 
 顔面を握る右手は微塵も動かさず、左胸に銃口を押し付ける。肉に埋没したマズルは、
ゼロ距離所かマイナス距離。トリガーの一動作で胸部は伽藍と化す。
 息さえ触れる相対距離で、青年は囁く様に吐き捨てる。
 
「……余計な事を考えるなよ? アンタの目の前に立ってるのは誰だ?
 此処に居るのは俺とアンタ。俺とアンタの二人だけだ。
 俺だけを見ろ。俺のコトだけを考えろ。余計な思考を挟むな。状況を把握しろ。
 解るか、バケモノ? 俺に対する事柄だけを思考しろ。
 今のアンタが思考を赦されてるのは、アンタと俺に関するコトだけだ」

552 :シエル ◆kcbhGUILTY :02/11/17 10:43
クルースニクvsシエル  「Sanctuary」 −Fate which becomes entangled−

>549 >550 >551

こうしている間も、復元は止まらない。
1秒毎に血が、肉が、戻り、生まれて、傷など無かったかのように
常態へと復して――

刻まれた傷。
――それは罪のカタチ。
苛む痛み。
――それは罰のカタチ。

流れない時は、私にその繰り返しを要求する。


・・・ふと気付くと、氷の中で乱反射する微かな光。
ぽつり、小さいけれど強い言葉が漏れる。

「――――!?」

刹那、湧き上がる炎の渦。
青年を繋ぎ止めていた冷たく透き通った枷は呆気なく霧散し、
一瞬でその残滓すら全く感じさせなくなった。

焼き尽くす業火。煉獄の炎。

――この炎は普通とは違う。
   これに焼かれれば――死ねるだろうか。

滲み出る弱気は、心の何処かがそれを望んでいるから?
死ぬのはいい。けれど、それはもう少し先。

553 :シエル ◆kcbhGUILTY :02/11/17 10:43
クルースニクvsシエル  「Sanctuary」 −Fate which becomes entangled−

>552

赤に照らされて、青年は銃を取り出す。
歪なまでに大きな銃口。込められたのは見るからに特殊な指より太い弾丸。

・・・・・・駄目だ。
そんな物ではロアの一部は殺せない。
それこそお伽話の世界だけれど、『直死の魔眼』でもなければ。

「かはっ・・・」

吹き付ける白い突風が、私の身体を壁に叩き付ける。
頭蓋骨に罅。
炎ではなく血の赤に染まった視界で青年が囁く。
乱暴に、諭す様に。

・・・・・余計な事。
それはこの戦闘で、本来の目的は別にある。
こんな事をしていてはチャンスを逸してしまう。

「ばらすでも何でもそうしたいのならして下さい。ただし、ロアを殺した後で。
 私はアレを殺しに来た。貴方もそうでしょう?」

554 :Kresnik ◆fFCROSSQsM :02/11/17 10:52
>553 クルースニクvsシエル 「Sanctuary」 −Fate which becomes entangled−
 
 ――だから、話を聞けよ、オマエ。……こんな所で手間取ってる暇なんて、無いのに。
 
 締め付ける義手の握力に、少女の頭蓋が軋みを上げる。背後のコンクリートの壁には、血
袋を叩き付けたような痕。
 
「……だから、そんなコト訊いて無いんだよ」
 
 カソックに押し付けられた銃口が、不意にその心臓から外れた。振り上げられたグリップが
少女の顔面を横殴りに、返す刀で頭頂部を強打。血の飛沫を散らして揺れる少女の頭部を、
右手が壁に押し付ける。
 振り上げ、腹部に叩き込んだ膝が華奢な体をコンクリートの塀でサンドイッチ。嗚咽を
漏らす少女へと、膝は五回連続で叩き込まれる。
 浮き上がる身体を強引に押え付けながら、呟く。
 
「……俺の事だけ考えてれば良い、って言ったろ?」
 
 マズルを下向け、無造作に発砲。呻く様なか細い悲鳴が銃声に混じる。カソックごと太腿が
弾け、肉片が血の飛沫に混じって散乱した。
 
「誰と話してる? 俺だろ? 余計なコト考えてる暇あるのかよ。
 俺を見てれば良い。あぁ、見てるか、ソレで良い。自分の身を按じな」
 
 暇が無い――そうだ、時間が無い。何かをしていた筈だ。しなきゃいけなかった。
 何を? ああ、確か、
 発砲。逆の太腿が弾け飛ぶ。
 蚊の鳴くような悲鳴。
 
「聖別済みの大口径ハイドラショックだ。痛いよな? 痛い筈だ。
 ホラ、足が千切れそうだ。痛い筈だ。……そうだろ? でなきゃ嘘だ。
 ……もっと痛そうにしろよ、おい。フザけるなよ、オイ! なあ、なあ――」

555 :漆黒の王子(M):02/11/17 11:11
むうぅ!バカな、この私が…。
しかし!床が崩落している今!決着を描くにはこの場所は狭すぎる!!
 
シーザー・ツェペリvsミカエル・ラージネスvs漆黒の王子
『ただ、尊厳の為に』
の中間レス番纏めだ!!
>157>158>159>160>161>163>165>167>171>173>182>188>206
>214>215>219>288>290>330>377>378>392

556 :ホッパード・ザ・ガントレット(M) ◆PLGUNS4k4s :02/11/17 12:09
対シエル     『White Album』

 避けなかった。
「!? ……ふざけるな!」
 受け止めるつもりなのか、重さ半トンを軽く越えるこのグーデリアを? 思
ってもみなかったチャンスに胸が高鳴る。半ば諦観していた「彼女の物理的な
殺害」という思ってもみなかった獲物。
「喰らい…………やがれ!」
 一瞬、仕留めたと思った。彼女がゆらりと、グーデリアからわずかに横にず
れ、俺のグーデリアが左腕を吹き飛ばし、俺の仮面に血がかかり、視界が覆わ
れるとほぼ同時に、心臓に衝撃が叩き込まれた。
 急速な脱力、グーデリアから手が離れる。グーデリアはそのまま民家に突っ
込み爆発炎上。俺は地面に転がった。
「げ、が……!」
 先ほどのドラッグで痛みはない、だが致命傷だということは理屈抜きで解る。
(――やはり、そんなモンなんだよな)
 落下の衝撃で仮面が外れ、視界がクリアになる。ちらりとシエルを見上げた。
 彼女が息を呑んでこちらを見つめているのが分かる。
 ――そうか、気付いたか。これが俺の鬼札だ。
 彼女が愕然として膝を突く、
「吸血痕が無いことに気付いたか、シエル。……その通り、俺は吸血鬼なんか
じゃない。俺は……ただの人間だ」
 そう言って嗤う。
 これこそ俺が待ち望んでいた瞬間だった。

557 :ホッパード・ザ・ガントレット(M) ◆PLGUNS4k4s :02/11/17 12:10
対シエル     『White Album』

「ハハハハハ! 面白いよなァ! どんな奇麗事抜かしても、手前はただの人
間をブチ殺した殺人者なんだもんな! 俺は貴様に全てを奪われた! だから
俺も貴様の一部を奪った! 貴様がいなければ、あの娘もあの町も死なずに済
んだんだろうなァ!」
 そこまで一気に喋るとごふ、と血を吐いた。いよいよお迎えが来たらしい。
 シエルは膝を突き、恐らく自分でも気付いてないであろう涙を流している。
 俺の復讐は達成された。
 このままゆっくりゆっくりと、彼女は死んでいく。肉体は死なず、心が死ぬ。
 それが俺にできる精一杯の復讐だった。
 視界が真っ白になっていく。俺が辿り着く先はきっと地獄だろうな、と思う。
 でもいい、と思う。
 赦されるはずがないと思う。
 地獄で、俺の復讐に巻き込んだ魂達が安息であることを祈りたいと思う。
「貴様を……殺して……楽にしてなどやるものか……その不死身の躰で……そ
の罪にせいぜい押し潰されて…………生き続けろ……ッ!」
 一瞬、懐かしいあの町の、あの彼女の幻影を見た。
 とても幸せだったあの頃、路地裏で彼女を見つめるだけで幸せだったあの頃、
こんな躰でも世の中をすねて見ないでいいことを教えてくれたあの頃、路地裏
にこっそりとパンを置いていてくれたエレイシアという娘が居たあの頃。
 ――いや、これは幻影に過ぎねぇ。
 過去にあった風景を、俺の脳が描写しているに過ぎない。こんな風景は今の
俺には似合わないのだ。復讐の為に無関係の人間を巻き込んだ俺は、地獄の亡
者にその身を引き裂かれて血みどろになる事こそが相応しい。
 ――相応しいはずなのに。
 それなのに頭に浮かぶのはその懐かしい景色ばかり。
 心臓の鼓動が収まり、俺の思考は停止する。
 安らかな風景を目に焼き付けて。
 俺は死んだ。

 ホッパード・ザ・ガントレット――――死亡

558 :シエル ◆kcbhGUILTY :02/11/17 12:38
対ホッパード・ザ・「ガントレット」     『White Album』

>556 >557

視線は虚空を漂う。
今まで縋ってきた物が切れた気がした。

「はははは……」

滑稽だった。
殺した人の数より多く救うと決めて、無様に足掻いて。
また人を巻き込んで挙句の果てに今この手で殺した。

―――こんなのってないですよ……

何の為に存在しているのか判らない。
黒鍵の柄尻から滴る血が紅すぎて目に痛くて、涙が止まらなかった。

―――手。

人と吸血鬼と。
殺して殺して、拭い去ることなど不可能なほどに血に塗れている。
生きている限り新たな血に塗れるだろう。

これで止まってしまうのか。
贖罪の覚悟は挫けてしまうのか。

答えの返ってこない自問は、長い間続いた。

559 :シエル ◆kcbhGUILTY :02/11/17 12:42
対ホッパード・ザ・「ガントレット」     『White Album』

>558

―――もう……

駄目だ。立ちあがれない。
そう思った。
行かなくちゃ。感傷に浸るのは後だ。
そう思った。


赤錆びたスコップで二つ、墓を掘った。板切れで作った墓碑と自分の心に、二人の名前を刻みこむ。
ソレを地面に突き立てても、覚えさせられた死者への祈りは出てこない。

「リーヴ……ごめんなさい」

そんな言葉に何も意味は無い。
間に合わなかった以上何を言っても虚しいだけと判っていて、言わずにはいられなかった。

「貴方の言う通りわたしは生きなければいけません。
 まだ死ぬわけにはいきませんから―――」

―――全部終わったら、辿り着くのはきっと地獄の底。

でもまだやれる事、やるべき事はまだ無数にある。
忘れないけれど、振り返らない。立ち止まらない。道は始まってすらいないのだから。

―――まずはロアを。

踵を返して、歩き始めた。

560 :シエル ◆kcbhGUILTY :02/11/17 12:50
対ホッパード・ザ・「ガントレット」     『White Album』

レス番纏めです。

>372 >380 >382 >388 >390 >474 >475 >477
>482 >493 >505 >506 >556 >557 >558 >559

―――辛くても……辛いからこそ、前に進まなきゃいけないんです。


感想などあればこちらにお願いします。
ttp://plan-a.fargaia.com/html/vampbattle/res.cgi/1033894737/

561 :銃使徒シモン ◆e6StAGFMhw :02/11/17 14:27
新スレだ。 
随時移行してくれ。 
 
吸血大殲 第49章 「Cursed Stupidity」  
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/charaneta/1037510600/
 


562 :Kresnik ◆fFCROSSQsM :02/11/17 16:02
>554
 ただ視線だけを向けて来る少女を見て――唇を噛んだ。
 ああ、確かに見ろって言ったよ。言った。けどさ、ああ、違う。それは違うだろ。
 何なんだよ、その目は。なあ、なあ。なあ!? そんな目、俺は望んでないんだ。
 振り上げた膝が腹部を抉りながら壁とサンド。吐血を浴びながら三回膝を叩き込んで、押
し下げた延髄に肘を打ち下ろす。髪を掴んだまま目の高さまで引き摺り上げて、
 その目は、何なんだ。シスターと同じ、その、目は。
 
 ――その目を、止めろ。
 
 髪から手を離して、顔面を掴む。そのまま、左手が唇と歯を無理矢理押し上げ――
次の瞬間、口腔深くへとマズルを上向きに突き入れる。
 
「……コレなら死ぬか? 死なないんだろうな、あぁ、でも痛いんだろ?」
 
 何で死なないんだ、コイツ。違う、何で平然としてるんだ、コイツは。
 腹が立つ、苛付く、苛立つ、イライラする、この、くそ、この、女―――――
 時間が無い。俺は化け物を殺しに来たんだ。手間取ってる暇なんて無くて、殺しに来たの
は化け物で化け物はこの女で、俺はオレはこの女を殺しに来、
 ……あれ。はは、何だ。オレは、コイツを殺しに来たんだっけ。
 じゃあ、焦る必要なんて無い。
 何か忘れている気がしたけど、そんなのはどうでも良いコトに違いない。
 砕いて、剥いで、刺して斬って撃ち抜いてもまだ足りない。苦痛に喘ぎながらも死の淵へ
と一向に踏み出さない少女の姿は、何処か盗火神の無間地獄を思わせた。
 
「……死ねないのか? このままなのか? 可哀想にな、哀れで愚かなプロメテウス。
 禿鷹はやって来る。アンタは死ねない。だったらソレは、アンタが背負った永劫の苦行だ。
 ヘラクレスは助けに来ない。アンタは――だから、ずっとこの苦しみの中に囚われる」
 
 だから、と呟く。
 
「オレが殺してあげるよ、シスター」

563 :Kresnik ◆fFCROSSQsM :02/11/17 16:04
 くそ……殺してやる。絶対に、コイツは、俺が。
 けど、場所が悪いな。ココは場所が悪い。次で――終わらせる。
 だろ、シスター? はは、解ってるよ。コイツは殺す。殺すから。
 
 はは――さあ、殺して上げるよ、『シスター』!
 
 クルースニクvsシエル 「Sanctuary」 −Fate which becomes entangled−
 レス番纏め
 
>526>527>528>529>530>531>532>533>534>535>536>537>538>539>540
>541>542>543>544>545>546>547>548>549>550>551>552>553>554>562

564 :バレッタ ◆LOVE7IVoYE :02/11/17 16:46
アーカードさんを倒したことでもらえる報奨金。
それで、おばあちゃんを都会の病院に入院させるの。
だから――――

ちゃっちゃと死ねや。アーカード!

アーカードvsバレッタ
途中経過レス番纏め
>495>496>497>499>500>504>516>517>518>519>520>524>525


565 :ラルヴァ ◆hALARVAIdY :02/11/17 16:59
決着は次スレね。 ……さて、最後に立っているのはどちらかしら?
 
ロング・ファング VS ラルヴァ レス番まとめ
(導入)>368>369>370
>371>373>375>379>381>383>385>387>389>391>393>394
>449>469>470>471>472>476>478>479>480>481>484>503

566 :以上、自作自演でした。:02/11/17 18:11
>>549
なあ教えてくれや
あんた確か「人間」だったよな?
獣に変身できるけどただの人間とどこかで言ってよな

その炎は何なわけ?

567 :以上、自作自演でした。:02/11/17 18:16
>566
いや、獣に変身できる時点で人間だとは思えねえし。

568 :Kresnik ◆fFCROSSQsM :02/11/17 18:19
 ……久しぶりにレスか。
 全体的な物はまだ返せないが――一旦返させて貰う。
 
>566
 ……人間だが?
 純粋な人間だ。両親も人間だった。だから、なんだ?
 この炎は主が与えて下さった降魔の刃。
 ミカエルの炎の欠片――なんてのは俺の傲慢か。
 
 俺の力は主が下さった物だよ。
 主は、俺に悪を破滅させる為の力を与えてくれた。
 それだけのコトだ。

569 :以上、自作自演でした。:02/11/17 19:14
( ´_ゝ`) フーン

捏造オリキャラって便利だよなー
「跡付け」設定がいくらでもつけられるから(ワラ

うん
頑張ってくれたまえ
大殲で「オリジナル」キャラを選んだクルぽん


570 :以上、自作自演でした。:02/11/17 19:19
おっと失礼
誤字が出てしまったようだね
「跡付け」は「後付け」だたよ


571 :ランスイル(M):02/11/17 20:17
バイクヴァンプvsランスイル
>367
空中での速度にはランスイルに分があった、
だが組み付きは魔獣にランスイルを痛打を与える。
 
「つっ……。痛いですわね……」
柳眉をしかめ、ランスイルの髪が背中の穴へと戻る。
魔により戻っているがゆえに、
髪ですら自分の意志で動かせるようになっている事に苦笑する。
 
羽交い絞めになっていた腕が元の人と同じくらいに小さくなり、
するりと隙間から片腕が抜ける。
落下しながら魔獣と向かい合い人の手を魔獣の胸に当て、慈悲の笑みを浮かべる。
 
―――――ランスイルは笑うと本性が浮き出る。
 
落下の瞬間、微笑みと共にランスイルの手が異形へと戻る。
そう、刃の腕が魔獣の心臓に狙い定められ、そして貫かんと……。

572 :ランスイル(M):02/11/17 20:25
私と魔獣の闘争レスの中間纏めです。
バイクヴァンプvsランスイル
>314>315>316>317>318>319>320>322>325>326>331>367>571


573 :以上、自作自演でした。:02/11/17 20:27
>569
>捏造オリキャラって便利だよなー
クルースニクを本気で捏造オリキャラとか思っている無知ハケーン


574 :以上、自作自演でした。:02/11/17 20:33
>>573
原作はなんていうの?ずっと知りたかったんだけど。

575 :以上、自作自演でした。:02/11/17 20:44
>569
>574
「クルースニク」でぐぐるべし。
元はスラヴの伝承。
動物や火炎に姿を変えることも伝承どおり。

576 :以上、自作自演でした。:02/11/17 20:48
>>575
銃やバイクや性格は…?( ´・ω・) 

577 :フォルテッシモ ◆40gff/DQNQ :02/11/17 20:56
はん。このスレはなかなかに“最強”な闘争が目立ったな。
素晴らしいぞ。とてもとても、な。
しかし、アレだ。32行規制のせいで……俺の台詞が少ないッ!


吸血大殲 第48章 銃火は我の贈る花束
闘争レス番纏めインデックス

>70 超光戦士シャンゼリオンvs仮面ライダー王蛇 『マグロじゃねぇ!』
>75 カノンvs絶対に負けないヒーロー
>95 名も無き闘争
>96 遠野志貴vs遠野秋葉『日常の点景』
>154 エリックvs名無しダンピィル
>204 ラルフ・グルトvs綾瀬瑞希『彷徨える者への鎮魂の鐘』
>231 クロウvs黒剣士ブラフォード
>259 キャル・ディヴェンスvsアリッサ・メイベル〜十字架の裏側〜
>267 レッドアリーマー対レイオット・スタインバーグ  〜レナイのアクマ〜TRUE DEMON〜
>295 セラス・ヴィクトリアvsキメラヴァンプ 〜倒せ! 悪の野望。守れ! 正義と平和〜
>354 オーフェンvsモリガン
>361 キリエvsファントム・ドライ
>366 アルカードvsストレイツォ
>468 比良坂初音&アセルスvsジョナサン・ジョースター&紅丸
>522 クインvsアーカード 〜些細なすれ違い〜
>560 シエル対ホッパード・ザ・ガントレット『White Album』

途中経過レス番纏め

>555 シーザー・ツェペリvsミカエル・ラージネスvs漆黒の王子 『ただ、尊厳の為に』
>563 クルースニクvsシエル 「Sanctuary」 −Fate which becomes entangled−
>564 アーカードvsバレッタ
>565 ロング・ファング VS ラルヴァ
>572 バイクヴァンプvsランスイル

578 :孔濤羅 ◆dTAoloUdks :02/11/17 23:05
孔濤羅&レイオット・スタインバーグVSドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ
「憎炎の剣と諦念の魔術、闇の王と対峙すること」
 
(中間纏め)
導入 >486>487>488>489>490>491>492>494
闘争 >498>508>509>510>512>513>514>515>523


579 :576:02/11/18 00:12
誰か答えてよ

580 :以上、自作自演でした。:02/11/18 00:55
そっかー伝承からの参加もOKなのかー
じゃあー俺はカインで参加するかな
それともリリスがいいか

581 :以上、自作自演でした。:02/11/18 00:58
俺はイエス=キリストで(爆

582 :以上、自作自演でした。:02/11/18 01:07
ある意味じゃ「吸血鬼」自体も伝承だよ
オリジナル吸血鬼を作って参加しようYO

583 :以上、自作自演でした。:02/11/18 01:07
>>579-581
荒らすな機械式!!

584 :以上、自作自演でした。:02/11/18 01:15
>>579-583
荒らすな留蔵!!

585 :以上、自作自演でした。:02/11/18 01:35
>>579-584
荒らすなラグナロク!!

586 :以上、自作自演でした。:02/11/18 01:42
>>579-585
荒らすなアーロン!!


587 :骨面ライダー:02/11/18 02:10


588 :以上、自作自演でした。:02/11/18 02:42
>580-581
つか、それ吸血鬼とちゃう。

589 :以上、自作自演でした。:02/11/18 02:53
>588
いえカインは可です。

590 :以上、自作自演でした。:02/11/18 12:12
よし使おう。
現代に合うように設定を捏造して、
キリンビバレッジ営業三課の平社員カイン。
趣味は特に無いが、上司と話を合わせるためにゴルフをしている。
ただし、本人にやる気はない。
他の設定募集中


591 :以上、自作自演でした。:02/11/18 13:43
>>590第1次世界大戦に酔狂で参加し勲章貰う程活躍するも毒ガスを吸って
精神に傷を負ったせいで反撃位はするが実は殺しも戦争も嫌いな
平和主義者になってると言うのはどうですか

592 :以上、自作自演でした。:02/11/18 15:05
>>590>>591
超規格外級の実力で平和主義?
銃使いきぼん
赤コートきぼん
トンガリヘアーきぼん

593 :以上、自作自演でした。:02/11/18 15:21
お前らみんな闘技場か戦闘宙域にでも行ってろ。

594 :以上、自作自演でした。:02/11/18 15:26
>>593
誘導するならURLぐらい貼ってくれ

595 :カイン(予定):02/11/18 15:42
>>593
なんだよ…
人が真面目に意見募っているのにさ。
始祖たる僕は吸血鬼だろう?
何の問題があるのさ…
仲良くやろう。平和が一番だよ。
閉鎖的にしないでさ…
もっとオープンにラブアンドピース!
さあ一緒に!!

596 :以上、自作自演でした。:02/11/18 15:53
ハッピ〜ウレピ〜ヨロピクネ〜♪

597 :以上、自作自演でした。:02/11/18 16:08
ROOK-RES(001):しょうもね〜おめ〜らにもたまにはよいものを差し上げてご覧に入れましょう:EOS
ROOK-RES(001):http://jbbs.shitaraba.com/game/2066/:EOS

598 :以上、自作自演でした。:02/11/18 17:38
http://jbbs.shitaraba.com/game/bbs/read.cgi?BBS=2066&KEY=1028110992
で、どれがどのキャラハン?

501 KB
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

★スマホ版★ 掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50

read.cgi ver 05.04.02 2018/11/22 Walang Kapalit ★
FOX ★ DSO(Dynamic Shared Object)