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破傷風トキソイド使わなかったら訴訟で負ける?

1 :卵の名無しさん:01/09/12 21:32 ID:???
初めてスレを立てます。

車のドアで左の額を怪我した患者を縫合しました。
汚くもなかったのでトキソイドは使ってません。
1週間後包交も終わったその患者が
左顔面神経麻痺症状で来院しました。

顔面神経麻痺症状のほかには
両顎が少し痛いというほか頸部硬直もありませんでした。
創もきれいでした。
神経内科受診を勧め紹介状を書きました。

翌日その大病院に行ったら
破傷風と診断されそのままICUに。
3週間経ったいまも挿管中だそうです。

家族は初期治療に問題があると思っているそうです。
訴訟になったら負けるのでしょうか?

2 :卵の名無しさん:01/09/12 21:41 ID:???
農作業中の傷とか、動物咬傷とかならトキソイド使うけど、車のドアでは
使う理由なんかないよねえ。
きちんと創処置しているし、元気なときに神経内科に送ってるし、責められる
点はなにもないものと思われまする。

これが本当なら、医者も患者も地雷に当たったようなものですね。
くわばら、くわばら。

3 :卵の名無しさん:01/09/12 21:51 ID:0qgMvVEc
1が負けたら、外傷には全部破トキかよ・・・。

とにかく頑張ってくれ>1

4 ::01/09/12 21:55 ID:???
早くもレスありがとうございます。

ちなみにICUで創を開いたらpusはなかったものの
まったくくっついてなかったそうです。

またカルテには書いてませんが
顔面神経麻痺で来たときに一応破傷風の可能性を考えて
本で調べたのですが
上記のようにまったく症状が合わなかったので
自分の中でそれはないと思いこんでしまいました。

こういう場合、
「外傷にはトキソイドを使用すべきであった」
なんて判決になることもあるのでしょうか

結構心配です。

5 :卵の名無しさん:01/09/12 22:17 ID:???
どうも1はオレと同じMLの参加者みたいだな

6 ::01/09/12 22:27 ID:???
>>5
すみません
MLってなんですか?

7 :卵の名無しさん:01/09/12 22:42 ID:bIh6exwc
メーリングリスト。

関係ありませんが、関東の土壌は破傷風が多いから関西よりも
トキソイドは良く使う、と聞いた事があります。ほんと?

8 :卵の名無しさん:01/09/12 22:52 ID:???
練馬は破傷風が多いと言われていたよ

9 :5:01/09/12 22:54 ID:???
メルクマニュアル第17版
第 157章 細菌性疾患[ 破傷風]
http://merckmanual.banyu.co.jp/cgi-bin/disphtml.cgi?c=%C7%CB%BD%FD%C9%F7&url
=13/s157.html#x00
開放創のある患者に対する破傷風免疫処置ガイドライン
http://merckmanual.banyu.co.jp/cgi-bin/disphtml.cgi?c=%C7%CB%BD%FD%C9%F7&url
=13/t157_03.html

また北里研究所
破傷風ワクチンの追加接種はどのようにしたらよいでしょうか。
http://www.kitasato.or.jp/rcb/qanda/dpt_q.html

国立感染症研究所
http://idsc.nih.go.jp/kansen/k99-g40/k99_32.html

10 :5:01/09/12 22:55 ID:???
『破傷風』(海老沢功著 日本医事新報社1988年
・この傷は破傷風になる、あるいはならないという判断はいか
 なる名医でもできない
・破傷風は比較的まれな疾患であるから、かえって危険な疾患
 である。多くの医師は破傷風患者をみたこともないし、近代的
 治療経験をもつものも少ない。
・外傷患者をみる医師は必ず破傷風に対する免疫状態をたずね
 ること。最近免疫を完了したもの以外は、すべて破傷風トキソイ
 ドを注射しておくことを勧める。
・どこから集めてきた土でも約50%は破傷風菌が要請で、10%
 の土からわずか1mgの土を用いて破傷風菌を分離できる。0.1
 mgの土から破傷風菌が分離されたこともある。
・破傷風らしい患者をみたら、誤診してもよいから、一刻も早く救
 命救急センターに送るとよい。小さい病院で治療するには負担
 が重すぎる。

11 :5:01/09/12 23:00 ID:???
>神経内科受診を勧め紹介状を書きました
そこで破傷風が思い浮かんで、紹介できた1さんは名医と
ほめられてもおかしくはありません。
裁判でも負けないでしょう。

http://www.cdc.gov/health/diseases.htm
TETANUS
http://www.cdc.gov/nip/publications/pink/tetanus.pdf

12 :卵の名無しさん:01/09/12 23:08 ID:.kyiidNU
>1
過去に一度だけ破傷風患者を横目で見たことがある。

挿管しているそうだけど、おそらく呼吸麻痺に突然なるのが面倒だから、
万が一のことに備えて挿管しているのではないのかな?

いつ呼吸麻痺が起こるかビクビクしてみているよりも、さっさと挿管して
レスピ使ったほうが管理しやすいしね。

俺も1は神経内科にきちんと送ったところで義務は十二分に果たしていると思うが。

この場合、送った救命センターのドクターが厳しめのムンテラして、逃げてるんでしょうね。

13 :卵の名無しさん:01/09/12 23:09 ID:.kyiidNU
今ニューヨークで破トキが足らなかったりして。

14 :5:01/09/12 23:10 ID:???
三木卓「震える舌」を読んで置きましょう。新潮文庫にあります。

15 ::01/09/12 23:17 ID:???
すみません。名医なんてとんでもない。
説明不足の面がありましたので
お恥ずかしいのですが、正直に書きます。

最後に見たとき、破傷風を思い出しはしましたが、
上記のように否定してしまいました。

最後に診たときは実は土曜の夕方で、
紹介状には創のことは書きましたが
破傷風についてはまったく触れてません。
また神内科受診は2日後の月曜日だったんです。
で翌日開口障害が出てきた患者が救急外来受診し
そのままICUへ。

言葉足らずですみません。
やはりまずいっすかね、このケース。

16 :卵の名無しさん:01/09/12 23:18 ID:lVTqOO7g
救外の看護婦やってます。
うちの病院の整形医師はどんなキズでも破トキを打ち、
異物確認の為のレントゲンを撮ります。例えば
紙きりカッターで受傷した指の切創にでもです。「医療費の無駄だなぁ」と
思ってましたが、これからはこの位しないとまずいのかな?

17 ::01/09/12 23:19 ID:???
あ、申し遅れました。

5さん、本当にありがとうございます。いろいろ。

18 :卵の名無しさん:01/09/12 23:23 ID:???
患者の年齢は?
中学生なら小6でトキソイド打ってるし大丈夫かも
高齢者なら一応やっといたほうがいいと思う

19 :告らん:01/09/12 23:23 ID:???
>>1
>>12
破傷風の治療経験があります。
挿管は必要です。舌を噛みます。喉頭痙攣が起こります。嚥下もできなくなります。
上気道の閉塞を防ぐためにどうしても必要です。また、全身の著しい痙縮のため呼吸
筋麻痺が生じます。痙縮を緩和するために筋弛緩剤が必要です。テタノスパスミンは
中枢神経毒性を有します。痙攣を極めて容易に生じます。徹底的なsedationと筋弛緩、
呼吸管理を要します。しかも、できるだけ早期に行うべきです。

しばしば長期化します。呼吸管理が万全でも不整脈や突然の血圧の変動など、自律神
経症状に十分な注意を払う必要があります。ICU管理が妥当です。

特異的治療としてテタノブリンの投与、創の外科的処置を直ちに行うべきです。

20 :告らん:01/09/12 23:27 ID:???
>>1
これを医療ミスと断定することは、全ての外傷には破傷風トキソイドを使うべきと
いう判断を意味します。ありえないでしょう。

21 ::01/09/12 23:29 ID:???
>>18
書き忘れてました。
66歳、男性です。

>>19
3週間経った現在も(詳しくは分かりませんが)
筋の硬直があるのでレスピレーターははずせないようです。
それから救急外来受診時には嚥下障害のため
誤嚥性肺炎を起こしていたようです。
肺炎自体は現在は寛解しているようですが…
そこの病院のICUの医師が経験豊富な方なので
ここに書かれてあることはすべてしてあると思います。
最初の3日くらいを乗り越えたので
命には別状はないだろうということです。

22 ::01/09/12 23:38 ID:???
皆さん、ほんとうにありがとうございます。

>>20
そう思います。しかし、
実は一番気になっているところは

最後に診たときに
外傷の既往及び顔面神経麻痺症状から
破傷風を想定し、破傷風疑いとして
しかるべき病院に紹介すべきだったのではないか

と言うことなのですが…
そう断定されれば返す言葉もないような気もするんですが…
皆さんどのようにお考えでしょうか?

23 :告らん:01/09/12 23:45 ID:???
神経学に通暁していないとなかなか判断は難しいと思いますが、「顔面神経麻痺」
だったのでしょうか? 「痙笑」だったとすると典型的な破傷風の症状のひとつで
す。最初の書き込みを読んでそういう印象を受けました。

私も1例しか治療経験がありませんが、総説によると、確かほとんどのケースは開口
障害が診断のきっかけだったはずです。開口障害の時点で診断し、治療が開始された
とするとそれを「初期治療の遅れ」とみなすのは無理があると思います。

24 ::01/09/13 00:00 ID:???
>>23
レスありがとうございます。

「痙笑」ではないと思いましたが…
具体的には、
左の額のしわの消失。
左眉毛・上眼瞼の下垂。
左口唇の下垂。(ただし開口、閉口は可能で水もこぼさずのめる)
それに加えて両顎関節の鈍痛、です。

25 :卵の名無しさん:01/09/13 01:42 ID:sThQeatY
>外傷には全部破トキかよ・・・
そうです.

26 :卵の名無しさん:01/09/13 03:12 ID:???
破傷風ドキュソイド?

27 :つぶ整@数少ない破傷風治療経験者:01/09/13 10:46 ID:???
痙笑は開口障害よりややあとになってみられた。
数時間は時間差があったかな。だいぶ前なので覚えていないが。
顎の痛みや首の痛みが先に来て、その時点ではこわばった表情と
動かせない表情筋だった。

破傷風の臨床診断は、中枢神経疾患の除外診断も必要なので、
破傷風をみたことのないほとんどの医師では、発症初期に一目で
破傷風と見抜くのは無理だろう。

顔面神経麻痺との違いといわれれば、弛緩性の麻痺ではなく、
こわばった表情と言うしかなかったな。

人工呼吸管理中に困ったことは、交感神経過興奮の状態なので、
血圧が飛び跳ねるように上がったり下がったりしたこと。
これについては、胸部硬膜外持続ブロックでコントロールしたという
報告もあるが。

気切、人工呼吸11日間で救命できた。
足の小さいケガの中から3mm程の木のトゲが出てきた。

28 :5:01/09/13 10:58 ID:???
この場合トキソイドを使ったら発症を予防できたと思いますか?
私はテタノブリンとかテタノセーラじゃなければダメだったんでは
無いかと思います。しかしそのような薬剤は気軽に使用すべきとは
思えませんし、高価でもあります。

訴訟に関しては10でも出しましたが、今後は
>・外傷患者をみる医師は必ず破傷風に対する免疫状態を
>たずねること。最近免疫を完了したもの以外は、すべて
>破傷風トキソイドを注射しておくことを勧める。
と言うことにしておいた方が良いんでしょうね

29 :卵の名無しさん:01/09/13 11:01 ID:???
破傷風の患者が入院していたことがあった。個室でレスピレーターに
つながれていたが、部屋が真っ暗でなんか恐かった。

30 :28に追加して:01/09/13 11:02 ID:???
もし今までならトキソイドをうっておこうと考えたような
汚染創ならテタノブリンうっとけってことでしょうね。

31 :つぶ整:01/09/13 12:29 ID:???
創が汚いと思ったら、よく洗ってdebridementとともに、ペニシリン、トキソイドと
テタノブリンが必要だな。
ドアの角で切ったきれいな創には普通使わないと思う。
破傷風発症しかけだったらテタノブリン250単位ではだめじゃないかな。
テタノブリン1500単位を使ったよ。

ttp://www.h.u-tokyo.ac.jp/uthealth/k8tetanus.htm
ttp://makioka.y-min.or.jp/doc/Tetanus.html
ttp://homepage1.nifty.com/jibiaka50/hasyouhu.htm

32 :つぶ整@も一つおまけ:01/09/13 12:31 ID:???
ttp://www02.so-net.ne.jp/~tokushu/d-net6_hasyoufu.html

33 :ひも医者:01/09/13 20:18 ID:???
勉強になりました。
お恥ずかしい話、破傷風の患者は診たことがありません。
当直医が、トキソイドやテタノブリンを良く使うので不思議に思ってましたが、
必要なものなのですね。
でも、紙を切っているカッターや、洗浄中に割れたコップでの怪我、
犬や猫に咬まれたり引っ掻かれたりした傷にも必要なのでしょうか?
保身のため、トキソイドを使うべきなのでしょうか。釈然としませんが。

34 :も〜も〜:01/09/13 20:33 ID:???
>>31
教科書的には250単位は発症予防可能と書いてあったと思いますが。もちろん他の局所処置
やペニシリンと一緒の場合でしょうが。

とりあえず、1さんにですが、破傷風の診断はすこしの臨床経験では困難と思います。それに
トキソイドでは発症は防げないので訴訟とかの心配はないんではないでしょうか。

35 :卵の名無しさん:01/09/13 20:38 ID:???
抗体が残っていればトキソイドの効果も十分にあるのではと思われ。

36 :卵の名無しさん:01/09/13 21:45 ID:???
創の洗浄をしつこくやれば破傷風発症の可能性を
下げることは出来るのでしょうか?
それとも効果は限定的でしょうか?

37 :も〜も〜:01/09/13 21:52 ID:???
>>35
取り敢えずpartial immunization で、ある程度抗体レベルが高ければ有効であった可能性はありますね。
この症例の場合は発症は受傷部位から見て、onset timeは7日以内(多分4、5日)であり、症状から見る
とトキソイドが発症に有効であったかどうかはギリギリであったと思われます。通常追加免疫で抗体が発現
してくるまでに最低4、5日はかかるはず(と思いました)。
従って、発症を予防できる程度に抗体がでてくるまでの時間を考えると、発症を確実に予防しようと思った
らやっぱりTIGが必要だったと思いますが。
そうすると争点はむしろ最初のContaminationの程度ではないでしょうか。
車での創なら多分contgaminated woundではなかったと思われ、予測はかなり難しいと思います。
そんなふうに考えるといろいろ訴えられてもあんまり心配ないように思いますよ。

38 :卵の名無しさん:01/09/13 21:53 ID:???
洗浄は生食をただ流して洗うのがよい。
ブラシとかでごしごししている人がいるけど、それやると馬鹿といわれます。
知ってたらスマソ。

39 :Tc:01/09/13 22:04 ID:???
「研修医当直御法度」
にもシリンジで圧力かけて洗浄するな、てありました。
ちょっと昔に何でもアリの放射線科の病棟医やってた頃に読んだ教科書?ですが。

40 :ひも医者:01/09/13 22:08 ID:???
>>38,39
整形外科の先生は、よくブラシでゴシゴシされてますが、
あれはどうなんでしょうか?

41 :5:01/09/13 22:10 ID:???
牛が来ないスレッドは気持ちがいいなあ(ワラ

42 :Tc:01/09/13 22:11 ID:???
>40
其のテキストによると、組織損傷を深めたり、
異物を押し込んだりするからするな、と
記載してあったように記憶しております
・・・って放射線診断医に聞かれてもお手上げです(汗)

43 :ひも医者:01/09/13 22:16 ID:???
>>42
Tcさん、有り難うございます。
整形の先生は、骨に達する傷の場合、かなり念入りにブラッシングされるもんで。
骨髄炎が怖いから、ひたすら洗えと言われました。どっちがいいのかなぁ?

>>41=5
同意。(藁 珍しいスレですね。

ところで、犬猫に咬まれた、引っ掻かれたと言う場合、破傷風の危険性は
どれくらいか、ご存じの方いらっしゃいませんでしょうか?

44 :>40:01/09/13 22:20 ID:jUKOMO6.
ヤンキーの自爆事故の時はムカツクんで局麻無しで思いっきりブラッシング
自転車で転んだ女子中学生のときは優しく洗浄。

傷がきれいになったのはヤンキーの方でした。

45 :ペディ公:01/09/13 22:22 ID:???
このスレ、勉強になるなぁ。

46 :ひも医者:01/09/13 22:22 ID:???
>>44
なるほど、ありそうな話ですね。(藁

47 :Tc:01/09/13 22:23 ID:???
>43
そうなんですかねぇ。
素人考えではデブリ、ブラッシングで深追いするより
ABsたっぷり、慢性化したら観血的に開窓なり掻破なりする方が
いいような気がしますが。オルトの先生方、如何でしょう?

48 :卵の名無しさん:01/09/13 22:23 ID:???
馬はキャリアーになるので馬が居た場所は汚染されてる確率が高い
と聞いたが、嘘?

49 :5:01/09/13 22:24 ID:???
デブリートマンとは本来挫滅組織を切り取ってしまうことなので
ブラッシでごしごしってのも良いんじゃないですか?
咬傷のような小さな傷口から中途半端に生食を押し込むのは良く
ないと思いますが、切開して洗おうなどというのは乱暴で出来ない
方は洗い流すぐらいの方が無難だと思います。
一番良いのは受傷直後水道の蛇口の下で流水で洗うことですね。

50 :卵の名無しさん:01/09/13 22:25 ID:OG9p9rRQ
牛のいたスレが汚染されるってのはあるぞ(藁)。

51 :卵の名無しさん:01/09/13 22:41 ID:???
創傷部で一番恐いのは感染を起こすこと。感染に関しては、異物が残るか、
壊死物質が残るかが大きな要因となる。感染防御としてはなるべく生きた
細胞を創傷部に残すことが必要。
そのため、汚い傷には大量の水で洗うのがよい。もし創部を水道の蛇口に
持っていけるなら、局麻をかけて状態でひたすら洗うのがベスト。
創が深く、十分な洗浄が困難で、感染が起こる可能性が高いならオープンに
するのが賢明。
創傷治癒に重要な生きた細胞(おもに繊維芽細胞)を残す意味で、ブラッシングは
よくない。またイソジン,ヒビテンなんかの消毒液を使うのもよくない。
とりわけ術後の創部なんかを消毒するのは百害あって一利なしと言われる。

52 :ひも医者:01/09/13 22:53 ID:???
>>51
なるほど、そうなんですか。
私の処置は間違っていたんですね。
汚い傷の場合、生食をかけながらガーゼで汚れを洗い流し、
その後、オキシフル消毒をしてから再度生食で洗い、
イソジン消毒して縫合してました。(恥
今までトラブルになったことはなかったんですが......
当直が、ろくに洗浄せずに縫合し、感染してOPENにすることは時々あります。
あまりにも汚い傷をOPENのままにすることは、たまにあります。
特に、犬猫に咬まれた深い傷は、縫合すると良くないですね。

術後の創部...は、皮膚縫合前に皮下を消毒することでしょうか?
確かに洗浄はしますが、消毒は良くないと教えられました。
ん?怪我の時にはイソジン消毒して縫合してるな?自己矛盾(大恥

ところで、犬猫の咬傷で破傷風になることはあるのか、誰か知りませんか?(シツコイ

53 :卵の名無しさん:01/09/13 23:01 ID:jUKOMO6.
鶏につつかれた傷が原因と思われる破傷風を経験したことがあります。
踝のぶぶんのほんの僅かなかすり傷。

傷自体から破傷風を予想するのはかなり困難だとおもいます。
かと言って外傷全てにトキソイド使うべきってのも極論過ぎる様な気がしますが。

54 :ひも医者:01/09/13 23:04 ID:???
>>53
げっ!マジですか。
犬猫も怖いのかなぁ。
ヤバイなぁ。これからどうしよう。

55 :age:01/09/14 00:02 ID:???
age

56 :卵の名無しさん:01/09/14 00:07 ID:???
「猫の砂」をいじった人が助手に入った処置で
破傷風が起こって訴訟になったケースがあるとのことですよ。

57 :>52:01/09/14 00:37 ID:QsxXCtIQ
素人は消毒で色が付かないと不満らしい。
ttp://www.ne.jp/asahi/piano/natsui/free/free128.htm
こういうことを言ってる医者もいる。

実際、基本的に術後回診で消毒しない施設が一ヶ所あったけど、
「啓蒙」が面倒くさいので移ったら、旧態依然の方法に戻った。

58 ::01/09/14 01:18 ID:???
みなさま真剣なレス本当にありがとうございます。
こころから感謝しています。
いまのところ家族に動きは有りませんが、
ICUの面会の時は嫌なムードが流れてるとのこと。
いろんな意味で早く抜管してよくなって欲しいと願う毎日です

59 :つぶ整:01/09/14 08:40 ID:???
汚染創では.....
軟部組織はデブリドマン、骨表面は処置室で削ることもできないしブラッシング
するかな。
とにかく大量の生食で洗い流す。注射器やビニールボトルの生食で
力一杯圧をかけてるが、それくらいの水圧でないと組織表面の汚染は
流れないし、それくらいの圧では組織のダメージは少なかろう。
ブラッシングも砂つぶ、鉄粉等小さいものがたくさん入っている場合は
仕方ない。それで創傷治癒を明らかに阻害しているとは思えない。
不安な場合は創を閉鎖するときにドレーンを入れてるな。

ちなみに生食より0.5%マスキン水の方が安いし、そっちで洗うこともある。
壊疽の足なんかはマスキンで洗うな。

ところで >1 さん、挿管したまま3週間なの? 気切は?

60 :つぶ整:01/09/14 08:46 ID:???
破傷風の発症予防にはテタノブリン250単位だが、
発症したら1500単位を使う。

動物咬傷(創)は小さい傷口をいくら洗浄しても、
創の内部で汚染は広がっている。
傷口を局麻して3倍くらいに切開して拡げて、よく洗って
開放のままにしておいた方がよい。
動物咬傷を一期的に閉鎖してしまうと、破傷風でなくても
高率に2次感染を起こす。一説には2/3くらいの頻度らしい。

61 :卵の名無しさん:01/09/14 10:05 ID:???
http://www.ne.jp/asahi/piano/natsui/free/free128.htm
これ、テーブルタグが閉じてないからネスケだと肝心の本文が読めない(笑

62 :59じゃないよ:01/09/14 10:15 ID:???
マスキン=ヒビテンです

63 ::01/09/14 12:38 ID:???
>>59さん
どうもありがとうございます。

気切の話ですが、多分されてません。
その病院にいた頃ICUで患者を受け持ったことがありますが
50日間挿管をし、やっと抜管になりましたが
それまで気切の話はでませんでした。
結局呼吸機能が悪く気切を置きましたが…

もっとはやめに置くべきですか?気切。
スレ違いと言われそうですが(汗

64 :告らん:01/09/14 13:49 ID:???
破傷風だったら、挿管して、2-3日で気切しちゃうけどなあ。長期戦だし。

65 ::01/09/14 14:39 ID:???
あ、ちなみにぼくが持っていたのは破傷風ではありません。
破傷風なら比較的はやく気切すべきですか?

66 :つぶ整:01/09/14 14:43 ID:???
挿管して長期間たつと、声門周囲の組織は腫れ上がってしまうし、
分泌物が咽喉頭に溜まるし、感染起こしやすくなるし、
人工呼吸回路のデッドスペースが多くなっていいことない。

気切は早い方がよい。
というか、開口障害を起こしてるから挿管が困難。
経口挿管がまず大変。
経鼻でファイバー使ったって分泌物が多くて見えやしない。
全身の筋肉の過緊張状態で筋弛緩剤使ったらどうなるか。
私はそれでも筋弛緩剤打って経口挿管したけど。
深夜で人手がなかったし、分泌物で窒息しそうだったし、
胸郭が動かなくなってたし.....

こっちの心臓が止まるくらいびびった。

呼吸筋の緊張が始まると息苦しいと言い出すから、
その時点で気切してしまうのが一番安全かな。
いまから思えばだけどね。

67 ::01/09/14 18:19 ID:???
>>1
初期治療に問題なし
病状変化で病院に紹介したのも正しい
紹介状を書いた時期も遅くはない

ただ1点 争点になるとしたら
土曜の午後に紹介状を書いた時点で(これは正しいが)
「すぐ」病院に行けとは云ってないこと

たとえ万一相手側が弁護士に相談したとしても
この程度であれば裁判にはなりがたい
最悪で弁護士同士で示談交渉 少額の和解金だろう

68 :卵の名無しさん:01/09/14 18:44 ID:???
>>1
俺は医者じゃないから詳しいことはわからんが、
関連しそうな判例なら調べてやるぞ。
ただし、ちょっと時間くれ。
必要なけりゃアップはしないけど、まあとにかく返事くれ。

69 :も〜も〜:01/09/14 19:24 ID:???
>>66
そうでしょうかねぇ。なんか破傷風は、長期戦でもいずれ普通に
呼吸するようになるから、気管切開は必ずしも必要無いのでは。
気管切開のあとの後遺障害もありますから。気管狭窄すると、あとが
けっこう大変ですよ。

もっとも挿管のままでも管理が悪いと狭窄しますけどね。

>>68さん
1さんではないんですが、興味ありますのでよろしければ判例をアップ
してください。よろしくお願いします。

70 :ひも医者:01/09/14 19:41 ID:???
>>1さん、ご心労お察しします。頑張ってくださいね。

>>68さん、後学のため、是非教えてください。お願いします。

今日、うちの整形の先生に聞いてみたところでは、
解放骨折に対し、応急処置として水道水で汚れを洗い流すのはOKだそうです。
病院では、大量の生食で洗いますが、ブラッシングは皮膚のみで、
軟部組織や骨は、ガーゼで洗うそうです。ブラッシングは良くないと言ってました。
>>59つぶ整さんは、どう思われますでしょうか?

トキソイドですが、万一破傷風が発症した場合、トキソイドをしていなかったら
裁判で負けるから全例するべきだ、という意見の先生もいたそうです。
東京の方では、結構多かったそうです。
それと、過去に馬を飼っていたあとの土には破傷風菌が多いそうです。既出ですが。

これからは、どんな軽い怪我でもトキソイドを使わないといけなくなるのでしょうかねぇ。
裁判の頻度も増えてますから。いやな世の中になりそうです。

71 :こんな書き込み見つけたよ:01/09/14 19:54 ID:S4xeASmU
この場合、golden hourも傷の汚さも関係ありません。
破傷風について、医療訴訟になった場合、トキソイドをの投与は「医師はこの患者について破傷風発症の可能性を考えていた」という裁判上の excuseになったとの判例があります。
しかし、トキソイドを投与しても、抗体価が上がるのに4ないし6週間かかるので、いまの目の前のけが人に使用することは全く無意味です(医学的には)。

72 :ひも医者:01/09/14 19:56 ID:???
>>57さん、情報有り難うございます。
ttp://www.ne.jp/asahi/piano/natsui/free/free128.htm
を読ませていただきました。
ちょっと極端なように思えました。半分以上は納得できましたが。
その実例として、
ttp://www.ne.jp/asahi/piano/natsui/free/free121.htm
に3症例呈示されてましたが、いずれも縫合を必要としない浅い傷でした。
もっと深い汚染創の症例を見せてほしいところです。
それでも、考えを新ためにゃいかんなぁ、と思いました。

73 :ひも医者:01/09/14 19:57 ID:???
>>1さん、
スレのタイトルと関係ないカキコばかりですみません。(恥

74 :ひも医者:01/09/14 19:59 ID:???
>>71
やっぱり、裁判で負ける可能性が高いのですね。
まいったなぁ。

75 :71です、追加。:01/09/14 20:00 ID:S4xeASmU
http://www.google.com/search?q=cache:cie4scwBDug:piza.2ch.net/log2/hosp/kako/940/940193136.html+%83g%83L%83%5C%83C%83h%81%40%94%BB%97%E1&hl=ja

これのNo.47以降な。

76 :ひも医者:01/09/14 20:24 ID:???
>>75
う〜ん、破傷風は人災ですか。キビシイのぉ〜。

>>31つぶ整さんの3番目のリンクに、犬に咬まれても破傷風予防と書いてありました。
マジメに読んでなかった私がDQNでした。すみません。

77 :卵の名無しさん:01/09/14 21:43 ID:???
>全く無意味です(医学的には)。
そうとも言えないようですけどね。
 トキソイドを打っておくことにより、破傷風毒素に対する抗体が作られます。
そうすると、破傷風菌が増殖して、毒素(テタノスパスミン)が出てきて
も危険は無くなる。ガンマグロブリン(TIG)は抗毒素そのものですから
かなり大量の破傷風菌が侵入して危険が大きいときには、自分の体で抗毒素を
作るのが間に合いそうも無いときに使います。テタノスパスミンはシナプスに
強固に結合してしまって神経伝達を阻害する。これが長時間続くのです。
破傷風菌感染そのものはコントロールは容易ですが、このくっついてしまった
テタノスパスミンを取り除く事ができないのです。

78 :卵の名無しさん:01/09/14 22:14 ID:1CfYCAz2
>32
http://www02.so-net.ne.jp/~tokushu/d-net6_karute.html
こっちのドキュソ患者から身を守るカルテ記載法いかにも徳洲会の先生らしい

79 :卵の名無しさん:01/09/14 22:23 ID:???
繰り返します。クレーム患者はとにかく死んでください。

80 :も〜も〜:01/09/14 23:55 ID:???
>>77
無意味ではないという意見に賛成です。少なくともPartially immunized personにはある程度
期待してもいいと思いますが。

>>70
ひも医者さん、トキソイドはたかだか500円足らずです。外傷全例にやっても許されるのではないでしょうか。

81 :ひも医者:01/09/15 00:02 ID:???
>>80
う〜ん、注射きらいだし。(藁
保険から目の敵にされなきゃいいですけどねぇ。
こんなんで、破傷風になるわけない!!って思っても、
トキソイドうたなきゃいかんのでしょうかねぇ。
やっぱ、やな渡世だなぁ。(藁

82 :卵の名無しさん:01/09/15 00:05 ID:???
>こんなんで、破傷風になるわけない!!って思っても
これだけは誰にも予測できませんのでご注意。でも、
わたしはカッターナイフで紙工作していて怪我した
なんてのにはトキソイドは使わないな。

83 :ひも医者:01/09/15 00:15 ID:???
>>82
いや、そうゆう症例なんですよ。
コップ洗ってて割れて切ったとかね。
リンゴの皮剥いてて切ったとか。
家で転んで擦りむいたとか。(closeになり得ない傷です)
なんでもかんでもトキソイド、ってゆう当直医が多いもんで、
不思議でしょうがなかったんです。
犬の口の中に嫌気性菌がいるのも納得できなかったし。
まぁ、犬に咬まれた場合はopenにしてますけど。
必ずトキソイド打てなんて教育は受けなかったもんでねぇ。
創部の消毒は徹底的にやるように言われましたけど。
う〜ん、考え直すべきなんだろうなぁ。

84 :も〜も〜:01/09/15 00:17 ID:???
>>61
取り敢えず今のところ保険で切られた経験はありませんし、切られたって話も聞きません。
保険の方も切りにくいと思いますよ。何しろ適応が「破傷風の予防。」ですから。
これで破傷風が予防ないし緩和できると思えばやっておいて損はないと思いますがね。

>>82.
さびさびのきったないカッターの可能性もありますよ。
トキソイドをやるかやらないかはむしろ破傷風の予防注射を定期的にやっているかどう
かで決めるべきと思いますが。

85 :ひも医者:01/09/15 00:22 ID:???
>>84も〜も〜先生
>>61>>81ですね。(藁
保険は大丈夫ですか。なるほど。
でもねぇ、う〜ん。
やるべきかなぁ、やっぱ。
先生は、全例やってます?

86 :も〜も〜:01/09/15 01:09 ID:???
基本的に外傷は本当に最近トキソイドやったという症例を除いて全例やってますね。
破傷風の発症の予測しにくい以上やむを得ないと思いますし、患者にはそう説明しています。
汚染創と思ったら遠慮なくTIGもやってます。
破傷風はなっちゃうと大変ですから。

87 :も〜も〜:01/09/15 01:11 ID:???
>>85
そうです。84のレスの61は81の間違いでした。スマソ

88 :68:01/09/15 02:05 ID:???
遅くなってスマソ
俺もいろいろ忙しいんでね。
ということで、判例なんだけど、今回の件は注意義務と医療水準とが問題になりうると思う。
まあ、この点については知りうる情報が2chだけだから
争点は違うと言う人もいるかもしれないんでその辺はあらかじめご了承を。

まず、注意義務についての判例だけど、最高は
「人の生命及び健康を管理すべき業務に従事するものは、
その業務の性質に照し危険防止のための実験上必要とされる最善の注意義務を要求される」
としてる(東大輸血梅毒事件判決)。
で、これを前提として、その後の最高の判例も、問題となった診療当時の医学的知識に基づいて、
万全の注意を払って、その治療をすることが医師の義務であるとしてる。

要するに、診療当時の医学的知識、治療水準を持って最善の治療をしなさいということを言ってるだけなんだけどね。
ただ、ここで言う、医学的知識についてはどのようなものかは最高の判例はない。
ちなみに、下級審では判例はあるんだけど、医療機関には厳しい判断がなされてる。
ただ、今回の件とは関係なさそうなので割愛。
また別の機会にでも説明するわ。

で、次に医療水準なんだけど、これは平成7年に最高が判断を出してる比較的新しい判例ね。
事案は新規の治療法に関するものだけど、事実関係が本件に似てるので参考になると思う。
この中で最高が言ってることを要約すると、医療水準を決するに当たっては
全ての医療機関の水準を一律に決するのではなく医療機関の性格や地域の医療環境などに配慮して決すべきとしてる。
つまり、病院の多い都市部なら医療水準が高く設定されるだろうし、病院の規模でも当然ながら水準は違うということになる。
次に、その医療水準を満たしているかどうかについては、他の同様の医療機関と比べてそのような医療水準を備えていることが
相当と言えるかどうかで判断すると最高は言ってる。

俺は医者じゃないのでよく分からんが、破傷風って予見がむずかしいの?
だとしたら、その予見可能性も医療水準や注意義務を考慮するに当たっては責任無しの方向で考慮される可能性が高いと思う。
法律は無理を強いるものじゃないからね。

本件における医療水準を特定して、
その中で医療従事者として最善のことをしていれば訴訟になっても心配することはないと言うことになるね。
これは完全な私見だけど、文面を読む限り1は最善を尽くしていて法的な責任はないように思うけどね。

以上簡単に説明したからわかりづらかったかもしれないけど、事実関係を判例にあてはめて判断してみてちょ。

89 :卵の名無しさん:01/09/15 02:30 ID:???
>破傷風って予見がむずかしいの?
過去レス読め。予見不可能だ。

90 :68:01/09/15 02:34 ID:???
>>89
悪かったな!!
でも、お前その性格治したほうがいいぞ。
性格悪すぎ。

91 :89:01/09/15 02:36 ID:???
破傷風は「非常に」まれです

92 ::01/09/15 03:39 ID:???
皆さん本当にありがとうございます。

>>88=68さん
法律板からおいでくださったのでしょうか。
面倒な作業、わざわざありがとうございます。
迷惑かけついでといっては何ですが
もうちょっとお付き合いしていただけないでしょうか

ここにも書いてありましたが
破傷風とは予見が非常に難しいらしいです。
しかし一方(訴訟の予防と言う意味ではなく)
すべての外傷にトキソイド、というのも
やや乱暴だと言うのは
大方の一致したところでもあると思います。

このような場合、最善の治療とは
「すべての外傷にトキソイドを使うべき」か
「いややはりある程度は判断するべき」か
はっきり分けることは不可能だと思います。
こんなとき、司法側は専門家(つまり医師その他)に
意見を聞くのでしょうか?

実際は聞くのだとは思いますが、
どういう人が意見するのでしょう?
たとえばいくら専門家でも
臨床からかなり離れている医師は
保険云々のことは二の次になりそうな気もしますし…
そのような人から見れば
最善の治療=どんな外傷にもトキソイド
いや、=どんな外傷にもテタノブリン
という結論になるでしょう。
それはさすがに無理がありますが、
最善と言われれば答えに窮します。
そこらへんが医療訴訟の難しいところかも
知れませんが…

ちょっと違うかもしれませんが、
「一般にこうしている」というのは
判断の材料になりうるのでしょうか?

93 ::01/09/15 03:42 ID:???
>>89 さん
お気持ちはわかりますが…

わざわざ他板からきてくれて
いろいろ調べてくださって
さらにきちんと医者じゃないのでよくわからんと
断ってくださってる68さんにその言葉は
ちょっときつかったんじゃないでしょうか

94 ::01/09/15 03:46 ID:???
>>89さん
すみません。
あとから読んでみると
わたしの方こそ言葉が悪いようです。

ここに書き込むということは
どなたもわたしのたてたスレために
時間を割いてくださってるってことになりますよね。

本当に感謝しています。

95 :かんた:01/09/15 08:08 ID:???
1医療過誤訴訟の法律構成について
刑事責任を問われるのは消毒液を点滴するなど違法性が強い場合に限られるので,
医療過誤の多くは民事責任のみを問われています。民法は生じた損害を金銭的に
評価してその損害額を金銭にて支払うという賠償方法を原則としています(民法417条,
民法722条1項)(1)。そして患者側は,医療機関に対して診療契約に基づく
契約責任(債務不履行,民法415条)及び使用者としての不法行為責任(民法715条)を,
医師個人に対して不法行為責任(民法709条)を問うことが出来ます(2)。実務上は
債務不履行・不法行為のどちらの法律構成を用いても,さらには両方を選択的予備的
併合として主張しても訴訟が可能です。従って患者側は医療機関・医師個人の
双方に損害賠償請求することが出来ます(1,2)。かつては不法行為による責任追及が
主でしたが,現在では消滅時効期間が長いこと(10年),責任の不存在を医療機関が
証明しなければならないことから債務不履行に基づく損害賠償請求が主と
なっています(1,3)。
 損害賠償請求が認められるための実質的用件は,1不適切な医療行為(注意義務
違反)の事実,2不適切な医療行為(注意義務違反)の原因が医師側にあること,
3患者に損害が発生していること,4不適切な医療行為(注意義務違反)と
損害との間の因果関係があること,です(2)。

96 :かんた:01/09/15 08:08 ID:???
2注意義務違反について
民法上,過失責任を負う場合の基準となる注意の程度は,原則として「善良な
管理者の注意」(民法298条,400条,644条)であり,これは債務者の職業,その
属する社会的・経済的な地位などにおいて一般に要求される程度の注意です(4)。
この注意義務について最高裁判所の見解が始めて示されたのが輸血梅毒事件で(5),
その後いくつかの判例を経て姫路日赤事件で確立された見解となり(6),その後の
裁判もこれを踏襲しています(7)。以下に最高裁が判決文中で示した注意義務に関する
見解を示します。

97 :かんた:01/09/15 08:09 ID:???
「人の生命及び健康を管理すべき業務(医業)に従事する者は、その業務の性質に
照らし、危険防止のために実験上必要とされる最善の注意義務を要求されるのであるが
(最高裁昭和三一年(オ)第一〇六五号同三六年二月一六日第一小法廷判決・民集
一五巻二号二四四頁参照)、具体的な個々の案件において、債務不履行又は不法行為を
もって問われる医師の注意義務の基準となるべきものは、一般的には診療当時の
いわゆる臨床医学の実践における医療水準である(最高裁昭和五四年(オ)
第一三八六号同五七年三月三〇日第三小法廷判決・裁判集民事一三五号五六三頁、
最高裁昭和五七年(オ)第一一二七号同六三年一月一九日第三小法廷判決・裁判集
民事一五三号一七頁参照)。そして、この臨床医学の実践における医療水準は、
全国一律に絶対的な基準として考えるべきものではなく、診療に当たった当該医師の
専門分野、所属する診療機関の性格、その所在する地域の医療環境の特性等の諸般の
事情を考慮して決せられるべきものであるが(最高裁平成四年(オ)第二〇〇号
同七年六月九日第二小法廷判決・民集四九巻六号一四九九頁参照)、医療水準は、医師の
注意義務の基準(規範)となるものであるから、平均的医師が現に行っている
医療慣行とは必ずしも一致するものではなく、医師が医療慣行に従った医療行為を
行ったからといって、医療水準に従った注意義務を尽くしたと直ちにいうことは
できない。」(7)

98 :かんた:01/09/15 08:09 ID:???
ここで重要なのは「臨床医学の実践における医療水準」と「医療水準は、医師の
注意義務の基準(規範)となるものであるから、平均的医師が現に行っている
医療慣行とは必ずしも一致するものではなく、医師が医療慣行に従った医療行為を
行ったからといって、医療水準に従った注意義務を尽くしたと直ちにいうことは
できない。」という部分です。前者は大学などの高度先進機関で行われている
最先端の医学水準よりは一段低い,保険医療でまかなえる範囲での出来る限り
高いレベルの医療水準と解釈されます。後者は日常的に医師が行っている診療行為と
何らかの診療基準が異なっていた場合,診療基準を優先するということです。
たとえば,きれいな傷では破傷風トキソイドを接種しないというのが日常的な
医療慣行でも,「きれいな傷でも破傷風の予防措置を取ること。」という基準があれば
裁判所は医療慣行よりも基準を優先するということです。

99 :かんた:01/09/15 08:10 ID:???
3破傷風の予防措置について
メルクマニュアルの破傷風の項目には以下の記載があります。
「破傷風は明らかに汚染された創傷と同様に,ささいな創傷にも引き続いて起こりうる」
「創傷時には,0.5mLの破傷風トキソイドを接種することで,前もって免疫された
患者と同じレベルまで防御抗体を引き出すことが出来る。しかし,このブースターの
接種は患者が過去5年以内に接種を受けたと分かった場合は必要ない。不適切な免疫を
受けた患者は,破傷風免疫グロブリン250から500uを,年齢や体重よりも創傷の
程度にしたがって筋肉内注射しなければならない。同時に3回の0.5mLの吸着破傷風
トキソイドの1回目は,皮下か筋肉内注射で別の注射部位に接種する。」
つまり,破傷風はささいな創傷でも起こりうるので予防接種の有無を問診して
接種歴及び創傷の程度に従って破傷風トキソイド及び破傷風免疫グロブリンを接種する,
というのが「臨床医学の実践における医療水準」となります。これは前述のように
必ずしも医療慣行と一致するものではなく,医師の意識とはズレが生じる場合もあります。

これから病棟に出るのでここで一旦中断します。今後,本件の争点,過去の判例,
1の取るべき対策について考察します。

100 :かんた:01/09/15 08:10 ID:???
引用文献
1. 医療過誤訴訟実務研究会編:医療過誤と訴訟,三協法規,2001,東京。
2. 古川俊治:メディカルクオリティ・アシュアランス,医学書院,2000,東京。
3. 太田幸夫編:医療過誤訴訟法,青林書院,2000,東京。
4. 小野幸二編:債権各論,八千代出版,1990,東京。
5. http://courtdomino2.courts.go.jp/schanrei.nsf/FMain?OPENAGENT&0&FDD52B949A1E402A49256AC7007969F9&1
6. http://courtdomino2.courts.go.jp/schanrei.nsf/FMain?OPENAGENT&0&61004F122BD187E549256AC700799E3A&1
7. http://courtdomino2.courts.go.jp/schanrei.nsf/FMain?OPENAGENT&0&DA42F495A3D110AD49256AC70079B625&1

101 :かんた:01/09/15 21:33 ID:???
4 本件の争点
前述の損害賠償請求が認められるための実質的用件に沿って考察します。
・ 不適切な医療行為(注意義務違反)の事実
破傷風予防措置
メルクマニュアルの記述を「臨床医学の実践における医療水準」と捕らえるなら,
外科的処置に加え,破傷風予防接種の既往を問診して接種歴及び創傷の程度に
従って破傷風トキソイド及び破傷風免疫グロブリンを接種するべきでした。また,
破傷風は治療すべきものではなく予防すべきものという認識が医師に共通したもので
あればメルクマニュアルに沿った治療が必要であったと考えます。ただし,
メルクマニュアルが全てではないので,他の指針にて「きれいな傷は破傷風
トキソイド及び破傷風免疫グロブリン接種不要」とあればそれを根拠に無過失を

102 :かんた:01/09/15 21:34 ID:???
主張できると思います。
 破傷風の診断
 メルクマニュアルには「最もよく起こる症状は顎のこわばりである。」と
あります。ですから両顎の痛みはこの症状であった可能性があります。ただし,
このような都合の悪いことを正直に話す必要はありません。なぜなら末梢性
左顔面神経麻痺という非定型症状が認められたからです。私がざっと調べたところ,
メルクマニュアル,最新内科体系,神経内科ハンドブックにはそのような
症状の記載はありませんでした。別冊日本臨床,神経症候群T(1999)の「破傷風」には
「Bell麻痺に似た症状を示すこともあるが,この場合両側性である。」と記載されて
います。Medlineを引いていないので断言は出来ませんが,もしかしたら一例報告モノの
症例もしくはそれに近いレアケースかも知れません。であれば,この症状から
直ちに破傷風を疑うことは困難で,神経内科疾患を疑って紹介をしたことで
善良なる管理者の注意義務をまっとうしたことになり責任は問われないと思います。

103 :かんた:01/09/15 21:34 ID:???
・ 不適切な医療行為(注意義務違反)の原因が医師側にあること
患者側が受傷後直ちに受診しているのであれば,破傷風トキソイド接種等を
行わなかったことの原因は医師側に生じる可能性があります。

・ 患者に損害が発生していること
これは明らかです。

・ 不適切な医療行為(注意義務違反)と損害との間の因果関係があること
問題はここです。要するに,破傷風トキソイド及び破傷風免疫グロブリンを接種
したことにより,今回の発症を防げたか?予後に影響したのか?ということです。
本例では潜伏期は長いとは言えず,また,開口障害から痙攣発言までのonset timeが
短ければこれらの処置をしたとしても致命率は高く,因果関係は否定され免責となる
可能性が高いと思います。

104 :かんた:01/09/15 21:35 ID:???
5 過去の判例
 私は全ての判例に目を通していないので古川俊治の著書から引用します。
「判例では,以上の各予防・治療処置が適切に行われていたかが問題となるが,
特にTIGが投与されずに患者が死亡し,TIGを投与すべき注意義務があったかが
争われる場合が多い。受傷初期に家族から血清投与を依頼されたにもかかわらず
誤診に基づきこれを拒否し,重症化してから血清を投与したがすでに遅かったという
事案で,医師の責任を肯定したものがあるが,判例の大勢は,TIGを常備し挫滅創患者に
投与すべき一般的注意義務を否定し,また,受傷から30時間以上経過後の予防投与には
効果がないこと,あるいは,発症後の治療量投与についても,重症例では
TIG投与により死亡を回避出来たとはいえないことを理由として,患者の死亡と
TIG不投与との因果関係を否定し,医師の責任を否定している。また,トキソイド
不投与については,これを投与したとしても,死亡を避けることができなかったとされ,
責任は否定されるのが一般的であるが,今日では,汚染創一般に実施しておく
べきであろう。抗生物質不投与については,その破傷風予防効果が大きくはないことから,
責任は否定されている。創洗浄・挫滅組織切除の程度や,創の一時閉鎖の可否などに
ついては,医師の裁量が認められる場合が多い。」(2)

105 :かんた:01/09/15 21:36 ID:???
破傷風関連の訴訟で最高裁まで争った裁判はありませんが,私としては
上記の下級審裁判例は「臨床医学の実践における医療水準」と整合していない
ように思います。もしかしたら患者側の弁護士がトロくて医師に有利な判決が
出ているのかも知れません。
尚,判例は以下の文献にあります。判例タイムズ,判例時報,ジュリストは
国公立図書館もしくは法学部のある大学図書館においてあり閲覧コピーが可能です。
東京地裁判決 昭和55年6月9日 判例時報987号64ページ
福岡高裁判決 昭和49年11月5日 判例タイムズ319号137ページ
静岡地裁富士支部判決 平成1年8月18日 判例タイムズ733号206ページ
東京地裁八王子支部判決 平成1年9月8日 判例タイムズ724号228ページ
福岡高裁判決 昭和53年6月26日 判例時報916号47ページ
別冊ジュリスト 医療過誤判例百選 有斐閣,1996,東京

また,下記の有料サイトでも入手出来ます。トライアルIDを申し込めば
2時間の利用まで無料で判例が入手可能です。
http://www.tkclex.ne.jp/

106 :かんた:01/09/15 21:36 ID:???
6 今後の方針
まずは争点になりそうな破傷風予防措置及び診断についてなるべく権威のある
都合の良い資料を探し患者サイドから問い合わせがあった時に
引用すること,いつ差し押さえれても大丈夫なようにカルテの体裁を整えておくこと,
万が一の時は必ず医師会等に相談して医療過誤に強い弁護士に依頼することが
重要だと思います。あくまでも私見ですが,1の取った措置及び患者の年齢等を
考慮すれば訴訟にはなりにくいですし,万が一なったとしても多額の損害賠償支払い
命令は下されないと思います。

107 :ひも医者:01/09/15 21:49 ID:???
>かんた様

長文の御解説有り難うございました。
結局、訴訟を回避するなら、トキソイドなりグロブリンなりを使うこと、
となりそうですね。
でも、現場で外傷処置をやってる身としましては、全例に投与するのも
ちょっとためらわれます。
患者に対する説明の文書を作って、希望に沿った処置をするというのも
一案かなと思ってしまいました。

>>1さんのケースに対しては、>>106かんたさんや>>88(=68)さんのカキコの様に
まぁ、問題になる可能性は低いと考えてよろしいのですね。

いや、本当に勉強になりました。有り難うございました。

しかし、ウシのいないスレって、珍しいですねぇ。(藁

108 :卵の名無しさん:01/09/15 22:20 ID:URUlAEiM
願わくばこのまま綺麗に終わって欲しいところ

109 :も〜も〜:01/09/16 17:43 ID:???
>>95-106
かんた様、ありがとうございました。

やっぱり今後は外傷は全例トキソイドかな。

>>107
ひも医者さん、さすがに牛はこんな高度な話にはついて来られませんでしたね。(藁

110 ::01/09/16 19:45 ID:???
1です。
かんた様、本当に有難うございました。
ここに書いてあるとおりに準備しておきます。
何とか直接お礼を言いたいのですが
2ちゃんでは個人情報が聞き出せないのが
こういうときは辛いですね。
本当に感謝しています。

それからここへ来られている皆さんも
どうも有り難うございました。
力づけられました。

111 :あげ:01/09/23 09:51 ID:???
おもしろかった

112 :卵の名無しさん:01/09/23 16:21 ID:???
優良スレッド

113 :卵の名無しさん:01/09/26 07:44 ID:???
もういちどあげ

114 :ひも医者:01/09/30 11:51 ID:???
よかったから、あげ

115 :卵の名無しさん:01/09/30 13:53 ID:???
訴訟が普通の国では外傷の治療は全てトキソイド及び、抗生物質大量投与がノーマル
日本って医者にとって天国やね、いい国にいてし・あ・わ・せ

116 :わらいねこ@寝室:01/10/01 02:52 ID:???
>>115
どういう意味?
なんで医者にとって天国?
これからは、切られると分かってて破トキ必ず使わないといけない
つまり自腹を切って診療しないと罪になる、
と言う結論のどこが幸せなのか、解説キボンヌ。

117 :卵の名無しさん:01/10/01 08:22 ID:???
115は現時点の話をしたんだと思う。

118 :卵の名無しさん:01/10/01 09:25 ID:kwX29/r2
現時点でも同じだろ。いいかげんな煽りいれるな>>115

119 :卵の名無しさん:01/10/07 12:09 ID:???
倉庫入り予防上げ

120 :卵の名無しさん:01/10/09 23:28 ID:???
この場合、golden hourも傷の汚さも関係ありません。
破傷風について、医療訴訟になった場合、トキソイドをの投与は「医師はこの患者について破傷風発症の可能性を考えていた」という裁判上の excuseになったとの判例があります。
しかし、トキソイドを投与しても、抗体価が上がるのに4ないし6週間かかるので、いまの目の前のけが人に使用することは全く無意味です(医学的には)。

121 :卵の名無しさん:01/10/14 23:13 ID:yOq36leB
包丁で指を切って横浜市営地下鉄の新羽駅前のにかわのクリニックで縫ってもらった時
包帯を巻いてから有無を言わさず破傷風の予防接種をされた。
診察室を出たあと医者が「裁判になっていろいろ言われたらかなわんからな〜」
っていう声が聞こえた。最低の医者だ。
包丁に破傷風菌が付いてるものなのか?普通付いてないと思うが・・・。

122 :卵の名無しさん:01/10/14 23:19 ID:???
ネタか?

123 :卵の名無しさん:01/10/14 23:23 ID:???
>>121
 「普通起きないこと」の多くは、裁判になると「予測して対処すべき事態」に
化けてしまうのさ。
 結局、目の前の「かわいそうなDQN」の肩を持つおかげで、多くの
医師の良心が踏みつけられ回り回って多くの患者の不利益になってしまうのさ。

124 :卵の名無しさん:01/10/15 09:23 ID:???
倉庫入り防止あげあげ

125 :卵の名無しさん:01/10/15 15:37 ID:KD9rx+zc
打たれたものはしょうがないからお金返して。
やっぱ無理だよな〜。(涙)

126 :卵の名無しさん:01/10/15 16:02 ID:???
>>115
おやくそくの「アメリカでは」咬傷なら、いくら小さなきずでも、
全例にトキソイドの投与をすすめる説明をしなければなりません。
でも、抗生剤はつかいません(HMOしかしらないもので)。

127 :卵の名無しさん:01/10/20 07:33 ID:???
なぜお金を返さなければいけない?>125

128 :卵の名無しさん:01/10/20 07:47 ID:???
>>121 >>99にこうかいてあるよ。

つまり,破傷風はささいな創傷でも起こりうるので予防接種の有無を問診して
接種歴及び創傷の程度に従って破傷風トキソイド及び破傷風免疫グロブリンを接種する,
というのが「臨床医学の実践における医療水準」となります。これは前述のように
必ずしも医療慣行と一致するものではなく,医師の意識とはズレが生じる場合もあります。

129 :卵の名無しさん:01/10/26 18:06 ID:???
age

130 :卵の名無しさん:01/10/26 18:09 ID:???
ageageageageage

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