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自分でバトルストーリーを書いてみようVol.3

1 :気軽な参加をお持ちしております。:01/12/21 00:08
 銀河のはるか彼方。地球から6万光年も距離にある惑星Zi。
 そこには戦乱の世界である。
 人々はこの星に棲む巨大な機械生命体「ZOIDS」を戦闘機械獣に改造し、今日も戦場へと出撃する。
 この戦いを勝利することこそが、永遠に平和を勝ち取る為の唯一の方法と信じて…。

 本スレは、空前の大戦争を記録する為に作られたゾイドバトルストーリーでも語られる事のなかった、民間のみに伝承される物語が記されている。
 歴史の狭間に消えたこの物語達が、本当にあった事なのか、確かめる術はないに等しい。
 だが、語り部達はただ語るのみ。
 故に、真実か、否かは、これを読む貴方が決める事である。

 過去に埋没した物語達や、ルールは>>2-5辺りに記される。

2 :気軽な参加をお持ちしております。:01/12/21 00:09
過去ログ

「自分でバトルストーリーを書いてみよう!!」スレ
http://salad.2ch.net/test/read.cgi/zoid/976898587/
「自分でバトルストーリーを書いてみようVol2」スレ
http://salad.2ch.net/test/read.cgi/zoid/998659963/

名無し獣弐氏の過去ログ保管場所。
http://members.tripod.co.jp/zBS2/index-4.html

3 :気軽な参加をお持ちしております。:01/12/21 00:10
ルール

ゾイドに関係する物語であるならば、何を題材にしても可。
舞台となる場所、時間などは、特に制約はありません。
アニメ、漫画などを題材にしてもOK。
ただし、18禁はお断り。

鯖負担になるので、250で次スレに以降。
250に書き込んだ人が、次スレを立てること。
無理な場合は、すぐさま報告すること。
物語の感想等なども、ご自由にお書きください。

4 :名無し獣:01/12/29 18:01
2001年 地球
 この星ではいくたびもの核実験によりゴジラが生まれてしまった。
 そのゴジラによりいくつもの命が失なわれていった。
 だが人類はゴジラ対策のために人工的に作り出した金属生命体ZOIDS
 を戦闘用に改造しゴジラにむかわせるのだった・・・・。

5 :名無し獣:01/12/29 18:47
>4
各々のサイズをよく見て見ろ。
ゴジラのサイズはあんなもんじゃない…。

6 ::01/12/29 19:00
大きさを無理矢理変えます

7 :荒れ狂う戦場にて:01/12/30 23:01
アラン・ベルツ少佐は待機室で震えていた。VR訓練はもう数え切れないほどこなしてきたし、
最高の隊長に最高の相棒もいる。共和国最高の精神科医にカウンセリングも受けた。
最初こそこの任務を引き受けていいものか戸惑ったが、今はやる決心もついた...はずだった。
恐怖。圧倒的な恐怖。一度味わった者は一生忘れる事の無い荷電粒子砲という恐怖を、
アランは嫌と言うほど知っていた。彼が生還できたのは、まさに奇跡だった。

当時、アランはまだゾイドを乗りたての新米で、やっとゴドス小隊に配属されたばかりだった。
作戦開始後、後方のゴルドスから通信があった。ジェノザウラーらしき機影を確認したので注意せよ、と。
アランが所属していた第23機動小隊の隊員たちに緊張が走った。彼らが乗る機体は小型のゴドス。
ゴドスがジェノザウラーと互角に戦えるはずが無いのは共和国兵士全員が知っている事実だ。
再度確認のため隊長のジョン・スキップ曹長がゴルドスに連絡を入れようとした刹那、眼が眩まん
ばかりの閃光が小隊を襲った。アランが意識を失う前に覚えている唯一の光景は、拡散荷電粒子砲が
彼の所属する小隊めがけて襲ってくる恐ろしい光景だった。医療班に運ばれている時に目を覚ました
アレンが見たのは、下半身が無くなった彼のゴドスと、荷電粒子砲の膨大な熱量によって
溶解し、ただの鉄隗と化してしまった他の隊員たちのゴドスたちだった。

作戦の開始時間はあと10分後。戦闘に入る推定予測時間は約二時間半。もう、時間は無い。
もしこの作戦が失敗してしまったら、この戦争は圧倒的に帝国側が有利になって
しまうのは明白だった。共和国の敗戦もありうる。しかし、俺にできるのだろうか。
もし、失敗したら。もし、奴が技術班が割り出した推定戦闘能力以上だったら。
もし、戦闘中に、恐怖のあまり動けなくなってしまったら...あれこれ考えているうちに、
アレンは待機室のスピーカーから聴こえてくるアナウンスに気がついた。とうとうこの時が来たか。
アレンは恐怖の念を振り払えぬまま、彼が搭乗する事になるRZ−55、マッドサンダーが待機
している第三格納庫に、死刑台に向かう死刑囚のような気分で重い体を引きずっていくのだった。
共和国の運命を両肩に背負いながら。

8 :名無しですスティンガー:01/12/31 20:42
おお、新連載ですなー。
マッドサンダーが主役ですかな。

当方は、帰省してますので、「風の吹き荒む戦場で」の連載再開は、休み明けになりそうです。
新スレ立てたのはいいけど、年末、特に最後の週は死にそうだったので・・・。
他の方も恐らく、そうなんでしょうか、と思ってみたり。
ええ、言い訳です。ごめんなさい。
今回もコミケで、考察本とか入手しましたので、知識量はパワーアップしましたので、来年もよろしう。
それでは、よいお年をー。

9 :FA:02/01/09 16:52
バトスト2の>>254を書いたやつ誰だ!?
 まさか勝手に俺のストーリーを変な方向に続きを書いた>>235(バトスト2)と同じやつだったりして・・・
 

10 :アイアソコソグMkIIL:02/01/11 02:08
>名無し獣弐氏

今更なオハナシですが。
プロジェクトZのコングの話「倒せ〜」って私でしたっけ?
そーでもないような気がするのですが…。

11 :名無し獣:02/01/11 21:20
ども、ここに来るのも久しぶり。
改造コンテストに出してみようかとスナイプマスター改造中なので。
>10
アイアソコソグPK氏ですよね?
あれ、コテハン以外の人は名前書いてないんですがまぎらわしかったみたいですね。
直しておきます。

12 :名無し獣弐:02/01/11 22:25
>11
っと、これ僕ですね。

13 :赤羽広々:02/01/23 02:41
こっそりやってきました。
以前書き損じてお蔵入りになっていたお話ですけど、良かったらどうぞ。
肉付けする前の、話の素みたいなものです。言い回しが妙にバトストくさくて笑えます。

14 :赤羽広々:02/01/23 02:44
小さな丘で(1)

ZAC2038年
実に40日ぶりの静寂だった。40日間、100門を越す重砲の射撃音に震え続けた大地は静ま
り返り、巨大なゾイドの合間を吹き抜ける口笛のような風の音だけが響いた。1人の共和
国兵が耳を押える。沈黙が耳に染みて痛んだのだろうか。
「前進」
無数のゾイドの歩行音により静寂は破られた。共和国軍の進撃が始まったのだ。

「イリューションが降伏しただと?」
そう問われた薄汚れた兵士達は、何も答えなかった。共和国軍の大攻勢に、帝国軍イリュー
ション守備隊は40日もの間耐え続けていた。そのイリューション守備隊がついに降伏した
のだ。イリューション市の西にある小さな丘。彼らが今いるのは背後に大湿地帯が広がる
その丘に造られた、小さなトーチカだった。その場にいる全員が口をつぐんだ。イリュー
ション市の西の備えであるその丘に配備されたゾイドはゲーター、たった1機だけだった。

イリュ―ション市から共和国軍の包囲網を突破し、やっとの思いでこの丘にたどり着いた
兵士達は落胆した。今、ここにある戦力はゲーター1機と、彼らと共に逃れてきたゲルダー
1機だけなのだ。共和国軍は今夜にもここにやってくるだろう。戦うか、退くか。兵士達
は覚悟を決めた。ここが俺達の死に場所だ。その時、この丘を任された古参兵が口を開いた。
「ここは俺達の丘だ。俺とゲーターだけで戦わしてもらうぞ」
驚く兵士達に、古参兵はゲーターの装甲を軽く撫でながら続けて言った。
「なに、俺達はこの日のためにここを守り続けてきたんだ。お前達にも見せてやるよ。
俺達の戦い方をな」

15 :赤羽広々:02/01/23 02:53
小さな丘で(2)

西へと進撃する共和国軍に驚くべき情報がもたらされた。数十キロ先の小さな丘に帝国軍
の大軍が集結中だというのだ。帝国軍にまだそんな力が残されているのか?首を傾げる共
和国軍司令の元に、ゴルドス部隊が傍受した無線の内容が届けられた。「ゲルダー中隊、
配置完了」「マルダー砲兵隊、弾薬補給完了セリ」「レッドホーン機甲大隊、戦闘準備急
ゲ」司令の疑心は驚きに、そして恐怖に変わった。帝国軍はここで一気に我々を押し返し、
イリュ―ション市を奪回する気かもしれない。
「プテラスを斥候に出せ。敵が小規模ならばこのまま前進し踏み潰してやる」
プテラスがウルトラザウルスの甲板から飛び立ち、夕日が赤々と燃える西の空へ向かった。

日が落ち、漆黒の闇に塗り潰された空をプテラスは進む。あの丘の上空に達すると、プテ
ラスのパイロットは赤外線センサーとパッシブレーダーのスイッチを入れた。スクリーン
に数え切れないほどの輝点が点る。
「なんてこった……」
パイロットが呆気に取られていると、ロックオンされたことを知らせる警報音がコクピッ
トに鳴り響いた。慌てて回避行動に移るプテラス。操縦桿を強引に操作しながら、プテラ
スのパイロットは無線で司令部に報告した。
「敵部隊発見。その数不明。掃いて捨てるほどいやがる!」
共和国軍の歩みが止まった。これ以上接近すれば奇襲を受ける恐れがあるからだ。
「夜明けとともにウルトラキャノンの一斉砲撃で敵を全滅させるのだ」
共和国軍は慌しく砲撃準備を行い、夜が明けるのを待った。

16 :赤羽広々:02/01/23 02:55
小さな丘で(3)

闇に沈む湿地帯を息を潜めて進む者達がいた。フロート付きのゲルダーに乗った、あの兵
士達だった。彼らは全員ゲルダーの背中に立ち、東の方向を見つめていた。あの小さな丘
の影が水面の上に揺らめいて見えた。湿地帯を進むのは彼らだけではなかった。数え切れ
ないほどの帝国ゾイドと兵士達が闇の中を西へ西へと進んでいるのだ。あの古参兵が共和
国軍を足止めしたこの一晩で、数え切れない帝国兵の命が救われたのだ。ゲルダーの背中
に立っていた兵士の1人が、消えゆく丘の影に敬礼した。影が見えなくなるまで、敬礼は
続いた。

夜明けとともにウルトラキャノンの凄まじい一斉砲撃が開始された。
「この砲撃で敵を全滅させよ」
ウルトラ部隊は砲弾を全て撃ち尽くすまで砲撃を続けた。
砲撃は昼まで続いた。すっかり形が変わった丘を占領した共和国軍。しかしそこには大量
のデコイと、トーチカの瓦礫に埋もれた1機のゲーターの残骸があるだけだった。
「たった1人で、我々に立ち向かったのか、この男は」
共和国兵達はその敵兵の勇敢さを称え、残骸に敬礼した。
「1人だけではないさ」
兵士達は司令の方に振り向く。
「そのゾイドも、勇敢な戦士だ」
息絶えたゲーターを指差しそう言うと、司令は西の空を見つめた。帝国首都まで達するま
でに、我々の前には何人もの勇敢な戦士達が立ち塞がるだろう。果たして我々は彼らに打
ち勝つことが出来るだろうか。
「勇敢な戦士には、勇敢さをもって応えるのみだ」
司令はいつまでも西の空を見つめ続けた。青い青い空を。

17 :赤羽広々:02/01/23 03:00

……以上です。
このテキストファイルのタイムスタンプを見てみたら、奇しくも去年の9月11日でした。
ニュースで繰り返し放送されるテロ映像を見て鬱な気分になってしまったのでしょうか。
ずっと放置されていたままになっていました。

それではこれにて。こっそり消えます。

18 :名無し獣:02/01/23 20:16
あげちまえ。

19 :名無し獣:02/01/24 10:44
荒れ果てた基地の中で1人の賞金稼ぎがステルスバイパーを発見したことから
彼は共和国、帝国両方を敵にまわしてしまう・・・

20 :ぼそっ:02/01/24 21:17
ガニメデ・・・・ ボソ

21 :名無し獣:02/01/24 23:13
年明けて、誰も居なくなったかと思ったら、なんと赤羽さんがやって来た。
しかし、もはやゾイド板には、それに対応するだけの力はないのですよ。

22 :名無し獣:02/01/25 12:41
やっぱ赤羽さん最高!
おやじマンセー!
ゲーターマンセー!
つーかガニメデー!

23 :続・帝都攻防戦:02/01/27 09:03
自分でバトスト書いてみよう過去ログ保管場所に置いて貰っている「帝都攻防戦(仮)」の続編です。
未完成のままなのも忍びないので駄作ながら書かせて貰います、、、sageつつ書きます。


24 :暗雲:02/01/27 09:18
不敗の猛虎の続き〜

少年は両手に抱えきれないほどの新聞を抱いて叫んだ。「号外!号外!」
「帝国皇帝、北方に逃亡」「共和国軍追跡中」「戦争終結せず」「難民流入の可能性大」
新聞を立ち止まって読む共和国市民達は不安を隠せなかった。どこの新聞紙も一面の見出しは
帝都陥落ではなく皇帝の逃走であった。戦争は既に人々にとって生活の一部でさえあった。
平和への期待と、それへの諦めと、共和国軍に対する呆れと、これからの生活への不安が渦巻いた。

十月の寒空の下、太陽を久しく見ていない共和国首都には、暗雲が垂れ込めていた。

25 :名無し獣:02/01/27 09:43
「来るぞ!準備しろ」「破片には気を付けろよ!」
また一機、北の空にシンカーが現れた。皇帝の勅命によって帝国軍残存航空兵力のすべてはバレンシア基地へ
向かっていた。常に波の高いダラス海にはシンカーも着水することができず次々と砂浜や丘に不時着した。
バレンシアへ向かう途中、共和国の襲撃を受け墜落した帝国軍機も多く、共和国空軍はバレンシアに終結した
帝国航空兵力を攻撃すれば完全に殲滅できると確信した。地上をゆくエリクソン大佐率いる共和国陸軍の長蛇の列を眼下に
12機のサラマンダーがバレンシアへと向かった。

バレンシア上空に到達した先遣掃討隊は高度をゆっくりと下げて、地上を見回した。猛烈な対空砲火の洗礼を浴びた。
雲が低く高度が維持できないサラマンダーにとっては不利だが、戦闘機の傘を欠いた地上防空隊はもっと悲惨な状況と言えた。
翼から小型噴進弾が放たれ高角砲が吹き飛ばされる。険しい地形を生かした防空砲台は地の利を生かしよく奮戦した。
時間が必要だ。軍を再編成し攻撃に備えるだけの時間が。



26 :反撃:02/01/27 10:08
また名無しになってやがる、、、>25のタイトルは「時間」デス。

「第十二高角砲分隊より敵重爆来襲との報告!」
「皇帝!我々を邀撃に上がらせて下さい。閣下より授けていただいた機体には傷つけませぬから!」
「敵の襲撃を許しては収容が完了していない陸軍の連中がやられてしまいます!どうか閣下、ご英断を!」
親衛隊のシュトルヒ搭乗員が捲し立てた。航空服の搭乗員に囲まれている皇帝はダンガン将軍を見つめた。
ダンガンはおもむろに頷き、搭乗員に向かって叫んだ。
「サラマンダー共は俺が獲る!いいな!」
そう叫ぶとダンカンは部下の居る待機所へ走り去っていった。

「行くぞ貴様ら!目標は基地上空に襲来せるサラマンダー複数!」
ブンカーより次々と真紅の虎たちが駆けだしてゆく。咆吼が基地に響いた。厳しい地形を巧みに駆け下りてゆく
サーベルタイガーを陸兵達は涙目で見つめていた。帝国はまだ負けていない



27 ::02/01/27 10:30
「十一時方向に高角砲弾幕!」「大型機の機影十時!」
遠方に目標を発見すると切り立った岩をものともせずサーベルタイガーは駆け抜けていった。
サラマンダーの機銃員が地上のタイガーを確認したのはダンカン側がサラマンダーを発見してから間もなく
だった。一機のサラマンダーが翼を振り注意を促した。そして6機が緩やかに旋回、タイガー隊へ向かった。
高度をより低く下げると共に目を皿のようにして地上の施設を睨んだ。少しずつ真紅の機体がハッキリと
タイガーであることが確認できる様な大きさになった。3機がまずミサイルを撃ち込んだ。爆煙が吹きあがる。
機銃員が目を細めて効果を確認しようとする。何かが動いた。まだだ。
噴煙の中にレーザーを撃ち込みもしてみたが手応えがない。痺れを切らした1機が地上すれすれの高度で
噴煙に接近した。一瞬、ガンカメラに何かが写った。


サラマンダーの首が吹き飛び、機体は錐揉みしながら岸壁に激突、翼は四散した。



28 :名無し獣:02/01/31 11:42
帝国の摂政として威張っているプロイツェン。
 しかし、そんな彼にも下っ端の時代があったのだ。

 プロイツェン 18歳 
    皇帝ガイロスの草履取りになる。
 ガイロスがプロイツェンの差し出した草履をはくと、なにやら草履が生暖かい。
 「愚か者め、草履を尻にしいておったな!。」
 怒るガイロス。しかし、プロイツェンは、
 「めっそうもございません。陛下が寒い思いをすると思い、懐で温めていたのです。」
 「なんと、そんな心遣いを・・・・・お前、今日から昇進だ。」
 これがプロイツェンの出世街道を駆け上がるきっかけとなったのだ。
 この出来事がなかったら摂政の自分はなかったと、
 プロイツェンは語る。


29 :名無し獣弐:02/02/02 01:02
妄想これからのバトスト

プロイツェン率いるプロイツェンナイツやゼネバス残党兵そして鉄竜騎兵団は中央大陸に上陸し
ヘリック、ガイロス連合軍との全面対決に入った。そしてついに始まった全面会戦。
だがその戦いをよそに閃光のごとき速さで荒野を突き進む1体のゾイドがいた。
それは新CAS"ガンマ"を身にまとったライガーゼロであった。

「後少しか・・」
ライガーゼロのコクピットの中でレイ・グレックは呟いた。レイはネオゼネバス帝国司令部の後ろに回ろうとしていた。
何故だろうか。自分でもわからなかった。ただ運命と言うかそんな感じのものに引き寄せられているような気がした。
何せレイが操作しなくてもゼロが勝手にその方向に向かって走っていく。こうなったらどうしようもない。
ゼロの気がすむまで走らせるしかない。
レーダーに敵ゾイドが映った。ディロフォースが2機とディマンティスが1機だ。
ディマンティスから機銃が放たれる。が、ゼロはそれを易々と除けストライクレーザークローをディロフォースに食らわせ、
ショックガンをディマンティス2機に叩き込んだ。次のゾイドは出てこない。
レイは再びライガーに任せ走り出した。
山の向こうの空は少し明るくなっている。もう戦闘が始まったのだろう。
(グゥゥゥゥ)
急に唸り声がコクピットに響いた。それはライガーゼロの声だった。
レイは操縦桿を握り締めた。直後、暗闇に閃光が走る。荷電粒子砲だ。
間一髪だった。荷電粒子砲は装甲をわずかにかすれただけですんだ。
そして発射された方向に振り向くとそこにはバーサークフューラーが立っている。
「ヴォルフ・ムーロア・・」
ブースターを全開にふかしライガーは一気に飛びかかった。


*ガンマ、は出るという噂のあるライガーのCASの仮称って事でお願いします。
ファンブック3面白いわぁ。

30 :名無し獣弐:02/02/02 23:11
続き

「ちぃ!」
ライガーゼロの爪とバスタークローがぶつかり合い、激しい火花が散る。
着地し、間をおかずにフューラーのほうに振り返った。だがそこには既に相手はいなかった。
直後、後ろからバスタークローの一撃が来る。前回戦ったときとは全く違う。無駄の全く無い動きだ。
直撃は免れた。だが右前脚の装甲をもっていかれた。少し距離をおきショックガンを撃つ。
それはフューラーの右肩の装甲を破壊し、レイに一瞬のチャンスを与えた。
その一瞬をレイは見逃さずに頭部にストライクレーザークローをぶち込んだ。
だが同時にフューラーはライガーの顎にブースターを全開にした蹴りを叩き込んだ。
ライガーゼロの口下部のパーツは粉砕し、フューラーの頭部装甲の左側を破壊した。
そして2機はピクリとも動かず静寂が訪れた。


フューラーのコクピットの中でヴォルフは恐怖と戦いながら必死に修理をしていた。
メインカメラも作動しない。いつレイが攻撃してくるかわからない。だが既に一分は経ってるだろうが攻撃は無い。
奴も何か不都合が起きたのだろうか。だがそれにしても向こうが早く修理を終えるかもしれない。
一刻も早く起動させねば、そう思えば思うほど手が震え作業がはかどらなくなる。額から一筋の血が流れ落ちる。さっきの衝撃で怪我をしたのだろうか。
眼前で光が灯った。それはモニターの光だった。
(外の状況は・・)
ヴォルフはモニターを睨みつけた。そこにはライガーゼロが横たわっていた。ヴォルフは胸をなでおろしたがそんな暇は無い。再び作業を開始した。

31 :名無し獣弐:02/02/03 22:11
長い沈黙を破ったのはライガーゼロのほうだった。ゆっくりと立ち上がりフューラーに近づいていく。
まったく動かない。首を押さえつけた。ピクリとも動かない。
レイはとどめを刺そうとした。だが手が動かない。自分はこんな形の決着を望んでいないのだろうか。
しかしここで終わらせなければ次は無いかもしれない。操縦桿を握り締め、ゼロは爪を振り下ろした。コクピットを潰すために。
グシャ
機械がへしゃげる音が遠くで爆音が聞こえる中で響いた。
だがそれはフューラーのコクピットではなかっくゼロの右横腹だった。フューラーは直前で起動し、ゼロの横腹を尾で叩きつけた。
ゼロはよろめいたが戦闘態勢を崩さない。レイはヴォルフを倒す最大のチャンスを逃したのだ。
2体は再び距離を取りにらみ合った。

32 :名無し獣弐:02/02/04 00:10
フューラーのコクピットに発信音が響く。発信先は目の前の―最大の敵である―ゼロだった。
「聞こえるか。ヴォルフ」
レイの声が聞こえた。
「何故貴様達は戦争を起こす。何故これ以上の戦乱を望むのだ」
ヴォルフは歯を食いしばり、そして答えた。
「貴様に我々ゼネバスの人間の気持ちがわかるのか?」
「わからないね。戦争を起こそうとする気持ちなんてな」
そういうと同時にゼロのショックカノンが火を吹いた。だが今度は当たらず、一気に距離を縮めバスタークローを回転させ貫こうとした。
レイはそれを避けずに、逆に懐に潜り込んで首に噛み付き、そして押さえ込んだ。
「降参したらどうだ。もう終わりにしようじゃないか。俺の勝ちだ」
そう言うとレイはバスタークローのアームを1本破壊した。
「貴様に・・」
ヴォルフは囁き、そして叫んだ。
「貴様に何がわかると言うのだ!?」
もう1本のバスタークローが唸りを上げ、ゼロの左前脚を貫こうとした。寸前で除けた。だが傷は深い。
「祖国を追われ、ガイロスに移り住まねばならず奴らに迫害され続け、今また貴様に愛するものを殺された俺の気持ちが!」
同時に荷電粒子砲が放たれる。ゼロはEシールドを展開した。顔の装甲の半分が吹き飛んだ。
ゼロは怯んだ。その瞬間にフューラーに突き飛ばされた。
「俺は負けない。いや、負けられない。祖国ゼネバスの為にも、アンナの為にも、幾千人の同志の為にもな!」
そしてよろめくゼロに向けてバスタークローを延ばした。それをゼロは避けて見せた。驚異的な速さで。
ゼロはCASを自ら脱ぎ捨て、横に回りこみ、ストライクレーザークローを展開し、飛び込んだ。
フューラーは転回し、バスタークローをゼロに向ける。
バスタークローとストライクレーザークローが交錯し、火花を散らす。
その時間が恐ろしく長く感じた。実際はまばたきよりもはるかに短い時間なのに。

ゼロの手には確かな手ごたえがあった。フューラーの顔が粉砕し、完全に破壊されていた。
ガクン
同時にゼロが力なく倒れた。コクピットの中も暗くなり、モニターがシステムフリーズを告げている。
外に出て損傷を確認した。ゼロの腹からバスタークローが生えている。それはコアを貫いている。既にゼロは全く動かず、その目から光は消えていた。

以上、妄想終わりです。書いてるのはちと恥ずかしかったですが。

33 :名無し獣:02/02/04 20:54
「ウルトラザウルス、両足骨折!ウルトラキャノン
の砲身も溶けだしています。」
 
1200ミリウルトラキャノンを撃ち続けた
ウルトラザウルスは、今は戦える状態ではなかった。
「ニクシー基地攻略前線部隊より通信。帝国軍は
新型ゾイドを使用しており、味方軍は苦戦を強いられてるようです。」
今すぐ助けに行きたい
ハーマン少佐を含むウルトラザウルス全乗組員が
そう思った。
だが今のウルトラザウルスでは移動事すら出来ない。
 
ふと頭を抱えていたハーマンがいきなりなにか
思いついたような顔をしだした。

ハーマンが目にしたモニターの先には
しっかりと大地に立っていてまだ元気そうだった
デストロイドゴジュラス2号機が映っていた。

34 :名無し獣:02/02/04 23:39
「ダイノ・サウリア。まだ2号機は動かせそうか?」
「はい。2号機異常有りません。いつでも行けます。」
ゴジュラスのパイロットが元気に返事をした。

年は地球人で言うと15〜16くらいだ。
ダイノはその若さで軍に入り、さらにゴジュラスの
操縦を得意としていることで共和国軍内では結構有名なのだ。
 
「ただちにニクシー基地に向かい、
味方軍の援護にまわってくれ。」
「了解しました。予備弾丸強制排除、
いくぞ ゴジュラス!」

グオオオオオオオオオオ

鋼鉄の恐竜王が咆哮した。
ゴジュラスは前傾姿勢になり
最初はゆっくりと徐々に足を速めていく
全長26メートルの巨体が荒野をはしる。

その時ダイノがある異変に気付いた。

35 :名無し獣:02/02/06 03:53
楽しそうだなぁ。俺も書いていい?

36 :名無し獣:02/02/06 08:47
>>35
新機軸、一行つぶやきバトスト発見

37 :名無し獣:02/02/06 11:58
「ある日のプロイツェン」
  
  デスザウラー復活計画成功!!

  この報告はプロイツェンを大いに喜ばせるものだった。
  「よし!!早速デスザウラーを量産せよ!!。」
  威勢良くプロイツェンはこう命令する。しかし・・・・
  「すみません・・・・いま・・・われわれは資金不足なのです・・・・。」
  「なんだと・・・・・。」
  プロイツェンは唖然とした。
  恐らく豊かな共和国なら平気でほいほいと量産できただろう。(デスザウラーを作る技術があれば)
  しかし、帝国は国家予算を軍事費にばかりつぎ込んできたために資金が乏しかった。
  「う・・・・資金を軍事費にばかりつぎ込んだつけが回ってきたのか・・・・。」
  悩むプロイツェン。
  「こうなったら・・・・・どこかで金を借りよう・・・・・。」
  
  そしてプロイツェンは金を借りにいくことにする。しかし、その途中・・・・
  「あっ!!プロイツェンだ!!捕まえたれー!!。」
  なんとプロイツェンは共和国兵士につかまってしまった。
  

  「わあああっ!!。」
   気づくとプロイツェンはベッドの上にいた。

   「何だ・・・・・夢オチかい・・・・・。」
   


  


38 :名無し獣:02/02/06 19:18
>>36
ワラタ。

39 :おーまーつーりー、お祭りだー。:02/02/11 20:14
 ズィグナーの報告を受けたヴォルフは、ズィグナーを退出させて、一人になった。
 ふと窓に寄る。
 眼下には、夕日に染まる海がどこまでも広がっている。
 それがヴォルフには、同胞が流す血の色に見えた。
 そしてホエールキングは、問題なく撤退をしているようだった。
 ひとつため息を付いて、左手で額を覆う。
 この瞬間にも、我々を・・・この俺を逃そうと、死んでいく同胞が居る。
 その事が頭から離れない。
 ゼネバス。
 その言葉が、頭に張り付いて離れない。
 自分が、その運命から逃れなられないのは、分かっている。
 後悔と懺悔が交錯する。
 すべては強大な意思の中で動いている。その中で、自分は流されているだけだ。
 何もかも押し流す濁流は、本当に最後には、穏やかな海にたどり着くのだろうか。
 不意に、部屋のドアが開いた。部屋の中から開けるか、パスコードを知っていないと開かない筈のドアが開いた。
 ヴォルフは、振り向きもしなかった。パスコードを知っている人間は、数える程しか居ない。どれも信用できる人間達だ。
 と、気づいた。
 副官のズィグナーならば、とりあえず確認を取ってから部屋に入る。
「誰だ?」
 それでも振り返りもせず、いつも通りの抑揚のない声で問う。
「誰だ? じゃないわよ。私だよん。ヴォルフ。」
 今、自分をその名で呼ぶ人間は、3人しか居ない。
 父と母と、そして・・・
 振り返ると、アンナ・ターレスがドアの縁に肘をついて、そこに居た。
「暇だし。来てみたけど。電気ぐらいつけなさいよー。暗いわよ。」
 そう言って、ドアの隣のスイッチに手を滑らせる。確かに陽が落ちようとしているこの時間、部屋はいつの間にか薄暗くなっていた。
 部屋の明かりが付いて、アンナは部屋の中に入って軽い足取りで、部屋のガラス棚に近づいた。慣れた手付きで中の物を物色する。
「飲み物作るけど、何かリクエストある?」
 撤退中という艦全体が重い雰囲気にも関わらず、まったく変わらずにアンナは気楽に問う。それに多少狼狽しながら、ヴォルフは、抑揚のない声で答えた。
「いや、今はそんな気分じゃない。」
「んじゃ、紅茶にするね。」
 聞く耳持たずで、アンナは、紅茶のセットをガラス棚から取り出した。

>続くかも。

40 :おーまーつーりー、お祭りだー。:02/02/12 22:18
・・・反応なし。
なので、続きません。
スレ汚しすまんー。


41 :名無し獣:02/02/14 23:18
ちょっとまてー!
続きが気になるじゃないか。
感想ならそのうち付くさ。気長に待とうよ。

42 :名無し獣:02/02/22 00:08
>40
アンナたん萌えな連中は、アンナたんスレにいっちゃったのでこっちを見てないのかな〜。
個人的には2人の過去の補完SSはすごく読みたいなー。

43 :名無し獣:02/02/23 15:50
>>40
スマソ。下がりまくってたんで気づかなんだ。
続きキボンヌ。おながいしますm(__)m

44 :名無し獣:02/03/03 14:33
つづきキボンヌ、age

45 :名無し獣:02/03/03 16:36
反応が無いのではなく人が無い

46 : :02/03/10 08:20
マリエスたんハァハァスレから拾ってきたアイデアです。神よ!これをもとに
バトストを希望します!!神よ...死にそうなゾイド板に命を与えたもう。

317 :名無し獣 :02/03/09 22:02
煩悩バトスト

主人公は共和国空軍のパイロット。
サラマンダーで未完成のギルと相打ちになり、山中へ不時着。
そこでマリエスたんと出会う。
敵味方の立場を超えて二人っきりの生活を送るうちに、頑なだった
マリエスたんも次第に心を開いていく。
しかし二人のラブラブ生活も、帝国の捜索隊に見付かり終了。
マリエスたんの助けで脱走した主人公は、共和国に戻って
復活したオルディオスのパイロットとなる。
そしてマリエスたんは洗脳され、完全復活したギルベイダーで登場。
果たして主人公はマリエスたんを救えるか!?

324 名前:名無し獣 :02/03/10 01:10
>>317
初キスは捕虜収容所から主人公を逃がす時、別れ際に。


325 名前:名無し獣 :02/03/10 01:41
>>317
初Hは野宿中に火が絶えてしまったとき。
暗闇に脅えるマリエスを抱きとめる主人公。
月明かりのもと、寂しさを紛らわすために二人は…。
…ってムリあり過ぎか。

47 :名無し獣:02/03/10 20:28
>>46
他人に頼るな。
どんな拙いもんでもいい。
自分で書け。


48 :名無し獣:02/03/26 05:51
再開を楽しみにしてみるage

49 :赤羽広々:02/03/29 03:43
いつ始まって、いつ終わるのかなんて誰も知らない。

「夏祭りのように」(1)

ZAC2040年
 太い腕に揺すられて目を覚ました。強化ガラス越しに射す日の光が、ほんの少しだけ眩し
くて、目を細める。その様子を見ていた隣りの男は何かを操作して、これで眩しくありませ
んよ、といかめしい顔に不器用な笑顔を作ってみせた。ガラスの向こうでグラリと左へ傾く
世界を見て、起こされたばかりの男は自分が今どこにいるのかを思い出した。
「あれが王宮址ですよ。綺麗なものでしょう?」
 操縦桿から片手だけ離して、隣席のパイロットが地上の一点を指差した。そんなにごつい
腕をして、操縦の邪魔にならないのだろうか。話し掛けられた男はパイロットの日焼けした
太い腕を見てそう思いつつ、彼が指し示す先へ目を移した。眼下には茶褐色の山肌を剥き
出しにした山々が広がっている。荒涼とした、いかにもこの星らしい景色の中に、それは白く
きらめいていた。暗い坑道で一点だけ光る宝石の鉱脈のように美しく、そして今にもふっ、
と消えてしまいそうに危ういものに思えた。宝石か。あの帝国の、富と技を結集して作られ
たそれは、確かに一種の宝石と言えるかもな。男はその白い残骸、跡形もなく破壊された
ゼネバス帝都を空から見下ろしながらそう思った。今ではただの石ころだが。
 男を乗せた飛行ゾイド、サラマンダーは徐々に高度を落としていく。王宮址に駐屯するヘリック
共和国軍の糧となる、大量の軍需物資を腹の格納庫に詰め込んだサラマンダーの動きは、
飛行ゾイドを操った経験がないその男にも分かるほど鈍かった。本当なら俺もこいつの
重い腹の中に押し込められるところだが。男はわずかに口元を歪める。たまには役に立つもの
だ。俺が地球人であることが。パイロットは喘ぐように飛ぶサラマンダーを旋回させようと
していた。どうやら男にもっと空中散歩を味あわせてやろうとしているらしい。男は時間が
ないので早く着陸するようにパイロットに伝えた。それほど急いでいる訳ではなかったが、
男には廃墟と化した街を空から眺めることが愉快には感じられなかった。パイロットは
一瞬、顔を曇らせたが、すぐに笑顔を作って男の言葉に従い、操縦桿をゆっくり押し倒して
いった。

50 :赤羽広々:02/03/29 03:47
sage忘れた。スマソ

51 :名無し獣:02/03/29 04:12
赤羽さんの作品がまた見られるー(´∀`)

52 :ポリスキー ◆P38Fex.I :02/03/29 08:33
赤羽さんの新作ですね!
イヤッホゥ!

53 :名無し獣:02/03/29 10:33
またこのスレにも熱い風が・・。

54 :赤羽広々:02/03/30 04:42
「夏祭りのように」(2)

 戦史研究所。ほう。書類に目を通していた男はそう呟くと、彼の前に立つ新参者の顔をまじまじ
と見つめた。新参者は顔色一つ変えない。きっとこういう扱いに慣れきっているのだろうな。彼は
再び手にしていた書類に目を落とし、口を開いた。
「遠いところまでご苦労でしたな。えー、……タ?」
「タイチ・ミノワ特派員です。しばらくの間、こちらのご厄介になります」
 それだけ言うと、新参者、タイチは口をつぐんだ。タイチがゼネバス帝都の土を踏んでからこの
中隊本部に辿り着くまで、すでに4時間もの時間を費やしていた。飛行場に降り立ったタイチは、
方面司令官から師団長、連隊長、果てには聞いたこともない部門の責任者やら誰それの友人だと名乗る者やら、
赤や黄色の派手なボロ布を纏った娼婦達まで総出の歓迎に答え、彼らを振り切ってやっとここまで
やって来ることが出来た。彼らは口々にこう言った。地球人に会ったのは初めてだ。故郷の皆に自慢出来るよ。
毎度のことながら、タイチは自分が珍獣か何かになってしまったような気がした。
「ええ、全て上から聞いとります。食事のことも心配なさらずに。いい写真が撮れると良いですな」
 タイチと粗末な机を挟んで向かい合う中隊長が、タイチの肩から下げられた黒いバッグを見てそう
言った。タイチは答えない。中隊長の態度から、彼の腹の底にはその言葉とは全く逆の思いがあることが
分かっていたからだ。こんな僻地まで来て出歯亀とはご苦労なことだな。そう言いたいのだろう。彼らが、
ゾイド星人が地球人カメラマンを忌み嫌う理由はタイチも知っていたが、それについては深く考えないように
していた。タイチ個人には、どうしようもないことなのだから。中隊長はこの後の予定を簡単に説明すると、
タイチの背後にある扉を指し示した。軽く会釈をしてからタイチが部屋を退出しようとした時、彼の背中に向かって
中隊長が低い穏やかな声で語り掛けた。
「お望みのものがたくさん撮れるでしょうな。ここならね」
 タイチは少しだけ立ち止まったが、そのまま振り向かずに部屋を後にした。

55 :名無し獣:02/03/30 05:03
おぉ
次の話は1ヶ月後くらいだと思ってたけどはやかったな

56 :赤羽広々:02/03/31 05:33
「夏祭りのように」(3)

 兵士達は、初めて見る地球人の黄色い肌と、その手に抱えられているカメラをちらりと見るだけで、
口を利こうとはしなかった。タイチを含めた10人の男達を乗せて、ガイサックは砂を巻き上げながら
朝焼けに染まる大地を駆けていく。夏季であるにもかかわらず、空気は鳥肌が立つほど冷たい。高地で
ある上に、砂漠が広がるこの辺りは昼夜の寒暖の差が大きいので、防寒具を用意しておいてください。
昨夜、中隊本部に準備されたタイチの部屋を訪れた小隊長が、固い面持ちでそう言った訳が分かった。
すっかりかじかんでヒリヒリ痛む耳を覆うため、タイチは小隊長が差し入れてくれたポンチョのフードを被る。
ガイサックの背に座る彼を冷気から守ってくれるものは、そのポンチョ以外に何もなかった。タイチと同じ
ように、ガイサックの背に設けられた吹き曝しのデッキに腰を下ろした兵士達は、もうタイチに関心を失って
しまったのか、彼から目を逸らして煙草を吸ったり、手にした突撃銃をいじったりしている。タイチは振り返って
朝の砂原を眺めた。地上を照らす日の光は、空一面に薄く広がる雲と舞い上がった砂塵のせいでひどくくすんでいた。
 ガイサックが不意に速度を落とす。野郎共っ! ついさっきまで黙って煙草を吸っていた一人の兵士が突然そう
叫ぶと、デッキに座り込んでいた兵士達が一斉に立ち上がった。
「全員下車!」
 兵士達はその合図と同時に、鮮やかな手際でガイサックの細長い足を伝い、地面へと降り立った。その様子を見て
呆気に取られていたタイチも慌てて彼らにならい、ガイサックの足に掴まって降りようとしたが、手を滑らせて腰から
落ちてしまった。タイチはカメラが無事であることを確認すると、小さく舌打ちをしながら立ち上がった。おい、
大丈夫か? 下車命令を出し、自ら真っ先に飛び降りてみせた兵士がタイチに声を掛ける。その兵士こそ、この分隊を
率いる分隊長だった。タイチが黙ったまま頷くと、分隊長は背後の砂漠を指差した。
「写真屋さん、あれを撮るといいぜ」
 彼が指差す先で何かが動いた気がしたが、タイチにはそれが何であるか、すぐには分からなかった。たくさんテントが
乱立している。砂にまみれ、風になびいている。その周りには数え切れないほどの穴があって……。タイチは目を疑った。
あちこちの穴から人間が一人、また一人と這い出てきたのだ。タイチはカメラを構える。ファインダーの向こうに、
今日の目的地である地底族俘虜民収容キャンプが広がっていた。

57 :赤羽広々:02/03/31 05:40
話は淡淡と続く。

58 :名無し獣:02/03/31 15:18
期待してます!

59 :赤羽広々:02/04/01 01:56
「夏祭りのように」(4)

 首が千切れた人形を両手に抱いたまま立ち尽くし、鈍く光る大きな瞳でこちらを窺う痩せこけた子供。
砂と埃が積もって今にも潰れてしまいそうな天幕の下で、一欠けらのパンを更に小さく分け合って食べる親子。
薄っぺらい毛布にくるまって、何もせずただ宙を見つめる老婆の顔にたかる虫。タイチは黙々とシャッターを切る。
若い男がレンズに向かい人差し指で銃を撃つ真似をし、タイチは思わずファインダーから目を離した。白い歯を
出してニヤリと笑う男に、分隊長が突撃銃の銃口を向けて立ち去るように促すと、男はテントの中へと消えた。
風がテントの間を吹き抜けて、布がはためき錆びたスチールの骨組みが軋む音が響いた。
 分隊長はタイチの耳元で、怒鳴るような大声でいろいろと教えた。まだ朝早いからな、こいつらも随分大人しいが、
飯が配られると途端にやかましくなるんだ。飯は共和国軍が配給してやっている。こんな何もないところじゃ、
ほっとけば飢えて干涸びちまうからな。最初のうちは数百人しかいなかったから管理も楽だったんだが、どこから
涌いて出たのか、今じゃ何万人いるか見当もつかん。こんな収容キャンプが、この辺りにはいくつもあるんだ。
おかげで軍はこの方面にかなりの兵を駐屯させなきゃならなくなった。もうそんなことは知っているか? ああそう。
おい、その穴ぼこにはあまり近寄るなよ。こいつらはキャンプの地下にトンネルを掘り巡らして、その中で寝起きして
いるんだ。地底族っていうくらいだからな、そういう癖があるんだろ。覗かない方がいいぜ。奴等はああ見えて
デリケートだ。前にそんな穴に小便しようとした奴がいたんだが、そいつは頭に血が昇った地底族の奴に危うく一物を
もぎり取られそうになったんだぜ。あんたも気を付けろよ。そうそう、俺はモスっていうんだ。皆は軍曹と呼ぶがな。
好きに呼べよ。分隊長、モスは手を差し出した幼い子供に飴玉をやりながら、道の真ん中でしゃがみ込んでいた男を
銃床で殴り付けながら、タイチに一方的にしゃべり続ける。そうしながらも辺りを睨回し警戒を怠らない。
彼に従う8人の兵士とガイサックも同様に俘虜民達を威嚇しつつ進む。タイチはモスの話にいちいち相槌は打たずに
キャンプの様子をカメラに収めていたが、ふと気になったことをモスに訪ねた。
「彼らは他所の土地からやって来たのか? なぜもともと旧帝都にいた住民はいないんだ?」
 その言葉を聞いた瞬間、モスの顔に悪意めいた何かが浮かんだのをタイチは見逃さなかった。だがモスはすぐさま
陽気な軍曹の顔でそれを覆い隠し、タイチから視線を逸らして言った。
「この先に行けば、なぜだか分かると思うよ」
 それだけ言うとモスは突撃銃を構え直し、黙って歩いていった。

60 :赤羽広々:02/04/01 02:01
何とかF-1が始まるまでに書き終わった。

61 :赤羽広々:02/04/02 04:44
「夏祭りのように」(5)

 一気に喉に流し込んだ水が気管に入ってしまい、タイチは噎せ返った。もう水筒2本分の水分を飲み干していたが、
相変わらず口腔は乾き頭が痛んだ。何もせずにいると意識が遠のいて眠ってしまいそうだ。水筒を口元に運ぶだけ
でも辛い。目に映るもの全てがぼやけて、小刻みに揺れているように見えた。タイチは力を搾り出し、水筒を振って
3本目を催促した。だから言ったじゃないか。もっと水を飲めってな。モスが水筒をタイチに手渡しながら言う。
答える気力も残っていなかった。あんたが夢中になって写真ばかり撮っていたからいけないんだぜ。俺は何度も
言ったんだ。水を飲めとな。分かるか? 俺は悪くない。あんたが悪いんだ。分かるか?
 砂漠と言ってもそれほど広くもなく、日中の気温も驚くほど高くはない。何も心配するな。戦史研究所の連中は
そう言っていた。冗談じゃない。朦朧としながらタイチは毒突いた。一日中テクストと睨めっこしているお前らに
何が分かるというんだ。老婆とパン屑と糞尿が一緒に干涸びていく傍らを歩く気分が想像出来るか。ほっといたら明日にも
死んでしまいそうな人間が放つ眼光がどんなものか知っているか。あんたはこいつに乗って休んでいるといい。
例の場所に着いたら起こしてやるよ。モスの声が遠くで響く。目の前が真っ暗になる。深い穴の底に身を横たえているような、
安心感と孤独感がタイチを飲み込む。意識が闇の中へと静かに溶けていく感覚が心地良かった。瞼の裏に赤と緑の光が
染み出てきて混ざり合い、何かの輪郭を形作り、やがて鮮明な像が浮かび上がる。男だ。男がこちらに突撃銃を突き付けて
ニヤリと笑う。分かるか? 男は子守唄でも唄うかのような小声で囁いた。あんたが悪いんだ。何もかもあんたが悪いんだ。
分かるか?
 風がタイチの顔を撫でるように吹く。日に焼けて赤くなった肌から熱を奪っていく。タイチはゆっくり瞼を開いた。先ほど
まで全身を支配していた倦怠感はすっかり消え去っていた。仰向けに寝そべるタイチの目に映ったのは、青い空ではなく
黄土色の天井だった。それが分厚い布の天幕だと気付くまでに数秒を要した。
「俺のカメラはっ」
 タイチは激しく咳き込む。声を上手く出すことが出来ない。手に持っているじゃないか。モスの声がはっきり聞こえた。
タイチはようやくストラップで右手に括り付けられたカメラと、横に座っているモスの存在に気付いた。軽い脱水症状だ。
もう良くなったろう。モスは立ち上がり、天幕の外へ出ていった。彼の背中を目で追っていたタイチは、天幕の向こうに
広がる光景に言葉を失った。一面に白い小石が敷き詰められた世界がそこにあった。
「ようこそ王宮へ。世界の高みに立った気分はどんなだい?」
 意地悪く微笑むモスの顔など、タイチには見えていなかった。強い日差しの下で輝く、大理石と白骨の破片が山積した
白い大地。俺はまだ悪夢の中を彷徨っているんじゃないか。タイチはそう思った。

62 :名無し獣:02/04/02 20:58
age

63 :名無し獣:02/04/03 00:17
プロイツェンの反乱はガイロス、ヘリック同盟によって破られ、戦争は終結。発端となったプロイツェンが失脚したため帝国、共和国は休戦協定を結ぶ。
 そして、帝国が内部から崩壊したため事実上戦勝国となったヘリック共和国は、占領した領土の一部を暫定的なゼネバス自治区として、ゼネバス人の希望者をそこへ住まわせることを約束した。

しかし、そのゼネバス自治区の土地はあまりいい土ではなく作物がなかなか育たない土地であった。つまりゼネバス人はその願いを利用され「押し込められ」てまとめて監視下におかれていたのだ。
「監視下」の事実はまだ知られてはいないが、作物が育たない土地であることには徐々に不満の声が挙がり始め、共和国政府はその早急な対応を求められた。
…が、硬直した共和国政府の対応は遅々として進まなく、不満の声は次第に大きくなる。

そんな中に事件は起きた。共和国内の過激な人種主義者(レイシスト)によるゼネバス人に対する放火事件(無差別テロ)だ。この事件により多くのゼネバス人の命が奪われ、住むところを失った。
この事件が発端となり、ついにゼネバス人のゲリラ活動が始まった。共和国軍は直ちにそれを鎮圧にかかるが、ゲリラはシールドライガーなどの高価なゾイドを少数だが所有しており思わぬ苦戦を強いられた。

鎮圧に出たある共和国軍人は捕虜として1人のゼネバス人を連行。そして尋問したところ、ゲリラの活動資金は共和国内に残ったゼネバス人によるアンダーグラウンドの組織が出所らしいという情報をつかんだ。
また、ゲリラのゾイドの大半は作業用に簡素な武装を取り付けた物であるが、一部は上記の通り高価なゾイドもあり、どうやら共和国軍内のゼネバス人が前大戦で中破した物を横流しし、それをレストアして使用しているという情報もつかんだ。
その結果共和国内ではゼネバス人に対する風当たりは一層強まっていき、泥沼の内乱状態へと突入していく…

登場人物

フィーグ=ノア(主人公)24才
ゲリラのいち兵士でレブラプター乗り。(前大戦ではヘルキャット乗りだった。)性格はやさしく熱血漢で家事全般を嬉々としてこなす。のんびりとした生活を望んでいる。
「俺は…負けられないっ!!」

カッツ=バルゲル 35才
フィーグの所属するゲリラ部隊のリーダーでシールドライガー乗り。(前大戦ではサイクス乗りだった。)性格は明るく、どんな苦境に立っても軽口を叩き、周囲に不安を与えない。帝国立大学を卒業しているため頭もいいがそうは見えない。ちなみに妻子持ち。
「シールドライガーか…反応も悪くないな…へへっ、気に入った!!」

アルト=グラッセル 21才
フィーグの親友で、ゲリラでは偵察担当のロードスキッパー乗り。前大戦時は歩兵として出兵。その悪運で小隊唯一の生き残りとなった。性格は明るくノーテンキだが、歩哨としての腕は立つ。
「今の振動爆薬の爆発見たかぁ?絶妙だろっ?」

リューネ=スコルツェニー(ヒロイン1) 26才
かつてのゼネバス名家、スコルツェニー家の長女でフィーグの知り合い。性格は極めておしとやか。(長女の定番)伊達にスコルツェニー家の長女じゃない。
「はい。おいしい料理を作って待っています。」

マール=スコルツェニー(ヒロイン2)22才
リューネの妹。性格は短気で人使いが荒い。また、家事全般のスキルに重度の問題がある。(次女の定番)姉とは仲良し。
「料理なんか出来なくたって死にはしないでしょっっ!!!」

マーガレット=ノルトハウゼン(ヒロイン3) 14才
戦災孤児の少女。萌え担当。性格はいたって普通の14才の少女。笑いもするし泣きもする。スコルツェニー姉妹と仲良し。
「あした…晴れるかなぁ?」


その他多数(今のところ設定無し。)


64 :名無し獣:02/04/03 00:19
「…フィーグ、聞こえるか?今アルトから通信が入った。敵はガンスナ2体だ。スピードなら俺らのレブの方が上。油断しなけりゃ何とかなるだろ。トラップにかかった瞬間に出る。遅れるなよ!!」
操縦桿を握る手が汗ばんできた。
うっそうと茂る森林の中を2体のガンスナイパーは周囲に警戒を払いながらゆっくりと足を進める。
「…もう少し…もう少しだ…」
フィーグは焦る自分を落ち着かせるようにつぶやいた。その直後、静寂を切り裂くような轟音が森林の中に鳴り響いた。アルトの仕掛けた振動爆薬だ。
「今だっ!!」
フィーグのレブラプターは2足恐竜特有の前傾姿勢になり、ターゲットに向かって一気に加速し、飛び上がった。
トラップで足をやられていたガンスナイパーは倒れながらもビームマシンガンで応戦する。いや、「応戦」というよりは「乱射」と言った方がいいだろう。もはや死の恐怖で狙い澄ませる余裕など持ち合わせていない様子だ。
運悪くその中の1発がフィーグのレブラプターの右腕を吹き飛ばした。だが…
捉えたっ!!
レブラプターのハイパークローは倒れたガンスナイパーの首元を確実に捉えていた。
…確かな手応え。
レブラプターが着地すると同時にガンスナイパーの首が崩れ落ちた。
「…はぁ、はぁ、はぁ……やったか…。」
限定的とは言えOS搭載機だ。長時間の潜伏ともなるとかなりの疲労を伴う。フィーグはかなり滅入っていた。

…しばらくしてようやく落ち着いた頃に、レーダーを確認するとすでに両方のガンスナイパーの反応が消えていた。どうやら隊長の方も手早く済ませたらしい。
「こういう任務はヘルディガンナーの方が向いてるんだがなぁ…。」
ガンスナイパーを相手にレブラプターでは分が悪い上、長時間の潜伏にはOSがかなり厄介になる。しかし正規の軍ではないのでOS搭載機があるだけでも贅沢という物だ。
「レブでの初戦闘ながらなかなか出来るじゃねぇか。調子はどうだ?フィーグ。」
「…予想以上にOSの負担が大きいですね。イグアンとは大違いです。」
「はっはっは…まぁ最初はそんなモンだろ。少しづつ慣れていけばいいさ。とにかく疲れたろ?帰ってメシにしようぜ。」
そう言って隊長は通信を切り替える。
「アルト、聞こえるか?トラップのタイミング絶妙だったぞ。おかげでかなり楽になった。これからも頼むな。」
「はい、こんくらい余裕っスよ。トラップはまかしてください。どんなソイドも一発であぼ〜んしますよ。」
 「うおっ頼もしいねぇ期待してるぞ。とりあえず帰ってメシにしような。メシ。」
 「りょうか…隊長っっ!!敵増援捕捉しました!!シールドライガー1機です!!」
 シールドライガー。旧式とは言え前大戦初期には共和国高速戦闘隊の主力だったゾイド。果たしてレブラプター2体で勝てるだろうか?
しかも俺のレブラプターは損傷している。これは相当に不利だ。
幸いどうやら相手はまだ気づいていない。だが気づかれるのも時間の問題だ。あとどのくらいもつのだろう。5分?3分?いや、1分ももつのだろうか?
「隊長!!ここはいったん退いて援軍を呼びましょう。」
「あぁ、そうしてくれ。フィーグっ、アルトっ、後退して援軍を呼べっ!」
そうしてく「れ」。援軍を呼「べ」。その言葉の意味するところは明確である。だが俺は聞かずにはいられなかった。
「隊長は…隊長はどうするんですかっ!?」
「隊長っ!!!」
通信のランプが煌々と光る。長い沈黙。いや、実際は1秒も無い空白なのだが、それが何倍にも長く感じられた。
そして…
「あぁん?決まってんだろ〜っ?ちょっくら大物退治してくるわ。」
隊長はいつもの口振りで答えた。
「…わかりました。至急援軍を呼んできます。」
さすがにアルトのスキッパーでは戦闘は無理だ。アルトもそれを解っていたため早々に退避した。
だが、俺はまだやれる。まだ戦えるんだ。
「隊長っ!!俺もたたk…」
そこまで言ったところで割り込まれる。

「…へへっ、昼メシおまえのオゴリな…。」

そこで通信が強制切断された。
そして隊長のレブラプターは踵を返し、再び森へと…戦場へと戻っていった。

…今の俺は足手まといだ。悔しいがそれは事実だ。ここはとにかく速く援軍を呼ぶしかない。俺は走った。前へ…ひたすら前へ!

気力があれば続く


65 :赤羽広々:02/04/03 04:50
俺のやっていることは、ひょっとして禿しく板違いなんじゃないか?
今夜は様子見。

66 :名無し獣:02/04/03 07:10
最近活性化していて(・∀・)イイ!!皆さん、期待してます!

67 :名無し獣:02/04/03 20:05
>>65
板違いではないので、まぁ、満足行くまでやるのが吉かと。
飽きたら、やめりゃいい。
感想欲しいだけなら、止めといた方がいい。
ろくな感想付かないよ、今のゾイド板じゃ。



68 :名無し獣:02/04/16 14:51
ん????
なぜいきなり書きこみがなくなったん?

69 :名無し獣:02/04/16 16:50
モスたんハァハァ、、、
赤羽サン続編期待age

70 :名無し獣:02/05/01 22:09
最近カキコミないね。
非常に残念です。

71 :名無し獣:02/05/01 22:13
実にもったいない。

72 :名無し獣:02/05/20 09:17
ガーニメェデェガニメェデー
赤羽さん生きてるかい!?

73 :名無し獣:02/05/20 09:34
ほめほめ撫で撫でしてあげないからさ!

74 :名無し獣:02/05/26 17:01
赤羽さん来ないなあ・・・

75 :『風の吹き荒む戦場で』 ◆Husa3Z/6 :02/05/26 22:43
 今までのあらすじ
 公式2巻の9月頃の話。
 第二次全面抗争西方大陸で初めて敗北を喫した帝国軍。
 軍の建て直しを図るために撤退した帝国軍は、拠点ニクシー基地にて、再編成を急ぐ。
 共和国も手をこまねいて居たわけでなく、たたみをかける為に、ついにロブ基地から全兵力を持って出撃する。
 その時にはすでに帝国軍も反撃の準備は整っていたのだが、ウルトラザウルス・ザ・デストロイヤーの登場で、帝国は反撃の糸口を失った。
 遠距離からのウルトラキャノンの攻撃による、先遣部隊の全滅。5師団分の戦力がたった一発の砲弾で失せる狂気。
 この脅威的な無差別大破壊兵器を所持する悪魔の様なゾイドを破壊せねば、帝国に明日はない。
 帝国は、少数精鋭の部隊で、ウルトラザウルスを破壊する指令を出す。
 その中にノイン・ノイエの所属する急遽編成されたLB部隊が居た。
 ホエールキングで降下地点に向かうLB小隊。
 だがしかし、降下地点には敵が待ち伏せしていた。
 この窮地を切り抜けたのは、ノイン・ノイエの駆るプロトブレイカー タイプ3R『ドライファクト』。
 オーガノイドシステム全開で襲い掛かる『ドライファクト』の強さは圧倒的だった。戦闘はLB小隊の勝利に終わる。
 しかし、ホエールキングは、降下時にダメージを受け、帰還不能に陥っていた。


76 :『突貫』 ◆Husa3Z/6 :02/05/26 22:45
『風の吹き荒む戦場で(16)』

「何をするつもりだ。じいさん!!」
 アインは空を仰いで叫んだ。すでに何をしようとするのか、理解した上で・・・
『アイン・ゲレゲーンハイト。無論、このまま、突っ込む。約8290tの質量は、膨大な破壊力を生むからのう。』
「マジか・・・よ。」と言ってから気づいた。ゲインが何故たった一人で艦橋に居る意味を。
「・・・最初から、そのつもりだったんだな・・・。」
 今更だった。部下を持たないのは、撃墜されても死ぬのは、自分だけになるから。
 違うのだ。撃墜されるのは、前提だった。
『そうでもない。ただ、お前等なら、何とかしてくれるかも、とな。』
 ディスプレイ上でゲインは、いい顔で笑った。
 アインの視線の先のホエールキングがメインスラスターを点火した。
 尾を引く火で、それが最大出力である事がすぐに分かった。しかし、ホエールキングのパワーウェイトレシオは低い。加速力はない。
ゆっくりと月明かりに照らされた夜の闇の中を移動し始める。
「じいさん!」
 もはや、ゲインは聞いていない。
『グラハム・ズィルバー・・・後はまかせたぞい。』
『えぇ。一足先に待っていてください。』
 割と落ち着いた声でグラハムは答えた。この男も分かっていたくちなのだ、とアインには分かった。
『そして、ノイン・ノイエ。』
『・・・。』
 答えはない。アインは、ノインの通信機を先ほどのパスワードでこじ開けて、ノインの顔を見る。
 映し出される無表情。
『『奴』には、ワシも世話になった。・・・奴はお前さんにそんな事は望みはしないぞ。』
 ゲインは、憐憫の表情で彼女を見る。
『・・・関係ないわ。私の意志よ。これは。』
 真っ直ぐとゲインの顔が映るだろうディスプレイに方を向いて、ノインは答えた。
 無表情。感情が・・・特に何も目が読めない。
『・・・止められぬか。』
『えぇ、誰にも、きっと。』
『ふん。まぁ、ええわい。さらばだ。』
 通信が終わった。
 徐々にスピードが乗り始めるホエールキング。
 LB小隊の面々は、敬礼でそれを見送った。
 しばらくして、大規模の衝撃音と突風が一面を襲った。
 誰も口を開かなかった。
 しかし、程なくして、回復した『ドライファクト』に乗っていたノインが恐ろしく落ち着いた声で
『行きましょう。』
 とだけ言った。
 LB小隊の面々は、返答も無く、それに従って動き始めた。
 ウルトラザウルスへと向かって。

パワーウェイトレシオ
機体重量に対する出力(推力)の割合の事。重量(s)/馬力(PS)。加速や最高速度に関係してくる。無論、低ければ低いほどいい。
普段、飛行機や車などで使われる。これとCd値(空気抵抗係数)で、主に最高速度や加速力などでのその機体の性能がある程度分かる。
ゾイドなどはCd値は思いっきり悪そうですが、その分、パワーウェイトレシオが稼いでると考えるのが妥当かな、と。

77 :『懐古』 ◆Husa3Z/6 :02/05/27 00:03
『風の吹き荒む戦場で(17)』

 ほとんど無言のまま、一日が過ぎた。
 LB小隊は、編隊を組んで、ただひたすらにウルトラザウルスの居るだろう地点へと向かう。
 あれから、戦闘は2回あったが、セイバーを一機失っただけで、難なくそれを切り抜けた。
 現在、半分の者は、ゾイドをスリーパモード(自動操縦)にして、休息を取っている。
 揺れる機体の中でゆっくりと休むわけには行かないが、それでも眠っている者も居る。
 ノイン・ノイエもその一人だ。
「なぁ、隊長さんよ。」
 先頭を行くライトニングサイクス・スナイパーカスタム『ゼクト』に乗るアインが個人回線を開いて問う。
 相手は、一番後方で警戒に当たるジェノザウラー『アルキメデス』に搭乗するグラハム。
『何だ。』
 ひどく落ち着いた声。
 二人とも今の今まで、一睡もしてないのに何気に元気だ。
「『奴』を知っているってそいや言ってたよな。」
『あぁ、世話になったからな。』
「おせっかいだったからなぁ、あいつ。」
 アインは、苦笑して答える。
 それを聞いたグラハムも苦笑する。
 世話になった。
 つまり、軍で言うならば、何かしらの窮地を救われたか、何かしらの窮地に落とされたかのどっちかだ。
 無論、グラハムの場合は、前者だった。
『おせっかいか。命救われた身としては、おせっかいと言う表現はちょっとな。』 
「おせっかいだよ。とんでもなくな。いつ、命救われた?」
『大撤退時だよ。いい青年だったな。』
「まぁ、な。たまにぶん殴りたくなるぐらいにな。いい奴だったよ。」
『あの時はもう駄目だと思っていたよ。』
 グラハムは懐かしむように、三ヶ月前の事を思い出していた。
 時が目まぐるしく回る戦場では、それは本当に、昔の様に思えた。

78 :名無し獣 「無題」:02/05/28 00:03
ZAC2102年。
共和国首都は炎に包まれていた。
ガイロス帝国摂政ギュンター・プロイツェン・ムーロワの悲願である、
中央大陸デルポイにおけるゼネバス帝国の復活。
これを実現すべく、暗黒大陸ニクスから魔のトライアングル・ダラスを越え、
デルポイへ直接侵攻をかけてきた鉄竜騎兵団。
泥沼の戦いでガイロスとヘリックの共倒れを狙ったプロイツェンの策によって、
遥かニクスの地に主力部隊を留め置かれた共和国軍に、
彼らと対抗する事など到底出来るはずもなかった。
僅かに反撃に出た部隊も、指揮系統の混乱から各個撃破され、
電撃的な侵攻を行う鉄竜騎兵団の前に、有効な対抗策はほとんど皆無であった。

「これ以上いたずらに戦力を損耗させるわけには行かない。
 戦線を縮小し、主力部隊が戻るまでに反撃態勢を整えよ」

主力部隊の帰還を待って反撃を開始する。
この極めて単純明快な作戦のもと、
共和国軍は首都の放棄を含む大規模な戦力の配置換え…つまり撤退を実行した。
前線部隊に、再び混乱が襲いかかった。

増強される敵。広がるデマ。二転三転する命令。

ニクスでの戦闘は、既にプロイツェンの死により終結していた。
にも関わらず、多くの旧ゼネバス系ガイロス部隊は武器を捨てることなく、
中央大陸に第2梯団となって上陸し、鉄竜騎兵団の後詰となっていた。
ヘリック・ガイロスとの戦闘を避け続けた為、全く無傷の部隊も少なくない。
敵の進軍を遅らせるべく展開されたゲリラ戦も、もはや限界であった。
敗走する三個師団がS市で包囲されるに至り、共和国軍は決断した。

「S市を解放し、北部方面軍はバレシアまで撤退させる」

疲弊しきった彼らでは、自力での包囲網突破は不可能。
故に彼らを救出し、その後退を援護する…つまり殿を務める部隊が必要だった。


生贄は、すぐに選ばれた。


設定引用・参考…「プロイツェンナイツ・将兵募集」スレッド
    「第二次プロイツェンナイツ・将兵募集」スレッド
        「ネオ・ゼネバス軍将兵募集」スレッド
        「共和国軍将兵募集」スレッド
        「構成員募集中!ヘリック共和国最強軍団其の二」スレッド
        「ガイロス帝国将兵募集」スレッド
        「惑星Zi戦記:中央大陸21XX」スレッド
        「○○将兵募集」撃ち合せ用スレッド


79 :名無し獣 「無題」:02/05/28 00:04
砂漠の朝は早い。
地平線の向こうから太陽が上がったと思ったら、
すぐに辺り一面が暖かな日差しに包まれる。
まだ冷気が残っている為か、焼けるような熱気は襲ってこない。
普段は忌々しさしか感じない砂塵混じりの風にさえ、
この瞬間だけは清々しさを感じる。
シュミット上等兵が這い出たテントの向こうには、
既に整備を終えたゾイド達が整然と並べられていた。
だが彼はそちらに目をくれることなく、食事の配給を受けに行った。
起床・点呼の時間はとうに過ぎている。
何時もの今ごろなら鬼軍曹にとっ捕まって、「食事抜き」の宣告を受ける頃だが、
今日ばかりはゲンコツ一つで御咎め無し。
実に気分が良い。
石のような歯触りのパン、砂混じりのスープにすら舌鼓を打ちたくなる。
優雅な朝食とは到底言えないが、戦場の風景としては緊張感に欠けている。
それもこれも、彼らが自分達の「勝利」を確信しているからだろう。
鉄竜騎兵団。
プロイツェンの秘密兵器。
ネオ・ゼネバス建国の礎。
ヘリックの名を冠した忌まわしき国を断罪する、崇高なる剣。

“我々が今日行う攻撃によって、敵の貧弱な防衛線は打ち破られる。
 そして市内に突入した我等は、ネズミの様に立てこもる共和国軍の三個師団を、
 今度こそ完膚なきまでに叩きのめすだろう。
 第二次上陸部隊のネオ・ゼネバス正規軍1個師団が協力してくれる。
 彼我の戦力差はゼロ…いや、我等の方が優勢と言える。”
“第一次攻撃隊として、我が隊の他に、正規軍から1個連隊が攻撃を仕掛ける。
 時間を置けば制空権の合間を縫って、共和国空軍の爆撃が始まるだろう。
そうなる前に、敵をS市から駆逐せねばならない。”

中隊長の何時もの訓示を、シュミット上等兵はこれまた何時もの様に聞き流した。
敵もそこまでヤワじゃない。
一週間包囲しつづけているにも関わらず、未だに戦意が衰えない部隊も少なくない。
敵を過少に見誤れば、死ぬのは敵じゃない。俺自身だ。

“諸君の奮闘に期待する。
 以上、解散!各員ゾイドに搭乗せよ!!”

何時も通りの時間で訓示が終わり、
号令一下、シュミットは戦友達とともにゾイドに乗りこんだ。
ディロフォースが小さく唸り声を上げ、
砂塵の向こうに黒く広がるS市を睨みつける。
隊長はああ言うが、結局何も変わらない。
何時も通りに戦って、何時も通りの勝利を得るだけだ。

吹き寄せる風は、何時もの忌々しい熱風に変わっていた。

80 :名無し獣 「無題」:02/05/28 00:05
砂漠の朝は早い。
地平線の向こうから太陽が上がったと思ったら、
すぐに辺り一面が暖かな日差しに包まれる。
まだ冷気が残っている為か、焼けるような熱気は襲ってこない。
陰鬱な一日が、また始まる。
オーウェン伍長は、砂丘の向こう側に「敵」の気配を感じていた。
このクソったれな砂漠の街に押し込められて以来、
毎朝の恒例となっている敵の強襲だ。
クソッたれめ。

「伍長、ガイサックの調子はどうだ?」
静寂を破る小隊長の声に我に返った。
「間接に砂が入り込んで、ちょいと喧しいですね。
『砂漠はもう飽きた』って言ってますよ」
「砂漠はガイサックの専売特許だろう?出鱈目は止せよ、伍長。
もう暫く耐えていれば、きっと援軍がやってくるさ」
来る筈が無い。
オーウェンはそう思った。
共和国軍は混乱の極みを呈していると言っていい。
多くの部隊が本来の実力を発揮することなく、敗走していった。
今日にも、彼らの小隊はその一つとして数えられることになるだろう。

「S市を断固防衛すべし」

前線から後退してきた高速部隊の指揮官はそう息巻いたそうだ。
確かにS市は砂漠の真中に有り、重要な補給ポイントとなり得る。
西に広がる渓谷地帯には、たった一つしか橋が無い事を思えば、
その意見には益々説得力が生まれてくる。
だが、彼らが「高速ゾイド部隊による決戦」に拘った事で、
急ごしらえの防衛プランは瓦解した。
薄っぺらな防衛ラインは瞬く間に突破され、
肝心の高速部隊はろくに戦闘に参加しない内に市街地へ後退して行った。
僅かにシールドライガーDCSやコマンドウルフACが、侵入した敵を撃退したものの、
その殆どが未だに「決戦兵力」として温存されているそうだ。
エリート風ばかり吹かせる、無駄飯喰らいどもめ。
「偵察中のコマンドウルフより入電!敵部隊、前進を開始!」
前言訂正。
DCS、ウルフAC、そして偵察部隊のウルフ乗りは「無駄飯喰らい」じゃない。
少なくとも、彼らは仕事をこなしている。
「おいでなすったぞ。全機、戦闘準備せよ!」
小隊長のゴドスが塹壕から上半身を持ち上げ、砲撃態勢を取った。
オレのガイサックも尾部を持ち上げて、30mm対ゾイドビームライフルの狙撃体制に入り、
じっと「その時」を待つ。

彼方で砂塵が舞い上がった。
キャノピーからさしこむ日差しが、心なしか眩しく感じられた。

81 :名無し獣:02/05/29 00:17
たまには虫干し

82 :名無し獣:02/05/29 00:24
「ドカーん」
ゴジュラスが背中の大砲を撃った。
「うわー」
モルガはやられてしまったようだ。


83 :名無し獣:02/05/29 15:26
   「デスえもん」
共和国軍は帝国軍の陣地に向けて進撃していた。帝国軍は大騒ぎ。
プロイツェンも例外ではなかった。
「デスえもーん!。共和国軍が僕をいじめるよー!。何かいい道具出してー!!。」
「しょーがないなープロイツェン君。」
      ちゃちゃちゃちゃーん
「バナナの皮地雷!!。」
「これを敵の進路上においてごらん。敵はバナナで滑ってころんでドカンだよ。」
プロイツェンは、早速デスザウラーバナナの皮地雷を搭載し前線へ、そして共和国軍の進路上にバナナの皮地雷を置いた。
共和国は、そのバナナの皮地雷に滑って転んでドカーンを繰り返した。
「やったー!勝ったー!!。」
プロイツェンは大喜び。早速帰ろうとしたとき・・・
   つるーん ドカーン
プロイツェンまでバナナの皮地雷に滑って転んでドカンしてしまった。
「お前かー!こんなものを仕掛けたのはー!!。」
共和国軍に見つかったプロイツェンは袋叩きにされてしまった。
「デスえもーん!!助けてー!!。」

                         終劇


84 :名無し獣:02/06/04 01:52
     | \
     |Д`)   ダレモイナイ・・・
     |⊂     モウソウ スルナラ イマノウチ・・・
     |


85 :最悪の未来:02/06/04 01:53
ZAC2126年 南エウロペ大陸ガリル高原 


大地を引き裂く鋼鉄の爪
巨大な電撃牙の破砕音
耳に残るのはビームが人造コアブロックを溶かす音
しばしの待機時間は、次の惨劇までの秒読みでしかない

たった今、武器商人たちにより新しい高速タイプの四肢が届けられた
どんな狂暴な連中も、ここから戦闘兵器・ゾイドBLOXを拝領する
奴ら「グローバリー」が惑星Ziを支配する
それでも、共和国軍も、帝国軍も、彼らには欠かすことができないらしい

エウロペから野生ゾイドが駆り出されていったあの時代
死を前にした獣王と魔装竜の勇壮も、味方の盾となって散った巨象の悲劇も、すべて聞かされて育った
そして俺達子供はゾイド乗りに憧れたよ
気がついてみれば、俺達の世代が駆っている「相棒」はもはや生命体ですらないという

ウルトラザウルスは砂漠にもう動かない
デスザウラーの眷属はわたしたちが滅ぼした
最後のマッドサンダーは死んだ
ギル・ベイダーが甦ることはなかった

戦闘が終わるたびに組替えられる手足、書きかえられる絆
こいつに自慢の愛称をつけるのを、長いこと後回しにしてきた
これから始まる地獄が終わった後で
俺とセンターブロックが無事なら、いい名前をつけてやろう


86 :名無し獣:02/06/06 03:35
>>84
   |
   | ∧
   |∀・) ミタヨー
   |⊂
   |
>>85
(((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

87 :名無し獣:02/06/06 05:40
つーか、ブロックスって最悪じゃないですか。

88 :名無し獣:02/06/06 06:36
>>85
一人称は統一した方が(・∀・)イイよ。

89 :名無し獣:02/06/06 10:40
>>85
人称が気になりましたが、スゲェ。

(((((;゜Д゜)))))ガクガクブルブル

90 :名無し獣:02/06/06 16:50
>>85
いいね!
いいんだけど……すげーやだ(泣

91 :名無し獣:02/06/06 19:17
「ねえ、クラーク、あれシールドライガーじゃない?」と隣の座席に座っている
ローレンが唐突に言った。ローレンが指を指す方向をみてみると、確かにシールドライガー
が一機鎮座している。最近は滅多に見かけない代物だ。ちょっとしたゾイド
マニアを自称するクラークが車体を方向転換するまでに時間はかからなかった。
「遅れるとまた隊長にどやされよ?いいの?」と心配性のローレンが問い掛けた
がもう既に彼の耳には届いていない。やれやれ、と言ったようにローレンは
首を振ると、隊長にする言い訳を考え始めた。

シールドライガーの元に辿り着くとクラークは嬉しそうに甘美の声を上げた。
「おい、ローレン、見てみろよ!こいつぁ前大戦以前の物だぜ!しかも初期ロットだ!
機体色は通常より薄いし、腹部の形状も違うぞ。おお、たまんねぇ〜!」ローレン
は何時もの事だと思いながら、彼をちょっと離れた距離で見守っていた。もう既に、
彼のこういった一種の興奮状態には慣れている。クラークがはしゃいでいると、
「お前さん達、俺の相棒を気に入ってくれたかな?」と物陰から一人の人物が
声をかけてきた。二人が同時に振り向くとそこには濡れたタオルで顔を拭きながら
のそのそ歩いてくる人物がいた。ローレンが事情を説明すると彼、フリッツ・ジンクストン、
は色々と語ってくれた。フリッツと彼の相棒、フックの戦功や、大統領から頂いた
勲章の事。まだ新米だった頃バン・フライハイトやアーサー・ボーグマンなどの
伝説的英雄と一緒に戦った時の事。そして、使用済みだと解体処理される時、
ゾイド達が上げる泣き声にも似た声の事...クラークは基地に帰艦する間、ずっと
彼の話、そして既に亡き父の話を思い巡らせていた。

ゾイドBloxシステムが市場に登場してから数十年。戦場から整備、換装、配備
などに時間とお金がかかる旧式ゾイド達が消えていくのはそう時間がかからなかった。
すべては軍の合理化の為に。クラークは幼少のころから共和国のゾイド乗りだった親父
の愚痴を聞いて育った。昔は良かった、あの頃は愛があったなどと嘆く父親
の事を疎ましく思った時期があったが、今はなんとなくその気持ちが分かる
気がしている。肢体を取り替えられ、経験の一切を消されるブロックス達の
換装作業を見ているとクラークはやるせない気持ちになった。愛着を持たれる
事も無く、自意識の一切を省かれた道具。工場で生産され、壊れるまで酷使
され、壊れたらただ取り替えるだけのモノ。

しかし、ゾイドの個体数は確実に増えているし新種の野生種も確認されている。
生殖機能を取り除かれ、戦場で死んでいく事も無い。だがしかし、昔の英雄達が
持った絆、そして愛すべき相棒と一緒に荒野を駆け巡る一体感はもう持たれる事
は無い。どっちが正しいかは彼はまだ分からない。ただ単に、クラークは嬉しそ
うに昔話を語るフリッツが羨ましかった...

92 :名無し獣:02/06/06 20:37
>>91
(・∀・)イイ!! けど・゚・(ノД`)・゚・。

93 :名無し獣:02/06/06 20:40
自分も泣きます・゚・(ノД`)・゚・。

94 :       :02/06/06 20:42
傑作キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━ !!!!!

95 :名無し獣:02/06/06 20:43
>>85>>91
おまいらサイコー。でも・・・なんで涙が出そうになるんだろう・・・(w

96 :名無し獣:02/06/06 21:32
ブロックススレに書き込もうとしたけどやめちゃったYO

97 :撤退 ◆Husa3Z/6 :02/06/07 00:00
 半年以上も放ったらかしで、もはや、誰も読むものなどいないだろうけど、一応、続けるつもり。近いうちにけりをつけます。それまで、スレ汚しスマソ。
『風の吹き荒む戦場で(18)』

 大撤退。
 7月の事だ。共和国最後の砦、ロブ基地で行われた第二次全面会戦にて敗北を喫した帝国軍は、態勢を立て直すために一路、自国の防衛線圏内に撤退を開始した。
 当時、補給部隊をストームソーダー、プテラスボマーの混成部隊に、奇襲を受けていた帝国は、慢性的な物資不足に悩んでいた。
 短期決戦でかたを付けねば帝国は、過度に消耗する一方だと判断した末の第二次全面会戦だった。
 その会戦に敗北した帝国には、もはや戦争をする為の物資が尽きていた。
 そう、もはや撤退する為に必要な物資すら尽きている部隊もあった。
 グラハムの率いる部隊もそのうちの一つだった。グラハムの乗る角の折れたレッドホーンに、随伴の小型ゾイドが9機に歩兵を乗せたグスタフが2機。
 疲弊しきったゾイドに鞭打ち、ただひたすらに西に。
 作戦本部からの通信だけが頼みの綱だった。
 追われているのは、分かっていた。
 迫り来る共和国の高速部隊。
 どのゾイドも一発も打てる弾はありはしなかった。
 度々にしんがりを勤める為に部隊を抜けたゾイドは、誰一人、部隊に合流する事はなかった。
 後はない。本当に後はない。
 作戦本部に指定された場所で、大部隊と合流できる。
 それを信じるしかなかった。
 
 ・・・まさか、自分達が主力部隊を逃すために、すでに捨て駒なっているなどと考えてもいなかった。

98 : ◆Husa3Z/6 :02/06/07 00:03
・・・ageてもーた。
すまん。

99 :名無し獣:02/06/07 00:37
気にするな。これからも頑張っておくんなまし。

100 :撤退(2) ◆Husa3Z/6 :02/06/08 00:18
>>97
 何日の強行軍だったろうか。
 やっとの事で、指定された地点で、我々を待ち受けていたものは、静寂のみだった。
 何も無かった。
 風だけが吹いていた。
 もはや本隊は動き始めてしまっているのだろうかとも思ったが、それらしき痕跡はなかった。
 そう、最初からここに本隊など存在しなかった。通り過ぎてもいなかった。
 何故だ? と思った。
 いや、正直に言えば、薄々気付いていた。
 部下が無線で、「これはどういう事か」と錯乱気味に聞いてきた。
 無理もない。
 気付いていたのだが、そんな筈はないと自分の心を誤魔化してきた。
 もはや、誤魔化す事はできなかった。認めるしかなかった。
 自分達が捨て駒にされたのだと。
 理由は、一つ。自分がゼネバスの兵だから・・・。
 ガイロス帝国に吸収された、今は亡きゼネバス帝国の血統を持つ兵だから。
 元々、ガイロスの兵でないから・・・。
 この自分が率いる部隊で、純粋にガイロス出身の者は少ない。ほとんど元ゼネバス出身のもので固めれている。
 そういう格差が、やり方が帝国にはあった。
 それを説明するのは、あまりに辛かった。
 今度は索敵担当が騒ぎ出した。
 パッシブソナーでの索敵。ついに共和国の高速部隊が索敵範囲内に入ってきた。
 唯一、信じていたものが、信じていたかったものが崩れ去って、呆然としていた部下達は、一気に恐慌状態に陥った。
 投降も考えた。
 しかし、それはできなかった。
 下位の貴族とは言え、ズィルバー一族の名を汚すにはいかなった。
 残してきた家族に辛い思いをさせる訳にはいかなかった。

 結局、そのほとんどが志願兵である歩兵が乗っているグスタフだけ取り合えず西に向かわせた。
 ゾイド乗りは、全員残した。
 これが最後の戦いだと、ここが自分の死に場所だと覚悟した。



101 :名無し獣:02/06/15 01:11



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102 :名無し獣:02/06/15 23:30
マンコス逮捕の余波で現在ゾイド板中でマンコス厨による八つ当たりが行われています
麻原AAで板中荒らされている模様
   
マンコス厨は徹底無視の方向で    

103 :名無し獣:02/07/05 21:58
age

104 :名無し獣:02/07/10 14:02
今更ですが名無しですスティンガー氏の
刃と誇りと復讐とに奉げまつ

ルークのパーソナルカラーはこんな感じでしょか
薙旋〜
ttp://www.asahi-net.or.jp/~bf3t-usm/tmp/bl_looq.jpg

105 :名無し獣:02/07/11 16:47
>>104
カッコ(・∀・)イイ!!

106 :名無し獣:02/07/13 08:47
>>104
ジェノザウラーとの決着寸前のシーンだね。
すげーカッコイイ!


107 :名無し獣:02/07/13 17:56
http://www.asahi-net.or.jp/~bf3t-usm/tmp/bl_looq.jpg




108 :開戦前夜:02/07/24 12:59
 ZAC2098年という年は、変革の年だということが出来るだろう。
 もしくは、その後の戦争の予兆の年だということも出来るかもしれない。

 最初の予兆は、前年に死亡したガイロス帝の崩御に伴う外向けの各種の式典、つまりは皇帝の葬式や新皇帝の帝国議会の承認などへの公式の参加を共和国が表明したときに始まっていた。
 両国に対し中立をたもっていた西方大陸の国家を通して帝国に送られたこの外交文書は、共和国の和平案ともいえるおもみを持っていた。
 共和国としては、90年代になって再発する勢いだった両国間の軍事衝突の懸念を払拭する最後の機会であったはずだ。
 両国間の軍事衝突は、共和国側では軍事問題というよりもは経済問題であると考えられていた。

 西方大陸に存在した国家郡のなかで厳正に中立を保っていた国家は極めてまれだった。
 ほとんどの国家は、帝国か共和国のどちらかに程度の差こそあるものの国策として依存していた。
 それは軍事面での相互防衛保障条約という形の時もあるし、通商条約という形の場合もあった。
 ようするに、大国の力を借りて周囲の国家との各種の外交問題を有利に進めようとしていたのだ。
 だが、帝国と共和国の勢力圏の外縁部の国家にとってはそれほどのんびりとした状況ではなかった。
 そこには小規模な紛争の危険が常に存在していた。しかも、その小規模紛争が外縁部の国家を支援する帝国と共和国との全面戦争となる可能性も否定は出来なかった。
 それを肯定するように、常に小規模紛争の危機があるときは、両国の駐屯地にかなりの動きが見られた。
 両国とも西方大陸に派遣する戦力は小規模なものだったが、それが大きく増援される可能性は誰も否定できなかった。
 
 しかし、共和国にとってはこれは容認できる現状ではなかった。
 その国力を大異変からの復興にあてていた共和国は、国軍の戦力は帝国軍に大きく劣っていた。
 共和国軍も無為無策であったわけではなく、下士官の比率の向上や士官教育の充実化などによって大規模な動員を可能とする体制を作り上げようとしていた。
 共和国軍にとっては、少なくともこの体制が整うまでは帝国軍と開戦することは容認できる事態ではなかった。

 それを理解していた帝国では、共和国の外交文書を実質上無視した。正確にいえば、外務大臣級の参列を表明した共和国に対し、帝国側では、外務当局の部課長クラスの参列を許したに過ぎなかった。
 それに対し、帝国よりの西方大陸国家には、国家主席か、少なくとも大臣級の参列を要請していたから、共和国に対して悪感情を持っているのは明白だった。
 共和国側では、これに対し公式な見解は表明しなかったものの、帝国の開戦への意志を感じ取ったのは間違いなかった。
 だが、共和国では、いまだ開戦にいたるかどうかの確信は持ちあわせていなかった。
 
 ZAC2098年の秋、両国は北西方大陸の都市国家において懸案となっている紛争地帯の問題を話し合う会議を行なう事となった。
 共和国はこれに最後の和平交渉を期待し、帝国でも、西方大陸侵攻へ向けた軍の再編成への時間稼ぎを期待していた。

109 :名無し獣:02/07/25 02:49
ttp://ueno.cool.ne.jp/rockwood/
ここのバトスト硬派でかなり好きなんだが。
イラストも萌えも一切無いがめちゃめちゃカッコいいよ。

110 :開戦前夜2:02/07/25 09:27
 夢を見ていたようだ。ユリウス=フォン=マッケナ大尉は、自分が見ていた夢の内容が思い出せない
ことに少しいらだちながら目を開けた。周囲では、大尉と同じような制服を着た軍人やスーツを着た官
僚達が寝ているか、もしくは席に備え付けられている端末で何か作業をしている。
 西方大陸にここまで大規模な使節団が派遣されるのは久しぶりだから、派遣される人員のほとんどが
西方大陸を訪れるのは初めてだった。それで端末で西方大陸の現況を再確認するものが多いのだろう

 だが、使節団用に人員と各種レセプション機材を輸送するために改造されたホエールカイザーには、
あまり余剰スペースは無かった。
 大尉のような比較的階級の低い士官から、大使級の人員まで同じ部屋で輸送されているのがその証拠
だ。
 だから、席一つ一つには十分な余裕があるものの、全体としてはさほど余裕の無い部屋には、官僚達
が端末を操作する音が低く響いていた。
 その音のせいでもう一度寝る気が失せた大尉は、寝る直前まで行なっていた作業を再開することにし
た。

 その前に窓から外を見た。高度7000メートルを維持して飛ぶホエールカイザーの窓からは、霧が
ひどくて下に広がるアンダー海を見ることは出来なかった。
 北方大陸から西方大陸に向かうにつれて透明度が増していく海を見たかったのだが、海自体を見るこ
とが出来ないのでは透明度の確認などできない。
 軽く失望して大尉は端末に向き直った。
 端末には西方大陸北部の都市国家の詳細なデータが表示されている。
 ガイロス帝国陸軍参謀本部において、西方大陸の国家の情報評価を任務とする情報部三課に所属する
大尉には、共和国との開戦前に、都市国家内部につくられた情報網の組織化が命令されていた。
 西方大陸に派遣される使節団に同行しているのは、その裏の任務を偽装するためだった。

 もっとも派遣される官僚達の大半がこの事実を知っている。ようするに公然の秘密だった。
 大尉の一族は著名な外交官一家であり、祖父の代には西方大陸の国家との長年の外交に従事した事を
称えて貴族の一員となっていた。
 ガイロス帝国においては、これは名誉あることだった。古参の大貴族であっても、外交に長けたマッ
ケナ家には一目置いていた。
 だが、家族全員がほぼ外交官というマッケナ家において、末弟であるユリウスのみは軍人を職業とし
て選んでいた。
 彼にとってみれば、帝国においては外交官は、あくまでも主流にはなれない。それは帝国が軍事国家
として発展してきたからだった。
 だから軍人としての道を歩んできたのだが、大尉に外交一族という、ある意味において閉鎖された一
族の関係から逃れたいという思いがあったことは否定できない。
 そうだとすれば、今の大尉の状況は不本意なものであるはずだ。参謀本部内において、大尉を純粋な
軍人だとみなしている参謀は少ない。
 大半の参謀達は、大尉を外交部門とのパイプ役だと認識していた。意思疎通が途絶えがちな外交部門
との連絡手段としては大尉は貴重な存在だった。
 外交部門、すなわち大尉の一族の側でも、参謀本部との意思疎通手段としての大尉の存在は便利なも
のだった。
 だが、そこに大尉の意思が入る余地は無かった。
 大尉にとっては不本意なことに、軍人としての道を歩もうとしていたのにもかかわらず、純粋な軍人
として身を立てることは出来なかった。
 大尉が隊付き士官であった時期はきわめて短かった。異例なことにすぐに情報部門にまわされていた
。そこでの仕事も、半ばお飾りのようなものであり、主要な仕事が外交部門との連絡役である事は明白
だった。
 誰にも言うことは無かったが、大尉は心の内では戦闘部隊への配置を願っていた。

 端末に向かっていた大尉がふと顔を上げると、周囲の官僚達が荷物をまとめようとしていた。
 それと同時に下向きの加速度を感じる。いつの間にかホエールカイザーは目的地である中立都市国家
に到着したようだった。
 大尉は素早く荷物をまとめると下船の用意をした。そこには大尉が戦うべき戦場が待っていた。

111 :開戦前夜作者:02/07/25 09:28
下げミス・・・

112 :名無し獣:02/07/25 20:41
お、なんだかかっこいい。がんばってくだせい

113 :開戦前夜3−1:02/07/27 20:39
 ホエールカイザーから下船したマッケナ大尉は、まず西方大陸の暑さに圧倒されていた。
 この中立都市は、海に近いところにあったから風が強く、まださほど暑さを感じる事は無いといわれているのだが、北方大陸から来た大尉たちにとっては、とても暑いことに変わりは無かった。
 共和国との会議は数ヶ月かかることが予想されていた。両国の主張は平行線をたどっていたからだ。
 ともに、会議の結果を本国に打電し、本国からの訓示をもとに相手国への主張を練り直す。この過程何度も繰り返されるものと予想されていた。
 だから、帝国の使節団はこれから数ヶ月間はこの暑さに悩まされる事になる。その事に気が付いた団員たちはけだるそうな表情を浮かべていた。
 そのなかで、マッケナ大尉だけがいつもと変わらない顔をしている。
 大尉は、親の外交官という仕事上、帝国を離れる生活が長かった。そのなかには、西方大陸南部の都市国家での生活もあったから、当然他の団員たちよりも西方大陸の暑さに離れていた。
 そんな大尉を、うらやましそうな表情で同僚の随行武官が見ていた。
 それを尻目に、大尉はきょろきょろと周囲を観察していた。


114 :開戦前夜3−1:02/07/27 20:42
 ホエールカイザーが着陸したのは、都市国家の空港の外れだった。
 この国家の軍所属のゾイド部隊が近づいているのが見えた。ゾイド部隊は、このあたりでは珍しくも無いゴドスで編成されていた。だが、ところどころにイグアンの部品が使用されているのが見えた。
 ようするに、純粋な交換部品が手に入りづらいということなのだろう。
 そのゾイド部隊と一緒に、政府高官らしい一団が近づいてくるのが見えた。背後には彼らを輸送してきたらしい中型の車輌が待機している。
 一団は、使節団のところまで歩いてくると、丁重に使節団の団長達にあいさつをはじめた。
 大尉はそれを見ると、一歩離れた位置に移動した。この都市にも子供時代住んでいた事があり、父親の仕事の関係で政府高官とも面識があった。
 知人と会うと面倒くさいから、大尉は団員たちのかげに隠れた。それに、参謀本部からの情報網の組織化という命令を遂行するためには目立たない方がよかった。
 だが、団員のかげに隠れた大尉に近づいてきた男がいた。男は、この都市国家の軍の士官用制服を着用していた。
 それに、何が面白いのか満面の笑みを浮かべていた。大尉には、とても愛想笑いには見えなかった。
 男は大尉に近づくと敬礼しながらいった。
「都市国家防衛軍、戦略情報局のラインハート准将です。ガイロス帝国陸軍参謀本部二部三課のマッケナ大尉ですな」
 大尉は驚きながら返礼した。本来なら大尉の方が先に敬礼をするべきなのだが、大尉は気勢をそがれていた。


115 :開戦前夜3−3:02/07/27 20:44
 この都市国家の防衛軍は、将官クラスの層が薄かった。具体的に言えば、将官として数えられるのは准将と将軍のふたつしかない。
 これは、防衛軍の規模自体が小さいためだった。つまり、将官が大量に必要になるほど組織が分化されていないのだ。
 だが、これは西方大陸国家の軍隊としてはむしろ大きな部類に属していた。
 西方大陸国家の大半が都市の防衛を傭兵部隊に委託しており、防衛軍は傭兵の雇用組織か小規模な治安維持戦力のみという国家が普通だった。
 傭兵という職業そのものは、この惑星Ziにおいては西方大陸に多かった。
 賞金稼ぎのような荒事を専門とするものはどの大陸にもいたが、組織として戦闘を生業とする傭兵部隊という存在は、軍隊がまだ曖昧な組織であり続ける西方大陸独自のものだった。
 ひとくちに傭兵といっても、なかば特定の都市国家の軍隊化した大規模なものから、山賊と大して変わらないものまで千差万別だった。

 そのなかで、この都市国家が独自の戦力を保有する事が出来たのは、この都市国家が帝国と共和国の勢力が均衡する場所に存在したからだ。
 この国家は、表向き対立しあっているため貿易がしづらい帝国と共和国の間の貿易を行なうことで国家規模を拡大していった。
 だが、いくら独自の戦力を保有するとはいっても、帝国軍の編成で一個師団あるかないかという規模の軍でしかない。
 そのなかで准将の階級を得るのは並大抵の事ではなかった。
 ラインハート准将はどう見ても40代だったから、これは相当なエリートであると考えてよかった。
 だが准将は、それを感じさせないような穏やかな笑みを浮かべていた。

116 :開戦前夜作者:02/07/27 20:50
いや・・・馬鹿ですな、私(汗
114のタイトルは「開戦前夜3−2」です・・・
長いらしいので三分割です。

>112
あーこういうのがとっても有りがたいです、書いてるとそう思います
えっと、これからもだらだらと長い文章を書き連ねる事になりそうですがこれからもよろしゅうに

でもバトルないです・・・バトストじゃないかも

117 :名無し獣:02/07/29 00:06
>でもバトルないです・・・バトストじゃないかも

そこがイイ! んだと思います。
他との差別化の意味でも。

118 :開戦前夜4−1:02/07/31 09:48
 ガイロス帝国とヘリック共和国の間で開かれている会議は、開始から一ヶ月近くたっているが進展は無かった。
 マッケナ大尉は、数日前に開かれた何度目かの予備交渉のことを思い出していた。
 その交渉は、予備とはいいつつも実際は本会議と何一つ変わる事は無かった。
 参加者は双方とも軍部の代弁者だったからだ。建前ではこの会議は通商交渉ということになっているから、むしろ予備交渉である軍事会議の方が重要であるともいえる。
 いってみれば、本会議である通商交渉そのものが世論へのダミーであり、実際に重要視されているのは、最近多発している紛争問題を話し合う予備交渉なのだった。
 カモフラージュのために通商交渉の方にも大使級の文官をあてて使節団団長としているが、実際に指揮権を有しているのは予備交渉に出る参謀本部勤務の将官だった。
 
 その予備交渉では、会議の開始から一ヶ月近くたった今でも両国の歩み寄りは見られなかった。
 そもそも、実際に交渉に当たる使節団にそれだけの権限は無かった。両国ともに、会議の結果を本国に転送して指示が出される事になっているのだが、それが実際に会議にフィードバックされるのには時間がかかっていた。
 本国から回答が戻ってくるのにおそろしく時間がかかったからだ。
 マッケナ大尉は、本国である北方大陸と西方大陸との間の物理的、精神的距離を感じずにはいられなかった。


119 :開戦前夜4−2:02/07/31 09:52
 大尉たちが会議が行なわれている特設会場からホテルに戻ると、ロビーにラインハート准将が待っていた。
 ラインハート准将は、あれから事あるごとに帝国軍の将校たちに会いに来ていた。
 准将は、いつもくだらない話をして帰っていった。自分の武勇談を話す時もあるし、北方大陸と中央大陸や西方大陸の食事習慣の違いを話す時もあった。
 若手の士官たちは、最初の頃こそ会議とは関係の無い話しかしない准将を敬遠していたが、しだいに博識で話し上手な准将に引かれていくようだった。
 今日も、笑みを浮かべながら会釈をする准将の周りに若手の士官たちが近づいていく。
 彼らの上官は、それを苦笑いしながら見ている。准将の人格は、彼らから見ても非常に魅力のあふれるものだった。
 上官にしてみれば、若手の士官たちには自分達とは違う環境の軍人をみることがよい勉強にもなるだろうと考えているようだった。
 だが、マッケナ大尉は准将にどこかきな臭さを感じていた。准将は情報畑の人間である。くだらない話の中からでも帝国の情報を入手するだろう。
 もっとも、若手士官もそれぐらいは承知していることだろう。でなければ彼らの上官が止めている。
 それに、都市国家の防衛軍に所属する准将にとって帝国軍士官をもてなし、彼らの安全を確保するのは任務でもある。
 今も密かにこのホテルを防衛軍戦略情報局の部隊が守備しているのは間違いなかった。
 しかし、マッケナ大尉は、准将の態度がその任務ゆえのものなのか計り兼ねていた。

 その日、マッケナ大尉が部屋に戻ると、端末に通信が届いていた。時間指定の通信の内容を見た大尉は眉をしかめた。
 そこには、共和国の軍事情報が記載されていた。

120 :名無し獣:02/08/02 00:05
朝早くからご苦労様です。続きが楽しみだー。

121 :開戦前夜5−1:02/08/03 11:35
 マッケナ大尉は、最初にその通信の履歴を探り出そうとした。しかし、わかったのは通信を送った場所はこの都市内らしいという事だけだった。
 都市国家としては規模の大きいこの都市では、通信を送れる場所は決して少なくない。だから、それだけの情報から送り先を特定する事は難しかった。
 通信の本文は、単なる数字の羅列に等しかったから、文章の書き方から送り主を特定する事も出来ない。
 マッケナ大尉は頭を抱えながら本文の内容を確認していった。

 だが読み進めていくうちに、マッケナ大尉は次第に内容にのめり込んでいった。
 その内容はそれだけ興味深いものだった。
 そこには、共和国軍の動員体制が記してあった。それは、兵員の数だけではなく、現在の充足率と近い将来の推移や兵員が使用すべき兵器の量産体制にまで踏みこんだ詳細なものだった。
 それを見ながらマッケナ大尉は首を傾げた。それは、単なる一時情報ではなく、かなり熟練した情報分析官によって加工された情報だった。
 これだけの情報の加工が可能な組織は限られているはずだった。
 最後まで見終わると、マッケナ大尉は何重にも暗号をかけて本国へ送った。一瞬迷ったが、マッケナ大尉自身の所感は追記せずに、情報を入手した経過だけを送った。


122 :開戦前夜5−2:02/08/03 11:38
 それが終わると、通信文の内容をもう一度確認した。
 マッケナ大尉は、この通信の内容を疑っていた。この通信では、共和国軍が本格的な予備役動員に踏み切ってから、共和国全体の国家総動員体制が整うまでの時間がずいぶんと短かった。
 もちろん、いままでの帝国陸軍参謀本部の見解と比べてであって、不自然なほどではない。
 その理由としては、この通信では共和国軍の下士官の比率を挙げていた。現在の共和国軍は下士官の層を熱くしようと躍起になっていた。
 これは、いざという時に兵員数を大幅に増やすためである。
 つまり、教育に時間のかかる下士官を平時に十分な数確保しておき、いざという時は短時間で教育の完了する兵隊を大量に動員するというものだった。

 参謀本部の見解と通信の違いは、下士官の増員が終わるまでの時間だった。通信の方は、参謀本部の見解と比べて数ヶ月早かった。
 だが、これが帝国首脳陣に開戦を思いとどませる事は無いだろうとマッケナ大尉は考えていた。
 むしろ、これは参謀本部の作戦を早まらせる結果にしかならないだろう。
 このような動員体制が共和国軍で確立してしまえば、絶対的な国力で負けている帝国が戦争で勝利する確率が大幅に低下するからだ
 だから、参謀本部はこの動員体制が整う前に共和国軍を撃破しようと考えるだろう。
 そこまで考えてマッケナ大尉は冷や汗を感じた。
 ひょっとするとこの通信の送り主は両国を戦わせたいのかもしれない。そう感じたからだった。

123 :開戦前夜6−1:02/08/04 11:50
 帝国と共和国との間で開かれていた予備交渉に大きな動きが現れたのは、マッケナ大尉が通信を受け取ってから二週間後の事だった。
 その日の会議は、いつものように会場に入った帝国側代表団を、共和国側代表団が一方的に糾弾する形で始まった。

 共和国は、帝国軍西方大陸駐留部隊への大規模な司令部スタッフの増員を問題視していた。
 それは、近い将来に西方大陸駐留部隊が派遣軍へと改編されることを見越した上での人事だった。
 すなわち、大幅に増員される部隊を統一指揮するために司令部機能を強化しようとしていたのだった。
 軍クラスを指揮できる司令部は、それだけで一つの兵器だといってもいい。だが、それだけに司令部スタッフが任地の状況を把握するのに時間をかけることが必要だった。
 だから帝国軍は、開戦予定を半年ほど前にして派遣軍司令部に着任予定の参謀を駐留部隊に派遣したのだった。
 共和国は、この人員異動を帝国側の明確な戦争準備であると非難した。
 たしかに、駐留部隊の司令部人員は、部隊規模に比べると不自然なほど大規模なものとなっていた。
 だが、外部に公表されている程度の情報から司令部人員の増派を断定するのには、かなりの分析が必要のはずだった。
 だから帝国軍では人員異動を偽装する事はしなかったのだが、共和国側はその人員異動を正確に把握しているようだった。
 しかも、共和国のいう戦争準備というのは、帝国の意図している事に違いは無かったから、これを単純に否定するのは難しかった。
 というよりもは、司令部の増員はこれが指揮すべき部隊の増員に他ならないから、司令部の増員がもれていた時点でこれを否定するのは不可能だった。


124 :開戦前夜6−2:02/08/04 11:54
 結局、帝国代表団は司令部の増員を完全否定することはできずに、事実内容を本国に照会する形で共和国を納得させていた。
 そして代表団は会議の終了後、特設会場からすぐにホテルへと戻り、中核スタッフは今後の対策を協議することになった。
 対策会議が始まってすぐに、情報部に所属するマッケナ大尉への非難が始まった。
「情報部は情報の漏洩に責任を持つべきだ。何らかの形で司令部人員異動の情報が共和国に漏れていたのではないか」
 そういう団員の一人にマッケナ大尉は冷ややかな視線を向けながらいった。
「情報の漏洩は情報部の責任ではないのではないか。そもそも西方大陸駐留軍の司令部人員異動については情報は常に公開されているものであったと記憶していたが
 責任をいうのならば、偽装も施さずに、杜撰な計画によって人員異動を行なった作戦部と実施部隊こそその責を負うべきではないのか」
 マッケナ大尉の反論に、参謀本部作戦部から派遣されていた団員が蒼白な顔をして立ち上がった。
 今にも大尉にその団員が掴みかかろうとしたところで団長が制止した。
「そもそもこの協議は今後の方針を話し合うために設けられたはずだ。もちろん先程の交渉の内容は本国に転送している。
 この協議では本国への代表団としての意見をまとめるものとする。責任論を論ずるのはすべてが終わった後になるだろう」
 団長の仲裁に、その団員は渋々席に戻った。

125 :開戦前夜6−3:02/08/04 12:02
 それからも、協議は遅々として進まなかった。全員が共和国のここに来ての強引な態度に戸惑っているのだった。何故共和国があれほどの自信を持っているのかがわからなかったといってもよかった。
 だが、マッケナ大尉は何となくその理由を推察していた。
 おそらく共和国側にも大尉に送られてきたのと同じような通信が届いたのだろう。そして、その情報の裏をとった共和国は確信をいだいたのではないだろうか。
 つまりは、間違いなく通信の送り主は帝国と共和国の間に不信感を抱かせたいのだ。
 そこまでを推察しながら、その後が大尉にもわからなかった。
 一体誰がその通信で得をするのだろうか。開戦を避けたい共和国や中立都市国家ではありえない。常識的に考えてしまうと一番得をするのは帝国という事になってしまう。
 それとも第三の組織が存在するのだろうか。
 マッケナ大尉はため息をつきながら窓の外を見た。この小さな都市国家のなかには陰謀の蜘蛛の糸が張り巡らされているような気がしていた。

あらためてみると私の文章は読みづらいですね・・・
あと一人はさびしいです・・・こう私のお目汚しが連なるとうつです

126 :名無し獣:02/08/12 13:36
>125
そんなことないよ。楽しみに読んでいます。
がんがってください。

127 :開戦前夜7−1:02/08/14 13:18
 マッケナ大尉は目の前に立っている男の顔をみつめていた。
 男は不動のまま大尉の前にたち続けている。おそらく大尉が何か言うまでずっとその姿勢をとり続けるのだろう。
 軽い頭痛を覚えながら大尉はいった。
「ミュラー軍曹、では君は部長の依頼で派遣されたと解していいのだな?」
 その男、ミュラー軍曹が答えた。
「はい大尉、自分は情報部部長の命により本日付けで大尉殿の護衛任務に当たります」

 ミュラー軍曹が大尉のもとに来たのは昨日のことだった。昨日、大尉が部屋に戻るとすでに室内には軍曹が待機していた。
 軍曹は一応は無礼を詫びていたが、彼の態度はそれと正反対だった。
 大尉は、軍曹の任務は自分の監視であると思っていた。
 参謀本部に属しながら、外務部との交流も深い。そんな立場にいる大尉がこの微妙な状況下でどちらに付くのかがわからない。
 だから、まだ外交部門と全面的に反目した状況下にあるわけではない今のうちから監視を強めていこうというのだろう。
 そう大尉は軍曹の立場を考えていた。

128 :開戦前夜7−2:02/08/14 13:21
「では君は私の指揮下に入ると解釈してよいのかな」
 意地悪そうな顔で大尉はいった。
 いずれ共和国との交渉方針の食い違いから参謀本部と外務部は対立姿勢を強めるはずだった。
 外務部としては、中立国家の説得につかうための開戦にいたるまでの確固たる理由を求めていたし、参謀本部は、今までの戦時体制への移行を破綻させるような譲渡には応じられないはずだからだ。
 だから、参謀本部は外務部と接触し情報を流しかねない大尉の存在を気にしているのだろう。
 そう考えると、軍曹が大尉のいうことを素直に聞くとは思えなかった。
「自分に命令できるのは、情報部部長だけということになります。大尉の命令は要請というかたちで自分が判断します」
 杓子定規ともいえる軍曹の回答に大尉は呆れながらいった。
「なるほど、参謀本部の部員以外との接触は禁止かな。君達は国が滅んでも任務に忠実なのだろうな」
 さすがに、軍曹は顔を赤くしていった。
「大尉の身の安全を考えていっております。確かに監視という意味もあるでしょうが、部長から大尉の護衛を命令されたのは事実です」
 それに、素直にうなずきながら大尉はいった。
「君の立場は理解している。その上で君に頼みたい事がある。座りたまえ」
 軍曹をいすに座らせると続けた。

129 :開戦前夜7−3:02/08/14 13:25
「参謀本部内部でも私を疎んじている勢力があるのは承知している。正直に言うが、私自身も立場を決めかねている」
 驚いたような顔で軍曹が大尉をみつめた。この男は監視役だと認識している筈の自分に何を言っているのだろうか。
「そこでだ、しばらくの間私は任務を離れてこの都市の状況を探りたい」
 軍曹は絶句した。いくらなんでもこれは任務の拡大解釈だ。
「それは・・・無茶です。そもそもこの都市の状況を調べてどうなさるのですか」
「すでに報告はいっているとと思うが、私宛の通信はこの都市内から来ていた。
 さらに先の会議で共和国がわが軍の状況を急に知った直前には、特に本国からの通信量は増大していないと報告が来ている。
 つまりは共和国も私と同じルートで情報を得た可能性が高い」
 軍曹は大尉の護衛任務よりも自分の好奇心を抑えきれずに、首を傾げながらいった。
「しかしそんな事をして得をする集団があるとは思えませんが」
「そのとおりだ、だからこそ調べなければならないんだ。両国に開戦を迫る事でその組織、もしくは個人はどんな利益を得るのか。
 それこそが情報部の仕事だ」
 大尉の話を聞いた軍曹は明らかに迷っていた。おそらく彼の内面では任務と好奇心が戦っているのだろう。
 だが、いずれ軍曹は大尉に従うはずだ。ミュラー軍曹も大尉と同じ性質を持っているからだ。
 好奇心が強く、最終的な目的のためには手段を選ばず、何かを犠牲にすることもいとわない。
 大尉は覚めた目で軍曹をみつめていた。

自分で書いててよく分からない罠

130 :名無し獣:02/08/16 23:59
>129
最後でちょっとワラタ

いま、BLOXについての思いを反芻しながら書いてます。
ゾイドじゃないとか言われてますが、素晴らしいところもあると思うのですよ。

131 :開戦前夜8−1:02/08/19 10:56
 マッケナ大尉とミュラー軍曹は二人で街中を歩いていた。
 独立都市国家のなかでもそこは中心街から離れ、中流階級が住むところだった。
 それだけに夕方の今は活気があふれている。一日の仕事を終え帰宅する人々が夕食の買出しをしている露店市場の中で、大尉たち二人は完全に浮かび上がっていた。
 何が楽しいのか笑みを浮かべながらあちらこちらの露店を覗き込みながら歩いているマッケナ大尉はともかく、周囲に厳しい目線を投げかけて警戒を怠らないミュラー軍曹は逆に周囲から警戒される存在になっていた。
 この場ではマッケナ大尉は護衛するのには難しい存在だった。
 露店で立ち止まって店主と話し込んでいたかと思えば、次の瞬間は素早くとおりを横切っていく。ミュラー軍曹は当惑しながら大尉を追いかけるしかなかった。

 都市国家の調査をマッケナ大尉が宣言してからすでに二週間が過ぎていた。
 最初の一週間は自室で端末をいじって何かを調べていた。その間部屋から一度も出る事は無く、食事も最低限しかとらなかった。
 一週間がたち軍曹がいいかげん大尉の身体を心配し始めた頃にようやく部屋から出てきた大尉は、軍曹をつれてここと似たような市場へと繰り出した。
 最初はミュラー軍曹も食事にでも来たのだろうと思ったのだが、それから一週間ものあいだ二人は市場を歩き通していた。
 ミュラー軍曹は困惑したまま大尉についていく事になった。
 マッケナ大尉は何をするでもなく食事をとり、露店の店主と話し込むだけなのだ。
 その姿からは何かを探している雰囲気があったが、軍曹にはあまりまじめに取り組んでいるようには見えなかった。

132 :開戦前夜8−2:02/08/19 11:00
 ふとミュラー軍曹が気が付くと、マッケナ大尉はありふれた飯屋の前で軍曹の方を見ていた。
「今日はここで晩飯を食うとしよう」
 ミュラー軍曹の返事を待つ前に、マッケナ大尉は一人でさっさと飯屋の中に入っていた。ミュラー軍曹の意向を聞くまでも無く店の親父に二人分の注文をしている。
「すまないがダワフリという男を知らないか?」
 注文を終えたマッケナ大尉はそういった。すでに調理済みの料理を差し出しながら店の親父は首を振って答えた。
「さあねぇ、そんな名前この辺じゃありふれてるから特定するのはできないな。そういえばたしかあの露店の親父の名前もダワフリだったよ」
 愛想のいい店主に礼を言うと、マッケナ大尉は素早く飯を食った。
 ミュラー軍曹が食べ終わるのを待ってマッケナ大尉は店を出たが、飯屋の親父に教えてもらった露店へは行かずに通りを歩いていった。
 さすがに疑問を覚えてミュラー軍曹はマッケナ大尉に質問した。
「大尉はダワフリという男を捜しているのではないのですか?」
「そうだが、それがどうかしたのか」
 大尉は人気の少ない裏通りに入って、軍曹に向き直った。そして今までの愛想のいい表情を消した。
「なぜ店の親父が教えてくれた露店へ行かないのですか。人違いだったとしても、少なくとも話を聞いてみるだけの事はあると思いますが」
「勘違いするな軍曹。私が探しているのはダワフリという存在であって、特定の人物である可能性すら疑問だ」
 ミュラー軍曹は混乱しながらいった。
「私には意味がつかめませんが・・・」
 マッケナ大尉は話はこれまでというかのようにまた愛想のいい表情になって表通りを歩き出した。
「今にわかる」

 もう日も暮れた頃になって、二人は広場のベンチに座っていた。周囲では、市場からあふれた露店が立ち並んでいたが、さすがにこの時間になると露店をたたんで店じまいをする店主が多かった。
 行商人の格好をした男が二人に近づいてきたのはちょうど最後の露店がたたまれた頃だった。
 その男は笑顔を見せながら二人に話しかけてきた。外から見れば、売れ残りを最後の客に売り込もうとしているように見えただろう。
「ダワフリを探しているのは旦那達か」
 男は満面の笑みを顔に浮かべていたが、目だけは冷たい光を放っていた。

133 :開戦前夜作者:02/08/19 11:04
>130
コミケ帰りでラリった頭で書いていたのでよくわかんねぇとか・・・

BLOXネタは自分もいつかは書きたいですね
兵器としてみたときとか、意外に誰も書いていない気がします
パイロットとの触れ合いとかが難しそうではありますが・・・

134 :開戦前夜9−1:02/08/24 18:22 ID:???
 冷ややかな視線を二人に投げかける男にただならぬものを感じて、ミュラー軍曹はマッケナ大尉の前に立とうとした。
 それを手で制すると、マッケナ大尉は男にいった。
「君がダワフリかな?」
「質問に答えてほしい。旦那がダワフリを探しているのか」
 マッケナ大尉がうなずくと、男は目を細くして大尉を見た。
「ダワフリに何の用があるんだ?」
「君こそ質問に答えて欲しいな、君がダワフリなのか」
 男はため息をついて周囲を見渡した。広場からは次第に人が少なくなっていった。
「そうだ俺がダワフリだ。ああ、あんたは自己紹介しなくていいぜ。旦那がマッケナ大尉でそっちがミュラー軍曹だろ」
 ミュラー軍曹は驚いて男をみつめた。いったいこの男は何者なのだろうか。
「そっちの旦那がどっからみても軍人さんだから旦那達の正体はすぐにわかったぜ。けど、逆に目立ちすぎて話しかけるタイミングを見つけるのに手間取ったよ」
「それはすまなかったね。さてと、仕事を頼みたい。勿論、時間外手当ぐらいは出す」
 まるで旧知の友人かのように親しく話し合うマッケナ大尉と男に疑問を抱いて、ミュラー軍曹は二人に割ってはいった。
「ちょっと待ってください大尉。この男は何者なのですか」
 男をミュラー軍曹がにらみつけていると、男は逆に不思議そうな顔で二人を見た。
「なんだ、大尉の旦那は俺の事を言わずにそっちの旦那を連れまわしていたのかい。やっぱりそっちのはただの目印だったんだな」
 ミュラー軍曹は一瞬何を言われたのかわからなかったが、目印というのがどうやら自分の事らしい事に気が付いて顔を赤くした。
 そのまま止めないと男を殴りかねない雰囲気だったが、男は平然とした顔をしていた。
 マッケナ大尉はそれを見ながら、困惑したような顔をしていた。
「そういえば言わなかったか・・・ダワフリというのはこの都市国家内から帝国に情報を流している部外協力者だ」
「意外に共和国よりも帝国の方が情報料は高いんでな・・・おいおい、そんな顔をするなよ。別に俺は二重スパイじゃないんだぜ」
 部外協力者と聞いた瞬間ミュラー軍曹の目に浮かんだ不信感を感じて男がいった。


135 :開戦前夜9−2:02/08/24 18:25 ID:???
「ところで旦那、もしこの都市国家の軍警察に俺の立場がばれたらかくまってもらえるんだろうね。その覚悟もなしに俺を探したわけじゃないよな」
「それは安心していい。いざとなれば帝国使節団のローカルスタッフとして採用するから最低でも身の安全は保障できる」
 そうマッケナ大尉が言うと、男は満足そうにうなずいた。
「ついでに聞きたいんだが、なんで俺がこの辺りに住んでいるとわかったんだ」
「ああ、そのことか、半年前に君が送ってきたこの都市で起こった事故の報告がきっかけでね。君の報告は正しすぎたんだ」
「あの軍施設で起こった連絡機の墜落事故の報告か」
「そうだ、報告の詳細さから考えると、連絡機のペガサロスの墜落から少なくとも五分後には君は現場に到着して野次馬の仲にいなくてはならない。なのに、君は墜落の瞬間この場所にいたはずだ」
 男は目を丸くしてマッケナ大尉を見つめた。
「なんでその事を知っているんだ」
「墜落地点と周囲の施設を考えると、墜落直前を確認できる場所はここしかない。ここは周囲から一回り高くなっているから建物の間に墜落したペガサロスを確認できる」
「なるほどな、旦那はずいぶん下調べをしたらしいな、たしかにこの辺に住んでるものでなきゃ五分くらいじゃあそこまでいけないからな」
「一週間も部屋に閉じこもって地図と格闘したよ」
 大尉が大袈裟に困ったような顔をすると、男は笑みを見せた。
「旦那はよくわからんが面白そうな人だな。で、何を聞きたいんだ」
「この都市国家の現在の政情について詳しく知りたい。どんな派閥がどんな考えを持っているのか・・・」
 男は顔をしかめながらいった。
「難しいな・・・一ヶ月はみておいてくれ。とりあえず情報を入手したら旦那に連絡するよ」
 それだけいうともう男は二人から離れていった。その姿はもうスパイの印象は消えうせ、どこからみても売れ残りを抱えて困っている行商人にしか見えなかった。
 話から取り残されていたミュラー軍曹は、男が通りから姿を消すまで厳しい目でみつめていた。

136 :85:02/09/26 02:24 ID:???
長いのは初挑戦ですがちょっとやってみます。
主役機はBZ001レオブレイズ。


137 :獅子を育てた男:02/09/26 02:41 ID:???
「ようこそ、ドラムフラー基地へ。わたしが一応の責任者です」
 高速走行から解放されたバトルローバーの熱量が蒸気に変じて立ちこめる。
 そのハンガーの中で、なんとか油を落としたつなぎの格好で挨拶をする男はカレル・リネ、階級は中尉。
 後部シートから降りたもう一人の男が返礼をした。
「しばらくお世話になります。戦闘用に改造されてもやっぱりローバーの脚さばきは心地良い。我々の商品は半日後の到着になりますが、それまでにハンガーを拝見させていただいてもよろしいでしょうか」
 そこまで一気に喋り終えると、男は顔いっぱいの汗を拭いた。茶褐色の肌だが、地底系とも違う。 彼が生粋のエウロペ南部生まれであることは、一度も大陸を出たことのないカレル中尉にもすぐに見てとれた。
 ここ数日降り続いた長雨も、まるで太陽の国からやってきた彼を出迎えるかのように今朝方ぴたりと止んでいた。
「構いませんとも、丁度手が空いたところで。ええと・・・」
「おっと失礼。わたくし、ナカセインダストリー・ニューヘリックシティ支部第1営業部から参りました、ジョー・シャラーと申します」

138 :獅子を育てた男−2:02/09/26 02:49 ID:???

 2人は片隅に設けられた一応の応接室へと歩き出した。
「御社からは、当基地に見えるのがお一人とは伺っていませんでしたが」
 NAKASE Industory。新興であるにも関わらず、共和国機動陸軍の次期主力機
 ──RZ−57スナイプマスター──の開発において大部分を任されたエウロペ系のメーカーである。
 RZ−57と同時に開発された3種のCP兵装は、技術部に感嘆の声を挙げさせたに留まらず、ニクス大陸の前線でも高い評価を受けていた。
 留守番部隊しかいないここデルポイ大陸にも数点が回ってきていたため、カレル中尉は挨拶がてら「全方位ミサイルユニット」に関する賛辞を述べようと考えていたのだが、それは遮られてしまった。
「ほかの人間は後ほど・・・と、少しいいですか!?」
 彼が単独でやってきた説明を中断し、有無をいわさず整備区画へ駆け出していってしまったからである。
「ミ、Mr.シャラー?」
 大自然のなかで育ったエウロペ人特有の俊足で突進していったシャラーは、綺麗に磨き上げられた高速戦闘ゾイド群の前で立ち止まった。

139 :獅子を育てた男−3:02/09/26 02:53 ID:???

「彼らが、どうかなさいましたか?」
 追いついたカレル中尉は思わず怪訝な顔をしてしまう。
 見上げるシャラーの顔は、なにか共感のようなものに溢れていた。
「ああ、申し訳無い。喜んでいるゾイド達を見ると、いてもたってもいられなくなってしまうもので」
「喜んでいる?」
「たとえばこのライガーです。磨き上げられたこの蒼い装甲からは腐食斑点が全く見当たらない。取りつけハードポイントのゆがみも無い。しかも関節キャップと脚部フレームの隙間からはキレイに埃が取り除かれている上に潤滑グリスも適量」
「まあ、規定どおりに整備を行う自信はありますが」
「まさにカンペキだ。地元の技師連中に見せてやりたいッ!これがゾイドを愛しているという整備だ」
「Mr.シャラー、貴方はこのシールドの状態に特別感じ入るところでも」
「ええ」
「今は駐機して20分も過ぎる頃合いで、コアは自動的に睡眠モードに移行してるはずですが、こいつが喜んでいると仰るのですか?」
「もちろん。きっと良い夢を見てるはずだ。貴方はこのライガーを見て何も感じませんか?」
 そうか。
 納得がいった。
 シャラーがメカ生体の精神波を素直に受けやすい、いわゆるゾイド乗りに適した人種であるとわかったカレル中尉は、エウロペから来た変人に答えた。

「私は生まれつき、ゾイドの意志というものを感じることができないのです」

140 :85:02/09/26 02:58 ID:???
なんとか形になってきたBLOXネタです。
なんか意味もなく長くなってしまいそうで不安ですが。

8月なかばから「開戦前夜の方」と自分しかいない状況っぽいのは寂しいかも・・・


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>>997やれやれだぜ。
                   >>998やれやれだぜ。
                   >>1000 てめーの敗因は・・・たったひとつだぜ・・・>>1000・・・たったひとつのシンプルな答えだ・・・・・・・・・

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